3月26日、参議院予算委員会で集中審議。与野党共に多くの時間が森友学園文書改ざん問題に充てられました。私も、杉久武議員と共に公明党を代表して、安倍総理、財務省の矢野官房長・太田理財局長、川口消費者庁次長に質問しました。
要求した資料・説明をもっとスピーディーに開示し、調査結果を出していくべきこと、また、公益通報窓口の仕組みを活用することで職場で訴える先のない方々の声があげられるよう更なる取り組みを求めました。
折角のテレビ中継でしたので、2枚のパネルを使って公益通報者保護制度を取り上げました。
消費者庁次長に説明を求め、官房長に財務省の取り組み状況の説明を求め、まだまだ通報窓口の活用が進んでいない現状を踏まえ、総理にその積極的な活用、環境整備をと訴えました。
議事録
里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
今回の財務省による決裁文書の改ざんについては、行政の信頼を失墜させ、かつ国会を冒涜する断じて許されない行為でございます。公務員は誰の命令によって動くのか、これが大きな命題となっております。論点となっております。
確かに、国家公務員法第九十八条には、職員は上司の職務上の命令に忠実に従わなければならないとございます。しかし、憲法十五条あるいは国家公務員法九十六条にあるとおり、根本的には、公務員の究極の使用者は全ての国民の皆様であります。私自身、国会議員の一人として、そんたくするのであれば国民の皆さんの民意をそんたくすべきと肝に銘じております。
その国民の皆様がお怒りになり、不信を抱き、疑問を投げかけておられます。なぜ書き換えられたのか。誰が指示をしたのか。誰が行ったのか。財務省は猛省をし、国民の皆様からの信頼回復のため、早急に全容解明、これを進めていただきたいと強く申し上げたいと思います。
その上で、具体的に論点ごとにお伺いをしてまいります。
これまでの国会審議で、三月十五日、財政金融委員会で、財務省本省の電子決裁システムに書換え前のデータが残っているのではないかと私から質問をさせていただきました。太田理財局長より、土地の貸付けに関する特例承認の本省分の決裁文書について、書換え前と書換え後の両方の文書が電子決裁システムにデータとして残っているという事実が明らかになりました。それまでの本省にデータが残っていないという説明が一転いたしまして、私も大変驚きました。
私、その財政金融委員会の質疑の際にそのお話を伺って、信じられないことだと思いました。つまり、電子決裁をしたということは、その決裁に関係した職員、そしてその決裁後に実務に関わる職員は、その文書が閲覧できるはずだと考えられるからであります。そして、その委員会の質疑で理財局長に、複数の職員がアクセスできるのではないかと伺ったのですが、その場では即座にお答えをいただけませんでした。
その後、私自身は説明をいただきましたが、改めてこの委員会の場で、どういう範囲の職員がそのデータに、改ざん前のデータにアクセスができるのかということを御答弁いただけますでしょうか。閲覧できる職員の範囲、また書き込みできる職員の範囲を具体的にお示しください。
政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
まず、委員、最初にお話がありましたように、国会の審議を、今回のことは国会の審議を混乱させ、国会を冒涜するものだという批判は免れないということだと思っております。大変申し訳ありません。深くおわびを申し上げます。
その上で、今委員御質問についてお答えを申し上げます。
特例承認というのは本省の一元的な文書管理システムという中に保存されているということでございますが、まず一つは、閲覧可能な職員はどうかという御質問でございました。
閲覧可能な職員は、担当課、本件森友学園の処理については理財局の国有財産業務課、課の中に審理室と、審理室というのが実は主体なんですが、その審理室を含んでおる課でございますが、その審理室を含めて今申し上げた国有財産業務課の職員は閲覧できるという形になってございます。
さらに、決裁ルートで、最終的には本件理財局の次長まで決裁ということですが、その決裁ルートの決裁者は、そのポストにいる間は見ることができると、閲覧することができるというシステムになってございます。それが閲覧できる者ということでございます。
二点目に、委員の御質問は、恐らく書換えが可能な人間は誰かという御質問だったと思います。
