経済産業委員会で質疑に立ちました

2021.04.07 10:21(3年前) ブログ国会質疑 |里見りゅうじ(里見隆治)

昨日、経済産業委員会で質疑に立ちました。新型コロナ対策における、事業者への更なる支援充実を訴えました。 引き続きコロナ対策に尽力してまいります。

テーマ
・法案等の誤りの検証と再発防止
・中堅・中小企業への一時支援金等
・金属アーク溶接作業における健康障害防止措置の義務化への対応
・介護機器等の開発、車椅子での移動円滑化
・高齢運転者の増加に対応したモビリティの対応

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私から、まず大臣に、法案等の誤りの検証と再発防止についてお伺いをせざるを得ません。
 先ほど大臣からも、産業競争力強化法の改正、またその関係資料、参考資料につきまして、再点検の結果概要、御報告をいただいたところでございます。
 政府が国会に法案を提出するというその重大性からして、今回の誤りは大変重く受け止めなければならない。このことは、私、与党としても強く申し上げておきたいと思います。検証の上に、その反省に立って再発防止を徹底していただかなければなりません。
 先ほど来るる大臣から既に御発言をいただいておりますので、私からは、特に御発言いただきたいのは、この今回の法案のミスについては、誤りについては複数省庁で同様の事案が発生しているということ、これを踏まえますと、政府全体としてお取組をいただくべき事案である。特に、これは公務員の働き方の問題、またデジタル技術などをどう活用していくのかということも含めて、業務の効率化、また組織のマネジメントといった観点から、こうしたチャンスと捉え、こうした機会をチャンスと捉えて行政組織自体を変革していくという観点で取り組んでいただく必要があると考えております。また、政府全体の検討にも経産省として積極的に貢献をいただきたいと考えております。
 大臣の御所見を伺います。

国務大臣(梶山弘志君) 今回の誤りは、国会に法案を提出して御審議を仰ぐ立場の政府として誠に遺憾であり、改めて深くおわびを申し上げます。
 今委員からお話のありましたように、経産省として、条文のチェック、複数の目を使って、また、その条文の作成に関わっていない立場の人間の目を使って確認をしていくことを丁寧にしてまいりたいと思っておりますけれども、政府全体としても、省庁横断の法案誤り等再発防止プロジェクトチームにおいて実効性のある再発防止策を政府一丸となって検討していくこととしており、そういった中に、働き方の問題であるとか、また点検の問題であるとかということも含まれていくことと思いますけれども、経済産業省としても積極的にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

里見隆治君 よろしくお願いします。
 では、中堅・中小企業の支援についてお伺いをしてまいります。
 新型コロナウイルス感染症への対応ということで、昨日、四月五日、大阪、兵庫、宮城の三県でまん延防止等重点措置が適用されております。その適用地域において、地方自治体による時短要請等に応じた飲食店に対する協力金、これは、これまでの定額方式、様々な意見がございました。私ども公明党からも、これを売上げ等に応じた支給額にすべきということを申し上げてまいりましたが、今回、そうしたことに一歩近づいているということについては大変評価をしております。今後、その他の給付についても同様の計算方式が取れないか、そのようなことも御検討いただきたいと思っております。
 その上で、まん延防止等重点措置地域において、協力金の対象外の中堅・中小企業について支援を行っていただいております。緊急事態宣言の際の一時支援金のように、その支援対象については、飲食店の時短営業の影響の有無だけではなく様々な観点を考慮するべきだというふうに考えております。
 例えば、夜間の営業はしていない昼間の営業、喫茶店などその代表例だと思いますけれども、他の飲食と同様に影響を受けておりますし、また、飲食店と軒を並べて商売をしている事業者の皆さんも大きな影響を受けております。広く、そもそもの重点措置の影響を受けるこれらを支援するという観点から、より柔軟に対象を御検討いただきたいと考えておりますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。
 四月の一日木曜日、このコロナ本部の取りまとめを踏まえまして、政府といたしまして、まん延防止等重点措置の影響により売上げが半減した中堅・中小企業者に対して、一月当たり法人二十万円、個人事業者十万円を上限に売上げ減少相当額を給付することといたしたところでございます。一時支援金につきましては、委員御指摘のとおり、緊急事態宣言に伴う外出自粛要請の影響を受けた事業者ということで支援対象としてきたところでございます。
 今般のまん延防止等重点措置における外出自粛要請につきましては、特措法上、自治体独自の判断で行われる協力要請という位置付けであると承知をしておりますけれども、こうした点も含めまして、まん延防止等重点措置の内容も踏まえて今後新たな支援策の詳細な制度設計をしてまいりたいというふうに考えてございます。

