議院運営委員会で人事院人事官の候補から所信聴取、質疑

2018.02.27 23:01(7年前) ブログ国会質疑 |里見りゅうじ(里見隆治)

議院運営委員会で人事院人事官の候補から所信聴取、質疑

2月27日、議院運営委員会で人事院人事官の候補から所信聴取、質疑。
私からは、自分の国家公務員時代の経験から、採用後の能力開発、モチベーションの維持・向上について、また、民間で非正規労働者の処遇改善を進める中で公務部門の非常勤職員の処遇改善について質しました。

議院運営委員会で人事院人事官の候補から所信聴取、質疑

議事録

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほど来、国家公務員の魅力、またそれをアピールしていくというお話をいただいております。私、自分自身も二十四年間厚生労働省で勤務をしておりまして、公務員の魅力、やりがいというものを自分自身考えて、また感じてきたわけでございますけれども、採用のときに加えまして、能力あるいはモチベーションをどうやって維持向上させていくか、特に中堅から高齢期の入口にかけてというのも非常に重要ではないかというふうに思っております。
 そこで、先ほど御紹介をいただいた職員の満足度調査、これ私も平成二十八年度の年次報告書を拝見をいたしました。これによりますと、職員の年齢別の満足度調査において、二十五歳から四十四歳という非常に働き盛りの年代ほど実は満足度が低いという非常に残念な結果がこの中に表れております。また、その中の、これは人事院さんの御指摘ですけれども、国家公務員としての誇りは持っているけれども、社会から必ずしも相応の評価を受けていないと公務員の皆さんが感じていて、諸条件を踏まえると他者に積極的に勧めたいとまでは思っていないのではないかという評価をされております。こうした中でどういうふうにモチベーションを上げていくのか。
 これまた私自身の経験で恐縮ですけれども、私は公務員時代、民間企業への官民交流ということで民間企業での就労もさせていただきました。その中で社員研修が非常に羨ましいほど充実していたのを目の当たりにいたしまして、これについては人事院さんとも、御担当とも意見交換、情報交換をさせていただきました。
 こうした点を見ますと、やはり能力開発をしっかりしていく、能力の向上を図っていく、モチベーションの維持ということは中堅また高齢期の入口にかけて非常に重要な要素であるというふうに考えますけれども、立花参考人におかれて、この点についてどのようにお考えになり、また取組をされてきたか、教えていただきたいと思います。

参考人(立花宏君) 里見先生のおっしゃるとおりだと私も実感しております。
 私、民間におったときに、よくモチベーションを高めるためにどうしたらいいんだろうかということで非常に民間企業の方々いろいろ勉強しているわけですけれども、経営コンサルタントの大家の船井先生に言わせると、人に物事を頼むときに、いついつまでにこの仕事をやっておいてくれなというそういう頼み方をしたときのアウトプットが一とすると、この仕事は実はこういう意義があるんだと、非常に大事な仕事なんだということを本人に分かりやすく説明して頼む場合のアウトプットが一・六三倍になると。さらに、そういったことに加えて、実はこの仕事のやり方についてはいろいろあるけれども、実際はいろいろ問題もあって、君がもっともっと工夫して新しいやり方を是非考えてもらいたいと、そういった点を我々も評価するからということで、そういったことで励ますとそのアウトプットが一・六三倍の自乗になるということで、やっぱりそういったモチベーションをいかにして高めるかということは企業の経営の大きな課題でして、やっぱりそういったところに倣えば、この公務の世界におきましても、やはり実際の仕事の現場で上司が部下に対して単にいついつまで仕事をやれというそういった、かつてはそれで通じたかもしれませんけれども、それだけじゃなくて、やっぱりその仕事がなぜ大事なのかと、あるいはそれに対して、あなたのキャリア形成の上で、実はこういうことでこれをやると非常にあなたにとってのプラスになるんだということをやっぱり本人が納得する形で、単に人事評価をしてそれで事足りるじゃなくて、やっぱりそういったことをきちっと説明することによって、本人のキャリア形成、あるいは無論モチベーション高まるということにはつながるんだろうと考えております。
 また、研修そのものは、従来のようにオン・ザ・ジョブ・トレーニングで、それで事足れりという時代じゃなくて、もう人数が定員削減で非常にきつきつになっておりますので、やはりオフ・ザ・ジョブ・トレーニングで、やはり節目節目において人事院も、入ったときの研修だけではなくて、三年目あるいは課長補佐研修あるいは課長、指定職と、そういった節目節目において研修して、やっぱりマネジメントの力をどうやって付与するか、どうやってチームの力を上げていくか、そういった点についての研修を、女性に対する研修も含めて拡充しつつあるところでございます。

里見隆治君 もう一点お伺いをしたいと思います。非常勤職員の待遇についてであります。
 今、民間企業においても働き方改革の一環で、同一労働同一賃金、あるいは非正規労働者の正規労働者への転換支援といったことが進められようとしております。こうした中、国の組織においてどのような対応をするのかということが問われております。
 具体的に、現場を見ますと、非常勤職員がハローワークなどで既になくてはならない存在になっているというような現状の中で、その待遇改善についてどのように進めていくべきかと、その辺についてお考えをお聞かせください。

参考人(立花宏君) 非常勤職員の勤務条件につきましては、この方の担当する仕事の職務の内容に類似した常勤職員の給与に、号俸を基礎として、その上でこの非常勤の方の職務の内容等を判断して位置付けるということで、平成二十年に人事院の方からそういった非常勤職員の勤務条件、給与についてのそういった指針を出しておりまして、二、三年置きにこの実施、取組状況というのをフォローしているわけでございまして、昨年もこの通達を見直しまして、非常勤の方について、ボーナス、いわゆる勤勉手当についてできるだけ支払を行うようにということで、そういった指針の見直しをしたところでございまして、また、その他、休暇あるいは勤務時間につきましても、できるだけ働きやすくするということで、去年でしょうか、同一労働同一賃金のガイドラインの中で、非常勤の方の慶弔の休暇の取り方についても見直しすべしというそういった御意見も出されていますので、その辺も、今これから国の方の議論も進むと思いますけれども、その中で、それを見ながら、公務のこういった非常勤の方の待遇についても必要な見直しを行っていく必要があるというふうには考えております。

里見隆治君 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。

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