参議院内閣委員会でIR法案の審議、採決

2016.12.13 23:30(8年前) ブログ国会質疑 |里見りゅうじ(里見隆治)

12月13日夜、参議院内閣委員会でIR法案(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案)の審議、採決が行われました。

私からの質問では、早急にギャンブル依存症対策を進めるよう政府に強く求めました。

今回の法案は、日本が今後外国からの訪問客をさらに受け入れていく観光立国として重要な提案でありますが、カジノについては刑法の賭博罪に当たるため、法律上認めるには相当の理由が必要です。

法案を提出した自民、維新の議員にこの点を確認したところ、そのための具体的な規定は今後政府に検討してもらうとの説明でしたので、私は今回の法案には反対することとし、今後、政府内で検討することになる新たな法案について、与党の立場でしっかり関与し、改めて判断することとしました。

また、今後政府が留意すべき点を委員会として決議しましたので、賛成いたしました。

 

私からの質問では、早急にギャンブル依存症対策を進めるよう政府に強く求めました。

私は今回の法案には反対することとし、今後、政府内で検討することになる新たな法案について、与党の立場でしっかり関与し、改めて判断することとしました。参議院内閣委員会でIR法案の審議、採決

議事録

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。本日は、質問のお時間をいただきましてありがとうございます。
 まず、質問をさせていただきたいのが、依存症対策についてでございます。本法案を議論している中で、既存のギャンブル依存症について、その実態が必ずしも正確に把握されておらず、また、その対策を拡充していくことの必要性が明らかになってまいりました。
 私は、地元愛知県で、カジノあるいはギャンブルではございませんけれども、薬物依存症の回復施設として活動しているダルクという団体の拠点を複数訪れたことがございます。この施設では、以前依存症だった方が先輩として、自分の体験を基に今依存症から脱しようとしている方々の支援をされているという、非常にためになる視察でございまして、こうした経験をほかの依存症にも生かしていけないかと、そんなことを伺ってまいりました。
 こうした薬物依存あるいはアルコール依存についてはある程度全国的にも拠点がある中で、まだまだこのギャンブル依存症、これについては拠点が全国的には広がっていないと。そういう中で、まずこの拠点を整備していくこと、そして、この拠点でどのように相談支援をしていったらいいのか、こうした点も、まだまだ今後整備すべき点が多いかと思います。
 今回の法案の議論の過程で、一致して御提案をいただいている発議者の皆様、そして、与野党にかかわらずこの依存症対策、これについては一致するところというふうに私も考えておりますし、また、衆議院の内閣委員会においても附帯決議がなされたというふうに承知をしております。
 この点につきまして、まず政府におかれては、ギャンブル依存症について正確な実態を把握いただくべきこと、また、カジノにとどまらずギャンブル依存症対策について、治療のみならず、教育など予防、家族へのケアなど必要な予算を確保して、関係省庁が十分連携して対策強化を図るべきと考えます。
 政府全体として、今後どのような対策をお取り組みになるか、こうしたこれまでの審議を踏まえての今後の方針についてお伺いをいたします。

政府参考人(中川真君) 政府といたしましては、まずは議員立法でありますこのIR推進法案についての国会での御審議の推移を見極めることが必要かというふうには承知しております。
 その上で、このIR推進法案が成立した場合に、依存症対策などについての、政府についての今後の対応方針についてのお尋ねがございました。
 政府といたしましては、IR推進法案をめぐるこれまでの国会の御審議の中で、カジノ事業者への規制の在り方、反社会勢力の排除の徹底、マネーロンダリング対策の徹底、ギャンブル等依存症対策の包括的な強化の必要性など、多方面にわたる論点が御議論されたと承知しております。
 これらの対策の必要性については、法第十条で政府に必要な措置を講ずることが求められているだけではなく、衆議院におかれましては十五項目にわたる附帯決議も付されていると承知しております。十条で求められている必要な措置や、これまで国会で御審議いただいた論点は、政府においては多数の省庁の所管事項にまたがっておりまして、仮にこのIR推進法案が成立する場合には、政府といたしましては、関係省庁が十分連携して、また、衆議院の附帯決議にもありますように十分に国民的議論を尽くしながら実施法案を準備することになると承知しております。
 また、今ギャンブル依存症についての個別の具体的な取組事項についての御指摘がございました。
 これまで厚生労働省の政府参考人もこの場で御答弁申し上げておりますように、既に今年度からこのギャンブル依存症に焦点を絞りました実態の把握に関する調査、しかも、前回の調査とは違いまして、個人がアンケートに記入するという形ではなくて、お医者さんなどが、専門家がきちんとインタビューなどをしながら的確な判断をする人が答えると、そういうフィードバックのあるような調査をしております。これらについては今年度末までに何らかのきちんとした報告をするということでの答弁も厚生労働省の方からこれまで再々ございました。
 そういうことを踏まえまして、政府といたしましては、ギャンブルのみならず、ギャンブル、遊技等を含む既存の依存症対策についてもしっかり取組をせよという御議論がこの国会の場でございましたので、その趣旨を踏まえましてきちんと対応していくことが必要であると、かように認識をしております。