里見隆治君 是非、実態に即して必要な方に必要な支援が行くようにという観点からの運用をお願いしたいと思います。
 また、引き続き、中小企業支援についてお伺いしたいと思います。
 一月からの緊急事態宣言の影響で売上げが半減した中堅・中小企業の一時支援金については、昨年の持続化給付金での不正事案などを踏まえて、その反省を踏まえて、登録確認機関によって事業の実在を確認して支給手続に入るということとされています。当初は、どこの登録確認機関も受け付けてくれないだとか、他のサービスを含めて多額の手数料の請求を受けそうになったといった相談を伺っておりましたが、私ども党の経産部会等でもその辺様々状況をお伝えし、幅広くこうした登録確認機関へのアクセスを確保できるように要望してまいりました。
 身近なところにお願いできる機関がない場合には、事務局で用意した登録確認機関で対応してもらえるようになり、この改善点については有り難く感じております。ただ、登録確認機関がすぐ見付からないといったお声については、もう既に生じていないのか、先日も問合せをしたけれども、大分そこにたどり着くまでに時間が掛かったというようなお声も聞いております。こうした手続面にも御配慮いただきたいと思います。
 また、支給手続が原則オンラインということですので、オンラインになかなかアクセスできない中小企業の皆さんにはサポート会場を御用意いただいておりますけれども、こうしたサポート会場でも人手を掛けて丁寧に迅速に手続を進めていただきたいと考えておりますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。
 一時支援金の方の登録確認機関でございますけれども、現在、金融機関、税理士等の士業、商工会、商工会議所、漁協、農協などに御登録いただいておりまして、四月二日時点では約二万六千ということでございます。
 それから、加えて、登録確認機関を見付けることが困難な方々を対象に、三月の二十四日より事務局自身において登録確認機関を設置して対応するといったことも行っております。
 それから、その次に、申請のサポートについて、人手を使ってということでございます、電子申請に不慣れな事業者の方々もいらっしゃるということで。まず、申請手続を対面でサポートする申請サポート会場、これ全国四十七会場、各都道府県庁所在地でありますけれども一会場設置をしてございます。必要に応じまして順次増設していくことも検討しております。
 それから、その次に、制度開始に当たりまして、税理士などの士業の団体、あるいは全国の商工会、商工会議所のほか業界団体などにも要請文書を発出しまして事業者のサポートをお願いしているところでございます。
 事業者の皆様がスムーズに御申請いただけるように、引き続きいろいろ考えて取り組んでまいりたいというふうに思っております。

