農林水産委員会で質疑

2019.05.28 20:00(3年前) ブログ国会質疑 |里見りゅうじ(里見隆治)

議事録

里見隆治君 公明党の里見隆司でございます。
 本日は、三人の参考人の先生方、誠にありがとうございます。
 私からはまず、前回、政府にも同様の観点から質問したんですけれども、木材生産と、それから先ほど鮫島参考人からもお話がありました公益的な機能、多面的な公益的な機能とのバランスについてお伺いをしていきたいと思います。
 鮫島参考人からいただいている資料、また、先ほど御説明にもありましたとおり、森林には、木材生産以外に国土保全、水源確保、地球環境の維持、こうした目的、多面的な公益的な機能があるということでございます。このバランスをうまく取っていくということが必要だという鮫島参考人の御意見でございましたので、もう少しそこを、どうすればバランスを取っていけるのかという観点でもう少し掘り下げてお伺いをまずしたいと思いますが、その上で、どちらかというと、これは泉参考人から先ほどいただいた御意見では、今の国の政策方針では、むしろバランスが崩れているんじゃないかというお話でしたので、まず鮫島参考人に、うまくバランスを取るにはどうしたらいいのかということについてお伺いをし、その後、泉参考人に、さらにその点についてどのような問題点を考えておられるのかということを続けてお伺いをしたいと思います。

参考人(鮫島正浩君) ただいまの御質問についてなんですが、先ほどもちょっと申し上げたんですが、やはり国有林というのは地域によって相当やっぱり違うわけですし、それから地域の中でもそれぞれその場所によってやはり違う、それで五つの分類もされているわけですし、そういう中でやっぱり一番大事なのは、やっぱりゾーニングがきちっとできているかどうか、そこではないかなと思うんですね。
 今回の場合、やはり人工林の中である面積を指定してそこで施業するということなので、その場所の選定というのが一番私はまず一つ重要で、これはやはり国の責任できっちりやっていただきたいということかなと思います。
 ですから、バランスという意味では、それぞれの国有林にはそれぞれの意味付けがあるわけなので、そこをやはり専門家の意見を聞いて、ここでやりましょうという場所の選定ですね、そこをしっかりやっていただきたいということですね。
 それからもう一つ、バランスということで量的なものがあるんですが、今回の場合は、面積的に言うとそんなにやはり大きくない、むしろ皆伐の面積を何ヘクタール、五ヘクタールで本当にいいのかとかいう個々の問題は当然あるんですが、全体量としてはそんなに大きくない。特に木材の利用の立場からいうと、決してそんなに、数千立方メートルですから、そんな大きな量じゃないんですね。むしろ、そういう意味では下流とのつながりというのをどういうふうに設計するか、そこも重要なところじゃないかなと思います。
 ちょっとそれは別の話なので、このくらいにさせていただきます。

参考人(泉英二君) 里見委員の御質問は、民有林も国有林も含めたような一般的な話としての木材生産と例えば公益的機能の話、そうではなくて、今回の国有林の人工林のこの取扱いに限定してということで。

