参院経済産業委員会で産業競争力強化法について参考人質疑

2024.05.29 11:20(6か月前) ブログ国会質疑 |里見りゅうじ(里見隆治)

昨日の質問の様子をYouTubeチャンネルにアップしました。
概要欄にチャプターを付けました。
気になるとこだけ見ることもできます。

議事録

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 三人の参考人の先生方、今日は貴重な御意見、どうもありがとうございました。
 私からは、三人の参考人の先生方にそれぞれ、このいただいたお話を受けまして、今後、政府としてどのような政策、支援策につなげていくべきかという、そうした観点を主に論点としてそれぞれにお伺いをしていきたいと思います。
 まず、松江参考人にお伺いをしたいと思います。
 松江参考人の今いただいた資料でいいますと九ページ目に、タイトルとして、今後あらゆる企業、これ中小・中堅を含めて、相互連携を通した生産性の向上、脱自前が必須であり、企業の形を超えてつながりを強化するMアンドA、グループ化を促す政策が有効だというふうに訴えていただいております。事例として、大田区の仲間回し、また岩手県の八幡平市のまちの人事部ということでいただきましたけれども、今回、法案の、我々が今審議をしている法案の中では、もう少し、地域というよりももう少しスケールを大きく、MアンドAとかグループ化、これらを複数回行っていけるような、この経営資源の集約化を促進するような税制措置ということを法改正に盛り込んでおります。
 これはこれとして、いただいた事例、もう少し地域で、そしてこの仲間の中小企業同士での連携ということについて非常に分かりやすい具体例をお示しいただいたんじゃないかと思います。そういう意味で、我々、もちろんこの税制措置等、法改正事項も推進しますけれども、もう少し地域に着目したソフト的な面での支援策というものを政府、自治体は考えるべきではないかというふうに思いますけれども、この点、もう少し掘り下げて御説明をいただければと思います。

参考人(松江英夫君) 御質問ありがとうございます。
 まさにMアンドAというのは、これあらゆる局面において非常に私は必要な一つの政策というか戦略手段だというふうに考えております。
 その中で、今回の法案では中堅企業、これが連続的なMアンドAをしていく、そこによってグループ化をしていくことを後押ししようと、これは、別に地域、いろんな地域問わずいろんな中堅企業をある種のハブとしながらやっていくという一つの方法論として、私は取っかかりとしてはいいんではないかと思うんですが、同時に、今御質問あったように、この地域という観点で見たときに、私はこの地域の中でこれから、地域の活性化もそうなんですが、いろんな企業同士が、ある面、産官学が結び付いていくための枠組みをつくるということも、これ私、非常に大事な要素ではないかなと、こう思っております。
 例えば、GXもそうですし、今いろんなデジタル化もそうなんですけれども、これ個社だけでできる仕事ではなくて、ある意味でこのアカデミアと行政もそれを後押しをして、かつ複数の企業が連携しながら、例えばデータをお互い共有していくだとか、そういったことをできる人材をある程度共有しながら融通し合っていくであるとか、そのための投資というものをお互いがまとめて出していく、かつそれを複数年度でそういった投資を地域の中で循環させていくような枠組み、実はこういった枠組みというのはまだまだ地域の活性化においては私は十分ではないというふうに思っております。
 そういう意味で、MアンドAというのは、本当に会社同士が資本の移動の中で一つのグループになっていく、資本上グループになるという、非常に狭い意味ではそういったところなんですが、もっと広い意味でのMアンドAということでいうと、提携だとか、いろんな資本提携、業務提携、広い意味でのアライアンスのところも含めた形での連携というところの輪を広げていくことが、私は地域の中でいろんなDX、GXを進めていく基盤として非常に大事であると。その辺りも、今回の中堅を起点としながらグループ化をしていくとかMアンドAをしていくというところも、そういう目的の下にいろんなMアンドAが起こってきて、それを後押しするような文脈になっていくと。これ、単に今、産業の競争力ということを地域と重ね合わせる中で、地域の中でまさに産業の競争力を高めていくというところにもつながるんではないかなというふうに思いますので、その辺をもっと広い意味で解釈できるような形の説明の仕方もそうですし、ある意味での使い勝手の良さみたいなところを示していくことも今後政策の深掘りにおいては重要かなというふうに感じております。

里見隆治君 ありがとうございます。
 非常に、この今回の法案の直接的なテーマではないんですけれども、この地域とか地方経済の活性化という観点でも非常に重要な政策的な切り口だということをよく理解をいたしました。
 経済産業省の所管の関係では、例えば福島復興ということも一つの観点としてありますけれども、あれもやはり、一つのこのエネルギーですとか、それからロボットとか、そういう新しい分野を地元の自治体、それから地元の大学、特に理系の大学との連携で研究開発を進め、それを実用化していこうと、そういう意味では本当に参考になるお話だと思います。
 ちょっと地域のこだわりを持っていて恐縮ですけれども、先ほどの岩手あるいは大田区の事例以外にこうした地域の取組、特に自治体の関わりですとか、地域のそういった研究開発のリソースというものを使いながらということで、何か参考になるようなお話をいただければというふうに思います。

