自治体のデジタル化着実に
参院本会議で里見氏訴え
参院は30日、菅義偉首相と全閣僚が出席して本会議を開き、2019年度決算の概要報告に対する質疑を行った。公明党から里見隆治氏が質問に立ち、新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえた雇用維持への支援強化や、地方自治体における着実なデジタル化推進などを訴えた。
里見氏は、現下の厳しい雇用情勢を念頭に、雇用維持に協力した企業に支給される雇用調整助成金(雇調金)の特例措置を活用する一方で、雇用先に在籍したまま、別の企業で勤務する在籍出向について「従来以上に支援を手厚くする必要がある」と力説。中長期的には「成長産業や社会のデジタル化を担う人材育成、労働移動支援を進めなければならない」と促した。
菅首相は「在籍出向を活用した雇用維持への支援や、失業なき労働移動を進める」と答え、デジタル化などを見据えた人材育成にも取り組む考えを示した。
行政のデジタル化に関して里見氏は「誰一人取り残さず、豊かな国民生活をもたらすものでなければならない」と強調。地方のデジタル化に向けては、国が共通化を進める自治体の業務システムを無償提供するとともに、住民サービス向上につながるような現場での取り組みに対して適切な財政支援を求めた。
平井卓也デジタル改革担当相は「国が財源面を含め主導的な支援を行い、自治体の負担に配慮するとともに、現場の実務などをよく知る自治体職員とも対話しながら進める」と述べた。