昨日の参院決算委員会でカスタマーハラスメント対策、日本語教育などについて質問。公明新聞にも掲載されました。
質疑の様子は動画でも視聴できます。
是非ご視聴下さい。
議事録
里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
最初に、日本語教育について文部科学省にお伺いをいたします。
我が国の在留外国人が増加傾向にありまして、その中で、外国人に対する日本語教育の必要性が今後更に高まってまいります。今後、日本語教育を提供する教育機関、また日本語教育を質、量共にしっかりと高めていく、そのためには官民挙げて取り組まなければならないというふうに考えております。
これまで、同じ思いを持った超党派の諸先生方とともに、その基本となります議員立法として日本語教育推進法、これを提出、成立させていただき、そして令和元年六月に施行されております。さらに、この推進法で検討事項とされていた日本語教育機関に関する制度の整備について、政府で更に検討いただいた結果、昨年の通常国会で日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律が成立、そしていよいよ今年度施行となっております。
そこで、まず盛山文部科学大臣にお伺いしたいと思いますけれども、大臣の日本語教育の重要性に関する御認識、また、今年度施行をされますこの法律をどのように生かしていくべきか、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
国務大臣(盛山正仁君) 里見先生御指摘のとおり、昨年末の時点で我が国における在留外国人数は約三百四十一万人に達するなど、近年増加傾向にございます。日本語教育に対するニーズはこれまで以上に高まっております。我が国に在留する外国人に対する日本語教育の質の維持向上を図ることは大変重要であると考えております。
こういった状況を踏まえまして、文部科学省におきましては、日本語教育機関のうち一定の要件を満たすものを認定するとともに、認定日本語教育機関における教員資格の創設を柱とする日本語教育機関認定法の着実な、確実な実施に取り組んでいるところです。さらに、令和四年十二月の日本語教育推進会議における関係省庁間の取りまとめに基づいて、関係省庁との連携協力により、認定日本語教育機関であることを在留資格「留学」付与の要件とするなど、認定日本語教育機関や登録日本語教員などの活用を促進することとしております。
文部科学省としては、日本語教育認定機関法の確実な実施を通じ、引き続き、日本語教育支援の質、量双方の向上を図っていきたいと考えています。
里見隆治君 大臣、よろしくお願いいたします。
この法律に基づきまして、日本語教育機関の認定申請、今大臣が御答弁いただきました、これがいよいよ四月から始まっております。そして、この現在の申請状況についてお伺いをしたいと思います。私が伺っているところでは、日本語教育機関側もまだまだ申請に際しての戸惑い、また申請手続がまだまだ煩雑だということで、現時点では少ないようにお伺いをしております。文部科学省における相談体制の整備ですとか、あるいは申請手続の簡素化なども是非御配慮をいただきたいと思います。
また、これまで何十年にもわたって実績を積み重ねてきたいわゆる告示校とされます日本語学校については、優良な適正校に限らず、新しい制度だからといって全く新規扱いというのは非常に、何といいますか、合理的ではないのではないかというふうに考えます。審査に当たっては、機械的に行うのではなく、これまでの実績もしっかり踏まえたものとすべきというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
政府参考人(望月禎君) お答え申し上げます。
四月から始まりました日本語教育機関の第一回目の認定申請につきましては、申請期間が五月の一日からこの十七日までとなってございまして、今現在申請を受け付けているところでございます。申請件数につきましては、審査結果の公表と併せてお示しする予定でございますので、ここではちょっと控えさせていただきたいと思ってございます。
この認定制度の実施に当たりましては、これまでの法務省の告示校以外の新規の申請もありますことから、本年四月から文部科学省の総合教育政策局内に日本語教育課を新設をいたしまして、この本申請の前に、事前相談におきまして、書類の形式面での指摘あるいは確認、質疑応答など、公平性を確保しながら、できる限り丁寧な対応を心掛けているところでございます。