里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 中小企業、中堅企業の皆さん、今回のコロナ禍での影響だけではなくて、この四月、年度替わりで、例えば労働関係、働き方改革の様々な制度の施行といったことでの、ある一面では負担とも取れる様々な制度改正もございまして、大変御苦労いただいていると思います。そうした意味で、是非必要な方には必要なサポートをという、そうした姿勢で臨んでいただきたいと思います。
 若干、その関係で、当初通告をしておりました順番と順番を変えますけれども、労働安全また労働分野での産業安全ということでの観点から、金属アーク溶接の作業における健康障害防止措置の義務化、これも本年四月一日からの義務化でございまして、そのことについても現場の皆さんからお声をいただいているので、こちらで是非、経産省のスタンス、あっ、済みません、失礼しました、厚生労働省のお考え、対応策についてお伺いしたいと思います。
 この今申し上げました金属アーク溶接作業については、溶接ヒュームに含まれる化学物質について今年度から健康障害防止措置が義務付けられております。溶接の現場でこうした規制強化が行われたということでございます。
 まず、その趣旨、目的についてお伺いしたいと思います。その上で、後ほど、それに対する助成についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。
 溶接ヒュームにつきましては、議員御指摘のとおり、労働者に健康障害を及ぼすおそれがあることが明らかになったことから、特定化学物質として、溶接ヒュームの濃度測定や有効な呼吸用保護具の使用など、健康障害防止に必要な措置を特定化学物質障害予防規則に規定をいたしまして、令和三年四月から施行をすることとしたところでございます。

里見隆治君 今の義務化によって事業主は新たな設備投資等を行う必要が出てまいりまして、これ相当な負担であるというふうに伺っております。もうこれ既に決まったことであり、また施行されるということでありますので、これをどういうふうに支援をしながら実効あらしめていくかという観点で臨んでいかなければなりません。
 この溶接ヒューム濃度の測定費用、またマスクの購入費用などに対する助成が不可欠と考えておりますけれども、その対応策についてお伺いいたします。

政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。
 溶接ヒュームのその関係でございますが、御指摘のありました溶接ヒュームの濃度測定ですが、今年度を経過措置期間というふうにしてございます。その期間中の濃度測定に要する費用の二分の一、単価二万円を上限とする補助事業を予定をしているところでございます。
 それにいたしましても、周知も重要でございます。引き続き、改正内容、それから溶接ヒュームの濃度測定に必要なその経費の補助の制度につきまして、事業者に周知を図ってまいりたいと存じております。

里見隆治君 経過措置も設けながら、また周知も進めていただきながらということですので、よく現場の事業者の皆さんがどのような御意見をお持ちか、御要望をお持ちかということを踏まえての御対応をお願いしたいと思います。
 それでは、続きまして、この産業分野において、日本社会が高齢化が進んでいく中で、どのような生活様式、また産業の在り方を追求していくべきかと、そうした観点から何点かお伺いしていきたいと思います。
 まず、高齢化の対応として、これからますます高齢者が増えていく、そうした中で介護需要が増えていく、その介護現場をどのように、これは厚生労働省だけではなくて、政府全体としてどのようなサポート体制をつくっていくのかという観点で、経産省の分野から何ができるのかという観点で幾つか御質問をしたいと思います。
 介護現場では介護需要が増え続けている一方で、なかなか介護人材が確保できないという、これはもう長年の課題でございます。もちろん、人材確保には、対する手は打っていく必要があるものの、それだけでは追い付きません。介護現場の生産性向上のためのIT機器、ロボットの導入など、厚労省だけでなく、政府を挙げてこうした開発にも積極的に関わっていただく必要があると考えております。
 今年度から介護報酬でも、見守り機器を導入した介護事業者にはこれを介護報酬上評価をする改定が行われておりまして、その推進が期待されているところであります。同時に、介護機器を開発を所管する経産省においては、介護現場のニーズに応じた優れた介護機器の開発について、厚労省ともよく連携をして推進すべきだと考えます。経産大臣の御所見についてお伺いいたします。

