ODA(政府開発援助)特別委員会で初質問

2017.06.07 21:42(5年前) ブログ国会質疑 |里見りゅうじ(里見隆治)

6月7日、ODA(政府開発援助)特別委員会で初質問。

グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン事務局の上野明子氏をはじめ、専門家としてご出席いただいた参考人の皆様に質問。

発展途上国で人権や労働に配慮しながら企業活動をどのように進めるか。
現地での自社の労務管理のみならず、取引先が人権等に配慮しているか。

SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業が増える中、経営者の皆様も大きなチャレンジに直面しています。

 

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議事録

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。質問の時間をいただきまして、誠にありがとうございます。
 また、本日は、四人の参考人の先生方、貴重なお話をいただきまして、本当にありがとうございます。
 先生方にお伺いをしてまいります。
 まず、上野明子参考人にお願いをしたいと思います。
 本日、議題となっております持続可能な開発、成長の実現には、政府また国際機関が主導、推進するのみならず、いかに裾野を広げて、民間、特に経済活動の主体たる、プレーヤーである企業においてその取組を推進していただけるかということが重要だと思います。
 そうした意味で、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン様のお取組で、こうした企業にその取組を広げていると、非常に重要な意義を持つというふうに認識をしておりますし、またその活動に敬意を表しております。
 その活動内容の中で、事前にいただいておりました資料の中にあったんですが、二〇一六年度の分科会活動におかれて、十四の活動がおありですけれども、その中でサプライチェーン分科会というのが設置、活動されております。この活動内容について御紹介をいただければと思います。

参考人(上野明子君) 御質問ありがとうございます。
 サプライチェーン分科会は、実はGCNJの十四ある分科会の中で最も活発に活動している分科会の一つです。今年度というか、一六年度、八十名以上の方々が参加していろんな議論をしています。
 一つは、やはり社内的な人材、そのサプライチェーンに関わる知識を増やすためのキャパシティービルディングをするというような課題もあるんですが、ここ数年、サプライチェーン分科会で行っていますのは、よく言われるCSR調達、責任あるサプライチェーンをどのように実現していくか、そのために、自社だけではなくサプライヤーさんにどのように理解をしていただくかというためのノウハウですとか、教育になるようなアセスメントツールということを行っていまして、それが今回、近々セルフアセスメントチェックツールというもので公開するようなものをアウトプットとして出ています。
 この中で大変気を付けていますのは、やはり人権ですとか、環境ですとか、腐敗ですとか、そういった社会的な課題に、社会の幸せに反するようなものを排除できるようなものをサプライヤーさんが自分でチェックしていくことによって、バリューチェーン上、悪影響を及ぼさないようなことが自分で分かるようなツールをつくるですとか、そういうツールを提供するということをやっておりまして、つまり、各企業さん、個社だけに自分たちのノウハウをとどめないで、みんなでそれを共有することでより良いバリューチェーンをつくる、サプライチェーンマネジメントをしていくというような活動が特徴になっております。
 以上です。

里見隆治君 大変ありがとうございます。
 私も、このサプライチェーン含めてのバリューチェーンをつくっていくと、この点、今後、世界経済をこのSDGsに即した活動に近づけていくという意味で大変重要だというふうに考えております。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けても、この三月に組織委員会が持続可能性に配慮した調達コードを策定されて、今後その推進に当たられていくと。SDGsの推進という観点からも、非常にこれを促していくものだと、重要な意味を持つものだというふうに認識をしております。
 私、ILO活動推進議連というのにも入っておりまして、今このサプライチェーンの問題は、ILO、国際労働機関の中でも非常に労使の間で議論になっているところで、非常に理念、概念としては重要だけれども、実際に、アジアあるいはアフリカ等、発展途上国に行って何らかの取引をしていくと、こういった中で、実際にはいわゆるインフォーマル経済といいますか、なかなか裏に何があるか分からないという取引の中で日本企業の皆さんも非常に苦労されていると。そうした御苦労の中で、それでもなおこういった世界的な経済活動の中での責任を求められていくと。非常に経済の主体である企業の皆さんもちょっと戸惑っていらっしゃるというか、それだけにそういう活発な活動になっておられると思うんですけれども。
 そこで、重ねて上野参考人にお伺いいたしますけれども、そうした今の企業の皆さんのサプライチェーンに対するお取組といいますか受け止め方、またどういったことを課題として捉えられているか、その点をお伺いしたいと思います。

参考人(上野明子君) 回答いたします。
 サプライチェーンというのは、本当に実は企業にとって最重要事項の一つかと思います。というのは、サプライチェーンのマネジメントをきちんとしていないと、もうそれは、先ほどの国益という話がありましたけど、日本企業がグローバルな市場でちゃんと戦っていけないというその根幹になるからです。
 ただ、そのときにいろいろ出てきますのは、やはり人権の考え方ですとか環境の考え方ですとか、今ですとやはり欧州の考え方が世界的な標準になっていて、日本がそれを後追いしているという状況にございまして、今、日本の企業は一生懸命その後を追って、欧州から言われている基準を満たそう満たそうと一生懸命頑張っているところかと思います。ただ、そこのところが後追いでという形でいますと、なかなか優位の競争パターンに持っていけないというのが、日本企業が特にグローバルで商売を、ビジネスをしようとするときの悩みかと思います。
 ただ、その逆に、それが励みになりまして、例えば先ほどILOのお名前が出ましたけど、バングラデシュでやっているベターワークのような、つまり、国を超えたある同じ、例えば繊維業界なら繊維業界でまとめて一緒になってサプライチェーンを良くしようなどというような動きが出てきていますので、そういう中に、日本も、ただ日本でやるのではなくて、一緒に入って世界のプレーヤーと一緒にやっていくということで、更にそのサプライチェーンの健全性を守るということに日本は貢献できるんではないかと思っています。
 以上でございます。