手続の簡素化についても御質問ございました。認定に当たりまして確認すべき事項や日本語教育課程編成のための指針、また、いろんな御質問ございますので、そうした御質問に対する対応などをまとめました質問集などの公表あるいは関係団体への周知等を通じた情報提供を行いますとともに、里見委員御指摘の告示校、法務省告示校につきましては、告示校での勤務経験等をもって日本語教員試験を一部免除するなどの経過措置を設けたほか、各年度の課程修了の認定を受けた者の状況が分かる書類につきましては、同意があれば、出入国在留管理庁より文部科学省が直接取得することなどによりまして提出を不要とするなどの措置を講じているところでございます。
また、告示校につきましては、審査委員会における審査、これからでございますけれども、各審査段階におきまして、これまで積み重ねられた実績も踏まえた確認等が行われることを通じまして、認定基準に照らした総合的な判定が行われるものというふうに考えてございます。
里見隆治君 この法律の施行につきましては、今の日本語教育機関の認定、そして併せての、日本語教員がこれがいよいよ国家資格となると、これが一つの、一つといいますか、二つの柱となっております。この日本語教員の国家試験の実施についてお伺いをしたいと思います。
これは既にもう準備は進めていただいておりますけれども、本年十一月十七日に第一回目の試験が実施されると、これはもう既に発表済みでありまして、その実施に向けて、今後のスケジュール、また試験の実施要項など、今後詳細についても明らかにいただけると思いますけれども、今後のスケジュールについてお伺いをしたいと思います。
また、今年度は十一月十七日ということでありますが、今後、第二回の試験を含めて、どのようなペース、頻度で、また全国で何会場で行うかなど、まだその詳細は明らかにされておりません。更に回数を増やしていくのであれば、いわゆる試験のCBT化、コンピューター・ベースド・テスティングなども必要となってくると思います。
今後、非常にこの日本語教員の確保、また需要も高まってくるという環境下の中で、これは今の、現職の日本語教員の方はもちろん御関心をお持ちですけれども、今後、より多くの皆さんにもこの日本語教員について関心を持っていただき、これを目指していただきたいと思います。
今後の計画、また見通しについてお伺いいたします。
政府参考人(望月禎君) 令和六年度の日本語教員試験につきましては、昨年度、予備試験としての試行試験の結果を踏まえつつ、試験の基本方針を検討しているところでございまして、試験の実施要項につきましては五月中に公表を考えているところでございます。また、受験申込期日や手続等についても、できる限り早く受験生にお示しをする必要がありますことから、受験案内につきましても、遅くとも六月中には公表を考えているところでございます。
また、日本語教員になろうとする者が今後増えることも考える、また、認定を受けたいという教育機関も増えていくことが予想されるところでございまして、来年度以降の日本語教員試験につきましては、今年度の試験の実施もしっかり踏まえながら、試験頻度、試験会場の増設あるいはCBT化の検討をしっかり進めてまいりたいと考えてございます。
里見隆治君 予見可能性をお示しいただいて、より広く関係者にも知らしめ、また受験をいただきたいと、そのように思っております。どうか御準備のほどよろしくお願いいたします。
これに関連しまして、今日は国土交通省も審査対象ということでありまして、この日本語教育に関連して国交省にもお伺いをしたいと思います。
建設業における外国人労働者に関連してですが、今後建設業においても外国人労働者が増えていく中で、我々考えておかなければならないのは、特に建設業については危険を伴う職場でもありますので、外国人労働者の安全を確保するという観点から、例えば同僚、あるいは特に上司、管理者との間でのコミュニケーション、その際のやはり日本語ということが重要になってくると思います。
その意味では、文化庁と入管庁がもう既に在留支援のためのやさしい日本語ガイドラインというものも令和四年度お示しになっているのが各分野で使われていると思います。
これを是非活用いただきたいと思うんですが、特にこの建設現場での労働災害事故の防止、また安全第一という観点で、この増えていく外国人、これは是非国交省として、建設業界とも連携をして、現場管理者などに、これは組織立ってしっかり構造的に易しい日本語を習得させるような、そうした取組を業界挙げて、また監督官庁として進めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
外国人の労働者の方というのはこの建設業にとりまして大切な人材でございまして、特に日本の建設業を選んでいただけるようにということからしますと、外国人労働者の方の安全の確保と、これ徹底というのは大変重要であると思っております。
日本語が必ずしも十分話せない段階からも現場作業に従事する機会というものは当然あるわけでございまして、その安全確保のための指示が誤解なく伝わり理解されるように、管理する側の工夫、様々な工夫がやっぱり大事であろうかと思います。