先ほどちょっと申し上げましたように、実質的には審理室だと申し上げました。私どもの行政文書規則上、文書管理者というのは審理室長ということになってございます。ただ、これは我々もまた反省しないといけないことなんですが、行政文書規則上はそういうふうになっているんですが、システム上とは必ずしもうまく一致していなくて、システム上は、事後的に事務的に編集をする権限を持っているのは、室長の上にいる国有財産業務課長というのが権限を持っている、システム上の文書管理者として権限を持っているということでございます。
その上で、基本的には、行政文書管理規則の世界あるいはシステムの世界両方なんですが、文書管理者自身が全てのことをできるわけではないという考え方の下で、実務的に補佐をするという観点から、システムでいけば、今の文書管理者、要すれば国有財産業務課長がその部下である職員に文書管理担当者権限を設定をしておるのがおります。設定をされた人間はそういう作業ができる、要すれば、本件でいけば書換えをすることができると、そういうことになるわけでございます。
里見隆治君 具体的にと申し上げました。人数もそれぞれ教えていただけますでしょうか。
政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
まず、閲覧可能のところで、基本的には理財局の国有財産業務課と申し上げました。それは、今職員の人数は、定員・機構上三十一人ということでございます。
それから、書換え可能な人間ということを申し上げました。これは、文書管理者である国有財産業務課長と、その部下で文書管理担当者権限を設定された職員というふうに申し上げました。人数で申し上げると十九名ということでございます。
里見隆治君 それだけの多いアクセスの可能な職員がいたと。しかも、これはシステムをもうずっと稼働していたわけですから、事が始まる前からということになります。なぜもっと早く発見ができなかったんでしょうか。というか、もうもっと前から分かっていたのではないかと、そう疑われても仕方がないと思います。
また、今回、今日の朝の理事会になって初めて書換え前のデータ、これが文書として御提出をいただきましたけれども、なぜこのデータを取り出すのに、それだけの多くの閲覧者がいたにもかかわらず提出ができなかったのか。全く不思議であります。
このような対応が続くと、更に不信感が高まります。要求されたから出す、要求されたから説明するという姿勢では、国民の皆さんの信頼は回復できないと思います。分かったこと、出てきたことを速やかに発表していく。でなければ、信頼回復につながりません。残った要求された文書も速やかに、他の部局から応援の職員をもらってでも、しっかりと担当課で作業を進めるべきと考えます。理財局長、いかがですか。
政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
委員の御指摘、一つ一つ重く受け止めなければいけないし、おっしゃることはよく分かります。
その上で、その上ででございますが、まず一つは、なぜそういう電子決裁のシステムがあったのに気が付かなかったのかと。それは、その御疑問は、疑問を持たれる方がある意味で自然だと私どもも思っております。そうなんですが、残念ながら、まだ、電子決裁というシステムが進んでいるにもかかわらず、実質的には、電子決裁は、その決裁のシステム上、そういうことをやっているんですが、実質は、それまでの文化が残っていて、電子決裁したものを紙の文書で保存をしておって、その紙の文書を基に仕事をしておったというのが、大変申し訳ないですけれども、事実でございます。そういう過程から、基本的に紙を基にやっていて気が付かない、それはもう何の弁解にもなりませんが、現実はそうであったと。
先般、閣僚懇で総理から、これを踏まえて電子決裁をちゃんとやるようにという御指示をいただきました。それはもう総理のおっしゃるとおりでありますし、委員の御指摘もそのとおりだと思っております。そういう意味で、電子決裁というシステムを使うことによって、そういうことが起きないようにというのは肝に銘じてやっていかなければならないと思っております。
それから、いろんな文書なりを、とにかく早く、言われたからということではなくて、出すようにという御指示も全くおっしゃるとおりだと思っています。我々としても、他部局、他の担当している者も使ってというふうには思っております。ただ、判断といいますか、認定をする部分みたいなものは結局担当している部分でないとそれは分からないところがあるので、最後に物理的に、その何というか、コピーしたりとか、そういうところで一生懸命そういう作業をさせていただきたいと思います。
