国土交通委員会で航空法について質問

2025.05.30 09:45(2か月前) ブログ国会質疑 |里見りゅうじ(里見隆治)

昨日、国土交通委員会で航空法について質問しました。
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議事録

第217回国会 参議院 国土交通委員会 第17号 令和7年5月29日

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 今回の航空法の改正法、この改正事項の柱の一つが地方管理空港等の工事代行、権限代行制度の創設でございます。まず、これについて御質問したいと思います。
 これ、災害時と平時とそれぞれ分けて規定をされております。今回の改正の背景となりましたのが昨年の能登半島地震ということでありまして、地方管理空港である能登空港の被災が一つの契機となっているという御説明でございました。また、地方管理空港と同様に空港を管理しているのが民間企業ということもありまして、これは併せて措置をいただいていると理解をしております。
 私の地元愛知県には、知多半島の常滑市の沖合の人工の島の上に中部国際空港がございます。本委員会の理事を務められている安江伸夫さんのまさに御地元でございます。
 この中部国際空港では現場の御努力のおかげでこれまで大きな航空事故はありませんが、一方で、愛知を含む東海地域、これは広く、静岡から九州、四国に至るまで、南海トラフ地震の備えというものが必要でございます。これまでの日本列島の体験でいいますと、東日本大震災の際に復旧の核となったのが空港であったということを考えますと、災害時の空港の復旧というのは極めて、全体の復旧作業という意味でも大変重要であります。
 それに関連して質問させていただきたいと思いますが、まず、工事代行、権限代行制度について、この中部国際空港は災害時においてのみ適用ということでありますが、地方管理空港は平時においても適用されるということでございます。この考え方、どのような基準についての考え方があるのか、違いがあるのか、考え方について教えていただきたいと思います。

政府参考人(平岡成哲君) お答えをいたします。
 本法案において創設する災害時の工事代行制度については、被災後速やかに災害復旧工事を実施し、空港機能を早期に回復させ、地域の航空輸送を確保すること等を目的として創設するものです。
 大規模な災害が発生した際、被災した空港を早期に復旧させるためには、地方管理空港のみならず、会社管理空港においても被災空港の外から人材や機材を集結させるなどの対応が必要になることが想定されることから、中部国際空港株式会社についても災害復旧工事の代行の対象とすることとしております。
 一方、平時の工事代行制度については、地方管理空港等を管理する地方公共団体の技術職員が減少傾向にある中にあっても、施設の改修等に必要となる施工体制を構築し、将来にわたって適切に空港機能を確保していくことを目的として創設するものであります。
 中部国際空港株式会社につきましては、空港を管理するための十分な技術的能力を有することを確認しており、必要な施工体制が確保されていることから、平時における工事代行の対象とはしていないということでございます。

里見隆治君 ありがとうございます。
 現在、中部国際空港におきましては、これは開港以来二十年、ちょうど本年で二十年ということでありますが、滑走路が一本しかございませんで、現在、この滑走路の大規模補修を行うために、今年から代替滑走路の工事が、整備が進んでおります。去る二月二十二日には、この中部国際空港の二十周年の記念式典と併せて代替滑走路の着工記念式典が行われまして、中野大臣、また平岡航空局長にもお越しをいただきました。ありがとうございました。
 そこで、ちょっと質問したいのが、この中部国際空港で、去る四月十三日に、小型機が着陸後に滑走路を逸脱して、そしてしばらく、三時間半程度滑走路を閉鎖してしまったという事案がございました。これ自体はそれで済んだわけですけれども、やはり、この代替滑走路ですね、この意義というのは、こうした事故のときも非常に有効なのではないかというふうに考えます。こうした事案が発生した場合でも、もう一方の滑走路を利用することで、より安定的で継続的な運用が可能になるというふうに考えております。
 こうした観点について、中部国際空港の代替滑走路整備、これは大臣もお越しをいただいて、その意義も現地でもお話をいただいたところでありますが、改めてこの場においても、大臣の御見解、お伺いしたいと思います。

