政府開発援助等に関する特別委員会

2019.02.28 20:00(6年前) ブログ国会質疑 |里見りゅうじ(里見隆治)

議事録

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。また、四人の参考人の先生方には、貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 私自身も、一昨年になりますけれども、パプアニューギニア独立国そしてソロモン諸島にこのODA派遣の一団として訪問させていただき、視察をいたしました。また、昨年のこの時期には本委員会において報告もさせていただきました。非常に、現場を見て、そして日本のODAの重要性というものを認識したわけでございますが、私は、このODAについて今日は二つの視点から質問させていただきたいと思います。
 私自身のODAについての思いからしますと、まずは政府主導で始めると、しかしずっと政府主導というわけにはいかない、これが民間に定着をしていく、そのことが国内にあっても海外にあっても重要だなというのが一点感じていることでございます。そしてもう一点が、これも諸先生方お話をいただいているとおり、ハード面のみならずソフト面、特に人づくり、人を育てていくという点につなげていくということが非常に重要だなというふうに感じております。
 その観点で、まず稲場参考人にお伺いをしたいと思います。
 実は、稲場参考人には、私ども公明党の中に持続可能な開発目標推進委員会という委員会ございまして、先週も会合を開きましたところ、様々御協力をいただいておりまして、感謝を申し上げたいと思います。
 実は、私が質問するより、実は矢倉克夫議員がその事務局長を務めておりますので、本来、矢倉事務局長に質問をいただきたかったんですけれども、その先週の私どもの公明党のSDGs推進委員会では、第二回SDGsアワード受賞団体の紹介という議題で、このSDGsアワード受賞団体から様々な事例を御紹介いただきました。これ、政府がSDGsの取組について先進的な、また推奨すべき団体について表彰しているものでありまして、今回は内閣総理大臣賞が株式会社日本フードエコロジーセンター、こちらが食品ロスについて取組をされているというものでございました。
 ここで質問をさせていただきたいのは、これ欧米ですと、むしろ政府主導というよりは民間でお互いに表彰し合っていく、ピアでそれぞれが称揚し合っていく、そしてそれを民間の中で広めていくと、そうした動きも非常に多いように見られます。日本も、そうした意味では、この表彰制度のみならず、政府主導がいつかは民間の中で行われていく、それを政府としても後押ししていくと、そういった形に変えていくべきだというふうに考えております。この点、稲場参考人にお考えをお伺いしたいと思います。

参考人(稲場雅紀君) どうもありがとうございます。
 SDGsアワードというのは、非常に私どもも、私、SDGsに関して推進円卓会議という、政府のSDGs推進に関しましてどのように進めるのかということについてマルチセクターで意見を聞くような、そういった会議がございます。こちらのSDGs推進円卓会議の委員が審査に当たるというような形になっておるわけでございます。
 私もSDGs推進円卓会議に関してNGOの立場で実際関わっておるわけなんですけれども、実際に現状では、SDGsに関して言いますと、やはり一つは、先ほど申し上げたようなESG投資の文脈を中心に企業の関心が非常に高い、これは非常にいいことだというふうに思うわけですね。やはり仕事で触れるということで、SDGsに実際に触れるということでSDGsに関わりを持っていく、非常に大事なことだと思います。
 もう一つは、いわゆる官邸を中心にSDGsに関しては非常に政府主導で実際に行われていると。だから、そういう意味では政府と企業が中心になっていると。ただ、現状では、残念ながらSDGsに関する認知度は国民全体でいうと一五%程度ということで、結構低い状況なんですね。その結果として、いまだに、例えばSDGsアワードに関しましても、こういったものはほかにも幾つかは出てきておるんですけれども、やはりこのSDGsアワードが中心ということになっております。
 この辺りに関しましては、やはり一つは、SDGsに関して国民の関心がもっと高まるということが大事かなというふうに思っておるわけなんですね。この国民の関心がなかなか高まらないとなりますと、やはり政府が一生懸命SDGs、SDGsと言って頑張れという話になって、それ以外に動きが余り出てこないということになってしまうかと思います。ですので、どのように国民の関心を高めるのかというところに関していろいろな展開が必要なのかなというふうに思っておるわけなんですね。
 そういった意味合いで考えたときに、やはり国会がSDGsについてもう少し、例えばSDGsをどのように進めるのかと、国内、国際それぞれにおいてどのように進めるのかについてしっかり論戦をするとか、それが例えばテレビで取り上げられるとか、そういったような形でしっかり国民にメディアを通じて情報が還元されるということが大事なのかなというふうに思っております。
 そういった中で、じゃ、どうやってSDGsを推進するのか、こっちの方で推進してみよう、あっちの方で推進してみようというところでいろいろなアワードなどが出てくると、そういうのが理想的なのかなというふうに思っておりますので、やはり国民全体の関心を高める、その上で国会の役割も大きいのかなというふうに思っているところでございます。
 ありがとうございます。