里見隆治君 さらに、済みません、同じこの案件でもう少し深く掘り下げていきたいと思うんですけれども。
 日本企業のCSR活動、どちらかというと、これは私が受けていた印象かもしれませんけれども、最初に環境面での取組が進んで、ようやくここ最近、人権とか労働といった面にだんだん重点を置いてきたのかなというふうに思っております。
 そうした意味で、人権、労働、こうした点をきちんと日本企業も理解していないと、進出した先で、例えば工場で余計な、何というんでしょうか、コミュニケーションが不足すること、あるいは人権への配慮が欠けてしまったことによって、労使紛争が起こってしまう、ストライキが頻発してしまうと。あるいは、ともすると人権侵害とも取られかねないような事案が発生する。もしかして、それは故意か悪意か、裁判にもつながってしまうと。非常にそういった意味での企業リスクでもあるわけだと認識しております。
 そうした労働法規とか人権というのは、これはもう最低限のルールであるはずで、グローバルコンパクトの理念というのはもう少しそれよりは、法規的な水準よりはもう少し高いレベルのものだというふうに考えます。
 そうした意味で、日本企業がもっと人権、労働といった点で力を入れていくべきだと、またそういった情報を共有しながら、またそうしたアセスメントツールを策定されているということですけれども、今後どういったところに企業の皆さんお取り組みになるべきか、もう少し深掘りをして教えていただければと思います。

参考人(上野明子君) 先ほどの質問とも絡むかと思いますが、実は今のような日本企業が抱えているサプライチェーン上のを解消していく上で、企業の規模がやはり大きい小さいに限らず、実はサプライヤーさんというのが一次があって二次があって、しかもそのサプライヤーさんが更に業務委託をしていて、ある一つのビジネスモデルを構成しているアクターが山ほどいて、自分たちの企業だけでは見切れない実は非常に広がりがあります。
 それで、日本企業、そういうことで、例えば中国で、サプライヤーではないんだけど、そのサプライヤーの委託先が強制労働していたとかいうことでNGOから言われたりとか、そういうことがある中で、どこまでその企業が本当に自分たちの力をもって責任を持ってサプライチェーンを健全にしていけるのかということが、これはなかなか簡単ではないことですけれども、考えていかなければならないことです。
 あと、その人権、労働というところで、やはり日本の企業はどうしても労働面での対応が弱いところがあるかと思います。人権はある程度、まあ人権も難しいんですけど、やはり労働面での対応というのが難しくて、ほんの小さなところの誤解で進出国で労働争議につながったりするということがございますので、これは例えばジェトロさんなんかでもいろいろ窓口をお持ちだと思いますが、やはり企業だけではなく、そういう公的な機関がノウハウ等を提供して、バックで支援してアドバイスをできるようなことをもっと拡充していくことによって、またその一つの事例を横方面に共有することによってリスクを下げていくということもできるのではないかと思います。
 以上です。

里見隆治君 どうもありがとうございました。
 こうした、まあどちらかというと環境とかが表に出ていたものが、これからやはり労働とか人権、そういったものが大事になるというふうに私感じておりますけれども。
 この視点を政府の方に移しまして、これは山形参考人にお伺いをしたいんですけれども、事前にいただいておりましたアジ研ワールド・トレンドのナンバー二百三十二で、「日本政府の関心が、開発途上国の貧困削減から離れ、環境問題にのみ向けられることを懸念している。」というふうに書いておられるわけですけれども、確かに日本の、特に政府の得意分野といいますか、そういった技術協力あるいはインフラ整備、そしてまたその延長に環境ということも考えられるわけですけれども、私は、やはりこの人権とか人道という支援をもっともっと増やしていくべきだというふうに考えておりますし、そういった意味で、この懸念、実現してしまっては困るなということなんですけれども、この点について深掘りをして、どういった御懸念をお持ちなのか、さらに、それを克服するにはどのような点、政府として気を付けてほしいのかという点、お伺いをしたいと思います。

参考人(山形辰史君) 御質問ありがとうございます。
 サステーナブル・ディベロップメント・ゴールズは、サステーナビリティーとディベロップメントの合体でございますので、そもそも最初から、設定からして、目標が増えた、それによって、当然のことですけれども、この焦点はぼやけやすくなる。そして、先ほど申し上げましたように、ゴールもターゲットも増えていますので、おのずとどの国も全部は達成できない、全部に同じぐらいの強度で取り組むことができるとは想定されないというような認識を持ちやすいかと思います。
 ですから、これは、逆に申しますと、日本は環境分野で非常に競争力があるというふうに認識をしておりますので、おのずと、まあそれはドイツもそうですけれども、二つある開発とサステーナビリティーの中でサステーナビリティーにのみ、のみといいますか、にかなり注力するとディベロップメントの方が薄まらないかという懸念を個人的に持っているということを表明したものです。
 ありがとうございます。

里見隆治君 どうもありがとうございました。
 以上で終わります。

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