会議体設置など対策提言
官房長官に公明
従業員に対する顧客らからの著しい迷惑行為、いわゆる「カスタマーハラスメント」(カスハラ)を巡って、公明党の雇用・労働問題対策本部(本部長=伊佐進一衆院議員)とカスハラ対策検討委員会(委員長=里見隆治参院議員)は4日、首相官邸で林芳正官房長官に対し、対策の推進について提言した。林官房長官は同提言を政府の検討に生かしていくと述べた。
里見委員長らは、小売業や公共交通機関、医療・介護などにおけるカスハラは深刻な状況であり、対策が急務だと強調。「政府一丸となった対策を」として、現在7省庁から構成されるカスハラ防止に関する会議を改組し、内閣人事局や総務省などの公務員官庁も含む会議体を立ち上げるよう求めた。また、事業主責任の観点で、労働者からの相談に対応するための体制整備を事業者に義務付ける法整備も念頭にした対策強化を求めた。
一方、認知症などで正当な要求を適切に説明できない場合もあることから、当事者の視点を踏まえた顧客対応力向上の研修の実施や、業界独自の取り組みの加速化といった事業者支援の強化を要請した。中小・小規模事業者を念頭とした公的な相談窓口の設置や、消費者教育の強化も訴えた。