本日、参議院予算委員会で質疑に立ちました。
以下の7つをテーマに質問しました。
この模様はYouTubeでご視聴いただけます。
議事録
里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
本日、三月十一日、東日本大震災から満九年を迎えます。まず冒頭、東日本大震災以来、関連してお亡くなりになりました方々の御冥福を改めてお祈り申し上げますとともに、被災をされ、今なお避難されている方々、そして、いまだに復興の途上で御苦労されている皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
政府主催の追悼式は残念ながら本日中止となりましたけれども、本委員会でも関連の質問をいたしまして、私自身がこの立場で今何ができるのか、復興に向けての決意を固める機会にと受け止めております。
この一週間で、福島県大熊町、双葉町、富岡町のそれぞれ一部でございますが、避難指示が解除されました。しかし、今もなお被災地から避難者の数は全国で四万人超、なかんずく福島県出身の避難者が、県外避難者が三万人超と及んでおりまして、今後も避難者、県外避難者の皆様に寄り添い、お支えをしていかなければなりません。
復興支援の重要な課題の一つであります心のケアは、NPOなど民間部門が全面で支えていただいております。今後もこうした支え手を行政がバックアップしていくという必要があろうかと思います。復興庁として、特に福島の県外避難者を中心に心のケアをどのように進めていくお考えか、横山復興副大臣にお伺いいたします。
副大臣(横山信一君) お答えいたします。
復興副大臣に就任後、県外避難者の意見をお聞きする場や支援団体が集まる会議に参加するなどして、当事者や現場の話を多くお聞きをしてまいりました。特に、原子力災害による県外避難者については、避難生活の長期化や避難者が置かれた状況の多様化が指摘をされ、こうした事情を踏まえた丁寧な支援の継続が課題であると認識をいたしました。
具体的には、全国二十六か所の生活再建支援拠点における各種の相談対応や交流会の開催、県外避難者に対する相談、見守り等のNPOなど避難者支援団体の活動への助成、発災時にお住まいであった自治体の地域情報の提供などの支援に関係自治体やNPO等と連携しながら取り組んでいるところでございます。
昨年取りまとめた復興の基本方針において、復興・創生期間後もこうした支援を継続するとしているところでありまして、引き続き県外避難者に寄り添った取組を推進してまいる所存でございます。
里見隆治君 よろしくお願いいたします。
復興は着実に進んでおりますが、進行状況は分野それぞれによって異なります。福島県の漁業、そしてそれに連なる水産加工業、仲卸から消費者に連なる流通関係を含めた水産関連の産業の再生に向けた取組も重要な課題でございます。福島県のいわゆる試験操業を行う沿岸漁業などの水揚げ量は、依然、震災前の一五%という状況でございます。
そこで、横山副大臣は水産業の博士であるということも伺っておりますけれども、こうした福島県の漁業、水産業の復興のために、本格操業の再開に向けてどのような対策を進められるか、お考えを伺いたいと思います。
副大臣(横山信一君) お答えいたします。
福島県沿岸で行われております試験操業につきましては、平成二十四年の開始以降、順次対象魚種を拡大をし、今は全ての魚種が水揚げできるようになりました。しかしながら、水揚げ量は震災前の一四%にとどまっているところでございます。
間もなく震災が発災した時刻になりますので、ここで答弁を一旦中断をさせていただきます。
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委員長(金子原二郎君) 質疑の途中でありますが、この際、一言申し上げます。
間もなく東日本大震災から九年目の発災の時刻となります。被災地の一日も早い復旧復興を祈念するとともに、犠牲となられた方々の御冥福をお祈りするため、午後二時四十六分に合わせ、一分間の黙祷をささげたいと存じます。
どうぞ御起立をお願いします。黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
委員長(金子原二郎君) 黙祷を終わります。御着席お願いします。
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委員長(金子原二郎君) 質疑を再開いたします。横山副大臣。