国務大臣(中野洋昌君) お答えを申し上げます。
 中部国際空港、委員御指摘のとおり、私も先日行かせていただきましたけれども、中部国際空港のこの代替滑走路事業でございます。これは、今後早期に必要となる現滑走路の大規模補修時において継続的な空港の運用を可能とするということや、空港の完全二十四時間運用を実現をするということなどを目的として実施をしております。
 そして、委員からは先ほど、四月十三日に中部国際空港で発生をした小型機の滑走路逸脱の事例を挙げていただきましたが、代替滑走路の整備によりまして、こうした事故等によって一本の滑走路が閉鎖をした場合でも、もう一本の滑走路で航空機の発着が可能になり得るということでありますので、空港運用の安定性が高まるものだというふうにも考えております。
 このように、代替滑走路事業は空港運用の安定性、継続性の観点からも大変重要な事業であると認識をしておりまして、国土交通省においても無利子貸付けや財政投融資などにより支援をしていくこととしております。
 地元の関係者の皆様としっかり連携を引き続きいたしまして、中部国際空港の代替滑走路の整備に取り組んでまいりたいと思います。

里見隆治君 ありがとうございます。
 中部国際空港は、この代替滑走路の整備を第一段階として、その上で、地元では将来構想としては、第二段階として新たな埋立地、埋立地を広げまして、その上に第二滑走路としての整備というものも期待をされております。大臣が御答弁いただいた意義に加えて、今後、完全二十四時間運用など機能の強化の実現に向けて、国交省からの御支援、引き続きよろしくお願いいたします。
 ところで、国交省では、こうした災害発生時における業務継続について、今から五年前、令和二年三月に、それまでの災害への対応、反省点、また知見を盛り込んでA2―BCPというものを、ガイドラインを策定して、全国の空港でその導入を推進されているというふうに伺っております。また、昨年一月の羽田空港での事故の対応も踏まえて、更にそのガイドラインの更新をされたというふうに聞いております。
 この改定による具体的改善点として幾つか挙げられておりますが、その中の一つに、津波警報等発令時における地上走行中の航空機の避難方策が挙げられます。地上での待機に比べて滑走路点検なしでも離陸することのリスクが低いと機長が判断した場合は離陸を妨げない運用を可能とするという方針を、この津波警報時に追加をしたということであります。
 この点、私も中部国際空港の方とこの点ディスカッションしましたところ、なかなか機長の判断といっても、滑走路の状況が分からない中でかなり困難な、難しい判断を求められるのではないかと。管制なり空港側に安全上の点検をといっても、もう津波があと何十分で来るという中で果たして点検できるだろうかと。ここは、機長の判断といっても、空港側とのコミュニケーションをどう取るかなど、更に詳細にこの知見を重ね、そして共有することで、もっと実効性のあるものにしていく必要があるのではないかというふうな御意見もいただきました。
 こうした観点で、この離陸避難の実効性、この点をどのように確保されていくか、国交省としての御対応、お伺いしたいと思います。

政府参考人(平岡成哲君) お答えをいたします。
 国土交通省では、令和二年三月に、空港の事業継続計画であるA2―BCP、これのガイドラインを定めており、このガイドラインに基づき全国九十五空港において空港管理者が各空港のA2―BCPを策定しております。
 このA2―BCPガイドラインは、その後の取組や災害発生時の対応などを踏まえ、令和六年六月に改定を行っており、その中で、津波警報等発令時における地上走行中の航空機の避難対策として、機長の判断により実施可能な選択肢として、旅客ターミナルビル等への移動、高台への避難とともに離陸避難を位置付けたところでございます。
 これを踏まえまして、現在、中部国際空港においては、A2―BCPにおける地上走行中の航空機の津波避難対策の具体的な内容について関係者と議論を進めているところと伺っております。
 国土交通省といたしましては、中部国際空港を始めとする各空港における検討に資するため、国管理空港の訓練等で得られた知見や他空港の事例を横展開するなど、必要な支援を進めてまいりたいと考えております。