里見隆治君 ありがとうございます。
 私も、国会また政府、これももちろん主導し、また国民の皆さんにも理解をいただく、そういったことを進めながらの民間での活動の推進と、そういう意味でございました。貴重な意見ありがとうございました。
 次に、梅本参考人にお伺いをしたいと思いますが、実は事前に稲場参考人の方からいただいていた資料の中で、これも政府の取組として、モデル自治体を使ってこのSDGsの地方自治体の取組を横展開していこうというSDGs未来都市、これを指定をして、まさにそのモデル中のモデルが北九州市さんでいらっしゃいますけれども、実は、稲場参考人、ちょっと辛口コメントで、いただいた資料によりますと、このSDGs未来都市というのは元々取り組んでいた優等生のモデル自治体への支援に特化していないかという投げかけをいただいております。
 先ほどのアワードもそうですけれども、あながちこういったことを始めると、ついつい、一番頑張っているところを更に引き上げることはできるんだけれども、裾野を広げていくあるいは横展開していくという点ではなかなか広がりが、これはスピード感を持ってやっていかないといけないわけですけれども、そういった意味で、なかなか北九州市さんのお立場で言いにくいかもしれません。ほかのところがなぜできないのかというのをできているところがコメントするというのはしづらいかもしれませんけれども、北九州市さんも元はといえば、先ほど御紹介いただいたとおり、非常に環境問題に苦しまれて、それを乗り越えられてきたというその歴史からすれば、ほかの自治体に、まだまだ取り組めていない自治体の皆様に何かアドバイスといいますか、こういった観点で取り組めば北九州市さんのような事業を今後展開していけるという、ちょっとそこは御謙遜なさらずに、他の自治体へのアドバイスということで御意見をいただければと思います。

参考人(梅本和秀君) 非常に評価をいただきまして、ありがとうございます。
 一つは、SDGsの場合、例えば今までの環境未来都市ですとか、いろんなそういう仕組み、システムってあったと思うんですが、やっぱり決定的に違うのは、世界の標準だということ、それと、十七のゴールと百六十九のターゲット、それぞれ目標が決まっているということなんですね。
 そうしますと何ができるかというと、決して都市のランキングになってはいけないんですけれども、それぞれの分野でそれぞれの都市がどの程度の状況にあるのかというのが、実はこれ定量的に出るはずなんです。それを研究されているもう大学さんもあります。それぞれのマスコミさんも、自分のところなりの指標で持続可能な都市のランキングというのを出せるようになりました。そういうことを出していくことによって、それぞれの都市の首長さん、あるいは職員さんが、あるいは市民の団体、市民の皆さんが、自分のところで、これはここまで行っているけどこれはここのレベルしか行っていないねというのが分かるようになると思うんですね。
 繰り返しになりますけど、これが都市のランキングとか都市の差別につながってはいけないんですけれども、そういう通知表といいましょうか、そういうものを例えば政府の方でお出しになる、多分検討されていると思いますけれども、そういうふうなものをお出しになっていくことによって、またそれが一つの刺激になって、あるいはインセンティブ、モチベーションになって、それぞれが切磋琢磨をしていくということにつながるのではなかろうかというふうに思います。
 以上でございます。

里見隆治君 もう時間になりましたので終わりますけれども、本来、小沼先生、また久保先生にも人づくりという点でお伺いをしたかったわけですけれども、その点はまた私自身が勉強させていただいて、また政策面でしっかり貢献していくと、そのことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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