決算委員会で岸田首相に訴えました

2022.06.14 08:47(2年前) ブログ国会質疑 |里見りゅうじ(里見隆治)

昨日の決算委員会でウクライナ避難民に継続的支援を岸田首相に訴えました。首相からは「適切に判断したい」との答えをいただきました。
愛知の明治用水の漏水問題についても、農業者へ補塡、支援が必要であると言及。
一方、健康寿命延伸に向けて、歯科検診の充実も訴えました。

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議事録

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。質問の機会をいただきありがとうございます。
 早速、議題であります令和二年度決算について岸田総理にお伺いいたします。
 令和二年度決算について会計検査院が決算検査報告を作成しています。この報告の中で特に注目をされるコロナ関連事業につきましては、予備費の使用が決定される一方で、多額の繰越額や不用額を計上している状況について、国民の理解と協力を得ながらコロナ対策を進めていくために、国民に対して十分な情報提供を行うことが望まれると会計検査院が所見を示しております。
   〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕
 政府は、令和三年度、四年度予算においても引き続きコロナ対策と予備費を計上しており、現在も事業を継続しておりますので、この報告を重く受け止め、今後に生かしていくべきと考えます。岸田総理、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(岸田文雄君) 会計検査院による令和二年度決算検査報告においては、新型コロナ対策に関連する施策に係る予算の執行状況等を検査した結果、多額の繰越額と不用額を計上している状況等について、国民に対して十分な情報提供を行うこと、また、多額の繰越額や不用額を計上したコロナ関連事業について、その原因を分析するなどして、適時適切な実施に努めるとともに、各事業に係る予算の執行状況を国民に対して広く情報提供すること、こうした所見が示されたと承知をしております。予備費を使用したものも含め、新型コロナ対策事業の透明性、また国民への説明責任、これは重要であると認識をいたします。
 政府としては、検査報告の趣旨をしっかり受け止め、令和三年度及び令和四年度における新型コロナ対策について国民に対して丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております。

里見隆治君 総理、コロナ関連事業につきましては、これは関係大臣も同じですけれども、次の令和三年度以降の決算においてもしっかりと検証してまいりたいと思っております。適正な予算執行、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、ウクライナ関連の人道支援についてお伺いいたします。
 ロシアによるウクライナ侵略の暴挙を強く非難し、即時撤退を求めます。
 長引く侵略による避難民の状況が深刻化をしておりまして、人数だけで見ても、ウクライナ国内では、五月上旬の八百万人程度をピークに減少しているものの、五月下旬に七百十三万人、一方、周辺国では更に増加を続け、最新の数字で七百三十六万人と、いずれも高水準に及んでおります。こうした深刻な状況を踏まえて、政府は国際社会と連携し、人道支援を継続して積極的に対応いただくことを強く望みます。
 ウクライナのお隣、欧州最貧国とされるモルドバの在京の大使が私たち公明党議員との懇談の中で、避難民を受け入れる中での自国の窮状を訴えておられたのが大変気掛かりでございます。政府として、モルドバに対しては、既にJICAを通じて現地で医療面のニーズなど調査を終えており、これを踏まえて支援を進める予定と伺っておりますが、早期の実行を求めます。
 林外務大臣におかれては、四月にポーランド、五月にドイツを訪問して現地の避難民の状況も把握され人道支援をリードしていただいており、感謝申し上げます。さらに、今月下旬にドイツで開催されるG7首脳会合、これを契機に、G7各国と協調して現地の避難民の方々に寄り添った支援をより積極的に進めていただきたいと考えます。林大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(林芳正君) 今、里見委員からお話のありましたウクライナやモルドバを始めとした周辺国の支援については、引き続き喫緊の課題であるという認識をG7の各国と共有をしておるところでございます。
 今御指摘のありました今月下旬のG7サミットでございますが、他のG7諸国と連携しながら、ウクライナやモルドバを含む周辺国の支援に関する議論、積極的に日本として貢献するとともに、委員が今お話のあったとおり、避難民の方々に寄り添った支援、これを行っていきたいと思っております。
 現在、日本政府は、ウクライナやモルドバを含む周辺国に対する計二億ドルの緊急人道支援におきまして、モルドバに対して特別の配慮を払いまして、避難民の保護や食料、保健医療等の分野で支援を実施中であります。
 そして、モルドバに対する二国間支援ですが、今委員から御指摘がありましたように、三月から五月にかけてJICAが計三回調査団を派遣をしておりまして、この報告を受けまして、現在、保健医療分野での支援策、これをできる限り早く実施に移せるように努めておるところでございます。
 また、それに加えまして、できることからやっていくという観点で、五月末に田中JICA理事長がモルドバを訪問した際に、モルドバに対する技術協力事業の一環といたしまして、首都キシナウの緊急病院に対しまして簡易超音波診断装置を供与するとともに、草の根・人間の安全保障無償資金協力のスキームによりまして公立医療機関二か所に対して理学療法機器一式や超音波検査装置を供与することを決定いたしまして、六月六日に現地で署名式を開催したところでございます。

