里見氏らが視察
愛知県
愛知県は4月、たんの吸引や人工呼吸器などが日常的に必要な医療的ケア児とその家族を支援するため、医療的ケア児支援センターを7カ所に設置した。中核的機能を持つ基幹センター1カ所と、各地を担当する地域支援センター6カ所の体制で全県をカバーする。公明党の里見りゅうじ参院議員(参院選予定候補=愛知選挙区、自民党推薦)と党愛知県議団(木藤俊郎団長)は、基幹センターである、あいち医療的ケア児支援センターを視察した。
昨年施行された医療的ケア児支援法の柱の一つが、各都道府県による支援センターの設置だ。同法は、センターの業務として①医療的ケア児・家族の相談に応じた情報提供や助言②医療・保健・福祉・教育・労働など関係機関への情報提供と研修――を定めている。同法は超党派による議員立法で成立。公明党は当事者の切実な声を聴き、反映させた。
■家族から相談受ける/看護師、保育士への研修も
愛知県の地域支援センターは、医療的ケア児の家族や受け入れている保育所・障害福祉サービス事業所からの相談に対応するほか、保育所などへの訪問研修も行う。それに対し、基幹支援センターは、地域支援センターでは対応できない専門的相談を受けるほか、看護師や保育士などへの研修を実施する。
両センターとも、県医療療育総合センターをはじめとする重症心身障がい児・者施設などに委託する形で設置した。
木藤俊郎団長は、昨年12月定例議会で医療的ケア児支援法施行を受けた県の取り組みについて質問。「支援法に沿って支援の充実を」と述べ、センター設置などを訴えていた。
一行を案内した三浦清邦あいち医療的ケア児支援センター長は「医療的ケアが必要な子どもとその家族が、充実した豊かな人生を送ることができる県をめざす」と話した。
里見氏は「党のネットワークを生かし、課題にしっかり取り組んでいきたい」と述べた。
■母親「専門職の増員に期待」
「県として体制をつくってくれるのは本当にうれしい」――。豊田市に住む谷岡千鶴さんは、こう語る。千鶴さんの次男・成南くん(13)は生まれつきの脳性まひ。たんの吸引が欠かせない。市内の発達センターで通園療育を受け、市立小学校の特別支援学級に入学。何度も交渉した結果、昨年4月に入学した中学校では在校中の一定時間、訪問看護師にケアしてもらうことが可能になった。
千鶴さんは「何度も働き掛けて、やっと実現できた。当時、制度や体制があればずっと円滑だったと思う」と話す。今回県内7カ所に支援センターができたことについては、「10年前、医療的ケア児はほとんど認知されていなかった。体制ができたことで対応できる専門職が増えることを期待している」と話していた。
公明党ニュースより