里見隆治君 どうもありがとうございます。
 まさにこの依存症対策、これもう、法律通る通らない、その時期にかかわらず、早急に御対応をお願いしたいと。公明党としましても、党内でしっかり検討チームを設置し、政府にも提言をしていく予定でございます。どうぞ取組についてよろしくお願いいたします。
 次に、法案に関しまして、発議者に御質問をさせていただきます。
 私は、本法案に関しましては、地域の創意工夫及び民間の活力を生かした国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現して、観光や地域経済の振興を進めるという考え方について、我が国が観光立国を目指すという上で大変重要なことであるというふうに考えております。一方で、本法律案の特定複合観光施設に含まれるカジノ施設については、刑法百八十五条が賭博を禁じていることから、しっかりこれは整理しなければならないというふうに考えております。こうしたメリット、デメリットの両者の観点から質問をしてまいりますので、国民の皆様にこの法案の趣旨が伝わるよう御答弁をいただきますようお願いをいたします。
 まず、昨日も様々参考人の先生方から御意見をいただきました。その中で、私まだまだ、国民の皆様もそうですが、専門家の皆様でも相当このIRに対しての立ち位置といいますか、見方が相当幅が広いというふうに感じております。市場が飽和している中で後発の日本が成功するのかという意見も一方でございます中で、観光立国推進政策としてカジノを含むIRを取り入れていこうというのが今回の法案の中核であるというふうに受け止めておりますが、その意義や必要性、この感じ方が、捉え方が人によって大きく異なります。その理由は、このIRについてどういうふうに捉えるか、それが人によって相当イメージが異なっているからであって、共通認識がなかなかできていないのではないかと。
 したがいまして、そこで改めてこの時点でになりますけれども、このIRについてどのようなイメージを発議者の皆様はお持ちであるか。具体的には、箇所数、これは二、三程度というお話、御答弁がございました。あるいは、都市型か地方型か。あるいは、三点目として、ターゲット、集客するべき対象として外国人富裕層なのか外国人一般顧客層なのか、あるいは日本人富裕層、日本人の一般顧客層のどれが多いのか、あるいは混合の場合、その割合をどういうふうに見ていくのか。あるいは、何をもって利益を上げていくのか。こうした点について、改めて御答弁をお願いいたします。

衆議院議員(細田博之君) カジノを含むIRにつきましては、国際会議場、そして展示場、レクリエーション施設、宿泊施設、文化施設、カジノ施設などから構成される複合観光施設であるということが定義されており、シンガポールなどのアジアの各地域において戦略的な国際観光の振興を図るために導入され、あるいは導入が計画されているものであります。
 我々は、シンガポールが成功を収めて、リー・クアンユーさんが最初は反対していた、しかしきっちりした管理の下でやれば、大変大勢の国際的な観光客がやってきて大成功を収めたと、これは世界的に衝撃を与えておりまして、所得の高い日本において、国民所得が高いですから、様々な意味において外国人客と合わさって成功を収めるのではないかという期待が大きいと。そして、大きな投資規模がある、そして、観光地の形成ですとか地域経済の振興にも貢献するということでございまして、また、カジノの収益があることによって全体が潤い、かつ財政の改善に資するということで我々も取り上げているわけでございます。
 日本は、日本再興戦略二〇一六などにおいて、政府が二〇三〇年までに六千万人を目標とするという海外観光客のツーリズムの創出については、東京オリンピックの後は必ずしも平たんではないと思っておりまして、今や三年ほどは徒過いたしましたので、これからどこを造ってもオリンピックより後になる。そのときに、世界からできるだけ多くのお客さんを迎え、また日本人も平均所得、貯蓄などは大きいわけですから、本当に楽しい施設ができれば、それでかなりにぎわう楽しい施設ができるのではないか。
 しかし、これだけ大きな施設でございますから、数としては、従来から言われておりますようにそんなにどこにでもできるわけではなくて、まず、多分二つ、三つでやって、それで成功するかどうかというのを見極めるということになるのではないかと思っております。