国務大臣(梶山弘志君) 高齢化の進展による介護需要の増加により、介護現場では人材の不足が深刻になりつつあります。こうした状況を踏まえて、経済産業省では、介護現場の生産性向上を図るためにロボット技術を活用した介護機器の開発を支援をしてきたところであります。
 委員御指摘のとおり、介護機器の開発に当たっては、介護現場のニーズを十分踏まえることが重要であります。そこで、厚生労働省と連携しながら、利用者への意見聴取や検討会の開催を行い、排せつ、入浴、見守りなど、現場のニーズを踏まえた重点分野を定めて機器開発の支援を行っているところであります。また、来年度から、機器開発に際しては、非接触に資する機器開発など、コロナウイルス感染症への対応を考慮した開発を支援するほか、厚生労働省が提供する介護機器の実証フィールドであるリビングラボ事業とも連携しながら開発の支援を進めることとしております。
 今後とも、引き続き厚生労働省と連携しながら、介護現場のニーズを踏まえた機器の開発を支援をしてまいりたいと考えております。

里見隆治君 そうした基本的な姿勢の上で、私が現場からお伺いをしてきた課題について確認をしておきたいと思います。
 先般も介護現場にお伺いしたところ、最近、IT化、ロボット化ということで、様々な介護機器の導入が進んでいると。それ自体、一つ一つはいいんだけれども、その分、機器が増え、またその操作端末がその機器ごとに準備されると、大変混乱をしているということでございました。メーカーが異なっていても一つの端末で複数の機器を管理できるようにするといった工夫が大事だと、そのようなコメント、要望をいただいております。
 その意味では、そうした観点、現場での使いやすさという意味での機器の開発、またメーカーを超えての標準化ということも重要だと思います。これを、単に民間の範囲の話だというふうに整理するのではなくて、メーカー任せにするのではなくて、所管省庁として経産省もリードしてこうした機器の開発、標準化という点について推進をいただく必要があると考えておりますけれども、経産省の対応方針についてお伺いいたします。

政府参考人(畠山陽二郎君) ロボット技術を活用いたしました介護機器の開発に当たりましては、現場を所管する厚生労働省とも連携いたしまして、現場のニーズを踏まえた重点分野を定めて支援を行ってきているところでございます。この重点分野、直近の改訂におきましては、御指摘いただいた問題意識に沿っているんですが、介護業務支援という分野を新たに設けまして、開発の支援を進めております。
 この介護業務支援とは、複数の機器が導入された状況を想定して設けた分野でありまして、具体的には、見守り機器や排せつ支援の機器など、個別の機器ごとの情報を収集、蓄積するための開発ですとか、あるいはその複数の機器の端末を一つに集約する開発を支援してきているところでございます。
 御指摘のとおり、一つの端末で機器を管理できる簡便さが重要だと思っておりまして、これまでの支援先にはスマートフォンで複数の機器の管理ができる開発案件も含まれております。
 今後とも、こうした機器開発の支援を進めるとともに、関連企業の開発の状況を把握しながら、こうした取組の標準化の在り方についても検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
 以上でございます。

