国会では、3月15日、野党が審議に復帰し、手続きが進みだしました。
私が属する参院財政金融委員会では、森友学園の国有地取引に関する決裁文書書き換え問題について、14日に私からも麻生大臣、太田理財局長に質問し、新聞報道等で様々な反響をいただいています。
具体的には、中央省庁で採用されている電子決裁文書に、今回問題となっている書き換え前の文書の一部がずっと残っていたのではないか、と私から質したのに対して、それを局長が認めたものです。
「本省には文書が残っていない」というこれまでの説明が覆りました。
更に、その文書は常時複数の職員が閲覧可能だったのではないか、と質問したところ、財務省側はその場で答えられず、宿題となっています。
この問題に加えて、いわゆる予算関連で年度内に成立させるべき所得税法や関税法の改正法案など、重要法案も目白押しです。
国会での論戦、さらに頑張ってまいります!
議事録
里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
本日は、所信質疑ということで質問するべきことは幅広くございますが、現在の財務省の状況を前にして、引き続き決裁文書の書換えについて質問させていただきます。
各論に入ります前に、まず冒頭、財務省に申し上げておきたいのは、今回明らかになった財務省の決裁文書の書換え、これは行政の信頼を損なう、あってはならない行為でございます。また、国会に報告するべきことを明らかにしてこなかった、あるいは事実と異なる説明をしてきたということは、国会を軽視する断じて許されない行為でございます。国民の皆様も大変怒っておられます。今後、麻生大臣を始め財務省には、捜査中であるということを隠れみのにせず、真摯に国民の皆様に、また国会に対して説明責任を果たしていただきたい、そのことを強く申し上げたいと思います。
その上で、各論に移りますが、これまで財務省から報告があった件で疑問に思う点につき、確認をさせていただきます。
まず、太田理財局長にお伺いをいたします。
書換えがあった十四件の決裁文書、このうち本省理財局が起案をし、本省で保管をしていたものがあるかどうか、端的にお答えください。
政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
その前に、委員冒頭おっしゃられたことは、おっしゃられたとおりでございます。大変申し訳ありませんでした。それから、その上で、今後、委員の御指摘のあったような対応をさせていただけるように最大限やらせていただきたいというふうに思います。
その上で、お答えを申し上げます。
今回お出しをさせていただいたものは十四の決裁文書でございますが、そのうちの一つは本省決裁でございますので、本省のものということで、本省で確認なりなんなりをさせていただけるものでございます。
里見隆治君 本日の午前中の予算委員会でもその点、理財局長が少し触れられて、すぐにほかの話題に移りましたのですが、私、ここは注意深く見る必要があると考えております。
中央省庁では、近年、決裁の電子化が進んでおりまして、その文書は電子決裁システムによって決裁をされていると思いますが、その点、確認をしておきたいと思います。
その上で、電子決裁で、決裁終了後、記録が残る形で書換えがなされるということがあり得るのか、電子決裁で書換えが行われるというのはどういうことか、この電子決裁という点において今おっしゃった一件と関連してお話をいただければ、御説明をいただければと思います。
政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
今ほど委員からお話ございましたが、先ほど申し上げましたように、十四の決裁のうち一つだけ、それは平成二十七年四月三十日付けの特例承認と言っているものですが、これは本省決裁でございます。
委員からお話がありましたとおり、昨今、これは、本省の方は判こをつくという形ではなくて、電子決裁という形になってございます。
それで、書換え前の決裁文書が、この電子決裁というのは、通常のといいますか、個人のものは個人ファイルみたいなことを言っていまして、そうじゃないものは共有ファイルというふうに俗に、俗にといいますか、言っておりますが、この電子決裁は特別の、通常の通常ファイルという世界ではなくて、一元的な文書管理システムというシステムの中でこれはなされております。この一元的な文書管理システムについては、書換えを行うと、その更新履歴だけではなくて、書換え後のものだけではなくて、言い換えれば、上書き保存されるような形ではなくて、書換え前のものも併せて保存をされており、更新履歴をたどるとそのことが確認できるという状況になってございます。
なってございますと今御説明を申し上げておりますが、正直に申し上げると、今回の調査の過程でそのことを知って、そういうことが分かって御説明が申し上げられているわけですが、そういう形の、このシステムはある意味での特別なきちんとした形のシステムになっておるものですから、それで分かったのでございますが、書換え前のものもそのシステムの中で残されている形になっていて、上書き保存というような形でなくて、前のものも残っているという形になっていて、それで確認ができているということでございます。