里見隆治君 大臣、ありがとうございます。
 特にモルドバへの支援、この医療関係で透析が必要な患者さんがいらっしゃるということであります。これはもう刻一刻、一秒を争うということだと思いますので、早急な対応お願い申し上げます。
 次に、日本の国内のウクライナ避難民への今後の対応について総理にお伺いいたします。
 六月十一日時点でウクライナ避難民の日本への入国者数は千二百五十六人に上っております。私も先月、愛知県大府市でウクライナ避難民の親子と面会をいたしまして、避難民の生活の状況をお伺いしております。やはり先行きが見通せないことへの不安がとても大きいと思います。
 国内の避難民への支援については、三月上旬、総理の発言によって当面の措置として開始をされましたが、今後の先行きの不安をなくすためにも、身元引受人の有無にかかわらず、当面半年とされていた期限を越えて、生活費の支給など継続的な支援を行うべきと考えます。総理、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(岸田文雄君) 我が国へ受け入れたウクライナ避難民の方々への支援については、ウクライナ避難民対策連絡調整会議を司令塔として政府一体となって避難民の円滑な受入れと生活支援を行っている次第ですが、その中で、まず、身元引受先のない避難民の方々に対しては一時滞在場所の提供、生活費や医療費の支給等の支援を実施しており、また、身元引受先がある避難民の方々であっても実質的に身元引受先がないような状態に陥るなどした場合、要は状況が変化した場合、個別の状況に応じて生活費等の支給を含め必要な支援を行っているところです。
 そして、御指摘の支援期間についてですが、当面六か月程度は支援が必要になることを想定しておりますが、当該期間経過後の支援の在り方については、今後のウクライナ情勢、また避難民の方々の我が国での生活状況、これを踏まえて適切に判断してまいりたいと考えます。

里見隆治君 総理はこれ、別に半年で切りますとおっしゃっていませんし、適切にということでありますので、是非避難者の皆さんに寄り添って、必要な分だけ、必要に応じてしっかりとサービス、支援を提供いただくようにお願い申し上げます。
 次に、避難民の支援策の中でも日本語学習の支援について、これは末松文部科学大臣にお伺いしたいと思います。
 避難されたウクライナの方から、私自身、直接日本語学習についての必要性をお伺いしてまいりました。慣れない土地である日本にいらして、生活をする上でも、また仕事に就く上でも日本語学習は必須であります。既に自治体が先行して進めておられるところもありますが、かなり空白地帯も多いようでございます。
 国が責任を持ってウクライナ避難民の方への日本語教育の体制を整備し、また提供いただくべきと考えます。末松大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(末松信介君) 里見先生にお答えを申し上げます。
 日頃から日本語学習についていろいろと御意見をいただきましてありがとうございます。
 ウクライナからの避難民が我が国で円滑に社会生活を送るためには、日本語の学習を希望される方々に日本語教育の機会をしっかり提供することが重要と考えております。
 このため、生活に必要な初期日本語教育につきましては、一つには、入国後の一時滞在先に滞在する方々に対しましては、出入国在留管理庁と連携しながら日本語教育コースを提供しております。そしてまた、その各地域で定住を開始した方々に対しましては、日本語教室等を行う自治体を補助するとともに、都道府県と政令市に対して二分の一の補助を行っております。そして、補助事業の追加募集も行っておるところでございます。さらに、自治体が避難民に日本語教育を行うことが難しい場合の対応といたしましては、国によるオンラインの日本語教育支援を行っているところでございます。
 文部科学省といたしましては、引き続き、出入国在留管理庁を始め関係省庁と連携しながら、希望する避難民の方々が日本語教育を受けられるように努めてまいりたいと存じます。よろしくお願いします。