里見隆治君 よろしくお願いします。
 こうした介護機器に加えまして、もう一つ、御高齢の方が単なる要介護者としてその施設あるいは御自宅で介護を受けるということだけでなくて、より社会的な活動、この行動範囲を広げていただくという意味では、車椅子などの移動補助のための支援というものも必要ではないかと考えております。御高齢の方が車椅子を使ってその行動範囲が広がれば、それだけ御本人の認知症の進み具合が減るだとか、社会的なコミュニケーションも増えていくという、そうした効果もあると思います。
 さらに、車椅子に乗れるということだけではなくて、この車椅子が、例えば車により乗りやすくする、車椅子に乗ったままタクシーに乗れる、あるいは福祉施設に通う際のバスに乗りやすくするといったことでも更に行動範囲を広げることができる、そうした発想で、単なる要介護者として押しとどめるのではなくて、社会にいかに開放していくかと、そういうことも考える必要があると思います。
 身近な例で、例えば福祉施設の送迎、私も自分の家に両親がおりますので、妻の両親がおりますので送迎をしますけれども、結構、車椅子で乗り降り、時間も掛かりますし、これが集合で五人、六人で行くと、もう待たせてしまって悪いなと、何かお年寄りだと人を待たせることが非常に申し訳ないというような思いで、そうすると、ちゅうちょして、そうしたバスや車にも乗らなくなる、そうしたことでは逆効果であります。
 最近では、例えばユニバーサルタクシーなども走っていて、そのまま車椅子で乗れるというような体制もつくられつつありますので、そういう意味では、車椅子ごと自動車に乗れる、そうした支援というものが私は大変重要だと考えております。
 今日は、お手元に配付資料で、この車椅子をどうやって自動車に固定するかということについて様々な工夫をしている好事例がありましたので、共有をさせていただきたいと思います。
 まず一枚目の固定方式が、これは従来型の固定方式でありまして、いわゆる四点方式というものであります。ベルトで車椅子の前後を固定する方式になります。この方式は、どうしても車椅子を固定する一連の作業に時間が掛かってしまいます。例えば、先ほど福祉施設に行くときのバスの乗り降りに時間が掛かると申し上げましたけれども、例えばこれ、通常の定期バスなんかでも、運転手さんが、ワンマンバスですと降りて、スロープを出して、車椅子を乗っけて、ベルトを掛けて、それだけで数分掛けて、なかなかそれに耐えられないというお年寄りの方もいらっしゃいます。これをいかに安全にかつ短時間で行うことができるか、そのための工夫を、様々知恵を現場で出していただいております。
 大事なのはしっかり固定すること、しかしながら時間を掛けずにこの固定を行うこと、これを両立する方法として私がお伺いしてまいりましたのが、二枚目にございますワンタッチ式固定というものでございます。ちょっとこれ図が、済みません、見にくいんですけれども、実はこの車椅子の下にバー、横の棒が用意されていまして、自動車の側に、床の側にバーをロックする機械を設けていまして、このアンカーバーというバーがロックされることで固定をするというものでございます。安全性の確保というものは更に追求をする必要がありますけれども、これがワンタッチで固定されますので時間が短縮されるわけであります。先ほど申し上げた介護施設の職員の負担軽減、あるいはバスの乗り降りが大変短時間になるといった可能性を秘めたものだと考えております。
 私、一昨年、三年前ですか、東京ビッグサイトで開催されて、毎年開催されておりますアジア最大級の福祉機器の見本市を視察した際に拝見してまいりました。このワンタッチ方式については、政府としても普及のための後押しを是非お願いしたいと思います。
 昨年、国土交通委員会の方でありましたけれども、この国際標準化についても御質問をいたしました。標準化をすることで、日本のみならずこれは国際的にも広げていただきたいと、そんな思いでありますけれども、現在、その進捗状況、また今後の取組についてお伺いしたいと思います。

政府参考人(畠山陽二郎君) お答えいたします。
 高齢化の進展に伴いまして、高齢者の方々が社会参加を続けるために、車椅子の利用その他移動手段を確保すること、そしてその利便性を向上させることは大変重要な課題だと考えております。車椅子のまま車両に乗車して移動する機会も増加していると承知しておりまして、自動車への固定方法に関しまして、利便性向上や普及の観点からワンタッチ方式の標準化に向けた活動は重要であると、このように認識しております。
 このため、経済産業省では、昨年度から福祉用具の業界団体、それから自動車の業界団体に参画していただきながら標準化に向けた検討を進めているところでございます。令和四年度までにISO、国際標準化機構に提案を行うことを目指しており、今年度は原案作成ですとかロビーイング活動を行おうとしているところでございます。
 経済産業省といたしましては、自動車業界側と車椅子業界側の双方の意見を伺いながら、介助をする方の利便性、高齢者や障害者の方々の安全性を考慮し、国際標準化に向けた取組を着実に進めてまいりたいと考えております。

