経済産業委員会で水素社会の実現と、フリーランスの皆さんが安心して働ける環境整備について質疑

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 法案と、それに関連して水素社会の実現に向けた取組についてお伺いをいたします。
 産業競争力強化法改正によりグリーン社会への転換を促していくこと、評価をしております。法改正による税制措置、また金融支援とともに、財政支援として、令和二年度第三次補正予算により創設されました二兆円規模のグリーンイノベーション基金を活用して、更にこれは今後の需要に応じて基金を積み増ししていくことも重要だと思いますけれども、これにより水素社会の実現を加速すべきだと考えます。
 水素社会の実現には、水素供給コストの低減が必要であります。海外からの水素の大規模輸送、また国内再エネを活用した大規模な水素の製造の実証など加速すべきと考えますけれども、政府の取組状況についてお伺いいたします。

政府参考人(茂木正君) 水素社会実現していくためには、御指摘のとおり、水素の供給コストを引き下げていくというのが非常に重要だというふうに考えています。
 現在、グリーンイノベーション基金の活用を前提にいたしまして、大きく分けて二つのプロジェクトを進めているところであります。一つは、大規模の水素のサプライチェーンの構築ということであります。そしてもう一つは、再エネを由来にしました電力を活用した水の電気分解による水素の製造という、この大きな二つの研究開発・社会実装計画を策定いたしまして、こちらを産業構造審議会のグリーンイノベーションプロジェクト部会の下に設置されました分野別のワーキンググループの下で議論をいただきまして、今事業の公募を行っているところであります。
 まず、前者の大規模水素サプライチェーンの構築でございますが、こちらについては、大規模な水素の海上輸送、海上輸送の実証を支援しています。加えて、海外から水素を持ってくるわけですが、これを受け入れる基地、これはタンクですとか様々な受入れ基地、設備がございますが、こうしたものの大型化ですとか、こういった技術開発を進めることで、水素の供給コストを二〇三〇年に三十円、二〇五〇年には二十円、一立米当たり、以下にすることを目指しているところであります。
 それから、もう一つ申し上げました、再エネ由来の電力を活用した水電解による水素製造でございます。こちらは、国産の例えば再生可能エネルギーを活用いたしまして、水素を製造する水電解装置、これを大型化したりモジュール化することでコストダウンをしていこうという技術開発であります。設備コストを二〇三〇年までに今の六分の一ぐらいまで下げていくということを目標にしています。
 こうしたプロジェクトを進めながら、水素供給コストの低減に取り組んでまいります。

里見隆治君 ありがとうございます。
 こうした供給面のコスト削減、低減に向けてとともに、この水素の需要拡大という点についても確認をしておきたいと思います。
 四月六日の本委員会におきましても御紹介申し上げましたが、公明党に今、地球温暖化対策本部を立ち上げておりまして、その視察で山口代表を始めとして福島県浪江町の福島水素エネルギー研究フィールドを伺いまして、担当から種々御説明をいただきました。その中で御担当が強調されておりましたのが、この水素社会の実現の鍵は水素の需要拡大にあるということでございました。
 その典型例、代表例でございます燃料電池自動車の普及、これを今後しっかり進めていくためには、利用者が不便を感じないように、一層水素ステーションの拡大、整備拡大をしていくことが不可欠と考えます。この点についての政府のお取組、お伺いいたします。

政府参考人(茂木正君) 水素ステーションの整備でございます。まず、現状を申し上げますと、水素ステーションは、二〇二〇年度の末、三月末の段階でおよそ百六十か所、百六十二か所ですね、正確に申し上げますと、百六十二か所が現在稼働中あるいは稼働準備中ということになります。二〇二五年には三百二十か所の水素ステーションの設置を目標として現在支援をしているというところでございます。
 課題は、やはり水素ステーションの最初の設備投資コストをいかに下げるかということと、運用していく段における運営費をいかに下げていくかと、この二つが課題になってまいります。まず、整備費という観点でいきますと、現状まだかなり高いということもありますので、水素ステーションの整備、運営費用に対する補助を行っています。また、運営費用そのものを低減していくために、例えばステーションで使っているホースとかシール材とか、こういったものが長期、長寿命で使えるようにするという、こういった開発をすることで運営費を下げていくことができますので、こうした技術開発も進めてまいりたいと考えています。
 また、非常に重要な点でございますが、規制の合理化をすることでよりステーションの設置費用を引き下げていくということで、こうした取組を組み合わせて水素ステーションの普及を進めてきているところであります。
 先ほど申し上げたように、現在百六十、済みません、失礼いたしました、百六十六か所ですね、水素ステーションの整備が進んでおりますが、昨日公表されました成長戦略実行計画案においても、燃料電池自動車だけでなく、燃料電池バスやトラックの普及というのも見据えまして、二〇三〇年までには千基程度の水素ステーションの整備をすることを盛り込んだところであります。
 引き続き、燃料電池自動車の普及と併せまして、ステーションの整備を進めてまいりたいというふうに考えています。