里見隆治君 これ大変大事なポイントだと思うんですね。これ、書換え前と書換え後、これが並列をしてシステム上に残っていたと。これは、一人の、個人のパソコンにデータ保存されていたということではなくて、しかも共有ファイルということですから、これは複数の関係する職員、決裁をした職員が共通で見れたということだと思います。それが今回の調査で初めて明らかになったというのは、これは到底信じ難い状況でございます。
ほかの、紙の文書は前の分は破棄をしましたと、新しいものを付け替えましたと、それは物理的にはそうかもしれないなと思いますが、今の御説明ですと、何とシステム上に残っていた、しかもそれは共有ファイルだったということであります。
そういった意味で、複数の職員がアクセスできる、知り得る職員が複数いたということだと思いますが、この点、もう一度確認をさせてください。
政府参考人(太田充君) 申し訳ありません、俗な意味での普通の共有ファイルではなくて一元的な文書管理システムだというふうに申し上げました。
今ほど委員の御指摘の中で、他の職員もみんな見れるような形になっていてというお話がございましたが、そうかもしれませんけど、ちょっとこれは私も今承知をしておらないので、確認をさせていただけないと明確にちょっとお答えがいたしかねるので、大変申し訳ありません、そこはちょっと確認をさせてください。申し訳ありません。
里見隆治君 是非確認をして、この点は委員長にもお取り計らいをお願いいたします。
委員長(長谷川岳君) 後刻理事会において協議をいたします。
里見隆治君 よろしくお願いいたします。
次に、財務省から十二日に報告をされた一連の書換えについて、これも大変な驚きをもって受け止めましたけれども、さらに、翌十三日、一昨日になりますが、平成二十七年六月にメモが削除をされていたということが確認されたとの報告がございました。なぜこうも後から後から原本と異なる文書が出てくるのかと、考えられないことでございます。
平成二十七年というと今から三年前、こうした書換えが、この昨年の二月下旬から四月ということではなく、もう三年前から常態として行われていたのではないかと指摘をされても致し方がないのではないかと思います。この点、経緯を御説明いただけますか。
政府参考人(太田充君) そのときに、三月の十二日ではなくて、その翌日に気が付いて、そういうことをしてしまいました。こういうことが起きれば、委員のおっしゃるとおり、後から後からだということになりますし、まさに常態としてやられていたんじゃないかという御指摘を受けるのは、それはそういうふうになってしまうということはもう重々分かっておりますが、重々承知の上で、結果としてこういうことになってしまっているのは本当に申し訳ないことであります。
それで、基本的に、今回、その書換え前のものがあるのではないかということで、そのところを調べるということで必死になって調べて、結果的に三月の十二日にこういう報告ができたわけですが、今回のその翌日に御報告ができたものはその後の話ではございますが、といいますのは、調べておったのが二十九年の二月下旬から四月にかけてと時期をある意味で申し上げている、そのとき、その周辺のことということで調べておって、それは本省、財務省理財局においてというふうに申し上げておりました。
今ほどのことは、二十七年の四月に作られた決裁文書を二十七年の六月に、約二か月後でございますが、決裁文書の、今回お出ししているものは決裁文書の表紙といいますかかがみといいますか、電子決裁でなく普通でいけば判こ、かつてでいけば判こを押しているようなものの後ろにある調書、それは事案の概要ですとか経緯ですとか、そういうことが書いてあるものですが、決裁文書はその後ろにいろんな資料を、参考資料といいますか、添付をしているんですが、その資料の一つ、一ページ、一枚を抜き取っておったということであり、これは近畿財務局においてそういうことをしておったというものでございますが、これがどうして気が付いたかということ、大変恥ずかしいことでございますが、本件、基本的に財務省と国土交通省とということで作業が、作業というか元々の事案の処理という意味ですけれども、行われておって、国土交通省にもある意味でいろんな文書があるものですから、国土交通省さんの方が三月十二日の我々の発表を受けて、国土交通省さんの方もいろんなことを、これから先の開示なり何なりを心配をされて、それで、こういう資料があるけれどもそれはどうだということで私どもに確認がありました。
それまで二十九年の二月下旬から四月にかけてということをやっておったんですが、その国土交通省さんから改めて、その作業がある意味で、終わったということではないんですが、一段落というか一区切りが付いたので、国土交通省さんからそのお尋ねがあったものですから、来たのは十三日なんですが、その日に調べたところ一件そういうことが判明をして、それでこういう御報告に至ったということでございます。大変申し訳ありません。