里見隆治君 今、実は御指摘の日本語教育の拠点となる日本語学校ですね、これは、この二年半、コロナ禍で留学生の入国も途絶え、また学生数が激減しておりまして、日本語教師もそれに応じて減少するなど大変な苦境に見舞われておりました。
 今回の避難民の対応にかかわらず、中長期的な展望に立ちますと、今後、留学、また就学などを目的とした外国人の来日が今後増加をしてくると考えます。そうしますと、恒常的、安定的に日本語教育を提供できる体制を整備することが必要だと思います。
 このため、先般、厚労省の、失礼しました、先般、公明党文部科学部会として末松大臣に要請をさせていただきましたけれども、日本語教師の国家資格制度化、そして日本語教育機関の水準の維持向上を図る認定制度について早急に法制化をすべきと考えます。末松大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(末松信介君) 五月二十五日に要望書を頂戴しまして、ぎっしり紙四枚書かれておりまして、拝読させていただきました。
 御提言いただいたとおり、日本語に通じない外国人に対しまして質の高い日本語教育を恒常的、安定的に提供する体制を整備するため、まず、日本語教師の新たな資格制度や日本語教育機関の水準の維持向上を図る認定制度に関する新たな法案の提出が必要と考えております。このことが一番重要でございます。このため、現在、日本語教育の質の維持向上の仕組みの更なる具体化のために有識者会議を設置をいたしまして議論を進めているところでございます。
 今後、関係者の御意見を丁寧に伺いながら、法案の速やかな提出に向けまして関係省庁としっかりと連携をいたしてまいりたいと思います。

里見隆治君 このコロナ禍を越えて、今後、中長期的な視野に立ちますと、是非この日本語の教育基盤づくり、早期の法制化進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、愛知県の明治用水の取水施設であります頭首工の漏水事故への対応について金子農水大臣にお伺いいたします。
 愛知県の西三河地域では、矢作川の水を豊田市の頭首工で取水して、明治用水を通じ、農業、工業、上水用に水を供給し、農業面では、稲作はもとより、イチジクや梨など園芸作物などの農業が盛んに行われております。その明治用水の頭首工の取水施設では、川底に漏水が発生をし、去る五月十八日に完全に取水ができなくなる状況に至りました。
 実は私、この地域が地元でございまして、翌十九日に公明党地元議員と現地に駆け付け、また農業者の現地の声を伺ってきております。金子大臣も先週八日に現地視察をいただいておりまして、その翌日、私も大臣にお目にかかった際に本件のお願いを申し上げておりますけれども、改めて現地愛知県からの声をお伝えしたいと思います。
   〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕
 今回の漏水は田植の時期を直撃したため、果物を含めて今後の生育に悪い影響が出ないよう最大限の対応をお願いしたいと思います。まずは農業に必要な水を一刻も早く確保するため、既に応急措置としてポンプによる緊急取水を進めていただいておりますが、抜本的な対策として漏水箇所を確実に塞いで取水の機能を復旧させることが必要だと考えます。
 早急な対応をお願いしておりましたが、金子大臣、現在の取組状況、いかがでしょうか。

国務大臣(金子原二郎君) 地元の皆様に大変御心配をお掛けしておりますが、現在、ポンプ等での緊急取水によりまして、農業用水については、現在、対象地域を四つのブロックに分けまして順番に供給していますが、今後の営農に影響が出ないよう、現場の御意見をよく聞きながら、適正量の確保と適切な配水に今後とも努力してまいりたいと思います。
 また、頭首工の機能復旧に向けましては、矢板を設置することにより、順次ポンプによる取水から自然取水に切り替えていきたいと考えております。
 このことと併せまして、必要な調査を速やかに行いながら漏水箇所を確実に閉塞する抜本的な対策を実施いたしまして、頭首工の機能復旧を適切に進めたいと考えております。その際の具体的な工法に関しましては、国土交通省の助言も踏まえつつ、有識者による検討委員会において御検討いただきながら今後決定してまいりたいと考えております。

里見隆治君 金子大臣、是非よろしくお願いします。
 これから梅雨の時期を迎えて、工事も困難になると予想されます。七月以降、稲などが生育してくる時期を考えますと、早急な対応が必要です。よろしくお願いいたします。
 この漏水の事案は、今回の明治用水の件だけではなくて全国の問題だと捉えるべきですし、しかも農業施設に限ったことではないと思います。
 そこで、総理にお伺いいたします。
 今回の漏水の原因を早急に徹底的に解明し、その成果を生かして全国的に同様の老朽化が進んでいる可能性のある農業用、そしてその他の取水施設の徹底的な洗い出しを行い、その上で十分な予算を確保して施設の更新整備を進める必要があると考えます。
 そもそも、防災・減災、国土強靱化、これは私ども公明党としても強く主張いたしまして、この老朽化対策を含め、昨年度から五か年加速化計画により進めていただいております。重点的な対策をお願いしたいと考えますけれども、岸田総理、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(岸田文雄君) 明治用水頭首工の漏水を受け、農林水産省において全国の頭首工の緊急点検を実施するとともに、有識者委員会を立ち上げ、事故原因究明と復旧対策に取り組みつつ、他の頭首工を含む農業水利施設の機能判断を計画的に実施し、必要な補修や更新等を行っていくこととしていると承知をしております。
 農業など地域を支える産業の持続可能な成長に向け、農業生産に不可欠な農業用水を供給する農業水利、既設の機能を安定的に発揮させていくことが重要であり、全国的に施設の老朽化が進行する中、計画的かつ効率的な補修などによりライフサイクルコストを低減する戦略的な保全管理、これを徹底して推進してまいりたいと考えます。

