政治倫理確立・選挙制度改革特別委員会で質疑

2018.06.14 08:23(6年前) ブログ国会質疑 |里見りゅうじ(里見隆治)

6月13日、政治倫理確立・選挙制度改革特別委員会で質疑。
参議院議員の選挙区選挙の政見放送で、従来認められてこなかった「ビデオ持ち込み方式」。
これまでの「スタジオ録画方式」では不可能だった字幕や手話通訳がビデオ映像につけられるようになります。
この法案を提出した議員の1人・西田まこと議員が、障がい者の方々にも効果的に政見を伝えられる法案の意義を答弁いただきました。
今国会で成立すれば、来年の夏の参議院議員選挙から実施されます!

 

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議事録

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。今日は御質問の機会をいただきましてありがとうございます。
 まず、本法律案により、手話、字幕付きの対象となる政見放送が、その範囲が拡大をするということの評価についてお伺いをしたいと思います。
 これまで手話、字幕付きのどちらも付与できないのは参議院選挙区の選挙だけでございます。翻りまして、現在、我が国において聴覚障害や高齢による難聴を抱える方々が約一千五百万人いらっしゃいます。高齢化の進展に伴いまして、その人数は増加の一途をたどるというふうに考えられております。これらの方々の政治への参加、アクセスということをこれ以上放置することは許されない、そんな現状が来ているのが実情でございます。
 こうした中で、私ども公明党では、バリアフリー法等に関するプロジェクトチームを設けまして、聴覚障害者の団体の皆様とともに、首相官邸において菅官房長官宛てに、まず国会中継の字幕放送を早期に実現するよう要請をいたしました。それを受けて、この三月でございますけれども、我が党の太田昌孝衆議院議員が衆議院の総務委員会で、本年三月二十二日でございますが、質問を行い、まず本会議の字幕放送の準備に取りかかるとNHKから答弁をいただいているところでございます。私自身も、昨年の決算委員会で、この参議院の院内放送における字幕放送の可能性についてお訴えをしたところでございます。
 国会の中継についてはある程度検討が進んでおりますけれども、まさに民主主義の根幹とも言える選挙制度において、字幕も手話もない参議院選挙区政見放送にこれらの導入が図られることは大変大きな前進であると評価をいたしております。こうした中で、障害の有無にかかわらず有権者が政見に接することができる環境の一層の向上が求められる中、今回の改正により、良識の府としての参議院の候補者の政見をより多くの人に伝えることが可能となることは画期的な改正として評価すべきと考えますが、この点、提案者の御所見を改めてお伺いいたします。

西田実仁君 今委員からお話がございましたように、国会での審議、障害をお持ちの方にもきちんとお伝えしていこうということに精力的に推進なさっておられることに敬意を表したいというふうに思います。
 また、今、御質問は本法律案の意義についての率直な思いということでございますので、今御指摘のように、参議院の選挙区選挙のみが手話通訳も字幕も付与されていないという、こういう状況を何としても変えたいという思いで、実は二年前から各党各会派の皆さんと意見交換をしてまいったわけであります。残念ながら、二年前には一致点を見出すことができませんで今日まで来ましたけれども、また今回も各党各会派の皆さんと意見を重ねてまいりまして、ようやくこの法案提出に至ったということについては大変に感慨深いと率直に思います。
 その最大の意義でありますけれども、ビデオ持込み方式を導入することによりまして、手話通訳そして字幕を付与することができるようになって、障害等をお持ちの方につきましても、より広く、また効果的に政見放送をお伝えすることができるようになるということが最大の意義でございます。
 ただ、参議院の選挙区選挙というのは政党本位の選挙ではございませんで、個人の候補者が立候補して選挙活動をするという立て付けになっているものですから、できますれば全ての候補者の方にこのビデオ持込み方式をできるようにしたいというのが、それにはどうしたらいいのかというのが正直最大の課題で、そこに一番腐心をしてきたところでございます。
 しかし、憲法上、事前検閲というのは大変に難しゅうございますし、また、公選法上、放送事業者は持ち込まれたビデオをそのまま放送しなければならないということから、また、公選法上、品位の保持ということがうたわれているわけで、そこをどう担保するのかということもまた大きな課題でございました。
 実際、スタジオの録画、収録におきましても、周囲の目があっても品位を欠く政見放送がなされたという事例もございまして、そうした周囲の目が少ないこのビデオ持込み方式の場合に、どうやってその品位の保持を担保するのかということも大きな議論のテーマになりました。第三者機関の関与あるいは罰則の強化といった代替案も検討したわけでありますけれども、実際には、現実的には非常に難しいし、その効果も非常に限定的であると。こういうことから、今回、衆議院の小選挙区選挙と同様、政党要件というものを課すことで品位の保持を担保するということにしたわけでございます。
 もっとも、しかし、衆議院の小選挙区選挙と違いまして、今回我々の参議院選挙区選挙におきましては、完全無所属と言われる方でももちろんスタジオ録画できる、政見放送ができるというところは大きな違いでございますし、また、今回、総務省の実施規程等も変えて、手話通訳をそのスタジオ録画の方にも付与できるようにしようじゃないかということに加えまして、NHKで収録した政見放送を他の放送事業者における政見放送にも、いわゆる使い回しというんでしょうか、使うことができると、こういうような変更も考えてございます。
 さらに、今後でありますけれども、スタジオ録画の政見放送におきましても、この今申し上げた手話通訳に加えまして字幕放送もできるように、技術的な検討を精力的に行っていただくよう放送事業者にも強く要請していきたいというのが我々立法者の意思でございまして、できる限りそうした努力を重ねていきたいと、こういう率直な思いでございます。
 以上です。