里見隆治君 もちろんこれ、国の森林経営という意味では民有林を無視するわけにはいきませんけれども、今議論をさせていただいているのは国有林を主に考えております。

参考人(泉英二君) 総論ではなくて各論として、この国有林における木材生産のありようと、多面的機能の中に実は木材生産も入っちゃいますので、これを公益的機能と申し上げますと、これが全くバランスが欠けているということは、これは先ほど御説明しましたように、木材生産に関してはただ借金返済という全然別論理で動いているだけなんです。ノルマが課されています、それをただ果たすだけという。このときに、じゃ、これはもう効率を考えて、いかに小面積のところでお金をたくさん上げて債務返済の方へ回していくかという。それに対して、国有林については公益機能重視でいきますということは、一九九八年以来現在に至るまで、木材生産は重視しませんという、建前上はこれは今でも貫かれています。これは、同じ一つの国有林という制度の中に全くベクトルが違うエネルギー、要するに動力が違うのが二つやっていて、それがもうがしゃがしゃに矛盾し合っている、干渉し合っているというのが現状だという。
 ですから、そういう意味では、ここはもう国有林の赤字問題、累積債務問題、一兆三千億円あるわけですけれども、この問題をどうするんだというのはこれも全く別途、極めて重要な課題になっていくという、木材生産一般論ではなくてと。
 ちょっと話を変えさせていただきます。本来は、林学、私ども学んだ林学というところは、林業、木材生産がいい形でできていけば、そうするとそれは必然的に公益的機能も非常に高いレベルで発揮されるという。要するに、林業生産と公益的機能は幸せなカップリングしているんだというのが私ども林学のもの。日本の森林法制は、森林・林業基本法も森林法もこの幸せなカップリングということに基づいて法体系が組み立てられている。ですから、林野庁さんもこの法体系に基づく政策しかできない。そうすると、林業を振興すれば環境機能も、森林の環境機能も良くなるという全ての前提条件が成り立っているという、で、林業振興、林業振興という産業政策でいくわけです。
 恐らく、このやり方自身も現在全面的に限界に来ていると。ということは、結局、日本の森林法制自身も、森林・林業基本法を含めまして限界に来ている。だから、国有林野の問題も、先ほどの累積債務一兆三千億円問題含めまして、もう手の付けようのない状況の中にあるというところで、是非、これはもう国会であり国民でありということが徹底して、もうこの機会に、このコンセッション方式がどうかという議論だけではなくて、そういうふうな意味では、今後の日本の森林、国有林をどう持っていくのかということについては、議論を是非開始していただきたいと思う次第でございます。

里見隆治君 泉参考人からの非常に中長期的な御意見、大事な点だと思います。
 その上で、まさにこの国有林野をどういうふうに位置付けていくかというその位置付け方、それを一般会計とのひも付けの中で公益性をいかに大きく捉えていくか、その捉え方によって意見が異なってくるんだろうということを私も今お二人の意見から感じた次第でございます。
 そうした中で、林野庁も今、この林野を守っていくという中長期の公益性の観点、多面性の観点と、それから一つの経営主体として、経営主体として、成長産業としてこの林業を経営していかなければならないというそうした立場、その二つの性格を期待されているところだと思いますけれども、そうした中で、先ほど鮫島参考人からは、ゾーニングをして稼ぐところは稼いでいくと、そして公益性を守るところは守っていくというお話だろうかと思いますけれども、鮫島参考人からは、先ほどの御意見の中で、これは、制度は制度としてつくった上で、もう少しこの運用の段階においては、ルール作り、チェック機能の導入という意味で、さらに制度に加えての配慮が必要であるという御意見を頂戴をいたしました。もう少しこのルール作り、チェック機能の導入という点で詳しくお考えをいただければと思います。

参考人(鮫島正浩君) 本当にこの法律というのは、悩ましいという御意見ございましたけど、私はやっぱり法律がないと多分何も動かせないから法律を作るんだと思っているんですね。一方、やはりこれをどうやって動かしていくのかというのは、実は、本当に悩ましいというのは、おっしゃられることよく分かるんですね。
 やはり物事を進めるときというのは、ベネフィットとリスクというのは必ず共存します。それで、今の範囲ですと、今試行的に、それほど大きなものじゃなくて限定的なやり方なので、やはりベネフィットが少ないと言うとちょっと語弊があるんですが、割と限定的にやられているからリスクも初期の段階ではそんなに大きくはないだろうと。
 ただ、逆にそこできっちり制度を動かしてみて、そこでやはりどういう問題が発生し得るのか、逆にどういうベネフィットがこれを展開すると得られるのかということをきっちり見ていくということが大事なんじゃないかなということで、運用に関わる詳細なルール作り、それからやはりチェック機能と、それから場合によっては見直しもしなきゃいけないと思うんですが、そういうことをやはり試行しながらつくっていく、その中にやはりいろんな人の意見を盛り込んで、専門家の意見を盛り込んだり、あるいは事業者の意見を盛り込んだり、地域の意見を盛り込んだり、議論しながら進めなきゃいけないと、そういうふうに思っています。
 ですから、できたんだから、さあ行こうということではなくて、そこのところをきっちりやっていただきたいというのが私の思いでございます。よろしいでしょうか。