里見隆治君 私もいろいろと調べておりまして、今大事な点、ちょっと確認が今の御説明でできなかったので一点簡潔にお答えをいただきたいんですけれども、この欠落といいますか削除、抜き取ったこの資料が情報公開に対して開示をしたその資料の一部だったというふうに私は理解をしているんですけれども、イエスかノーかで教えてください。
委員長(長谷川岳君) 太田理財局長、簡潔にお答えください。
政府参考人(太田充君) はい。
情報公開で開示したものです。
里見隆治君 これ大変なことだと思います。要は、情報公開に対して提出をした資料が、本来出すべき資料を一枚抜き取って情報公開請求に対して資料を提出されたということであります。これは大変なことではないかと、皆さんもそういうふうに共有をいただけると思います。
これ、国会に対してもあらゆる資料いろいろと出していただいておりますけれども、それも様々そごがあったと。私たち国会議員は国民の代表でございます。これはもちろんきちんとした文書を出していただきたいというのは当然でございますが、一般のお一人お一人の国民の皆様が国政のことを知りたいと情報公開請求をされると、そのことに対して、本来あるべき資料ではない、紙を抜き取って出したと、これは大変なことだと思います。御認識いかがですか。
政府参考人(太田充君) 今の委員の御指摘の点は委員の御指摘のとおりであり、情報公開請求あるいは国会に対して真正のものが提出していない、あるいは公開されていないということは大変なことであり、あってはならないことであり、誠に申し訳ないことであるという、そのことはそのとおりだと思っております。
里見隆治君 この点は引き続き追及をしていきたいと思います。
次の質問に移ります。
昨日の予算委員会において、私の同僚、先輩議員の矢倉克夫委員から太田局長に対して、書換えは理財局の一部とのことだが、佐川局長の関与の度合いはという質問に対して、太田局長から次のとおり答弁がありました。当時の理財局の最高責任者、トップは佐川局長でございますし、国会で答弁を主としてやっていたのも、これも当然、佐川局長でございますので、佐川局長の関与といいますか度合いといいますか、そういうものは大きかったのではないかというふうに私どもとしては思ってございますと。これは大変大事な答弁だと思います。
しかし、佐川前局長は既に財務省にはいらっしゃらないわけでございます。九日に既に辞任をされていると。国税庁長官ともなれば内閣の承認人事でしょうから、当日御本人の申出があったということですが、その日付で大変スピーディーな承認となったということだと思います。
麻生大臣にお伺いをしたいと思いますが、私は、佐川前国税庁長官が九日付けで辞任をされていたというのは時期尚早だったのではないかと。例えば、追加処分、今後あるかもしれないということですが、そうすると退職金ももしかすると減額されるかもしれない、そうすると返済してもらえる保証があるのかとか、あるいは今後の調査、今後、必要なときにすぐ連絡が付く状態にあるのかとか、こうしたことを考えますと、長官の辞職、これがこの九日時点という、まだ様々調査中の段階で本当に適切であったと言えるのか、この点、麻生大臣、いかがでしょうか。
国務大臣(麻生太郎君) 佐川前長官につきましては、これは先週の金曜日、三月の九日に退職したいという申出があっておりました。本人がそうした意向を示しております以上、国税庁長官という、今、現職におりますので、そういった重責を担わせるわけにはいかぬと、そう判断をさせていただいた次第です。その上で、佐川前長官からも申出があったとおりでありまして、少なくとも国有財産行政に関する信頼を損なったと言わざるを得ないということは確かだと思いますので、そうなりますと処分なしという形での退職を認めるわけにもいかぬと、そう考えまして、減俸二〇%、三か月の懲戒処分を実施させた上で退職をさせたものであります。
また、今御指摘のありましたように、前長官を退職させるに当たりましては、私の方から前長官に対しては、これは今捜査の当局による捜査や財務省が行っている調査が今継続をしておりますので、そういったものに真摯に協力をしてもらう、また捜査や調査の結果次第では更に重い懲戒処分に相当するという判断をされる可能性も十分にあろうと思いますので、仮にそうなった場合は退職後でも私の指示に従ってもらう、そういうことを申し渡して、佐川前長官もこれを了承をいたしておりますので、必要があれば適切に対応し切れると、してまいると考えております。
委員長(長谷川岳君) 里見君、時間が過ぎております。
里見隆治君 もう端的に終わりますけれども、例えばこういうケースで、他の例でも、国税庁長官の職は離れても例えば官房付にするとか、そういったいろんな方法はあろうかと思います。そうしたことも念頭に置かれてのことだとは思いますけれども、今必要に応じて様々に調査に協力をさせるということでございます。今後国会でも様々議論があろうかと思いますが、必要に応じての対応、よろしくお願いいたします。
以上で終わります。