里見隆治君 ありがとうございます。
 私も気に掛かりますのは、今御答弁がありましたように、政党に属されている方あるいは推薦を受けられる方はいいんですけれども、完全に無所属の候補の皆さん、どう配慮していくかという、この点は大変重要だと思います。政府にあっても、その点はよく、その運用また様々な工夫について是非検討いただければというふうに思います。
 すなわち、完全に無所属の候補の方は引き続きスタジオ録画方式になるわけですけれども、今回の改正でほかの方が持込みビデオ方式を選択するとなれば、これまで技術的には、あるいは物理的にネックとなっていたスタジオ録画方式における手話通訳士の手配や字幕の付与というのが地方部においてより可能に、可能な状況に近づくというふうに考えてよいのかどうか、この点総務省に確認をしたいと思いますし、加えまして、スタジオ録画方式の政見放送に字幕を付すことについて、収録時間が極めて短い中で多数の候補者の政見に字幕を付すには技術的課題があるというこれまでの御説明がありました。しかし、映像技術の進歩を踏まえれば、将来的には、衆議院比例代表選挙や都道府県知事選挙においても字幕の付与が可能となる日もそう遠くないのではないかというふうに期待をしております。
 今回の法改正後において、引き続きスタジオ録画方式で政見放送の収録を行う候補が出てくるわけですけれども、これらの候補者の政見についても手話通訳また字幕を付すということについて積極的に検討をまた進めていくべきと考えますけれども、総務省、この点いかがでしょうか。

政府参考人(大泉淳一君) お答え申し上げます。
 手話通訳につきましては、これまで手話通訳士が全国で偏在していると。例えば、手話通訳士研修を受けた通訳士が十人以下という都道府県は、平成二十八年の七県に比べれば減少しているんですけれども、全国で四県あるというようなことから、これまでは手話通訳が参議院選挙区選挙ではできなかったということでございますが、今回の改正法によりまして、ビデオ方式に移行される方、あるいはNHKのスタジオで収録したものを使って政見放送を民放の方で行うこととするようなことを定めることによりまして、候補者が減るということになります。
 日本手話通訳士協会とも調整したところ、参議院選挙区選挙の政見放送におけるスタジオ収録についても手話通訳を付すことが可能となるというふうに考えておるところでございます。そのように実施規程等を改正していきたいと考えております。
 また、字幕放送でございますが、NHKによると、全国ほとんどの放送局では、字幕付与に対応できる専門的なノウハウと技術を持った人材あるいは会社が地域にないというのが実態で、加えて、字幕を付与するための機材の整備など課題もあるというふうに伺っております。
 現状としては、限られた期間に全ての選挙区で対応することは困難な状況ではございますけれども、技術の進歩等に応じまして、私どももいろいろ考えていきたいと考えております。

里見隆治君 本法律案により、参議院選挙区選挙においてもできる限り多くの国民の皆様に候補者の政見がより効果的に伝わるよう期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

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