認知症 サポーター活用を視察
安心の地域づくりへ 積極的な声掛けなど進める
三重・松阪市で党推進本部
認知症の人が安心して暮らせる地域づくりに向け、公明党認知症施策推進本部(本部長=古屋範子副代表)は28日、認知症の人や家族を手助けする「認知症サポーター」の活用を進める三重県松阪市を視察した。同推進本部の古屋本部長、里見隆治事務局長(参院議員)、鰐淵洋子衆院議員、下野六太、安江伸夫両参院議員、党三重県本部(代表=中川康洋前衆院議員)の議員らが参加した。
認知症サポーターは、2005年度に厚生労働省が創設したボランティア制度。自治体や企業などが実施する原則無料の養成講座を受けることで資格を得られる。政府は20年度末までに1200万人のサポーターを養成する目標を掲げており、9月末時点で1192万人を突破した。公明党は今後の課題として、役割の明確化や活躍の場の拡大などを訴えている。
人口約16万人の松阪市は、今年3月末のサポーター登録者が累計2万4240人。その上で、認知症の人が暮らしやすいまちづくりを住民主体で進める観点から、積極的に地域貢献したいサポーターに対し、09年度から「高齢者安心見守り隊」の養成を行っている。
見守り隊の養成は地域包括支援センターが実施。現在、登録者は約1100人いる。隊員は地域ごとに自分たちができることを話し合い、声掛けやごみ出し支援、声掛け・見守りの模擬訓練などに取り組む。
視察では、見守り隊が声掛けの訓練を実演。一人で歩いている認知症の人に扮した隊員に対し、声掛け役の隊員が「どちらへお出掛けですか?」「休憩してお話ししましょうか」などと優しく話し掛け、引き止めるまでを熱演した。また、一行は住民らと意見交換し「認知症を個人・家族の問題ではなく、社会全体の問題と考えて対応するべきだ」などの声を聞いた。
古屋本部長は「住民が積極的に認知症への問題意識を持ち、認知症の人に関わろうとする取り組みが広がるよう後押ししたい」と語った。