今回の御質問に当たりまして、今先生が御指摘になられた文科省さんで作成されているガイドラインであるとか、あるいは厚生労働省さんにおかれても安全衛生管理の手引などを作成されておられまして、その中で易しい日本語の活用を管理者に呼びかけている、こういうことも拝見させていただきました。様々なセミナーも行われているというふうに承知しております。
現場の安全は二つの体系で確保されております。一つは、労働安全衛生法に基づく労働安全衛生の制度、もう一つは、建設業法に基づく技術者の制度、この二つの制度が表裏一体となって確保する仕組みとなってございますので、国土交通省としましても、管理する立場の技術者と、そして作業をやっておられる外国人労働者の間の円滑な意思疎通、これは大変重要な課題だと思っております。
したがいまして、御指摘の易しい日本語の取組が必ずしも十分知られていない業界団体もあろうかと思います。業界団体全体で認知度が高まりますように、関係省庁とも一体となって、様々な既存のいいツール、これらの更なる周知などの工夫を検討させていただきたいというふうに存じます。
里見隆治君 ありがとうございます。
今おっしゃったように、これ、現場の労災事故防止ということでは厚生労働省所管だと思いますけれども、この業界全体、これを挙げて進めていくという意味で、非常にこの国交省と業界との連携、また現場での徹底ということが重要だと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に議題、話題を移したいと思います。
先週金曜日、五月十日に、公明党の文部科学部会といたしまして文部科学省にお伺いをいたしまして、盛山大臣また安江政務官宛て、教育政策に関する提言、そして文字・活字文化の普及啓発に向けた提言をさせていただきました。御対応いただきまして、ありがとうございました。
今日は、そのうち二点お伺いをしたいと思います。
まず一点目でございますが、今、文部科学省におきまして、子供たちが主体的に学べる多様な学びの実現に向けて政策の研究を行っているというふうに伺っております。子供たちが自らの興味、関心に基づいて、そしてそれぞれの強みを伸ばしながら主体的に学びを進めることができるようにというのは大変重要な視点だと思います。
安江文部科学大臣政務官は、この取組の中で、多様な学びを実践している教育現場に直接足を運ばれ、実態把握をしてこられたというふうに伺っております。こうした現場視察を通じて、政務官の御所見、また今後どのようにこの政策につなげていくかの対応方針についてお伺いしたいと思います。
大臣政務官(安江伸夫君) 里見委員にお答え申し上げます。
子供たち一人一人の多様な実態に寄り添いつつ、変化の激しい社会で求められる資質、能力を育んでいくために、子供たちが自らの関心や特性に応じて主体的にそして多様に学ぶことができる学校の環境を整えていくことは大変重要であると考えております。
このような視点から、これまで国内における先進校の視察や有識者ヒアリング、諸外国の取組事例の把握等を行い、子供たち一人一人が強みを伸ばしながら主体的に学ぶことができる柔軟な教育課程等についての知見を収集、蓄積をしてまいりました。
特に、学校で実践事例を拝見をさせていただく際には、児童生徒からも直接実感を聞き取りつつ、教師の皆様とも丁寧に意見交換を行わせていただくなど、現場の率直な声を拾うことを心掛けており、その中では、子供たちから、自分に合ったペースで学ぶことができていて楽しいなど、肯定的な声が多くあったほか、教師の目線からも、子供たちに主体的に学ぶ力が育ってきた、学校生活の満足度が向上したといった声もあったところでございます。
今後も、こうした研究の成果も生かしながら、教師による適切な支援の下、子供たちが主体的に学べる多様な学びの環境を整えていくため、現行制度でも可能な取組を分かりやすく示す実践的な事例集の作成や学びの多様化学校の設置促進と他の学校への取組内容の普及、今後の教育課程の学習指導等の在り方の検討といった取組を行ってまいりたいと存じます。
里見隆治君 本当にこれだけ社会また様々な環境が多様化する中で、教育がそれに追い付かなければならないというふうに思います。是非、この主体的な関わり、また多様性ということの観点で、今日は大臣には特に御質問はしませんけれども、文部科学省挙げてお取組をいただきますようによろしくお願いいたします。
続きまして、書店、本屋さんの支援についてお伺いをしたいと思います。
最近、本の購入といえばネットの購入というものが大変増えてきているわけでありますが、それでも、時に本屋さんに立ち寄って、自分では想定していなかったような本に出会っていくと、そのような楽しみを持たれる御経験は皆さんにもおありだと思います。そうした中で、本屋さんというのはこれまで歴史的にも知の拠点と、町の拠点であると、そうした意義は今後も変わっていかないんじゃ、変わらないのではないかと思います。