衆議院議員(西村康稔君) 補足をさせていただきます。
 まさに、今答弁があったところでございますが、一定規模以上のものを求めていくことになると思います。これは日本経済全体へのプラスの効果ということを考えて、温泉旅館の横にちょこっとカジノを造るようなことは想定しておりませんので、一定の宿泊施設、展示場、国際会議場、劇場、こういったものを総合的に整備していくことになりますので、一定規模以上の民間投資が必要となりますし、地方は地元議会の同意も必要ということになっていくと思いますので、そういったことを考えると、十も二十も日本全国できるわけではなくて、一定の数、これは衆議院の附帯決議でも、厳格に少数に限り、区域認定数の上限を法定するというふうにされているところでございますが、今お話がありましたとおり二つ、せいぜい二つ、三つから始めて、そしてその効果あるいは課題を検証しながら、増やすとしても段階的に増やしていくということになります。
 それから、大都市か地方かということでありますが、私ども大都市に限るとは全く思っておりませんで、地域が地域の特徴を生かして、日本ならではの地域の観光資源を生かした、そうしたIR施設も是非造ってもらいたいと思っておりますが、先ほど申し上げましたとおり、一定規模以上で投資が必要になってまいりますし、地元議会の同意も必要ということでありますので、なかなか、そうあちこちで造るということではなくて、幾つかの地方で是非こうしたものも整備がされるといいなというふうに思っているところでありますが、具体的な基準は実施法において定められていくことになります。

衆議院議員(岩屋毅君) ターゲットは富裕層か一般層か、あるいは外国人か日本人かというお尋ねでございますが、提出者といたしましては、言うまでもなく、内外問わず幅広い層の誘客を目指す、またそれができるIRの構築を考えているところでございます。
 どこにどういう規模のどういう内容のIRができるかによってそこは微妙に変わってくるんだと思いますが、先生御承知のとおり、今年十一月にインバウンドが二千万人を突破しました。これを四千万人、六千万人に引き上げていくというのが政府の目標でございます。目下のところ、二五%が中国、二〇%が韓国、一八%が台湾ということで、やっぱりかなりアジアに集中している向きがありますが、四千万人、六千万人というふうにしていきますと、かなり世界から幅広くお客様を迎えていかなくてはなりません。したがって、まさに国の内外を問わず、幅広い方に来ていただける施設、IRというものを目指しているところでございます。
 それから、何をもって利益を上げていくかというお尋ねでございますが、さっきも申し上げましたように、今ネバダ州ではノンゲーミングの収入が六割を超える収益構造になっております。したがって、ゲーミング部分だけに頼るIRではなくて、このノンゲーミングの収益部分が大きくなっていくようなIRを目指していくべきだと考えているところでございます。

里見隆治君 ありがとうございます。
 こうしたイメージを前提として、IRによる経済効果、またそれに付随して、負の側面、社会的コスト、例えば治安ですとか依存症に与える社会的影響、これについてお伺いをしておきたいと思います。
 これにつきましても、昨日の参考人からの御説明、これも様々、もう百八十度違うような捉え方もございまして、これも国民の皆様、審議を御覧になってちょっと不安になっておられるのかなと。そういう意味で、これも、御提案をされている発議者の皆様のお立場から、この経済効果、これをどのように見ておられるのか。
 また、この社会的コスト、これも定量的に測れるかどうか昨日議論があったところでございますが、こうした点も、私、昨日も意見として申し上げたとおり、こうしたものを極力明確化していく、明示していくことで具体的な、冷静な議論が、検討がなされていくという意味で、是非とも発議者のお立場でこれをより分かりやすく明示化できるような、そういった御説明を試みていただきたいというふうに考えておりますが、この点、御答弁をお願いいたします。