里見隆治君 この緊急的な対応が必要だと思いますけれども、逆に計画的に、これは五か年加速化計画でも盛り込まれておりますので、これ優先順位をしっかり付けて取組を進めていただきたいと思います。
 もう一点、農水大臣にお伺いいたします。
 これは、もちろん被害を最低限、最小限に抑えることが最優先なわけですが、今後農業の収穫面などで悪影響が出てきた場合も想定をして、地元愛知県から次のような御要望をいただいております。
 一つには、農作物の収穫量や収入の減少が生じた場合の農業者への補填、補償、これは農業保険の加入の有無にかかわらずという点でございます。また二つ目には、今回作業負担が増えたことで掛かり増し経費が掛かっている、これに対しても十分な支援をいただきたい。そして三つ目には、今当面の応急的な措置として県が農業用水の確保に向けた取組、また農業者への支援を行っていますが、これは最終的には国の責任と、様々な今検証を行っていただいていますので、これしっかりと最終的には国で責任を持って御負担をいただきたいと。
 こうした要望に対して、しっかりと現場の農業者に寄り添って最大限の支援を行っていただきたいと考えます。農水大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(金子原二郎君) 今般の漏水に起因する農作物等への影響に関する対応や、県や市及び土地改良区によるポンプの設置に係る費用への支援につきましては、漏水の原因究明を図りつつ、過去の災害に対する支援を参考といたしまして、どのような対応が必要か検討を進めてまいりたいと思います。

里見隆治君 たしか検証等はこれからということでありますが、姿勢としてはしっかり現場に寄り添っていくと、農業者の立場に立って考えていくと、この姿勢で臨んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、テーマを移しまして、後藤厚生労働大臣にお伺いいたします。
 今月六月四日はムシという語呂合わせで虫歯予防デー、先週金曜日まで一週間は恒例の歯と口の健康週間でありました。パネルを出していただきたいと思いますが、(資料提示)八十歳になっても自分の歯を二十本以上保とうという八〇二〇運動、実はこれは昭和六十三年から、愛知県の取組から始まりまして、今や全国に広まっております。
 八〇二〇を達成するためには、生涯を通じての歯の健診、これが大変重要でございます。この歯の健診がどうなっているか、パネルを、また配付資料を御覧いただきたいと思いますが、実は法律に根拠を持つ義務としての歯科健診は、一番上の段の乳幼児期と二段目の学齢期にあるとおり、一歳六か月、そして三歳児の乳幼児健診と、学校に通っている期間の毎年実施させている学校歯科健診だけでございます。真ん中の段の成人期には基本的には法定の歯科健診はなく、四十歳以上で十歳刻みに歯周病を中心とした健診が市町村が用意をする場合にある程度でございます。
 今後、人生百年時代を迎えるに当たって、歯と口の健康を維持するためには、他の一般の健康診断と同様に、現在抜け落ちている成人期を含め、生涯を通じて歯科健診が受けられるような仕組みをつくるべきだと考えます。
 そこで、先日、骨太の方針二〇二二では国民皆歯科健診との表現で明記をいただきましたが、今後その制度設計を早急に詰めていただきたいと思います。あわせて、特に高齢者のお口の衰え、オーラルフレイルと言われておりますが、その対策についても強力に推進し、多くの方がいつまでも自分の歯でおいしく御飯が食べられるような、そんな社会にしていただきたいと思います。
 ちょうど歯科口腔保健推進法の成立から既に十年を経過しておりまして、これまでの十年間の歯科保健対策についてもしっかりと検証して対策の拡充を行うべきと考えます。後藤大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(後藤茂之君) 歯と口腔の健康を保つことは、全身の健康を保つためにも大変重要であると認識しております。歯科疾患などを早期に発見、治療するためにも、生涯を通じて歯科健診を受けていただけるような環境を整えることが重要であるというふうに考えております。
 また、今、里見委員御指摘のとおり、先般閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針二〇二二、骨太方針におきましては、生涯を通じた歯科健診、いわゆる国民皆歯科健診の具体的な検討との文言が盛り込まれたところでございます。厚生労働省では、広く国民の皆様に口腔のチェックを受ける機会を持っていただける環境整備に向けて具体的な検討を進めてまいります。
 また、歯科口腔保健につきましては、御指摘の歯科口腔保健の推進に関する法律に基づきまして、国において平成二十四年に、過去一年間に歯科健診を受診した方の割合の増加や、六十歳代におけるそしゃくが良好な方の割合の増加など、令和四年、これはちょうど十年計画の最終年に当たるわけでございますけれども、その目標を定めるとともに、自治体が実施する歯科健診や、かむ、話す、飲み込むといった口腔機能の維持向上に向けた取組に対する財政支援を進めております。
 現在、歯科口腔保健の推進に関する専門委員会において目標の達成状況や各種取組の実施状況に関する評価を進めているところでございまして、今年度末には、こうした評価結果を踏まえまして、御指摘の高齢者のオーラルフレイル対策も含めて新たな目標を策定し、対策を強化していくこととしております。
 引き続き、歯科保健医療関係者や自治体の皆様と連携しながら歯科保健対策を推進してまいりたいと存じます。