里見隆治君 全くこれは弁解のしようのない事態だと思います。
引き続き午後に質問させていただきまして、午前はこの程度とさせていただきます。
委員長(金子原二郎君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午前十一時五十四分休憩
─────・─────
午後一時開会
委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
平成三十年度総予算三案を一括して議題とし、安全保障・内外の諸情勢に関する集中審議を行います。
休憩前に引き続き質疑を行います。里見隆治君。
里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
午前に引き続き質問させていただきます。
なぜ決裁文書を改ざんしたのかと。この点、政府からは国会での答弁が誤解を受けないようにとの答弁がありました。私、この点、理解に苦しんでおります。
通常は、理財局、財務省としての業務に関する状況認識、二つ目にそれを反映した決裁文書の表現ぶり、そして三つ目にそうした事実を踏まえた国会答弁、これらは言わば三位一体と申しますか、通常これは乖離がないものであるというふうに考えます。国会答弁が誤解を受けることのないようにといっても、国会答弁がもし間違っていたのであれば、答弁は後から国会の場で修正すればよかったのではないかと考えます。
この点、当時は佐川前局長だったかもしれませんけれども、太田局長は同じ立場にいらしてどのように受け止められていらっしゃいますでしょうか。御答弁をお願いします。
政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
今委員がお話しになったことは、基本的な話としてそういうことだと思っております。ただ、それは、何といいますか、平時の状況ではそうなんですが、昨年のこの時期も森友学園の問題をめぐっては大変厳しい、あるいは激しい国会の議論がございました。たくさんの御質問を頂戴していた、今も実は同じ状況でございますが、そういう状況でございます。
もちろん、部下職員は一生懸命、決裁書も含めて、あるいはもっと実態を申し上げると、近畿財務局の職員にそれぞれ確認をしてという部分が実は主たる部分になるんですが、その上で答弁を作成しということはしていただいております。
ただ、現実問題として、物すごくたくさんの御質問があるという状況になりますと、実際上、それを局長に話をして、あるいは相談してという事態は生じない状況になっております。取りあえず、一生懸命作ったものを局長は朝になって渡されて、それを持っていって、下手をすれば、委員会の場で見て、それで御答弁を申し上げなければならないという状況になっております。
ただ、その中でもそれをきちんと事前に勉強して答弁をするのは、それは局長の責任だということは重々承知をしております。私も当時の佐川局長も同じだったと思いますが、それで、だからその答弁がうまくなかったと、できなかったということは言えないと思っておりますので、それは最終的にはもちろん局長の責任だという気持ちでやっておりますし、そこは至らない部分は局長の責任だというふうに思っております。
里見隆治君 もし時間がなかった、誤解があって答弁が間違えていたとすれば、これは軽微なものであれば議事録の修正ということもあるでしょうし、またその当日あるいは後日、余りいいことではありませんけれども、答弁を訂正するということもあろうかと思います。むしろ、事実あるいは決裁の内容、これが真実であれば、それを基に答弁の方を変えていくと、これが筋ではないかと思いますけれども、もう一度御答弁お願いします。
政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
答弁が間違っていた場合あるいは適切でなかった場合あるいは必ずしも十分御理解が得られなかった場合、それは私は多々あるのでもういつも反省をしないといけないという状況なんですが、その場合には、後ほどの質疑である意味で関連した御質問をいただける場合もあるので、その折にきちんと訂正するというのは委員のおっしゃっているとおりだと思います。
