1月30日、議員運営委員会で、伊藤たかえ議員(兵庫県選出)とともに初質問。
国会での同意が必要な日本銀行総裁・副総裁、会計検査院の検査官、公正取引委員会委員長などは、本会議に議案が付される前に議員運営委員会で候補者に対して質疑を行います。
採用・人事面接は、役人時代も経験がありますが、国会での人事となるとまた大きく違いますね。
議事録
里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
参議院においては、決算重視の参議院ということで、昨年二月に参議院改革協議会が設置をされ、今般、行政監察機能の強化、行政監視委員会の機能強化というタイトルで中間取りまとめがなされております。
その中で、参議院は、二院制の下で期待される役割を十全に果たすべく、党派を超えて行政監視機能の強化に取り組み、行政の適正な執行を監視、監督することを決算審査の充実とともに院の活動の柱の一つとするということとしております。その意味で、決算審査の充実のみならず行政監視という観点で、私どもは参議院として、会計検査院に対する参議院としての期待も高まってこようかと思います。そうしたことを踏まえて質問をさせていただきます。
まず、会計検査院においても、会計の検査のみならず行政全般に対する行政評価や行政監視のような視点も取り入れて検査するべきという考え、私持っておりますけれども、森田検査官のこうした分野についてのお考えをお聞かせください。
参考人(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。
そのとおりだというふうに思います。特にいわゆる有効性の検査におきましては、非常に行政評価と近い観点と申しますか、実際にやる事業、施策について達成すべき成果は何なのかと、それが達成できたのかどうかということをきちっと評価をしていって、問題があれば改善していこうという取組というふうに考えておりますので、そういうようなものが行われているということが検査院の有効性の検査、先ほどもちょっと申し上げておりますけれども、有効性の検査の非常に基礎になっているということかと思いますし、そういう取りまとめている行政評価局なんかとも連絡会なんかを通じまして情報交換、意見交換なんかもしており、そういうような観点というのは非常に重要だというふうに思っております。
里見隆治君 ありがとうございます。
今の行政監視、行政評価という点で更にお伺いしたいのは、検査報告には、社会保険の一部に見られるように、毎年同じような指摘が繰り返されているというものも見受けられます。こうした同じ指摘を繰り返すというのは、有効性というか、効率性という意味でなかなか改善がない、そのことを繰り返しているようでは意味がない。その意味では、せっかく会計検査院法第三十四条あるいは三十六条を発動して制度面で改善をさせるというような仕組みがあるわけですから、こうした措置を積極的に行うべきであるというふうに考えます。
これまでどのようにお取り組みになり、また今後どのように進めていくべきかという点についてお考えをお聞かせください。
参考人(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。
まさにおっしゃるとおり、個別の事項の指摘というものも、これもやはり重要な、もちろん重要なことなんですけれども、そういうようなものが今後起こらないようにするためにはどう仕組みを変えていったらいいのか、どう制度を変えていったらいいのかというところ、いわゆる発生原因とその対処策といいますか、それをしっかりと考えて、三十四条、三十六条の中でそういうような要求あるいは意見表示をしていき、それが改善されるまでしっかりフォローアップをしていき、そういう改善を促進し、同じような指摘が起こらないような形に持っていくというのが非常に重要な観点だというふうに私も考えております。
里見隆治君 ありがとうございます。
そうした考え方の中で、具体的な運用においてどのように検査業務を進めていくべきかという点について次に質問させていただきたいと思います。
私、先週の衆議院の議院運営委員会での質疑も拝聴、拝見をしておりました。その中で森田検査官御答弁されるに、情報システムのようなものを検査にどう活用して、いかに効率的、効果的な検査をしていくか、このようなことについても頑張っていきたいというような御答弁をされておりました。まさに先ほど来テーマになっております検査の観点の効率性、有効性と、これをうたっている限りは会計検査の業務そのものにおいても効率性、有効性を求めていくということが大変重要であると考えます。
私自身、実は厚生労働省の本省あるいは地方支分部局において会計検査院の検査を受けた経験を持ちまして、いざ検査となれば相当の職員が相当の時間を掛けて、そして相当の資料を用意して検査に臨むと。そういう意味では、本当に真剣勝負ということでありますが、今後、検査を効率化していくという観点、あわせて、これは会計検査院のみならず、検査を受ける各省庁など検査対象法人におけるまさに業務の遂行、働き方改革という観点からしても、検査をいかに効率的に行っていくかということが大変重要だと考えます。
森田検査官が御専門だというふうに言われる情報システムの活用という点をもう少し具体的に触れていただきながら、今後の検査の効率化について具体的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
参考人(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。
その節は大変お世話になりました。
検査をさせていただくことになると、相当の準備、手間と言ってもいいのかもしれませんけど、を受検庁にお掛けしているというのは、これは事実だろうと思うんですね。
ただ、実は、それが一つの会計検査の効果といいますか、牽制効果にもなっておりまして、実際にも、例えばどこかの出先機関に来週行きますという通知を出しますと、資料をいろいろもう手間を掛けて準備をいただくんですけれども、逆にその過程で、どこを検査されるか分からないので幅広く準備をしていただくわけなんですけれども、その過程で間違いが見付かったりとかそういうようなことが結構ございまして、それも会計検査院の検査の一つの効果かというふうには思っておるんですけれども、ただ、ちょっと話が横にそれましたですけれども、煩雑な事務作業というのは受検庁の方に強いている部分もあろうかと思うんですね。
これが画期的になくなるということはないかもしれないんですけど、例えば、今取り組んでおりますのは、ITを使ったということでいきますと、いわゆる証拠書類の電子化でございます。電子化された証拠書類を電子データのままで検査院にいわゆる転送というか、伝送していただくというようなシステム、そういうような体制整備を、今どんどんとここを進めていっております。
通常は紙の証拠書類、これ、原本を御提出いただかないけませんので、受検庁側でもそれの全てコピーをお取りになってお持ちになるという、この手間だけでも、この証拠書類の電子化が進んでいきますと相当の効率化になるんではないかなというふうに思っております。
これ、一つの事例ではございますんですけれども、今御指摘いただきましたように、検査そのものも、そういう電子データですと非常に検索可能性が高まったりとか効率化が進むとともに、受検庁側での効率化、検査、受検の効率化といったものも目くばせしながら進めていく必要があるなと、今御質問を聞きながら、肝に銘じなければいけないなと感じたところでございます。
里見隆治君 ありがとうございました。以上で終わります。