11月15日、農林水産委員会で、佐々木さやか議員に続いて初質問。
この夏、秋にかけての台風・豪雨による被害への対応、農業分野における外国人材の受入れ、生け花などと合わせて日本の花の魅力をもっと海外に発信すべき、と言った論点で吉川農林水産大臣等に質問しました。
議事録
里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
私も、この度、農林水産委員会に参加をさせていただき、初めての質問でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私は地元が愛知県でございます。愛知県は物づくりの県と言われておりますが、もちろん自動車、また航空産業等、製造業もございますけれども、一方で、愛知県は、野菜や花卉、お花等を含めて大変農業分野も盛んでございます。私も委員の一人として、地元の農業、また林業、水産業を営まれている皆さんとしっかりとコミュニケーションを図りながら、この委員会で活動させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、今ほど佐々木議員からもございましたけれども、この夏から秋にかけての台風、豪雨等の災害によって農業でも大変な被害を被ったわけでございます。こうした対策については、先般成立をした補正予算も含めて既に政府で対処していただいております。その政策立案については、与党とも連携をして進めていただいていることに感謝を申し上げたいと思います。更に被災地に寄り添って積極的な対応をお願いしたいと思います。
その際に、私、地元でいろいろとお話を伺っておりますと、確かに台風二十一号、二十四号といった大きな全国的な規模の災害では大きな対策を打っていただきましたけれども、例えば台風十二号、これは局所的な災害とはいえ、実は愛知県内では二十一号よりもその被害額が多かったといったこともございます。こうした局所的なものであっても、一軒一軒、お一人お一人の農家、農業を営まれている皆様からすれば大変な被害であるわけです。
そうした細かい、きめ細かな対応ということも是非お考えいただきたいというふうに思いますし、それから、これも佐々木議員からございましたけれども、農業用のハウス、これは大きく新たに作り直すということだけではなくて、例えばハウスに使用する被覆材、こうしたものを用いればある程度コストも抑えながらこうした被害にも対応できる、そうした細かな御要望もきめ細かく対応いただきたいというふうに考えております。
先月末、政府としてもこうした対策について発表いただき、それをもう既に進めていただいておりますけれども、きめ細かなこうしたお声にも対応しての政策を推進いただきたい、その点、農水大臣にお伺いをしたいと思います。
国務大臣(吉川貴盛君) 今回発生をいたしました猛烈な風を伴った台風二十一号、二十四号は、委員からも御指摘をいただいておりましたけれども、農作物で、全国でハウスの損壊ですとか、果樹の落下や枝折れなどの被害が発生をいたしました。
議員の御地元でございます愛知県には私どもの小里副大臣に行っていただきまして、被害の状況を調査をさせていただきました。小里副大臣からは、被災自治体や農業者の皆さんから、ハウス等の再建ですとか風に強い耐候性ハウスへの転換や植え替えに対する種子、種苗の確保等に対する支援について要請があったと報告を受けているところでございます。
そのような状況を踏まえまして、農林水産省といたしましては、まず第一に、塩害に伴う植え替え等に必要となる追加的な種子、種苗の確保、追加防除、あるいは施肥に要する経費の助成を行います。さらには、農業用ハウス、機械等の再建や修繕の支援、具体的には、台風二十一号では補助率の引上げ、二十四号ではハウスの被覆材、今御指摘いただきましたけれども、等も対象として補強支援を行っております。さらに、三つ目といたしまして、果樹の植え替えですとか未収益期間に要する経費や被害果実の利用促進に必要な経費の助成なども行ってまいりたいと考えております。
きめ細かい支援対策を迅速に決定をして、農業者の経営の再建に全力を挙げていかなければならないと重く思っております。
またさらに、御指摘をいただきました十二号についてでありまするけれども、愛知県等に局地的な農業被害をもたらしたと承知をいたしておりまして、ハウス等の再建につきましては、従来の園芸施設共済ですとか、あるいは制度資金、補助事業の活用など、支援を行っているところでございますが、引き続き、被災された農林漁業者が営農意欲を失わないように取り組んでまいりたいと存じておりますので、これからも是非、委員の御意見も頂戴いたしながら、しっかりとまた農林水産省としても十二号関連におきましても対応してまいりたいと存じております。