里見隆治君 ISOに向けて歩みを進めていただいているということでございます。期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、車椅子のお話をしましたが、車本体についてもお伺いしたいと思います。
 車椅子ではなくて、御自身で車の運転ができればそれは言うことがないわけであります。私も愛知県出身でございますけれども、愛知県に国立長寿医療研究センターというセンターがございまして、御高齢の皆さんの運転寿命の長寿化と、運転をより安全に長くしていただこうというプロジェクトがありまして、私もその一員として様々研究調査に関わらせていただいております。
 まず、経産省にお伺いしたいのは、御高齢の運転者の交通事故防止、ここ数年来、様々な対策を講じていただいておりますけれども、その代表例でもあります安全運転サポート車、いわゆるサポカーの普及についてまずお伺いしたいと思います。
 令和元年度補正予算でサポカー補助金一千百二十七億円を計上し、六十五歳以上の高齢運転者に対してこれまで九十万台以上のサポカー購入を支援いただいております。一方、六十五歳以上の高齢運転者、その母数となる規模でありますが、全国に一千九百万人ということでありまして、まだまだサポカーに買い換えずに乗り続けている方が大変多くいらっしゃいます。
 こうした中で、経産省としては、今後、サポカーの一層の普及にどのように取り組んでいかれるか、お伺いいたします。

政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、高齢者による交通事故の防止、高齢者の安全運転を支える対策ということは大変重要な課題でございます。このため、経済産業省では、サポカーの普及啓発に向けまして、試乗会の実施あるいは紹介ポスターの作成等、関係省庁とも連携しながら、また官民一体となって取り組んできたところでございます。
 今御指摘ございました令和元年度補正予算でございますが、これで高齢運転者のサポカー購入を支援するサポカー補助金というのを措置したわけでございますが、コロナの影響で自動車販売が減少したこともありまして当初の補助金を使っていないという状況もございましたので、これを今年度にも繰り越しまして、更に期間を延長して補助金の申請を受け付けるということを行っているところでございます。この補助金、まずはこの補助金の着実な執行を通じまして、サポカーの普及拡大を後押ししていきたいと思っております。
 それから、このサポカーにつきましては、日本の提案によりまして国際基準が策定されておりまして、本年十一月からはこの国際基準が段階的に義務化されると、こういう状況にございます。こうした動向も踏まえながら、関係省庁と連携して更なる普及、これに取り組んでまいりたいというふうに考えております。

里見隆治君 今御答弁いただいたとおり、まずは、このサポカー補助金、繰り越していただきましたので、これを活用しながらその普及に努めていくと。また、これから、十一月から更に標準化が進んでいくということでありますので、その中で我々も次なる支援策、どうこれを進めていくか、一緒に考えていきたいと思います。
 このサポカーについては、サポカーそのものもいいわけですけれども、機能としましては、ブレーキとアクセルの踏み間違いを防止していくということが観点であろうかと思います。先ほど申し上げました長寿医療研究センターで様々な先生方のお話を伺いますと、実は御高齢の皆さんの事故の類型をいろいろと調査しますと、必ずしもブレーキ、アクセルだけではなくて、例えばハンドルの操作ミスなどもあると聞いております。そうすると、なかなかこれ、サポカーが普及したからといって、そうした事故まで全てを拾えるものではないということであります。
 もちろん、今、自動運転の技術が大変なスピードで進めていただいておりますけれども、まだこれもすぐにあした、あさって実現するものではないということからしますと、このサポカーの機能をより拡充して自動運転が本当に確実により広がる形で実用化されるその日まで、様々な知恵を、まだまだこの数年、我々知恵を出していかないといけないんじゃないかと思います。
 四月五日にレベル3の自動運転車の発売ということでありますので、私も期待はしているところでありますが、そのつなぎ方ですね、自動運転までのつなぎ方について、これ例えばいろいろな方にお伺いしてみますと、ADASというんでしょうか、先進運転支援システム、そういった開発の普及ということも研究をされているようでございますが、その取組について経産省からお伺いしたいと思います。