副大臣(横山信一君) 答弁の途中になりましたけれども、順次対象魚種を拡大をしてきているところでございますが、水揚げ量は震災前の一四%になっております。この少ない水揚げ量の状況というのは、漁業者への影響にとどまらず、その取扱量が大きく減る水産加工業、そして流通業にとっては大変に厳しい経営環境につながっているものと認識をしております。
このため、漁業では水揚げ量を震災前の五割以上に回復する取組を推進をしております。また、水産加工業におきましては販路回復のための商談会、機器導入等の支援のほか、流通、販売面では店頭での県産品コーナーの設置など、消費拡大の取組を後押しをしております。今後とも、こうした流通加工業の厳しい経営環境の認識の下、福島の水産業全体をしっかり下支えをしていく決意でおります。
さらに、来年度予算案におきましては、増額計上しております風評払拭・リスクコミュニケーション強化事業、これが、水産物を含めた効果的な情報発信にこれを利用して努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
里見隆治君 副大臣、せっかくですので、最後、一言、復興に向けての御決意をもう一言お願いします。
副大臣(横山信一君) 決意ということでございますので、自分の思いでございますけれども、本日で震災から九年を迎えました。これからは十年目に向けて歩みを進めていくわけでありますが、水産業を含む残された課題は多様でございます。そうした多様な課題に対応するために、今国会におきましては、復興庁を十年間延長する法案も提出をさせていただいているところでございます。
この復興庁設置法等の改正案の御審議をいただき、そして、復興副大臣として、引き続き現場主義を徹底をし、現場に寄り添いながら、被災者の声をお聞きをし、その声を復興の施策に反映できるように被災地の復旧復興に全力で取り組んでまいる決意でございます。
里見隆治君 横山副大臣、よろしくお願いいたします。
次に、新型コロナウイルス対策、感染対策について伺います。
昨日、特措法改正案が閣議決定、国会に提出され、衆議院、今日午前中も内閣委員会で審議に入っております。
あわせて、先週、西村大臣が担当大臣として就任をされました。私はもっと早く御就任いただきたかったなと、そんな思いでございます。これまで、この参議院予算委員会におきましても先週来審議が続いておりますけれども、加藤大臣が厚生労働大臣として、クルーズ船の対応を含め、水際対策から、そして国内の検査、保健所関係を含む公衆衛生、そして医療体制の整備、またマスクの生産提供体制など、もちろんこれは各省、各大臣との連携の中ででございますけれども、非常に多忙を極め、是非内閣官房にもこの司令塔、総理、官房長官の下で御調整いただく閣僚がいらっしゃればなと思っていたところ、こうした人事が行われたということで、頼もしく思っております。
西村大臣は、これまでも官房また内閣府の担当副大臣等々、御経歴をされておりますが、こうした役割についてどのようにそうした経験を生かしていくか、またこの司令塔の調整役としてその任を果たされていくか、その御決意を伺いたいと思います。
国務大臣(西村康稔君) ありがとうございます。
御指摘のように、先週このインフル特措法の担当ということで拝命をいたしまして、これまでの経験をもう十分に生かしてしっかり対応していきたいと考えているところでございます。
内閣府副大臣のときには健康・医療戦略室も分野を担当しておりましたし、また、官房副長官のときは全体の調整も行ってまいりました。そして、今、経済全体を見る立場でもございます。そうした経験、しっかりと生かして頑張っていきたいと思っております。
まさにこの新型コロナウイルス感染症は終息できるかどうかの今正念場ということでありますので、この時期にこうした経験を生かすと同時に、今朝先ほど衆議院の内閣委員会でこの改正法案が可決をされました。成立した後には政府の対策本部が立ち上がり、本部長である安倍総理大臣の下に総合調整の権能も法律上寄与され、付与されますので、そうした中で、関係省庁との調整、そして都道府県との調整などをしっかりと行って、何としてもできるだけ早くこの感染症を終息させていきたいという決意でございます。
里見隆治君 今大臣からもお話がありましたとおり、本日の午前中の衆議院内閣委員会で、賛成、可決で、賛成多数で可決をされたと伺っております。その際、附帯決議もなされ、その中には、緊急事態が発生したと認める判断をする場合には、するに当たっては、あらかじめ感染症に関する専門的な知識を有する者その他の学識経験者の意見も聴取すること、また、緊急事態宣言をするに当たっては、特に緊急の必要があり、やむを得ない場合を除き、国会へその旨及び必要な事項について事前に報告することといった附帯決議が衆議院の方ではなされております。