そういうことをすべきだったと言われればそれは全くおっしゃるとおりなんですが、国会の答弁を前体制も物すごく重く考えていたということは間違いないんですが、重く考えた結果として決裁文書を書き換えるということに至ったことは、重く考えるということ自体は間違っていないんだと思いますが、その先の方向が明らかに間違ったことをしてしまったということだと思っております。
基本的に、もしそういうことがあれば、後で委員のところに伺って、あるいは他の委員の御質問の中で訂正させていただく、おわびをして訂正させていただくというのが筋である、本筋であるというのは委員のおっしゃっているとおりだと思っております。
里見隆治君 逐一、もし間違っていたとなれば、それはそのときそのとき訂正していれば何かこのようなギャップが生じたということはなかったと思いますし、混乱も生じなかったのではないかと思います。
決裁文書の内容が事実に即しているのであれば、国会の答弁が世の中で誤解を受けるからといって決裁文書を書き換えるというのは本末転倒であります。国会で誤解を生じさせないようにということで、もし、万一真実をねじ曲げて格好よく答弁しようなどということがあれば、これは答弁者の自己保身であります。また、本来、格好悪くても、分かりづらくても、国民、国会に対して誤解を恐れずに説明をしていくというのが政府の役割だと思います。それはもちろん最終的には政治が責任を取っていく、大臣を始め政務は、役人任せにせず答弁責任を負っていくというのは当然のこととしての話でございます。
これはまた引き続き議論させていただくとして、次に参ります。
昨年七月五日、この日は佐川前局長から太田局長への引継ぎの日だったと思います。通常、役所の中で引継ぎとなれば、大臣等の政務三役であれ、局長、審議官等の幹部であれ、引継ぎが行われると思います。佐川前局長からは、この引継ぎに際して森友学園について、特に今問題となっているような改ざんに関して何らかの、今から思うと引っかかるなと、おかしいなと思われるような点、ありましたでしょうか。
政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
今委員がおっしゃられた何か引っかかる点というような引継ぎは私は受けておりません。基本的には引継ぎ、私、もう三十何年この仕事をやらせていただいていて、引き継ぐお相手もよく存じ上げている方が多いので、基本的には、森友学園が大変な議論になっているというのは当然理財局長になる前からよくよく財務省の職員でしたから承知をしておりましたし、そういう意味での基礎知識はあった上でということだと思いますが、基本的には、ある一定のポストになるとその部下職員もたくさんいてくれるので、基本的には部下職員から全部レクを受けるというのが仕事の内容の事実上の引継ぎということでございます。
里見隆治君 ここまで理財局長に様々聞いてまいりました。昨日までも含めてこれまでの国会審議を聞いておりますと、残念ながら、核心の部分に入りますと、検察による捜査中であるということを理由になかなか答弁に至らないと。
まさかでありますけれども、財務省内では調査は終わったけれども、捜査が途中なので財務省による調査結果がまだ出せない、国会に報告ができませんなどということがあってはならないというふうに考えておりますが、この点、官房長、いかがでしょうか。
政府参考人(矢野康治君) お答えをいたします。
財務省内における調査は目下進行中でございまして、早くやれ、あるいは中間報告しろという御叱責をいただきながら、できるだけ早くきちんとした責任のある報告をさせていただくように取りまとめようと思っております。まだ調査中でございます。
里見隆治君 これ、もう十二日からしますと二週間経過をしております。このまままいりますと、また国民の皆様の、何といいましょうか、もやもや感といいますか、何か不信感が更に増幅をされてしまうのではないかと懸念をしております。それは更に政府、内閣への不信感としてつながってしまうのではないかと懸念をしております。政治の強力なリーダーシップにより調査を前に進めなければ更に不信感を増幅させかねない、そういった状況であります。
是非、総理には、リーダーシップを持って、この場で改めて麻生大臣、また財務省に対して速やかな、そして確実な調査、その期待についてここでお示しいただければと思います。
内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の書換え問題によって行政全般に対する国民の皆様の不信を招く事態となっており、行政の長としてその責任を痛感しております。行政全般に対して最終的な責任は内閣総理大臣たる私にあります。改めて、国民の皆様に深くおわびを申し上げたいと思います。