政府参考人(藤木俊光君) ただいま委員御指摘のとおり、先進運転支援システム、ADAS、これの更なる開発普及ということによってより安全な運転を支援していくと、こういった考え方は重要であるというふうに考えております。
 ADAS技術と言われる中には、例えば追従走行機能でありますとか、あるいは車線を維持するのを支援する機能と、こういったようなものが含まれているわけでありますが、こういう技術を組み合わせていくと自動走行に至るということでございますので、自動運転技術を磨いていくということによって、その途上でADAS技術の開発につながっていくというふうに考えておりまして、私どもとしても、例えば多様な走行環境における安全性評価手法の検討、あるいは高精度三次元地図などの基盤的な技術の構築ということに取り組んでいるところでございます。
 また、先進安全技術の実用化に向けて、国土交通省さんの方で技術要件の検討等進められているわけでありますが、その中で、私ども経済産業省もこういった検討に参画して、例えば制限速度を超えないような車速を制御するシステムといったようなものの検討を進めているところでございます。
 引き続き、高齢者の事故防止、これに向けまして、関係省庁、自動車業界と連携しながらADASの開発、実用化ということにもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。

里見隆治君 そうですね、今つなぎというふうに申し上げましたけれども、そうした技術開発、また実用化が、その延長線上に自動運転があるということであります。是非こうした分野でも日本のこの物づくりの知恵を結集して進めていただければと思います。
 今御説明、御答弁いただいたような自動運転に向けての様々なシステムの開発ということも大事でありますが、そもそも、例えば御高齢の方という観点でいえば、そんなに最新鋭の自動運転でなくても、ちょっと中山間地で御高齢の皆さんが自転車代わりにちょっとちょい乗りという感覚で、原付ほど小さくはなくても、ちょっと、軽自動車というほど大きくはなくても、ちょっと気軽に乗れるような乗り物、こうしたものが普及できるといいんではないかと、そんなようなことも考えております。
 ヨーロッパではクワドリシクルという軽量の四輪車を含む型式指定が設けられていて、パリの町中でも小型モビリティーが活用されているということであります。
 日本でも昨年、一般道の走行が可能となるような車両安全性の検討を踏まえて超小型モビリティーの保安基準改正が実施されて、型式指定車の超小型モビリティーが登場したというふうに伺っております。これを端緒として、今後、低速の小型モビリティーの普及、これについて是非お取組を進めていただきたいと思っております。
 今日は国交省からも参考人来ていただいておりますけれども、国交省としてのお取組についてお伺いしたいと思います。

政府参考人(江坂行弘君) お答えいたします。
 議員御指摘の低速で小型のモビリティーにつきましては、乗員や道路ユーザーの安全確保が前提となりますが、小回りが利き、環境性能に優れ、そして地域の手軽な移動手段として我が国におきましても活用が期待できるものと考えております。
 国土交通省では、このようなモビリティーに対するニーズに対応するため、地元の地方自治体の了解の下で走行区域を限定して公道走行を可能とする超小型モビリティー認定制度を創設し、運用してまいりましたが、昨年九月、走行区域を限定しない形で一般道の走行が可能となるよう、型式指定に係ります安全基準の整備を実施いたしました。加えて、このようなモビリティーの大宗は電気自動車であり、グリーン化にも資することから、経済産業省を始めとした関係省庁と連携いたしまして、車両購入等に対する補助や税制優遇を行うなど、電動小型モビリティーの普及促進にも取り組んでおります。
 国土交通省といたしましては、引き続き、道路交通の安全、安心の確保を前提といたしまして、低速で小型のモビリティーに対する社会的ニーズを踏まえながら、超小型モビリティー認定制度を始めとする諸制度を適切に運用し、このような新たなモビリティーの普及促進を図ってまいります。