衆議院議員(岩屋毅君) 経済効果、社会的なコスト共に、具体的にどの地域にどの規模のどういうスタイルのIRができるかということが定まってきませんと、この段階で正確にはじき出すということは困難であるというふうに思っておりますが、我々が参考にしております、度々出ておりますシンガポールの事例では、この数年間、二つのIRの開業で観光客数が六割増、観光収入は九割増という実績を上げておりますので、十分それに匹敵するか上回る効果を上げることができるんではないかと期待をしているところでございます。
 なお、具体的には、この実施法の制定後に地方公共団体の具体的な申請に基づいてIR区域が認定され、計画が具体化していく中で当然、その経済効果はいかばかりか、社会的コストはいかばかりかというような点もしっかりと審査をされることになるというふうに考えております。

里見隆治君 今、社会的コストについては余り触れられておりませんでしたけれども、今後、このプログラム法、さらに実施法、さらに地方でというふうに検討が進みますと、これ、私ども国会、委員会の中でも大変な議論になっておりますし、まだまだ世論調査等でも非常に数字が割れているという中で、地方で御検討いただく際にも余り感情的に賛成、反対とぶつけ合っても生産的でないわけですから、中央レベルでこうした社会的な便益またコストについてしっかりと客観的に明記できるような、そういった工夫をしっかり地方に御提示いただく必要があるんではないかと、そのように考えておりますので、その点、御検討を引き続きお願いしたいと思います。
 次に、本法案についてなかなか理解が得られない背景の一つに、カジノが犯罪あるいは治安悪化、青少年への悪影響、依存症患者の増加などにつながるのではないかといった不安がまだまだ拭い切れていないということが背景にございます。この点、衆議院内閣委員会においても、犯罪防止・治安維持、青少年の健全育成、依存症防止の観点から問題を生じさせないようにとの附帯決議もなされているところでございます。
 したがいまして、いま一度、こうした点から厳格な規制を構築していくとの観点で、反対されている国民の皆様にも、あるいは判断に迷っておられる国民の皆様にも安心、御理解いただけるような発議者の御所見をいただければと思います。

衆議院議員(西村康稔君) 私ども、法案の十条で、まさに、このカジノ施設の設置、運営に伴う有害な影響の排除を適切に行う観点から次に掲げる事項について必要な措置を講ずるものとするということで、幾つかの項目、まさに犯罪の予防であったり、風俗環境の保持であったり、青少年の保護であったり、こういったことを列挙をさせていただいて、政府に対して必要な措置を講ずるということでその対応を求めているところでございますけれども、今般、衆議院、参議院の議論を通じて様々な御議論をいただきましたので、私どもも真摯に受け止めて、政府が作るべきその実施法案の方向性を示そうということでしっかりと答弁をしてきたところでございますし、衆議院の附帯決議にもその旨記載をされているところでございますけれども、まさに御指摘のとおり、カジノ施設が社会に及ぼす影響やリスクをこれ十分に考慮して、犯罪防止・治安維持、そしてギャンブル依存症防止、こうした対策を適切に講じていくためにも、世界最高水準の厳格なカジノ営業規制等を構築するということが必要であると認識をしております。
 具体的なその内容につきましては、附帯決議もなされておりますので、諸外国におけるカジノ規制の現状も踏まえて政府において実施法案の立法の過程で十分な検討が加えられて、まさに違法性を阻却するにふさわしいそうした世界最高水準の厳格な規制、こうしたものが適切に規定をされるということを求めたいというふうに思っております。

里見隆治君 ありがとうございます。
 そうした意味で、今回のプログラム法の限界といいますか、ある程度政府の実施法案に委ねていくということで今後の検討に任されている、そういう意味では今後政府としてどのように検討をしていくかと。これは法案成立が前提でございますけれども、仮にということで政府における対応について御質問をしたいと思います。
 まず、政府におかれてのこのカジノに関する規制、これは先ほど来質疑応答ございましたとおり、これまでも様々検討がなされていたというふうに承知しております。
 まず、従来、構造改革特区や国家戦略特区、こうした制度においてもカジノを含む特区を認めてこられなかったという経緯がございますけれども、その理由について改めてお伺いをいたします。