里見隆治君 大臣、是非、今も小里副大臣が現地に入っていただいたということでございましたけれども、今後とも農業を営まれる皆様のお声をしっかり受け止めながら進めていただきたいと思います。
また、ハウス、この被覆材を含めて、その補助の対象範囲を広げていただいたことについては、私からも心から感謝申し上げたいと思います。
それでは、ちょっと通告をしていたものと順番は変わりますけれども、農業分野における外国人の受入れについて御質問したいと思います。
これ、今、入国管理法、衆議院において審議をされておりますが、入国管理という観点ではしっかり法務という分野で御議論いただければと思いますけれども、農業人材の受入れ、また、どう担い手を確保していくかという点では、農業分野ということで、農林水産委員会でしっかり議論をしていければというふうに思っております。
まず、外国人の農業分野における受入れという点では、昨年、国家戦略特区法によりまして一部特区における受入れが既に実施をされているというふうに承知をしております。
私も昨年、内閣委員会でこの国家戦略特区法案、審議をし、この点も質問させていただきました。この実施状況がまずどのようになっているか、その点、確認をしたいと思います。よろしくお願いします。
政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
御指摘のとおり、農業分野につきましては、昨年、国家戦略特区におきまして農業支援外国人受入事業が措置されたところでございます。現在、愛知県、新潟市、京都府、沖縄県の四自治体におきまして本事業が準備等々を進められているところでございまして、この受入れ事業者の受付等が行われております。
最も進んでおりますのは愛知県でございます。十月に、過去に日本で農業分野の技能実習を経験されているベトナム人十二名の受入れが行われたところでございます。
里見隆治君 どうもありがとうございます。
多くの分野が新たに受入れを開始するという中では、十四業種等々と言われておりますけれども、農業分野は特区でその先行事例があると。またさらに、今おっしゃったとおり、十二名は以前、技能実習生として日本で就労されていたということですので、そういう意味では、この農業分野は非常に円滑に順序を踏んで受入れが進められているのではないかというふうに思います。
私も地元愛知県でそのように進めていただいていること、承知をしておりますけれども、是非、これは先行的な取組でありますので、好事例をつくっていくと。これは関係者の、関係省庁による、あるいは地元自治体も含めての協議会も設置して慎重に進めていただいているというふうに承知をしておりますので、どうか好事例をつくっていく、そのような決意で臨んでいただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
その上で、まさに今回の法案が提出されております改正入管法によるところの特定技能についてお伺いをしたいと思います。
これは、既に昨日、政府から国会に対して新たな在留資格による受入れ、人材不足の見込み数ということで提出をされておりますけれども、その中では、受入れの見込み数が、初年度で三千六百から七千三百、五年目までの累計で一万八千から三万六千五百、そして、人材不足の見込み数は、農業分野で現時点では七万、五年後は十三万という数字が提出されております。
今後、単にこの不足分を外国人で補うのだということではなく、人材確保策をしっかり講じていく、日本の国内でですね。あるいは生産性向上を尽くしていく、そういうことで、そうした対応をした上で外国人を受け入れるということだというふうに承知をしておりますけれども、まず、私が先ほど引用しましたその数字について、裏にある考え方も含めて、特定技能について農業分野でどのような受入れをされていくのか、その方針について、農林水産省、お答えをいただければと思います。
政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
先生御指摘のとおり、昨日、政府全体として十四業種の見込みについて公表されたところでございまして、数字につきましては先生御指摘のとおりでございます。