参考人(松江英夫君) ありがとうございます。
 いろんな地域、取組があると思います。例えば、東北エリアも、福島の話ももちろん水素タウンということで、水素、特に福島はいろんな至る所で水素というのを起点にしながら、アカデミアのところもそうですけれども、いろんな地元の企業と、例えば自動車メーカー系だとか、そういった部品系のメーカーともタイアップしながら水素タウンをつくっていく、こんな取組ももちろんありますし、あと、私が最近非常に重要だなと思うのは、サーキュラーエコノミーというところも、私もまさに経産省の研究会でもいろいろ議論させていただいているところなんですが、ここはまさにこれから地域の経済をつくっていく一つの重要なテーマになってくると思うんですね。
 これは、GXとサーキュラーエコノミーと、これはある面で同じ方向を向いて一体でやっていくべき私はテーマだと思うんですが、なぜサーキュラーエコノミーが重要かと申しますと、ある面、動脈と静脈をこれからつないでいく必要があるんですが、この静脈において自治体の果たす役割が非常に大きいんですね。いろんな一般廃棄物の処理であるとか、こういったものというのは、ある面、自治体が責任を持っていく部分があって、メーカーは自分でつくったものに対して責任を持つんですけれども、これ自治体が静脈のところをしっかり動脈と結び付ける必要がある。
 さらには、この静脈側というのは動脈のいろんな業界を横断的に、ここのところサーキュラーの環境をつくっていかなきゃいけないということになりますと、まさに自治体といろんな業界の企業様、それと地元の企業様、これが全てタイアップしながらこのサーキュラーエコノミーを実現できる環境をつくっていくことが非常に重要になってきて、これってまさに地域の活性化の経済にも非常に私は大きく、雇用を創出したり、新しい産業をつくっていく上で私は一つ起点になるテーマではなかろうかなと思っておりまして、こういったサーキュラーの進んでいる地域に関してはいろんな地域が、まあ川崎市であったり広島であったり、いろんなところでございますから、こういったところを一つのフロントランナーにしながらこの循環というものをしっかりつくっていく。これが、先ほどのMアンドAは、そういう文脈の中で必要であれば、そういった手段も使いながらそういった循環型の地域経済をつくっていく、こういったところに進んでいくと望ましいんではないかなというふうに思っております。

里見隆治君 ありがとうございました。
 次に、福島参考人にお伺いをしたいと思います。
 先ほどもガリレイアカデミーのお話、質問に対して様々御説明いただきましたが、私も非常にすばらしいお取組だと、非常に、この働く皆さんを鍛え、そして訓練をし、そして賃金もしっかり上げていくという非常にお手本を示していただいているというふうに思いますけれども、これやっぱりいいことするにはお金も掛かろうかと思います。
 冒頭申し上げたとおり、皆さんがやっていただいていることをどう政府、政策として支援していくかという観点でいいますと、これは全くの自前でやっておられるのか、何らか助成金等を受けながらやっておられるのか、その点まず確認させていただきたいと思います。(発言する者あり)

参考人(福島豪君) 済みません。
 その勉強する施設は、元々本社に移転する前のサービスセンターの建屋を転用しております。そこに、当社製だけではないんですけれども、業界で使われる様々な機材、これもほぼ中古品を持ち込んで、動ける、動く状態にして、それを技術者及び先生が触って教えることができるような施設にしております。講師も、ちょっとだけ外部使ったりもしますけれども、いわゆる人間として何が正しいかみたいなフィロソフィーのような教育もやっているんですけど、そういうものは父である会長がフィロソフィー講話をして、技術も、社内にたくさんの、特に本社にございますので、大阪でやっておりますので、本社サイドにはたくさんの技術者がおりますので、一〇〇%技術系は自前で行っておりまして、ほとんどお金を掛けずに社内で閉じてやらせていただいている状態でございます。

里見隆治君 ありがとうございます。
 そして、今、社内の従業員の皆さんに対してはそれで自前でやっているということでいいと思うんです。先ほどの御説明の中で、今後社外の人材育成もと、元々グループで広げておられる中で、外も視野に入れてということになると、なかなか持ち出しというわけにもいかないでしょうし、どこまで費用を取ってやるのか。あるいは、それだけ社外の方に対してもということは、その訓練そのものが非常に公の、会社固有のものではない、普遍性を持った訓練ということであれば、何かしら公的な助成ということもあり得るんじゃないかと。
 私もこの直前、厚生労働省に確認をしました。なかなかこの最初の投資部分、施設設備については助成できないけれども、その講師だとかあるいはテキスト、そういうソフト面での助成はあり得るんじゃないかと、そんなお話を聞いてきたんですけれども、今後のそうした支援を取り入れながらの外への展開ということについてどのようにお考えか、教えていただければと思います。