里見隆治君 ありがとうございます。
 この後、今日、警察庁にもお越しいただいていますので警察庁にもお伺いしますけれども、車社会の発展というのはメーカー、またそのマーケットを見ていただいている経産省、またこうした保安基準等、安全性という観点から国土交通省、またこれは免許という資格についてという観点から警察庁にも大変重要な関わりをいただいております。
 そうした意味で、免許という点で今申し上げたような方向性での質問をさせていただきたいんですが、昨年七月に閣議決定をされました規制改革実施計画の中で、自動車運転技術の進展に対応した新たな運転免許の検討について、引き続き検討を進め、結論を得次第速やかに措置というふうに閣議決定されています。これは今、ずっと申し上げてまいりました高齢者の運転という観点でも大変期待できる分野でございます。
 私が先ほど来申し上げている低速モビリティーを活用できるとの観点でも、原付免許の対象に低速モビリティーを加えるだとか、自動運転技術の進展に対応した免許の在り方について検討いただけるのではないかというふうに期待しておりますけれども、現在の検討状況についてお伺いいたします。

政府参考人(新田慎二君) お答えいたします。
 高齢者の安全運転と移動を伴う日常生活を支えるための施策を充実させることは重要な課題であると認識しております。
 警察におきましては、令和二年の道路交通法改正におきまして、申請により運転することができる自動車を安全運転サポート車に限定するなどの限定条件付免許制度を導入することといたしました。この限定条件付免許制度は、運転に不安を覚える高齢運転者などに対し、自主返納だけでなく、より安全な自動車に限って運転を継続するという中間的な選択肢を設けるものでありまして、高齢者の安全運転やモビリティーの確保につながるものと考えております。
 お尋ねの低速モビリティーにつきましては、現行の道路交通法上、普通自動車免許等で運転可能でございまして、特別な運転免許を取得していただく必要はないと考えておりますが、今後の実用化の動向や普及状況などを踏まえつつ、道路交通の安全と円滑の確保の観点と高齢者のモビリティーの確保の観点から、限定条件付免許制度導入後にその対象に加えるかどうかなど、免許の在り方につきましても必要な検討を行ってまいりたいと考えております。

里見隆治君 ありがとうございます。
 先日も、この今回の質問に当たって警察庁の皆さんから様々伺いましたけれども、なかなか免許だけが先行するわけにはいきませんという御説明で、それはそのとおりだなと思いました。
 ただ、これは、免許と、そして車体と、またマーケットと、それぞれが待ちの状態であればこれは動いていかないという話でありますので、是非、国交省、そして警察庁と経産省が連携をして、この分野で更に快適なモビリティーの実現という方向に向かって進めていただくことを望みたいと思います。
 ちょっと時間が参りましたので、最後、コメントだけして終わりたいと思います。
 今日は、水素社会の実現ということで、資源エネルギー庁にも答弁御用意いただいておったんですけれども、これはまた別な機会ありましたらと思いますが、実は昨日、私ども公明党の山口代表、それから石井幹事長、そして参議院の谷合幹事長、若松参議院議員、福島の浪江町にございます福島水素エネルギー研究フィールドを視察をさせていただいて、新エネルギー・産業技術総合開発機構の石塚理事長から様々御意見を伺ってきたということで、ちょっと今日朝、勉強会をやってまいりました。
 ですので、今日また整理をし直して改めてと思いますが、今日話題になりましたのは、これはその水素をどうやって作っていくかということも大事だけれども、その供給コストの低減ということも今日るるお話がありましたが、大事ですが、その理事長いわく、この需要拡大、活用面をどうやって広げていくかということも相まってこの全体が進んでいくんだと、例えば、燃料電池による発電だけではなくて、燃料電池車とか運輸、工場などの産業用途にも利活用できるということでありまして、その活用の仕方、これをもっともっと考えるべきだというような視点での御意見を伺ったと聞いております。
 ちょっと今日用意しておりました質問はまたの機会とさせていただきたいと思いますけれども、昨日視察でお伺いした点も含めまして、今後この点についても、私ども公明党、この水素社会の実現という点については大変こだわりを持っておりますので、また改めての質問とさせていただきます。
 本日は以上といたします。ありがとうございました。

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