里見隆治君 特に歯科健診のこれからの具体的な進め方、これは表にもありますように、実施主体を誰にするか、どういう頻度でやるのか、これをどのぐらいの程度の義務にするのか、様々な論点あろうかと思います。具体的な詰めを早急にお願いしたいと思います。
 次に、観光振興、観光産業の支援について斉藤国土交通大臣にお伺いします。
 地方での地域経済を支える観光産業、その関連産業は、二年半のコロナ禍で疲労した上に、疲弊した上に、さらに現在の物価高騰で大変な思いをしておられます。観光産業、地域の関連産業を何とかお支えいただきたいと考えます。
 一方、次のステージに向けて、地域で官民一体となって大規模改修、また個別施設の改修などを計画し、観光地の再生、観光サービスの高付加価値化の取組も始まっております。このための国の支援策も打ち出されており、私の地元愛知でも、こうした観光産業に精力的に取り組んでいる温泉地などを抱える蒲郡、あるいは伊勢湾、三河湾に囲まれ海産物も豊富な南知多町の日間賀島、篠島がそれぞれ応募して、もう既に候補地として、候補地域として採択をされております。これを是非、全国にも広がるよう積極的な御支援をお願いしたいと思います。
 今後は、また複数年度でこれは計画実施をする方がより使いやすいと、そのようなお声も伺っておりますので、基金を設けて継続的に支援をいただく、こうしたことも御検討いただきたいと思います。斉藤大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(斉藤鉄夫君) 里見隆治議員にお答えいたします。
 観光地や観光関連事業者の皆様は新型コロナウイルスの感染拡大により甚大な影響を受けていますが、観光はこれからの成長戦略の柱、また地域活性化の切り札と我々は考えております。
 先ほど里見委員御指摘の地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業については、宿泊施設のみならず観光地の面的な再生を可能とし、廃屋を撤去するとか、そういう地域全体への波及効果も大きいことから、各地で大いに活用を期待されているところです。
 しかしながら、本事業については、地域の多くの関係者の調整が必要であるなどにより事業の実施に長期間を要する場合も少なくないため、複数年度事業化などについて業界団体からも強い要望をいただいております。
 このため、政府としては、六月七日に閣議決定された骨太の方針において、観光地の再生、高付加価値について、基金化などの計画的、継続的な支援策が可能となるよう制度を拡充すると盛り込んだところでございまして、今後具体化に向けてしっかりと取り組んでまいります。

里見隆治君 基金化というお話もいただきました。積極的な御検討をお願いいたします。
 もう時間ありませんので、最後、私からの要望にとどめますけれども、一方で、観光地をしっかり支えながら交流人口を増やしていく、観光をより盛んにしていく、そのためのGoToトラベル事業、これも感染対策もしっかりと見極めながら進めていく必要があると。
 今回の骨太の方針で、この国内交流需要喚起策の実施として、事業期間も最大限確保し、また、それに見合う予算も十分に確保すべきと、その点もしっかり明記されましたので、この点もお進めいただくことお願いを申し上げまして、質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。

公明党
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