この中でも、我々、人材、人手不足の全体を外国人で補うという考えは全く取ってございません。まず、我々としては、人手不足自体は深刻だと思っておりますが、その中でまずやるべきは、先端技術の活用などによりまして、あるいは農地の集積、集約化を進めることなどによりまして、生産性を向上させていくということにより人手不足を少しでも解消していくこと、あるいは新規就農者に対する支援を行いまして新たな就農者を増やしていく、こういうことがまず必要だと思っておりますけれども、それだけでは、他方で、農業も法人化が進むなど雇用労働の需要というのは非常に上がってきておりますので、生産性の向上、就農支援等ではなかなか現場における雇用労働の需要には対応し切れていないというふうに認識をしております。
こうした中で、農業では、近年、外国人の技能実習生等を使いまして即戦力となる外国人材のニーズが高まっているところでございます。そういう文脈の中で、国家戦略特区についても愛知県において受入れが始まったというところでございます。こういう流れを受けまして、補完的に我々としては外国人の受入れというのを考えております。
具体的な検討方針でございますけれども、やはり農業の特色に沿った形というのが大事だと思っておりますので、まず、生産現場ですぐに作業ができる程度、具体的には技能実習を三年修了した程度、こういう人材を受け入れたいというのが一点。それから、国家戦略特区でも措置されているところでございますけれども、農業の場合には、農繁期、農閑期が存在するなど自然条件あるいは季節性に左右されるという側面もございますので、そういう特性も踏まえたような雇用形態にしていくこと等々を基本といたしまして更に検討を進めているところでございます。
里見隆治君 やはり外国人材の確保、これはもちろん重要なことだと思いますが、今おっしゃっていただいたとおり、まずは国内でしっかりと若者も就けるような、就きたくなるような、そうした農業にしていく、また生産性も向上していく、そのこともしっかりやっていただいた上での外国人の受入れだということは改めてお願いをし、また申し上げておきたいと思います。
それでは、もう時間も残り少なくなってまいりましたので、様々質問は用意しておりましたけれども、最後に花卉、お花あるいは植木等の輸出振興についてお伺いをしておきたいと思います。
花卉については、愛知県も花卉の生産量は日本で随一を誇る生産地になっておりますけれども、私も花卉の生産現場に行くとともに、お花を使って、例えば生け花といった日本の花文化として海外に輸出していくという、そうした取組をされている方とともに地元で活動させていただいております。
こうした花卉の輸出振興を図るに当たって、生け花などの日本の花文化と一体的にPRしていく、そうしたことが効果的であるというふうに考えますけれども、農水省でこの点どのようなお取組をしていただいているか、お示しをいただければと思います。
副大臣(高鳥修一君) 里見委員にお答えをいたします。
我が国の花卉は、品種のバラエティーに富み、海外からも高品質との高い評価を受けております。平成二十九年の花卉の輸出額は前年比で五四%増加の百三十五億円と、過去最高となったところでございます。
花卉の輸出振興につきましては、委員御指摘のとおり、生け花等の日本の花文化、これと一体的に推進するのが効果的であると考えておりまして、輸出先国における生け花イベント等、商談を組み合わせたプロモーション活動等も支援をしているところでございます。
例えば、米国では、生け花等のデモンストレーションを実施したことをきっかけとしまして、高級花卉を取り扱うバイヤーと日本の輸出業者との商流が築かれまして、切り花の輸出額が平成二十四年から平成二十九年までの五年間で五倍、これは五千万円から二億五千万円、このように拡大をいたしております。また、平成三十一年四月から十月まで中国で開催される北京国際園芸博覧会に日本政府として出展をすることといたしておりまして、生け花の関係者にも御協力いただいて、世界に誇る国産花卉の品質と日本の花文化の魅力を発信することで輸出の促進に弾みを付けたいと考えております。
引き続き、輸出拠点となる集出荷施設等の整備と併せまして、生け花等の日本文化や国産花卉の魅力をセットで発信することで花卉輸出の更なる拡大を図ってまいりたいと考えております。
委員長(堂故茂君) 申合せの時間が参りましたので、おまとめください。
里見隆治君 今の点、大変重要な政策だと思います。更に積極的なお取組をお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。