里見隆治君 ありがとうございます。
 私も、地元のことばかり申し上げるのは申し訳ないので、広く、インバウンドということを考えても広く地方の空港整備をしていかなければならないと、その観点で質問を進めていきたいと思います。
 民間会社の管理、これはある程度、首都圏あるいは関西、中部と、それなりの規模も持ってということでありますけれども、どうしても地方の空港ということになりますと、自治体の職員でこれに充てられるということになると、異動等もありまして、空港業務経験のない職員が担当となる場合もあるということであります。
 空港でのこのハード整備ももちろんでありますけれども、ソフト面、人材面での職員をしっかりと育てていく、また研修などもしっかり行っていただく、そのために国交省としてもしっかりと支援をいただきたいというふうに思いますが、この点いかがでしょうか。

政府参考人(平岡成哲君) お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、地方公共団体ではこれまで空港業務の経験がない職員が空港業務の担当となる場合があり、空港を管理する地方公共団体の職員のスキルアップは重要な課題というふうに認識しております。
 このため、国土交通省では、国総研や国土交通大学校において、空港管理者である地方公共団体の職員等も対象にして、空港の整備や管理などに関する研修を実施しているところであります。また、空港の維持管理等に関して、課題解決の好事例の横展開や、空港管理者相互の情報共有等を目的とした空港施設等メンテナンスブロック会議を開催しているところです。
 今後とも、こうした取組を継続、充実し、地方公共団体の職員のスキルアップを支援してまいりたいと考えております。

里見隆治君 今の地方空港の整備ということも含めて、今政府では、二〇三〇年、先ほども御答弁にありましたが、六千万人の訪日外国人、そして十五兆円の消費額と、これを目標としてインバウンド振興進められていると思います。日本列島全国各地を挙げて取り組むべき課題だと思います。
 その振興のためには、財政的な裏付けがあると思います。先ほど航空機燃料税などの議論もありました。これは空港整備そのものということでありますが、その空港整備に付随しての施設整備、また様々なソフト面の対策、こうしたものをしっかり充実する必要がありますし、そのためであれば、国際観光旅客税を更に活用していくということもこれから理解が得られるのではないかと思います。そのために、このインバウンドの受入れの入口となる国際空港のみならず、特に地方誘客のための国内線また国内空港への配分というものが極めて重要であります。
 また、加えまして、ちょっと別の観点から、ストレスフリーのための地方空港設備、施設の整備については、空港会社だけでなくて、航空会社の対象も、にもこの支援をいただきたい、つまりキャリアの方にも支援をいただくべきではないかというふうに思います。つまり、誰を対象にということではなくて、整備するもの、設備に注目、着目をした支援、お願いしたいと思います。
 こうしたことを拡充することで、特にインバウンド含めて海外からお越しいただく方、国際観光旅客税の引上げということも理解をいただけるのではないかというふうに考えますけれども、大臣の御所見お伺いしたいと思います。

国務大臣(中野洋昌君) お答え申し上げます。
 国際観光旅客税や、あるいは空港分野への支援というふうな御指摘かと思います。
 委員御指摘のように、二〇三〇年訪日客数六千万人、消費額十五兆円という目標がございますので、我が国のゲートウエーでございます空港においては、地方空港も含めまして、ストレスフリーで快適な旅行環境を提供するというのが重要だと、これはまさに委員御指摘のとおりであります。
 これまで国土交通省としては、国際観光旅客税も活用しながら、スマートレーンなどの先端技術の活用等により旅客が行う諸手続や空港内外の動線等を抜本的に革新をする、いわゆるファストトラベルというのを推進をしてきたところでございます。現在、先ほど申し上げた目標に向けまして、空港分野、御指摘のところも含めまして、何が必要かという施策を盛り込む新しい観光立国推進基本計画というのを今年度末までに策定をすべく、今まさに検討を進めているところでございます。
 旅客税につきましては、様々な、委員の御指摘も含めて様々な御意見ございます。いずれにしても、国土交通省としては、引き続き、観光立国の実現に向けて、この必要な施策の検討というのをしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。

里見隆治君 観光立国の実現に向けて今年度中に計画を策定ということでありますので、今申し上げた点、しっかり考慮いただいて進めていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。

 

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