政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 カジノを含みますIRのこれまでの特区制度におきます検討経緯について御指摘を頂戴しました。
 こちらの、まず平成十四年に成立をいたしました構造改革特区の制度の下での経緯でございますけれども、平成十四年から二十二年にかけまして計十九件の提案、これが自治体や事業者からいただきました。他方、平成十四年に、これは政府の方針で、刑法に関するものについては選定対象外とすべきではないかという方針、それから、先ほどから御議論ございます関係省庁、これは法務省や警察庁でございますが、こちらから慎重に検討すべきという意見もございまして、実現をいたしませんでした。
 続きまして、これは三年前になりますが、平成二十五年に国家戦略特区、この法律を制度化する際でございますが、これも様々な規制改革提案の要望があった中に、カジノを含むIRを含めた提案、十件ほどございました。各省との間で引き続き、ここはやはり議論が煮詰まっていないこと、また、その頃になりますと超党派で議員立法の動き、まさに今回の動きでございますけれども、あること等から、まずこれらの動向を注視していくという判断を当時させていただいたところでございます。
 このような経緯に基づきまして、カジノを含むIRにつきましては、構造改革特区、国家戦略特区の規制改革のメニューとは現在至っていないという経緯がございます。
 以上でございます。

里見隆治君 どうもありがとうございます。
 私も実は、先ほど他の委員から質問がありました平成二十四年当時、内閣官房の地域活性化事務局におりまして、法務省の所管する法律を担当しておりましたので、今御指摘のあったような答弁、記憶にございますし、確かにそのようなスタンスで対応していたというふうに思い出しておるところでございます。
 そして、私自身、こうした特区、非常にこの特区制度、いいところは、規制緩和を一旦行った後に、期日を定めて、その規制緩和が社会的にどのような効果をもたらしたか、あるいはその弊害がどのようであったかということをきちんと定期的に検証して、その検証した結果、チューニングをしていくと。厳しめにすることも当然あるでしょうし、もうこれで大丈夫だということであれば全国的に展開をすると、そういったいわゆる、言い方は悪いですけど、社会的実験というようなことも、これは内容によって実験していいもの悪いもの当然ございますけれども、そういった意味で、このカジノについて、これは別に特区制度でやるということではございませんけれども、まず箇所数を限って実施をしていくということでございますので、そういう意味では、特区制度と同様な、この初期段階で数年時点での検証、また検証結果を踏まえての更なる規制の在り方の見直しといったことが重要かと思います。
 この点、提案者に対しまして、こうしたステップ・バイ・ステップの取組につきまして、この規制を検証して、またその次に緩めるのかあるいは厳しくするのかという点についてどのようにお考えか、その点、御答弁をいただきたいと思います。

衆議院議員(岩屋毅君) 特区制度の中で、過去にかなり多くの地域からカジノを認めてくれないかという話があって、政府としては却下したという経緯は先生からも今お話ありましたし、政府からも説明があったところでございます。
 私どもが考えておりますのは、そういう特区というやり方ではなくて、特別法を設けて違法性を阻却をしていくわけですけれども、それにはやっぱり様々な条件を付さなければいけないよねと、それが今回のIR推進法の中に盛られているわけで、例えばカジノ管理委員会という厳格な今までなかったような管理委員会をつくるとかいうようなことも含めて、特別に当面二、三か所程度で限定的に施行し、その効果、課題を十分に評価、検証しながら、安全に適切に運営されているかどうかということを検証し、国民がこの構想について、事業について信頼をしていただけるという状況を確認した上で初めて段階的に次に進んでいくべきだという考え方を持っているところでございます。
 衆議院内閣委員会の附帯決議においては、IR区域の数については、「国際的競争力の観点及びギャンブル等依存症予防等の観点から、厳格に少数に限ることとし、区域認定数の上限を法定すること。」とされたところでございます。
 したがって、先生おっしゃるように、提出者といたしましては、ステップ・バイ・ステップの手法を用いて慎重に進めていく必要があるというふうに考えているところでございます。