参考人(福島豪君) 今、現段階でも、特定のお客様のいわゆる技術職の方をお受け入れして、二か月というロングスパンではないんですけれども、二日、三日の講習みたいなことはやらせていただいておりまして、大変御好評いただいています。今日も午前中、実はお客様来られて、アカデミーに行きたいというふうにおっしゃっておられたのでお受け入れしようかなと思っているような状況なんですけれども。
 先ほどちょっとスライドで説明させていただいたんですが、二〇二六年に、今いわゆる研修をやっている土地に新しい研修センターをつくろうとしています。これは、もちろんこれまで行ってきたそのアカデミーの活動を更に高次なものにしていくということと、今は短期職業訓練校なので基本的には内に閉じているんですけれども、やっぱり学校法人化する必要があると。それを実は意識はしたつくりにしておりまして、そのときはやはり幾ばくかお金をいただいて、社外の方にも堂々と教育を受けていただけるようなことも視野に入れながら計画を進めているというところでございます。
 いろんな応援をいただけるというのは非常にうれしいなとは思うんですけど、余り私そこは詳しくは存じ上げない部分ではあるんですけれども、そのソフト的な御支援をいただけるのであれば大変有り難いなというふうに思います。

里見隆治君 もう一つだけ、支援策で、これは二十一ページ目に書いていただいた大規模成長投資補助金、これかなりの、この二桁億の規模ですので、相当これは中小企業支援策、まあ中小企業といっても皆さん大変大きなところだと思いますけれども、なかなかこの事前の情報収集とか、あるいは手続、申請方法、あるいはその過程でコンサルも必要だったりするという中で、なかなかハードルが高いというふうに言われる中でこれだけの活用を検討されているということでありますけれども、何かお困りの点だとか、あるいは今後同じように申請されるに当たって継続する、後続をする企業さんにこういうところを頑張るといいよと、あるいは政府にはこういうところを是非やってほしいというような御注文があれば、教えていただければと思います。

参考人(福島豪君) そうですね、実はこれ、土地を取得するタイミングが結構ぎりぎりだったというのもございまして、土地を取得してからこの補助金申請させていただくまで一か月ぐらいしか多分時間がなかったんですけれども、一部社外の方にお願いした部分もありますけど、ほぼ社内で閉じて、いわゆる専門のスタッフがこれに従事してつくっていったという経緯があります。まだまだこれから御検討いただくということなんでしょうけれども、やっぱりこのような補助金を活用させていただくに当たっては、ただ単に物をつくるというだけではなくて、資料にも書いているんですけれども、研究開発拠点としていろいろと検討しているとか、もちろん環境保全を配慮しているとか、あとは雇用をしっかり創出していくとか、そういうポイント、ポイントがあろうかと思いますので、この辺の何か上手な表現の仕方みたいなのを教えていただけると非常に有り難いのかなというふうには思います。
 ちょっと今回、今申請させていただいているんで、結果、ちょっとどうなるかまだ分からないんですけれども、これからヒアリングがあるというふうに伺っております。

里見隆治君 どうもありがとうございました。
 ちょっと残り時間短くなりましたが、清水参考人にお伺いをしたいと思います。
 やはり今は政府がかなり積極的な関与を持って、このスタートアップ、本当に知識とそして志を持った皆さんとタイアップして世界各国と戦ってやっていくべきだと、そういう中で、日本にお戻りをいただいて頑張っている姿を私も大変心強く思いました。
 そういう中で、最後の十五ページの御提言で、この政府が関与すべきと、しかも、相当な額を積まないと相手国とも競争できないという、ある程度規模感が重要だということも教えていただきましたけれども、今回、我々がこの法律案を審議するに当たっての税制とかあるいは様々なこの支援策との兼ね合いで、何か、済みません、もう残りが一分ちょっとくらいしかないんですけれども、御示唆をいただければ、ちょっとまとめてお伺いをしたいと思います。

参考人(清水信哉君) そうですね、結論から言うと、スタートアップって、言ったらそんなに税金払っていないので、税制でダイレクトに効くというのは結構難しいだろうというのは、私も考えたことあるんですけど、結構難しいなと思っていまして、むしろ、今回、中に入っている例えばJICの延長であるとか、スタートアップ、まだリスクマネー全然足りていない、GDP比に対して物すごく少ない状態なので、出し過ぎて市場をゆがめるような水準ではないので、なので、そこはもう継続して自信を持って出し続けるってことがすごく大事なんじゃないかなというふうに考えています。
 一方で、あとは、今回入っていますNEDO法改正だったりとか、こういったところもまだ、今回のはまずすごく非常に大きいと思っています。起業家に向けて出せるようになっていくというのは大事だと思っていますし、ただ、これで一〇〇パー、もう百点満点かというと、まだこれから、より使いやすくしていくだったりとか出しやすくしていくというふうなこともあろうと思いますので、そういったところでお金を流していけるようにという形でやっていただけるとよりいいんじゃないかなというふうに思います。

里見隆治君 ありがとうございました。
 以上で終わります。

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