助成する自治体へ財政支援
制度創設を公明がリード
県本部一丸の取り組み実る
愛知県
愛知県は本年度から、がん治療に伴う外見変化に悩む患者を支援するため、医療用ウィッグ(かつら)などの購入費助成を行う市町村に対して、財政支援を始めた。県から市町村への補助制度創設は公明党県議団(木藤俊郎団長)が繰り返し要望してきたもの。各市町の公明議員も、首長への要望や議会質問で購入費助成制度創設を求めるなど、県本部一丸で推進してきた。
補助制度は、医療用ウィッグと乳房補整具(補整下着、補整パッド、人工乳房)を購入する患者に対し、市町村が購入費を助成した場合、その助成額の半分を県が負担する。1件当たりの補助額の上限は県と市町村の合計で2万円。公明党の県議団と県本部女性局(局長=長谷川由美子・名古屋市議)が2020年11月、大村秀章知事への予算要望で、医療用ウィッグなどの購入費助成を求めたのが運動のスタートだった。その後、がん患者と家族を支援するNPO法人「ミーネット」の花井美紀理事長、患者団体「若年がんサバイバー&ケアギバー集いの場 くまの間」の加藤那津代表と意見交換を行った。これを受けて犬飼明佳県議は昨年6月の県議会福祉医療委員会で、県が補助制度を設けた場合に各市町村は購入費助成を行うか調査するよう要請。党県本部で議会局長も務める同県議は、各市町の公明議員に、議会質問や首長への申し入れで購入費助成制度創設を要望することを呼び掛けた。これに呼応して38市10町で、首長への要望や議会質問を通して購入費助成制度創設を訴えた。
昨年9月の県議会一般質問でも、公明党の加藤貴志県議が補助制度創設を提案。同11月には県議団が花井理事長、加藤代表と共に大村知事に重ねて要望した。そして今年2月の県議会代表質問。犬飼県議の訴えに対し、知事は「医療用ウィッグ等の購入費用を助成する市町村に対して(県が)補助していく」と表明。党のネットワークを生かした粘り強い取り組みが、県を動かした瞬間だった。県によると、3月時点で54市町村のうち16市町が助成を開始、または実施を決定。29市町でも実施を検討しているという。
5月から、購入費助成を開始した犬山市。ウィッグや乳房補整具以外にも、髪付き帽子や頭皮保護用ネット、治療で敏感になった頭皮の保護などのために着けるケア帽子の購入費も助成する。公明党の三浦知里市議が昨年11月定例会で、医療用ウィッグなどの購入費助成を訴えていた。1991年から白血病の治療を続けている島田直美さんは、市の購入費助成が始まるのを知り、医療用ウィッグを買い替えた。「高価なウィッグの購入に踏み込めた。本当にうれしい」と喜びをかみしめた。
「当事者に寄り添ってくれた」
「髪は命と同じ」団体から感謝の声
公明党の里見りゅうじ参院議員(参院選予定候補=愛知選挙区)と犬飼、加藤の両県議、長谷川県女性局長らはこのほど、名古屋市内で花井理事長、加藤代表と会い、県の補助制度実現を喜び合った。
花井理事長は「公明党が当事者の声を聴き、行政に届けてくれた」と強調。加藤代表も「女性にとって髪は命と同じぐらい大切なもの。公明党が寄り添ってくれたことがうれしかった」と振り返った。
里見氏は「公明党のネットワークを使い、どこにいても同じ助成を受けられるよう、がん患者の支援強化に取り組んでいく」と語った。
公明党ニュースより