しかしながら、町の書店は大変経営が厳しい状況にございます。一方での、文科省も様々お取組をいただいておりますが、一方で、経済産業省が今年度、町の書店振興のためのプロジェクトチームを立ち上げられております。文科省でもかねてより、子供の読書活動、また学校、地域の図書館の振興などを進めていただいておりますけれども、こうした活動と町の書店の振興と、この活動が連携をすることで相乗効果も出てくるのではないかと思います。文科省でも昨年度、書店と図書館の関係者との対話ということで、その在り方、議論にも参画をされてきたというふうに聞いております。
ちょっと今日は時間の関係で政府参考人への御質問はちょっと省略せざるを得ないんですけれども、こうした取組の中で、例えば、書店の側からいろいろ御要望をお聞きしておりますと、例えば公共の図書館が人気の図書を発刊と同時に過剰に蔵書すると書店との共存ができなくなるのではないかといったお声を聞いたりいたします。
今後、書店と図書館がどのように共存できるのかと、こういった観点も含めて、優良事例の展開、また書店と図書館の連携のための方策づくり、こうした検討を進めるための対話の場の継続など、文科省としても積極的に取組をいただきたいと思います。大臣の御認識、また今後の方針についてお伺いいたします。
国務大臣(盛山正仁君) 書店・図書館等関係者における対話のまとめを踏まえまして、文部科学省におきましては、書店と図書館等の連携に係る優良事例について収集に努めているところでございます。今後、その普及を図っていくこととしております。
また、今後の書店と図書館の関係を検討する枠組みにつきましては、書店と図書館等の関係団体の代表者などから構成される協議会が新たに設置されると聞いております。
文部科学省としても、協議会に積極的に関わることを通じ、地域の実情に応じて書店と図書館等のより一層の連携が進むよう努めてまいりたいと考えております。
里見隆治君 大臣、よろしくお願いいたします。
盛山大臣、また安江政務官始め、文科省の方におかれては、委員長の御了解いただければここで御退席をいただいて結構でございます。
委員長(佐藤信秋君) 盛山大臣、安江政務官、どうぞ御退席、結構であります。
里見隆治君 では、三点目のテーマといたしまして、カスタマーハラスメント対策についてお伺いをしたいと思います。
カスタマーハラスメント、これ、ハラスメント対策全般につきましては、これ様々な対策がありますが、最も古い歴史を持つのはセクハラ対策ですね。十年ちょっと前からパワーハラスメント対策が始まって、十数年前、実は私も厚労省で担当していたことがありますが、ちょうど十年前にあかるい職場応援団というサイトを設けまして、今でも様々な情報提供、また相談に通ずる提供の窓口になっているということで、これも是非活用いただきたいと思っておりますが、こうした中で、ちょうどパワーハラスメントを防止するための措置、これが法的にも措置をされまして、ちょうど今年度、令和四年度から、中小企業を含めてこうした防止措置を全事業所で義務化されたということでありました。次なる展開というふうになっております。厚労省からは、カスタマーハラスメントについて、相談体制の整備などが望ましい取組として同時に示されております。
また、この直前に、厚生労働省がカスタマーハラスメント対策企業マニュアルを作成しておりますけれども、この概要、また令和四年度以降どのように活用されているか、お伺いしたいと思います。
政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。
御指摘のカスタマーハラスメント対策企業マニュアルは、令和四年二月に関係省庁連絡会議等での議論を経て作成したものであり、カスタマーハラスメントと考えられる言動やカスタマーハラスメント対策の基本的な枠組み等をお示ししているものでございます。
現在、業所管官庁の御協力を得て業界団体等に周知をさせていただいており、業界団体や企業によっては、本マニュアルも踏まえた独自の実効的な対策を推進されているものと承知してございます。
厚生労働省におきましては、令和五年度にマニュアルをより分かりやすくしたカスタマーハラスメント対策リーフレットの作成や、十二月のハラスメント撲滅月間で初めてカスタマーハラスメントをテーマとするシンポジウムを開催するほか、研修動画を作成し、先ほどお話ございました厚生労働省が運営するポータルサイトあかるい職場応援団に掲載するなど、戦略的な周知を行っているところでございます。また、令和六年度におきましては、カスタマーハラスメント対策に関心を持つ業界団体が業界共通の対応方針などを策定し、普及啓発を実施するモデル事業を行うこととしてございます。
今後も引き続き、業界団体や企業におきまして自主的な取組が進みますよう、厚生労働省としても支援してまいりたいと考えてございます。