ちなみに、こちら参議院予算委員会におきましても、この特措法制定時に内閣委員会で附帯決議がされまして、当時の与野党の審議、協議の一つの成果として同様の趣旨で提議をされ、また参考にさせていただいているところでございます。
この点、大変重要なところだと思いますけれども、西村大臣はこの緊急事態措置の実施に当たっての手続についてどのようにお考えでしょうか、お伺いします。
国務大臣(西村康稔君) まさにこの緊急事態宣言ですね、発出されれば、都道府県知事に様々な私権の制約を伴う強力な措置が付与されますので、この判断に当たっては専門家の御意見をしっかりと聞いてこれは適切に判断していかなきゃいけないなと。もちろん、国民の生命、健康を守ることは大事でありますので、それと措置とのバランスをよく考えていかなきゃいけないなというふうに思っているところであります。
三十二条におきまして、この緊急事態宣言発出するに当たっては期間とか区域を決めるわけですけれども、その延長や変更の規定もございます。そうした際にも、しっかりと専門家の意見を聞きながら対応していきたいというふうに考えております。
とにかく、私権の制約を伴うということを十分に考慮しながらこの判断を進めていくこととしたいというふうに考えているところでございます。
里見隆治君 今大臣がおっしゃったとおり、この緊急事態宣言、これは私権の制限があり、極めてその判断に当たっては慎重でなければならないと、これは私ども公明党の与党審査でも強調させていただいたところでございます。また、宣言を出すに当たっても、専門家の知見を前提とし、そして透明性のある手続という点を改めてお願いをしておきたいと思います。
では続けて、こうした新型コロナ感染関係を受けての政府の対応策についてお伺いいたします。
昨日、政府の対策本部で緊急対応策第二弾が取りまとめられました。私ども公明党といたしましても、数次にわたり提言をし、それを踏まえてのものというふうに受け止めております。
この中で特に注目をしておりましたのが、本日資料一枚目でも配付をしておりますけれども、学校の臨時休業に伴って生じる課題として、多くの方々から御意見、御要望いただき、そして提言をしておりました、自営業、フリーランスの方々が休業を余儀なくされた場合の支援策でございます。
休業による減収に対する所得補償について、その対象者となる具体的な範囲、また支給手続、具体的にお伺いをいたします。
副大臣(稲津久君) お答えさせていただきます。
昨日取りまとめられました第二弾の緊急対応策について、いわゆるフリーランス、委託を受けて個人で仕事をする方であって、小学校等の臨時休業等に伴いまして、子供の世話を行うために契約した仕事ができなくなっている子育て世代を支援し、子供たちの健康、安全を確保するための対応を講じて、対策を講じると、このようにしております。
具体的には、個人で就業する予定であった方について、業務委託契約等に基づく業務遂行等に対して報酬が支払われており、発注者から一定の指定を受けているなどの場合に、就業できなかった日数に応じて、これは一日四千百円、これを定額で支給する、そのような予定でございます。
支援対象とする子育て世帯につきましては、新型コロナウイルス感染症に関する対応として臨時休業等をした小学校等に通う子供の世話を行うことが必要となった保護者、また、新型コロナウイルスに感染した、又は風邪症状など新型コロナウイルスに感染したおそれのある小学校等に通う子供の世話を行うことが必要となっている保護者を予定をしております。
本支援金の適用日でございますけれども、本年二月二十七日から三月三十一日を予定しておりまして、申請先など、この支援策の詳細につきましては、決まり次第速やかに公表し、そしてしっかり周知をさせていきたいと、このように考えております。できるだけ早くお示しできるように対応してまいります。
里見隆治君 ありがとうございます。
この四千百円という金額、これまだ様々議論が、また意見が出ているところではございますが、また、この対象範囲も、これ運用では非常にグレーゾーンもあって難しい判断も出てこようかと思います。