今委員がおっしゃったように、一番大切なことは事実を明らかにしていく。事実が明らかになっていない中において国民の皆様が不審に思うのは当然のことであろうと、この不信感を払拭していくためには事実を全て明らかにしていくことであろうと、このように思っているところでございまして、なぜこのようなことが起こったのか、全容を明らかにしていく。その上において、二度とこうしたことを起こさないと、その中において組織を根本から立て直していく責任を果たしていきたいと、こう思っているところでございます。
また、調査に当たっても、しっかりと、財務大臣の指揮の下、財務省において徹底的に調査をするようにしっかりと指示をしてありますが、これからも督励していきたいと、こう思っております。
里見隆治君 これは司法とのぎりぎりのラインというのが出てこようかと思います。そうした意味で、総理には是非内閣の長としてのリーダーシップの発揮をお願いいたします。
続きまして、今後の再発防止という観点で何点か御質問したいと思います。
政府としては、既に総理のリーダーシップの下、公文書管理の徹底、見直し、また電子決裁システムの活用など、先週末、総理から閣僚懇談会でも徹底いただいたと伺っております。
私からは、もう一つ、総理のリーダーシップで推進をお願いしたいものがございます。それが公益通報者保護制度の積極的な活用という点でございます。
私、今回の問題に関しまして、近畿財務局の職員が自殺をされてしまったという報道に接しまして、とても胸が痛みました。現場の第一線で苦労して真面目に実務に関わってこられた現場の職員の方が、思い悩んだ挙げ句、自殺をされたかと思うと、いたたまれない思いです。
この件、真相は詳細まだ明らかではございませんけれども、一般的には、職場で職務上の法令違反に関して、直接職場の上司、同僚には相談しにくいものでございます。そうした案件を一人で抱え込まずに第三者に話すことができたら、また話の展開は変わっていたかもしれません。そのために、こうした通報窓口、公益通報者保護制度というものをしっかり環境整備進めていかなければならないと思います。これは、広く民間事業所から国、地方の公務員まで幅広く対象となっているものでございます。
今日はパネルを用意しておりますので、(資料提示)これを御覧いただきながら、今日は消費者庁にもお越しいただいております。消費者庁からこの制度について御説明をお願いしたいと思います。
政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
公益通報者保護法という法律がございます。この法律は、公益のために通報する行為は正当な行為として保護されるべきという考え方の下、公益通報者の保護を通じまして、国民の利益の保護に関わる法令規定の遵守を図ること等を目的として制定されたものでございます。
具体的には、労働者が法定要件を満たして通報を行った場合、公益通報者として解雇の無効、不利益取扱いの禁止などの保護が与えられることとなっております。通報先として、事業者内部、行政機関、その他がございまして、それぞれ保護されるための要件が定められておりますが、この事業者には行政機関を含み、労働者には公務員も含まれるということでございます。
また、この法律を踏まえて、国の行政機関の通報対応に関するガイドラインを定めております。このガイドラインにおきましては、内部の職員等からの通報を受け付けるため、各省庁内に内部窓口を設置するとともに、外部に弁護士等を配置した窓口を設けるよう努めることとしております。これを受けまして、現在、全ての省庁におきまして、内部及び外部の両方の窓口が整備されております。
さらに、このガイドラインにおきましては、職員等に対する窓口や仕組みの十分な周知などを定め、公益通報窓口の実効性確保を図っており、これに沿って関係省庁において各省庁の内部規程の改正等を行っているところでございます。
里見隆治君 ありがとうございました。
これは既に全省庁でその実施がなされている、また窓口が設けられているということでございます。
具体的に、これは個別の各省庁それぞれの取組あろうかと思いますけれども、財務省においてはこの内部通報への対応としてどのような体制で臨んでおられるか、財務省から御説明お願いします。
政府参考人(矢野康治君) お答えいたします。