里見隆治君 もう既に様々な業界分野でお取組をいただいているということですが、その中で一つ取り上げたいのが、カスタマー、お客様との接触の機会多いという意味で、この公共交通機関、交通分野が挙げられると思います。バス、鉄道、航空など、こうした交通分野におけるカスタマーハラスメント、まず国交省に、今実態をどのように把握をされておられるか、またこれも事業者団体の皆さんと協力をして対策を進めていただくべきと考えますけれども、この今の取組状況、また今後の対処方針についてお伺いします。
政府参考人(石原大君) お答え申し上げます。
交通分野におけるカスタマーハラスメントの実態につきましては、業界団体や事業者と連携し、現状把握に努めているところでございます。
まず、バスについてでございますけれども、これは、乗務員に対する暴力行為等の実態調査を昨年十月から行っておりまして、乗客の現行犯逮捕や警察に被害届出が受理された事案として、これまで十四件の報告を確認してございます。
鉄道につきましては、毎年、事業者とともに迷惑行為に関する連絡会議を開催しておりまして、令和四年度のカスタマーハラスメントの件数は千百二十四件、暴力行為の件数は五百六十九件となっております。
航空につきましては、グランドハンドリングの業界団体におきまして実態把握のための調査を行っており、その結果について報告を受けているところでございます。
カスタマーハラスメント対策は、ただいま申し上げました業界団体等との意見交換を通じた実態把握、対策の検討のほか、昨年八月、バスやタクシーの車内における氏名掲示義務の廃止を行ったところでございます。このほか、厚生労働省や警察庁等とも連携し、業種横断のマニュアルや啓発ポスターの策定、周知を行ってきたところでございます。
交通分野におけるカスタマーハラスメント対策は、輸送の安全確保や担い手確保の観点から重要な課題であると認識しております。委員御指摘のとおり、事業者や業界団体と協力し、更なる実効性の確保に向けしっかりと対応してまいります。
里見隆治君 カスタマーハラスメント対策、これは、事業者としての観点、また消費者としての観点、そして事業所で働く、実際に接客をされている労働者、もうあらゆる観点から対策を考えるべきだと思いますが、この労働者という観点でいいますと、結局、このハラスメント、カスタマーハラスメントを受けた労働者は、会社を休んでしまったり、あるいは通院を余儀なくされたりといった状況もあるということでございます。
その意味で、この労働者の保護、そしてその表裏一体としての事業者の責務と、そういった観点からより実効性がある対策が必要ではないかと思います。現在、公明党としても検討委員会を立ち上げまして、法整備も含めた対応策を検討しております。政府としても既に各省庁挙げての対応策、これを検討中だというふうにお伺いしておりますけれども、この対応策ですね、今、ガイドライン、またマニュアル等ではしっかり進めておられるということですが、この対応策をもう一重深掘りして取り組むべきだというふうに考えておりますが、厚労省、いかがでしょうか。
政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。
厚生労働省といたしましては、カスタマーハラスメント対策企業マニュアルを策定した後も業界団体や企業における自主的な取組が進みますよう、様々な支援を行っているところでございます。
また、労災保険におきましても、昨年九月に精神障害の労災認定基準の心理的負荷評価表を改正しまして、具体的出来事として、顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けたいわゆるカスタマーハラスメントを追加し、カスタマーハラスメントが心理的負荷として評価されることを明確化するなどの取組を行っているところでございます。
さらに、厚労省におきましては、本年二月から開催しております雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会におきまして、ハラスメントの現状と対応の方向性を検討事項としており、社会的に関心を集めておりますカスタマーハラスメントについても御議論いただいているところでございます。
引き続き、検討会におきまして専門家の知見を踏まえつつ、カスタマーハラスメントに関する施策の方向性について検討を進めてまいりたいと考えてございます。
里見隆治君 我々、党としての検討会でも、また政府としてもそうだと思いますけれども、この労働者保護という観点での対策、また先ほど申し上げたとおり、各業界ごとの対応、そして、ある意味、これハラスメントというものはやはり予防していくには消費者教育という観点でも必要だと思います。そういう意味で、政府を挙げての対応をお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。