ただ、これ、厚労省がこうした個人事業主対策としてここまでやったことがないという意味では非常に踏み込んだ対策であると、その点は思っております。仕組みが、こうした個人事業主支援というのは私は今まで見たことがありません。ただ、これ運用して、また今後どういう結果になっていくのか、また、是非、グレーゾーンについては、こうした皆さんを是非救っていくという、そうした立場で運用をお願いしたいと思います。
また、二月二十七日から適用ということですけれども、日々の収入で生活をされている方がいらっしゃるという意味では、今詳細は決まり次第ということでしたけれども、早急にこれを確定していただき、この受給に早急につながるようにお願いをしておきたいと思います。
では次に、介護の関係でこの対策の中でお伺いしたいと思います。
私の地元愛知県名古屋市では、先週、デイサービスの二か所で集団感染が発生し、名古屋市から該当地域でのデイサービスの一斉休業が要請をされ、その地域で高齢者が必要な介護が受けられないという深刻な状況になっております。こうした状況下で介護体制をどのように確保していけばいいのか、そのサポートを是非お願いしたいと思います。
また、これまでも言われておりますマスクの物資提供、これ対策に盛り込んでいただいておりますけれども、どちらかというと医療という方が前面に出ている感がいたしまして、介護についても是非進めていただきたい。医療機関では優先供給スキームというのがあると聞いておりますけれども、介護分野でもこうした検討ができないかと、そうしたことを含めて、介護分野における対策、副大臣にお伺いいたします。
副大臣(稲津久君) お答えさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症の拡大を防止することは大変重要でございまして、公衆衛生対策の観点からは、必要な場合には自治体の判断で介護事業所に対しても休業要請が可能であると、このようにお示しをさせていただいているところでございます。
一方で、介護を必要とする方に介護サービスが適切に提供されることが重要と考えておりまして、通常利用している事業所のサービス利用が難しい場合にあっては、介護支援専門員、ケアマネジャーが中心となって必要なサービスの調整を行うことが基本でございます。
その上で、それまでサービスを利用していた方に必要なサービスが提供されるようにする観点からも、一時的に人員や運営の基準を満たすことのできない場合も介護報酬を減額しない、そしてまた、休業しているデイサービス事業所が、それまでの利用者に対し、そのお住まいを訪問をして、できる範囲内でサービスを提供した場合にも介護報酬の算定を可能と、このようにしております。
こうした取組を通じまして、引き続き、介護を必要とする方に介護サービスが適切に提供されるよう努めてまいりたいと考えております。
それから、介護分野におけるマスクの関係でございます。これにつきまして、一つは、まず、各自治体で備蓄しているマスク等のニーズを把握した上で、自治体内で保有しているマスク等を不足している介護施設等に放出するように、二月の二十一日付けで依頼をしたところでございます。
それから、緊急対応策の第二弾、昨日、ここにおきまして、予備費を活用して、いわゆる再生利用可能な布製マスクを二千万枚国が一括して購入し、介護施設等に対し、自治体の協力も得ながら、少なくとも一人一枚は行き渡るように十分な量を配布させていただくことをいたします。配り方等につきましては、詳細これから検討でございますが、議員御指摘のことを踏まえて早急に対応させていただきます。
里見隆治君 御高齢の家族がデイサービス事業に行けないとか、あるいは予防的に行かせない方がいいんではないかと、そうした状況、もう既に出てきております。また、今後も出てくる可能性十分ございます。自宅で家族介護をするために介護休業を余儀なくされる労働者に対して、その休業が取りやすくなるような支援制度、こうしたことも必要になってこようかと思います。今回、この対策の中に、まだそこが十分ではないという認識でありますけれども、状況をよく見極めていただきながら、この点も御検討いただきますようお願いいたします。
もう一点、私の地元愛知県での話でございますが、もうこれ、一か月前に遡っての話で、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号から下船をした無症状の感染者、しばらく収容される施設にいらしたという、どこに収容したらいいのかという課題がございました。厚生労働省から要請を受けた愛知県にあります藤田医科大学が、岡崎医療センターという、四月の開業予定の施設でまだ開業はしておりません、その施設が二月十七日から受け入れるという決断をしていただいたと、そういう経緯がございます。