里見隆治君 ありがとうございます。
 もうあと一問程度の時間だと思いますので、最後は高篠参考人にお伺いをしたいと思います。
 先ほどの意見陳述の中で、女性で大学また高校を卒業された方が御活躍だということ、非常に明るいニュースだと思いますが、それにしても年収がまだまだ期待どおりにいかないという中で、先ほども御質問された先生いらっしゃいましたけれども、今後の人材確保という観点、特に、女性を雇用されているということは、これから期待されている機械化とかAIの活用とか、あるいはもっともっと労働安全面での配慮が必要な分野だという、こうした観点をもっと機能強化をしていくという中で、女性でも入ってきやすい職場づくり、人材確保という観点で、経営者のお立場で今後何が必要とお考えなのか、また、国から何らかの、こういった制度面ではない、税制、予算含めての支援があるとすれば、どのようなことを期待されているか、その点をお伺いしたいと思います。

参考人(高篠和憲君) どうも御質問ありがとうございます。
 非常に苦労している部分で、まず女性を入れたというのは会社のイメージアップもあって、女性もいるんだからこそ、会社、しっかり、ブラックじゃないよねという部分も言えていると思います。いろいろなところでやはり林業関係は遅れていた、要するに、三法も最近はもう義務化ですけれども、ずっと、最初はやはり皆さん、例えば退職金制度をやっていない会社があったり、社会保険もちゃんと入っていない会社もありましたけれども、そういうのはいろいろ経費が掛かります。それを克服して更にイメージを良くして、林業を、そして、一番は事故率が高いというのをもっと下げていかなきゃいかぬのですけど。
 それで、若い人が来るときには必ず父兄、親のオーケーが要るわけですけど、親があそこは危ないからやめなさいというのが一番怖いわけで、それで、今、あちこちの企業ではインターンシップを取り入れて、どんどん若い人に体験してもらって、面白いよ、林業面白いよ、森の中で働くのは楽しいよというところからスタートさせて、それで、有給休暇もちゃんとあるし、日曜日も土曜日も休みだよというふうなことをしていかなきゃいかぬのかなと。実際、雨降って休みのときもありますので、それをどういうふうに雇用をうまく見せていくというところが今は頭が痛いところです。
 これからは、やはりそう若い人ばっかりでなくて、もう幅広く、場合によったら、定年の方でも元気な人いっぱいいますので、あるいはボランティアも含めてどんどんどんどんやってもらわないと、人は増えていかないかなと。
 それと、あともう一つ、何でしたっけ、質問の、新しいことでしたっけ。もう一つ、何でしたっけ、お願いします。

里見隆治君 今お取り組みになることについて、国から、また公的な支援について御期待があればという点、お願いいたします。

参考人(高篠和憲君) はい、どうも。
 高性能機械を買うときとかそういうので、林業のいろんな補助金とかそういうの、一時期あったんですけど、今のところ、ちょっとなくて。あと、緑の担い手制度というのがございまして、一年目、二年目、三年目で勤めた方にいろいろな補助があるということはほかの業界からも羨ましがられているんですけど、そういうやつばっかりでなくて、いろいろなところでまだまだ、給料が少ない分をカバーしてくれる補助はいろんなところでまだまだあれば、我々も助かります。それで、そんなもの要らないよというぐらい給料を出せば人は集まってくるんですけど、やはりそれに頼っている部分はかなりあります。
 あと、今は我々ばっかりじゃなくてトラックで運送する方の人たちも少なくなっているので、そちらの方にも補助、もちろん林道が良くなってくれてでっかいトレーラーも山の中入ってくれるような道路、北海道はフルトレーラーという連結のトレーラーって余りないんですけど本州は結構あるということですけど、そういう運送会社へのやはり補助みたいなものがあると、人も、そういうトラックの導入も進んでいくかなと。
 今、バイオマスではかなりの補助があるので、それもちょっと最近心細くなってきているので、その辺ももう一回見直して、いろんなところでもバイオマスで、ボイラーを入れるときに補助というのを手厚くあればいいかなと思っております。
 以上です。

里見隆治君 ありがとうございました。
 以上で終わります。

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