里見隆治君 どうもありがとうございました。
 こうした特区の議論を経て、二年前に政府としてはIRについて内閣官房に新しく検討体制を構築したというふうに承知をしております。二年前にIRについて政府で検討を始めることとした背景、また、それ以来どのような体制、部局、人数等どういった体制で検討をされているか、また、その検討状況、先ほど海外の事例等、IRについて、カジノについても勉強されてきたということですけれども、もし何か御紹介いただけるようなことがありましたら、その点もお願いいたします。

政府参考人(中川真君) IRにつきましては、先ほど政府参考人からも紹介ありましたけれども、平成二十五年末にこの議員立法のIR推進法案が提案されたことなど、そして、ちょうど、衆議院内閣委員会であったと思いますけれども、この推進法案についての御審議の機会もありましたことなども踏まえまして、ちょうど二年前の政府の成長戦略、日本再興戦略改訂二〇一四の中で、先ほども御答弁させていただきましたように、このIR推進法案の状況やIRに関する国民的な議論を踏まえ、関係省庁において検討を進めるということで進めてまいった次第でございます。
 その政府の中での検討体制でございますが、これまでも国会審議の中で御答弁申し上げたこともございますけれども、現時点におきましては、内閣官房において、内閣審議官三名を含め、各省庁からの出向者など約二十名弱によって必要な検討などを進めているところでございます。
 これまで、委託調査事業などを行いまして、諸外国におけるIR制度、カジノ規制の在り方などについての調査報告書もまとめたり、また、これらは官邸のホームページを通じましてこれまでも公表しておりますし、また、ここの場で何度も御議論いただいております各国のこの依存症対策の取組についても、別のそういう調査事業を掛けて報告書をまとめてもらい、これらの報告書につきましては昨年の春と秋にまとめております。いずれもホームページを通じて公表させていただいております。
 無論、我々政府の職員自身も、各カジノ、IRを持っている国に出かけ、それぞれの御当局から、どのような観点でどのような規制をしているのか、あるいはどのような取組をこの依存症対策のためにしているのか、そういうことについてのヒアリングなどを行ってこれまで蓄積をしてきたつもりでございます。

里見隆治君 ありがとうございます。
 その意味で、二年間、相当検討もし、また様々調査もされているということでございますが、今回仮にこの法律が成立をした場合に、そうした現在の検討体制あるいは検討内容についてどのような影響を受けることになるのかと。これは法案の状況にかかわらずある程度検討を更に引き続き進めることができるのか、それとも法案がなければ、法案が成立しなければ進められない部分があるのか、そういった点も含めて御答弁をいただければと思います。

政府参考人(中川真君) 政府といたしましては、まず、この議員立法でありますIR推進法案についてのこの国会での御審議の推移を見極めていかなければならないというふうに思っております。
 その上で、今のお尋ねは、このIR推進法案が成立した場合にどのような形で今後政府が検討体制を組んでいくのかというお尋ねであったというふうに承知しておりますけれども、御指摘のとおり、法第十四条などにおきまして、まず、内閣に内閣総理大臣を本部長とします特定複合観光施設区域整備推進本部を置くとともに、法第二十一条により、その本部に学識経験者から成る特定複合観光施設区域整備推進会議を置くこととされております。
 また、この推進法第二十二条により、本部の事務を処理させるために事務局を置くということになっておりまして、また、これらの政府の検討体制に関しますこの推進法案の規定は、法附則におきまして、この法の公布の日から起算して三か月を超えない範囲内において政令で定める日から施行されることとされておりますので、この法案が成立した場合にはですけれども、政府といたしましては、これらの規定を踏まえて適切に対応をしていくことになると認識しております。

里見隆治君 ありがとうございます。
 今後、政府で、これは成立した場合にという仮定を置いた上でですけれども、実施法の検討に当たって法律上焦点になりますのが、ずっと審議で出てきております賭博罪の違法性の阻却についてであろうかと思います。
 これまで発議者からは、プログラム法で、刑法の賭博罪の違法性を阻却するものではないという御説明をいただいておりますけれども、これを実施法に委ねる理由についてまずお伺いをしたいと思います。