実は、私もその岡崎市のまさにその施設の近所に住んでおりまして、その受入れ当日には、急遽開催をされました住民説明会にも参加をしてまいりました。厚労省からの要請に応じて受入れを決めた藤田医科大学の御英断には敬意と感謝を申し上げたいと思います。
一方で、御近隣の皆様、近所の皆さん、住民には、感染の御心配を持ちつつも、御理解、御協力いただく方が多くいらっしゃる一方で、突然の住民へのお知らせということで、自治体、愛知県岡崎市、また大学側も大変説明に御苦労され、おそれを抱く住民の皆さんの理解を得るには相当の時間を掛けられた、御苦労されたという経緯もございます。
私は、こうした経験から、国として、地方自治体、また住民の地域の皆さんとのコミュニケーション、説明の在り方について大変考えさせられるところがございました。住民や国民の皆さんへの説明、発表の在り方、これをタイムリーに、どこまでも丁寧に行っていただきたいと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
副大臣(稲津久君) お答えいたします。
感染症に関する情報公開について、これはこれまでも議論がされておりましたけれども、公衆衛生上の必要性と個人情報保護に関するリスク、これを比較秤量いたしまして、そもそも公衆衛生上の必要性を欠く場合ですとか、個人情報保護に係るリスクが公衆衛生上の必要性を上回ると考える場合については、当該情報は公表しないということになっております。
各自治体においてもこのような考え方を基本としつつ、個別の実情を踏まえて、それぞれの責任において判断、公表しているものと承知をしています。
今議員から御指摘のございました、まさに議員御自身が住民説明会に臨まれた件につきまして、大変御指摘は極めて重要なことだというふうに思っております。その上で、この対策に御協力いただいた自治体ですとか住民の皆様が不安を感じないように丁寧な説明を心掛けてまいりたいと思っています。
また、これらの情報発信を自治体に共有することによりまして、自治体からの情報発信を支援しているところでございますが、今後とも、国民の皆様への迅速で正確な情報提供と併せて、地方自治体への情報発信、また情報共有に努めてまいりたいと、このように考えております。
里見隆治君 次に、外国人留学生や日本語学校への対応について伺います。
〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕
三月五日、本委員会で高瀬弘美議員の質問に対して森法務大臣から、入国が延期になった外国人留学生には柔軟な対応をいただけるという御答弁をいただき、実施をしていただいているものと承知をしております。
こうした一連の入国管理に関する情報については、この対象となる留学生や日本語学校にも既に通知をしていただいているのか、お伺いいたします。
国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のとおり、高瀬委員等から御指摘を受けまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により入国時期が遅れている外国人の方に配慮して、昨日から当面の間、通常三か月間とされている在留資格認定証明書の有効期間について、六か月間有効なものとして取り扱うことといたしました。
このほか、日本語教育機関における臨時休業の取扱いやオンライン授業が可能であることなどについてQアンドAを作成をしております。こうした取扱いやQアンドAについては、法務省のホームページに掲載するとともに、その内容に応じ、各日本語教育機関に対して個別に送信、送付して周知を図っております。
引き続き、日本語教育機関や留学生の置かれた状況に十分配慮しながら、委員の御指摘も踏まえて柔軟に対応し、周知してまいります。
里見隆治君 今ホームページあるいは個別にも御通知いただいているとお答えをいただいて、誠にありがとうございます。
ただ、私、日本語学校あるいは留学生の関係者の皆様からお伺いをしておりますと、今回はこの入国管理ということでありましたけれども、例えば、大震災、また台風、水害等で様々な情報が各業界、各それぞれのラインで通知が来るけれども、日本語学校というのはなかなか組織が体系立っておらず、情報が来ないんですと、そうした不安のお声をいただいております。
