党対策本部、家島諸島回り実情聴く
兵庫・姫路市
瀬戸内海東部の播磨灘に浮かぶ兵庫県姫路市の家島諸島―。公明党離島振興対策本部(本部長=竹谷とし子参院議員)は同諸島の課題と振興策を探るため、11月28、29の両日、現地を視察し、島民らと意見を交わした。竹谷本部長のほか、里見隆治事務局長、山本博司顧問(ともに参院議員)のほか、党同県本部の中野洋昌衆院議員、伊藤孝江、高橋光男の両参院議員、天野文夫県議、有馬剛朗市議らが同行した(一部既報)
海底送水管の設備更新、早急に
家島諸島は姫路市の18キロ沖合に位置する。大小40余りの島々からなり、家島本島、坊勢島、男鹿島、西島の4島に計5000人ほどが生活。採石や海運、水産業が盛んだが、最近は離島ならではの自然を生かした観光にも力を入れている。
家島本島では、真浦、宮の両地区の自治会の代表らと懇談。真浦区会の畑野長利区長は、港湾整備などの公共事業が全国的に減少している影響で採石・海運業に従事する人が島を離れ「人口減少と過疎化に拍車を掛けている」と訴えた。
一方、宮区会の福田弁一郎区長らは、本土側(兵庫県赤穂市)から離島に水を送る海底送水管について「家島にとって命の水。これが切れては生活ができなくなる」と述べ、40年とされる法定耐用年数の期限が目前に迫る設備更新に早急に取り組むよう要望した。
このほか、家島観光事業組合(岡部賀胤代表理事)とも意見交換した。
次いで一行は、家島本島から船で坊勢島へ。坊勢区会(池田一憲区長)との懇談では、姫路港までの定期船の運賃が片道1000円と割高なことから「島民割引の制度を考えてほしい」などの意見が寄せられた。
この後、一行は坊勢漁業協同組合を訪問。岡田武夫代表理事組合長は、養殖ノリの色落ちやイカナゴをはじめとする漁獲量の減少などに頭を悩ませていると語り、その一因として播磨灘で近年、海の生物の成長に必要な窒素やリンといった「栄養塩」の濃度が低下している点を指摘。透明度は上がり水質は改善しているが「魚介が育つ海ではなくなっている」とし、国や県による対策強化を求めた。
視察後、伊藤氏は「家島の皆さんの暮らしと産業を守るため全力を挙げる」と力説。竹谷本部長は、2023年3月末に期限が切れる離島振興法の改正・延長に向けた議論に、島民の声を生かしていく考えを示した。