衆議院議員(西村康稔君) お答え申し上げます。
 もうこれまで議論をしていただいているとおり、IRの導入は国際観光の振興とか地域経済の活性化という大きなメリットもある一方で、いろんな負の側面、社会に与える問題、リスク、こうしたことについての国民の不安、懸念もございます。こういったことを我々踏まえて、やはり丁寧に議論を深めると、そして国民の理解、信頼を得る必要があるというふうに思ってきたところでございます。
 このため、今回の推進法案は、基本理念、方針、IRを実現するためのその方向性、枠組みを定めたものでございまして、いわゆる二段階論でございます。この法案がもし成立をすれば、その後一年掛けて政府が、まさに先ほど来答弁にありましたように、これまで検討し、考えてきたことを更に深めて、日本でIRを実現するための、まさに賭博罪の違法性阻却の点も含めて具体的な制度設計、規制、こうしたものを実施法案の中で定めていくということにしたものでございます。
 いろんな議論がございましたけれども、議員立法でこうした規制法、細かい規制について、特に御議論のありました、まさに民間主体で賭博罪の例外を認めるというものでございますので、違法性の阻却八項目についてやはりきちっとした規制の下でこれは行われないと阻却されないということでありますので、これはやはり政府においてしっかりと具体的な制度設計やってもらった方がいいだろうという判断で、私どもは、基本理念、方針、その方向性を今回この法案で定めて、そして政府に実施法案でしっかりと規定をしてもらうという、そういう考え方に立ったものでございます。

里見隆治君 今、実施法に委ねるという点については、非常に政府としては重い宿題を抱えることになると思います。これは政府として、検討したけれどもやはり阻却するのは非常に難しかったですと、法案が提出できませんというわけにはいかないわけでございます。
 そういう意味で、これは非常に、政府として委ねられるという点についてどうお考えになるか、この点、政府に確認をさせていただきたいと思います。

政府参考人(中川真君) 違法性阻却の措置を含む実施法案の策定を委任されることについての政府としての見解のお尋ねだというふうに御理解しております。
 言うまでもなく、推進法案の第五条におきまして、政府はIRの整備の推進に必要な法制上の措置を、この法の施行後一年以内を目途として法的措置を講じなければならないとされているところでございますけれども、この点につきましては、先般の当委員会におきましても、たしか白委員から御質問いただきまして、菅官房長官から、国会で議員立法として結論を出したのであれば、それをやはり私ども政府の立場ではしっかり受け止めて、その趣旨に従って、国民の皆さんに、理解をし、また不安のないような形にしていくのがこれは政府の役割であるというふうに思いますというふうに御答弁を申し上げております。
 このため、同法案が施行された場合には、カジノ関係者に対するカジノ規制ですとか諸外国での例ですとか、入場規制についての海外の事例なども参考に、衆議院での附帯決議の御趣旨も含めて、同法案に関する国会での御議論や国民的な議論も踏まえ、検討を進めることになるというふうに考えております。

里見隆治君 ありがとうございます。この点、非常に重要な検討事項かと思います。
 また、もしこれが通って、そして政府でということになりますと、様々重要な事項を審議することになろうかと思います。例えば、特定複合観光施設区域整備推進本部において重要事項を調査審議するための有識者で組織する推進会議を設置すると。そして、この有識者については、様々な観点から公平に偏りなく調査審議をいただく上で公正な人事が求められるというふうに考えております。
 そうした意味で、この推進会議の学識経験者、この皆さんをどういうふうに人選していくか、その基準等について、これは発議者の方にお尋ねをしたいと思います。

衆議院議員(岩屋毅君) IRの導入に当たりましては、海外の事例等を参考に、観光や地域経済の振興に寄与するものとするとともに、カジノ施設の導入に伴う社会的問題についても丁寧に議論を深めていただく必要があるというふうに思っております。
 したがいまして、推進会議の委員といたしましては、海外のカジノやIRについての専門家、観光産業、観光振興に関する専門家、地域経済振興に関する専門家、ギャンブル依存症に関する専門家、マネーロンダリング対策や反社会勢力排除対策に関する専門家、青少年の健全育成に関する専門家等が考えられます。
 具体的には、こういう方向性で政府において適切に人選がなされるものというふうに考えております。