これは、先ほど小川先生の御質問でも専修学校、各種学校というお話がありました。これ、学校といいましても、学校教育法上のいわゆる一条校以外、専修学校、各種学校、また日本語学校の場合は株式会社、個人経営と様々な様態がございます。
これは、萩生田文部科学大臣にも今日お越しをいただいておりますが、直接でもあるいは自治体経由でも方法は問いませんけれども、こうした全国的な規模での感染症の広がりというときに、留学生の動向、あるいは休校とすべきかどうかといった、そのための参考となる情報、こうした日本語学校にも行き届くように御配慮をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
国務大臣(萩生田光一君) 今般の新型コロナウイルス感染症の対策について、文部科学省としては、大学等が臨時休業や学生に出席停止の指示を行う場合の留意点などを出入国在留管理庁に情報提供しております。これらを踏まえて、出入国在留管理庁において、日本語教育機関における休業やオンライン授業の扱いなどを新型コロナウイルス感染症への対応に係るQアンドAにまとめ、各日本語教育機関に周知されているものと承知をしております。
文科省としては、引き続き、日本語教育機関に情報が適切に提供されるよう、出入国在留管理庁と緊密に連携し、必要な協力をしてまいります。
なお、先生から御披露いただきました専修学校、各種学校に対しては、都道府県などを通じて同様の通知を情報提供しております。
里見隆治君 ありがとうございます。
今の出入国管理の情報については法務省を通じてと、あるいは専修学校、各種学校については県からということでありました。
結局、なかなかこの日本語学校というものがきちんと体系立って把握をされていないということだと思うんですね。例えば、これ、日本語学校、あるいは日本語学校の特に留学生の数ですね、こうしたものがしっかり政府として把握されているかということも私は非常に気になっているところなんですけれども、これ文部科学省、また法務省、それぞれこの留学生の数、どのように把握をされているでしょうか。
政府参考人(伯井美徳君) お答えいたします。
独立行政法人日本学生支援機構が実施した外国人留学生在籍状況調査によりますと、日本語教育機関に在籍する外国人留学生の数は、二〇一八年五月一日時点で九万七十九人となっております。
政府参考人(高嶋智光君) 出入国在留管理庁の方からもお答えいたします。
出入国在留管理庁におきましては、在留資格「留学」で在留している者について統計を作成しておりますが、教育機関の類型別の在籍者に関する統計はございません。すなわち、日本語教育機関というくくりでは統計は有しておりません。
そこで、留学生に関する数で申し上げますと、日本語教育機関に入学する留学生に対する在留資格認定証明書の交付の件数、これは分かっております。この在留資格認定証明書交付件数について申し上げますと、平成二十九年度は八万一千件、平成三十年度は八万件というふうになっております。
〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕
里見隆治君 結局、今御回答いただいたとおり、なかなか斉一的に、統一的に把握はされていないということだと思うんですね。
私、日本語学校というのは、これから留学生も増やしていこう、今こういう状況でありますけれども、中長期的には海外の皆さんを受け入れて、さらに日本で働きたいという方は是非日本で一緒に働いていこうと、そういう立場であるにもかかわらず、その育成するべき立場にある日本語学校がまだまだこうした状況に置かれているというのは非常によろしくないと、もっとしっかりとした体制をつくっていくべきではないかと考えております。
この点、昨年六月に、今日資料で三番目にお配りをしておりますけれども、日本語教育推進法が成立をいたしました。これは議員立法で成立をされたものでございますけれども、日本語教育の主管大臣は、海外については外務大臣、国内は文部科学大臣とされております。
この法律の中で、日本語教育機関に関する制度の整備について検討条項が入っております。この進捗状況、検討状況について、文科大臣にお伺いいたします。
国務大臣(萩生田光一君) 新たな在留資格の創設等によって、我が国の在留外国人の数は二百八十万人を超え、過去最高を更新して増加傾向にあり、日本語教育に対するニーズが高まっております。
そのような中、さきの国会で成立した日本語教育の推進に関する法律附則第二条において、日本語教育を行う機関について、日本語教育の水準の維持向上を図るために必要な適格性を有するものに関する制度の整備について検討を行うものとされております。
