遠回りせず通学、買い物
岐阜・各務原市
昨年5月の豪雨以来、通行止めになっている岐阜県各務原市の川島大橋(約340メートル)。木曽川に架かり、1日約1万台が通行する幹線道路(県道)だ。橋の復旧は数年先だが、付近の住民らが買い物や通学に使える歩行者・自転車用の仮橋が8月下旬に完成し、喜ばれている。車の迂回によって交通量が増えている近くの県道には横断歩道が設置された。
■復旧まで数年、国が工事を代行
通行止めで特に影響を受けているのは、橋の北側にある各務原市川島笠田町の住民。買い物のため橋の南側に行く際、大橋から2キロほど離れた平成川島橋まで迂回する必要があった。小中学校も橋の南側にあり、47人の児童生徒は遠回りしてスクールバスで通学していた。
橋は豪雨によって一部の橋脚が傾斜した。復旧には技術的困難が伴うことから、県は国の協力が不可欠だと考えた。赤羽一嘉前国土交通相が公明党の中川康洋衆院議員、里見隆治参院議員と昨年8月30日に現地を視察。その際、古田肇知事が復旧支援や歩行者用の橋の仮設を要望。直後の同9月3日、赤羽氏は、国が県に代わって歩行者用の仮橋設置を含む復旧工事を行うことを発表した。新たな川島大橋は4~6年後に完成予定だ。
仮橋は旧川島大橋の約300メートル西側にあり、全長約400メートル、幅約4メートル。小学1年生の男児は「きれいな橋で歩くのが楽しみ。大切に使う」と胸を躍らせる。住民の脇田誠さんは「橋の南側に用事があるとき、自転車でも気軽に行けるのはうれしい」と喜ぶ。
■交通量増、迂回路の県道に横断歩道
一方、川島大橋と平成川島橋を結ぶ県道沿いにある川島笠田町は、川島大橋の通行止めのため、迂回する車で県道の交通量が大幅に増えた。通学路であるにもかかわらず、横断歩道がないことを心配する声が上がっていた。
同町に住む脇田庄太郎さん(元公明党岐南町議)がこれを澄川寿之県議に相談。澄川県議は岐阜県警に対し、横断歩道設置を求めていた。
住民の田中秀信さんは「この県道はスピードを出す車が多く、見通しも悪い。横断歩道ができて安心して渡れる」と胸をなで下ろしていた。