里見隆治君 これは具体的には政府でというお話ですけれども、先ほど来申し上げているとおり、これはプラスの面、マイナスの面ございますので、しっかり両面を見渡せるように幅広く、また公平な人選を行うべきだというふうに申し上げておきたいと思います。
 次に、カジノ管理委員会についてお伺いをいたします。
 これは、カジノ施設の設置、運営に関する秩序の維持、安全の確保を図るためにカジノ施設関係者に対する規制を行うというもので、そういう意味では、犯罪防止、治安の維持、マネーロンダリング対策という点においては、国家公安委員会あるいは都道府県警察本部においてももちろん体制整備を図ることが必要でございますし、カジノ管理委員会との連携ということも必要かと思います。
 一方で、カジノ管理委員会、また国家公安委員会、それぞれいわゆる三条委員会ということで独立性を確保ということでございますけれども、余りに独立性ということを強調し過ぎますとこの連携ということは取れないわけでございまして、そういう意味で、このカジノ管理委員会、また国家公安委員会、警察、都道府県警察本部との関係、いかにあるべきか、この点、提出者にお伺いをいたします。

衆議院議員(岩屋毅君) これは先生おっしゃるとおりだというふうに私どもも思っております。
 カジノ管理委員会は、カジノ施設の設置、運営に関する秩序維持や安全の確保を図るためにカジノ施設関係者に対する規制を行う委員会でございますけれども、カジノというものがこれまで我が国になかった新たな形態で特殊な事業内容でありますことから、これを適切に規制、監督をしていくためには、このカジノ管理委員会というカジノ専門の規制機関のみならず、先生おっしゃった国家公安委員会、都道府県警察本部と適切に協力、連携をしていくことが不可欠だというふうに考えております。

里見隆治君 ありがとうございます。
 しっかりこの治安の維持、また犯罪防止、この観点は決して忘れないでその体制整備をというふうにお願いしますけれども、結局、この法律、実際に施行また運用されるのはそれぞれの地域ということでございます。その上で、これも再三、私、昨日来申し上げておりますけれども、このIRが地方公共団体の申請に基づいて国の認定を受けた区域に設置されるという、そういう意味では地方公共団体の役割は大変重要であるというふうに考えております。
 その意味で、この地方公共団体の役割をどのように考えるか、この点をお伺いいたしますのと、加えまして、この地方公共団体、それなりの位置付けを与えられるということは、これは内閣委員会でも、「地方議会の同意を要件とすること。」という附帯決議がなされておりますけれども、このIRを受けるその地域においての住民コンセンサスの形成プロセス、これについて大変重要であろうかと思います。
 こうした地方公共団体の役割あるいは申請に向けての地方における住民の皆さんへの理解をどのように進めていくか、その手続について発議者の御所見をお伺いしたいと思います。

衆議院議員(岩屋毅君) 地方公共団体が果たす役割も極めて重要でございます。
 国に推進本部、政府に推進本部ができました場合には、その推進本部から基本的な方針が定められると思いますが、その方針に沿うように、地域のインフラの整備状況あるいは周辺環境の現況等を総合的に地方公共団体において勘案をしてプランを作ってもらうということが必要でございます。様々な民間事業者の企画提案を検討した上で最も効果の高いIR施設整備計画を作成し、国に対して区域認定の申請をするというのがまず地方公共団体の役割ということになります。
 また、先生御指摘の地域の同意を得るということも地方公共団体の重要な役割になっていくと思います。これにつきましては、衆議院の内閣委員会の附帯決議におきまして、やはりその当該地域の議会の同意というものが必要であろうということが附帯決議の中に付されたところでございます。地域でコンセンサスを得るためには、やはり説明会、公聴会を開く等、しっかりとした取組をしていただく必要があるというふうに考えております。

里見隆治君 どうもありがとうございます。
 これはしっかりと地方で、もしこれが実施法まで行って通ったという場合、地方で混乱を起こさせてはいけない。この目指すべき観光立国という点は非常にいいことだと思いますけれども、手順を間違う、あるいはコンセンサスづくりを誤ると、なかなか合意も得られず、せっかくつくった制度も動かなくなるということもございますので、どうかこの手続あるいは合意形成という点については丁寧にしていただけるような、そうした制度設計をお願いしたいと思いますし、また、私どものこの場でもそうした丁寧な議論というものを引き続きお願いをしたいと思います。
 以上で終わります。

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