文部科学省としては、まずは同法第十条に規定された日本語教育の推進のための基本的な方針を策定の上で、政府全体としての調整を図りながら、同法附則第二条の検定事項について速やかに着手してまいりたいと思います。
先生御指摘の問題意識、極めて大事で、今、日本語学校というのは、さっき御披露いただいたように、株式会社立もあれば、学校法人がやっている場合もあれば、各種学校、専修学校などの場合もありますので、その体系は問わないんですけれども、少なくともカリキュラムはやっぱりこれから基準をきちんと決めて、このレベルまで行けばこれだけの日本語がしゃべれる、分かるということが外形的にもきちんと評価できるものにブラッシュアップをしていかなきゃならないと思っておりますので、今回のこの法律を上手に使いながら制度を更に向上させていきたい、こう考えております。
里見隆治君 大臣の今の姿勢で、これは非常に大事なことであり、外国人の皆さんを受け入れていくという意味では早く整備をいただきたいという点でございますので、よろしくお願いいたします。
この検討条項について、検討に当たってクリアすべき論点、ここで、事務方で結構ですので、明らかにしていただきたいと思います。
政府参考人(今里讓君) 検討対象とされている日本語教育機関でございますけれども、様々な機関が存在しておりまして、設置形態、今もございましたが、多岐にわたり、求められる日本語教育の内容や学習している外国人、属性、目的、多様でございます。
この多様な機関における日本語教育を効果的に推進していくためには、どのような機関を検討対象とするべきか、日本語教育の水準の維持向上を図るために必要な適格性をどのように判断すべきか、維持向上を図るべき日本語教育の水準をどう考えるか等の論点につきまして、関係者から意見を聞きつつ、慎重に検討する必要があると考えてございます。
基本方針を策定の上で、政府全体としての調整を図りながら、検討条項について速やかに着手してまいります。
里見隆治君 大臣の先ほどの御決意、これ前向きに進めるというふうに受け止めました。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、認知症施策についてお伺いをいたします。
認知症も、高齢化に伴って、日本社会の中長期的には非常に重要な課題でございます。国会では、認知症施策を強力に進めるべく、既に昨年六月に衆議院で認知症基本法案が議員立法で提出されております。
一方で、先月、認知症に取り組むNPO等の皆様が主催された院内集会では、与野党超えて各党それぞれから代表がお見えになって、これを受けて各党を構成員としての勉強会もスタートしております。
認知症法制定に向けた国会でのこうした活動にも期待をいただきながら、この認知症施策の重要性について、稲津副大臣から御答弁いただけますでしょうか。
副大臣(稲津久君) お答えさせていただきます。
認知症施策、これはもう政府一丸となって取り組むべき重要な政策課題でございます。
今議員からお話のありました認知症の施策推進大綱、これに基づきまして、共生と予防を車の両輪として施策をしっかり推進していきたいと考えています。具体的には、チームオレンジの取組推進ですとか、通いの場の拡充ですとか、予防の取組、これをしっかり推進してまいります。
また、今御指摘のありました、いわゆる認知症基本法につきましては、政府としても今後関心をしっかり持って注視をしていきたいと、このように考えております。
里見隆治君 どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、最後になりますけれども、本日三月十一日は春闘の主要企業の集中回答日でもございます。既にお昼も幾つか出てきておりますけれども……
委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。
里見隆治君 現下の情勢の中で、非常にこの賃金の引上げ、また働き方改革、これは非常に注目されているところですけれども、最後、端的に……(発言する者あり)
委員長(金子原二郎君) 時間が来ています。
里見隆治君 はい、分かりました。
じゃ、これは、しっかり労使に向けて、この賃金引上げ、また働き方改革、進めていただきますよう、これ、西村大臣としてもしっかりお進めいただくこと、お願いを申し上げまして、終わりといたします。
ありがとうございました。