財務省におきましては、内部通報ですが、財務省職員等からの、職務上の法令違反の事実につきまして職員等からの通報を受け付けるために、本省と財務局と税関を合わせまして十九か所の窓口を設けますとともに、外部の弁護士事務所にも一つお願いをして、全体で二十か所の通報窓口を設置しております。
里見隆治君 これ窓口を設置するまではよろしいのですけれども、設置をしたからには職員に周知をし、適切な運用をしていくというそのフォローアップ、実施が、実行が必要でございます。
今の実績、この相談件数、通報件数についてお示しをいただけますでしょうか。
政府参考人(矢野康治君) お答えいたします。
消費者庁が公表しております実績ですけれども、平成二十八年度までの五年間は、本省、財務局、税関におきまして受理した実績はございません。
なお、現時点における消費者庁の公表内容には含まれてはおらないんですけれども、平成二十九年四月から三十年二月までに受理した件数は一件でございます。
里見隆治君 これは、例えばいじめの通報件数と同じで、多ければいいというものでもありませんし、少なければいいというものでもありません。しかし、このゼロというのは余りにも、本当に全くそうした通報に値する件数がなかったのかと。それも普通考えられないですね。そういう意味で、しっかり職員の皆さんがアクセスしやすいような工夫をする。
例えばこれ、先ほど弁護士というふうにおっしゃって、法律事務所とおっしゃっていましたけど、これ何人ぐらいの体制で契約がされているんでしょうか。
政府参考人(矢野康治君) 弁護士事務所は一つでございます。
里見隆治君 これは運用ベースですから、これは皆様にきちんと工夫をいただくしかないわけですけれども、とにかくゼロというのは、こういった状況の中で、私はおかしいのではないかと思います。是非、この環境整備、運用面で工夫を、更に制度の活用促進、お願いをしておきたいと思います。
今日は、先ほど御紹介のあった消費者庁が発表している各省庁、これは各省庁といいましても主な省庁だけでございます、一番多いところで総務省が通報件数七十一件、このブルーで示しているのが通報件数、そしてオレンジ色が受理件数でございます。なかなか各省、これが多いのか少ないのか判断基準に迷うところですけれども、いずれにしても、体制整備、またアクセスしやすい環境というものは、これは是非強力に推し進めていただかなければならないと思います。
総理には、先週末、公文書管理あるいは電子決裁についての活用の加速化という点で各省徹底をいただきましたけれども、この公益通報の活用についても是非各省に御指示をいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
内閣総理大臣(安倍晋三君) 三月二十三日の閣僚懇談会において、全ての政府職員は原点に立ち返って公文書の重要性を肝に銘じる必要があると申し上げた上で、四月からの新ガイドラインによるルールの徹底や電子決裁システムの移行を加速することに直ちに取り組むよう指示をしました。
また、公益通報者保護法の趣旨を踏まえ、内部の職員等から公益通報が容易に行われる環境をつくることは、法令遵守の確保や不祥事の未然防止、早期是正への観点から、極めて重要と考えています。このため、昨年改正した国の行政機関の通報対応に関するガイドラインを踏まえ、各省庁の中に窓口を設けるだけではなく、全ての省庁が弁護士事務所など組織外の窓口を設けるなど、公益通報窓口の実効性向上に取り組んでまいりました。
さらに、直近でも三月十五日に関係省庁の局長級による会議を開催しました。そこで、制度の内容や通報窓口についての周知強化や、通報に関する秘密保持、通報者保護の徹底により、誰もが通報しやすい環境整備に向けて、今年度中の内部規程の確実な改正、更なる具体的な取組を進めることを確認をしたところでございます。
今後とも、通報窓口が確実に機能するよう、取組を不断に進めていきたいと思っております。
里見隆治君 是非総理には政治的リーダーシップを持って各省、指揮をいただいて、この公益通報制度、この積極的な活用ということで力を尽くしていただければと思います。
私、冒頭も申し上げましたけれども、今回の決裁文書の改ざん、大変ゆゆしき事態でありまして、これは与党も野党もございません。私どもしっかりとこれは原因を追求し、そして再発防止をしていくと、そのことでしっかり政府を追及し、また与党としてできることはしっかりとやっていくと、その決意を申し上げまして、私からの質問とさせていただきます。
ありがとうございました。