里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 これ、別の委員会、決算委員会で先週話題になったんですけど、環境省が実施を推進をされていた再生可能エネルギーの発電によって水素を製造して、それを再エネステーション、水素ステーションに導入しようという事業、これを行う自治体に補助をしたということがなかなかうまくいかなかったということで、先般、小泉大臣もこれについては反省をして、またゼロベースで検証をして、このように進めたいと。
 今後、この二兆円プラスアルファ、今後上乗せして、様々水素発電進めていかれると思いますけれども、よくよくこの事業については事前の検証をした上で進めていくべきということは念押しとして申し上げておきたいと思います。
 こうしたモビリティーの面での推進とともに、それ以外の分野、あらゆる取組をお進めいただきたいと思いますが、この水素社会実現に向けた梶山大臣の御決意、伺いたいと思います。

国務大臣(梶山弘志君) 今参考人からもありましたけれども、水素は発電、産業、運輸など幅広い分野の脱炭素化に資するため、カーボンニュートラルの実現に不可欠であると考えております。水素の社会実装には、水素の供給コストの低減と幅広い分野における需要創出を一体的に進めることが重要であります。どちらが先かというよりも、一体的に進めることだと思っております。
 供給コストの低減につきましては、国際水素サプライチェーンの実証や、輸送設備等の大型化に向けた技術開発や、陸揚げ設備の国際標準化、国内の再エネから水素を製造する水電解装置の大型化に向けた技術開発などに取り組んでまいります。
 需要創出につきましては、FCVの普及に加えて、発電分野において水素発電の実用化に向けた水素専焼技術の開発や、水素発電を再エネ、原子力と並ぶ非化石価値と位置付ける制度的な対応、そして、産業分野において石炭の代わりに水素を活用した水素還元製鉄技術の開発支援、運輸分野においては大型商用車向け水素充填技術の開発など、幅広いプレーヤーを巻き込みながら水素の社会実装に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
 こうした取組を始め、グリーンイノベーション基金や国際標準化、規制改革等、昨日発表された成長戦略実行計画やグリーン成長戦略の案でもお示ししているとおり、あらゆる政策手段を活用しながら、水素社会実現に向けた取組を加速をしてまいりたいと考えております。

里見隆治君 大臣、よろしくお願いいたします。
 あらかじめ経産省から御説明いただいた中では、今年度上半期で、今の水素関係二事業を始め十八のプロジェクトを開始できるのではないかということであります。
 これからまた八月にかけて、来年度の要求について今詰めておられると思いますけれども、こうした基金も、せっかく積んだわけですから、早期に着手できるものは早期に、また、これは中長期的に、計画的にということも必要であろうと思います。是非、早期に着手するべきもの、中長期で計画的に進めるもの、この基金をまずは二兆円、また、その後の上乗せも含めて計画的に進めていただきたいということをお願いしておきます。
 それでは、続きまして、中小企業の足腰強化、中小事業者とともにフリーランスとの関係も含めて御質問していきたいと思います。
 まず、今回の下請振興法の改正によりましてその対象となる取引類型を拡大するということでありますが、その意義、目的についてお伺いいたします。

政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 昨今、働き方が非常に多様化していくという中で、一部の取引につきまして現在の下請振興法では対象となっていないという、こういう取引形態があるということが顕在化してきております。例えばなんですが、顧客から依頼されたサービスを実施するために、そのサービスを構成する一部の事業を別の事業者に委託するという場合、その取引が下請振興法の対象外というふうになるという事例もございます。例えばなんですが、スポーツジムの運営者がスタジオレッスンを行う場合に、そのレッスンの講師をフリーランスであるインストラクターに委託すると、こういった場合に、スポーツジムとインストラクターの間の取引というのは現在の下請振興法の対象外となっているということでございます。そこで、今般の改正によって、このような取引も下請振興法の対象とするということを考えております。
 これによりまして、新たな対象となる取引を行う事業者に対しましても、中小企業庁として、全国百二十名の下請Gメンによる取引実態の把握を強力に進めてまいりたいと思っておりますし、また、業所管大臣が発注書面の交付など望ましい取引の在り方などを示した振興基準に基づく指導、助言を行うことが可能となるということで、取引の適正化が一層進むというふうに考えてございます。

里見隆治君 今御答弁ありましたように、取引が多様化していると、また、取引の多様化とともに、それに伴って働き方も多様化しております。先ほど、高橋先生の御質問でもフリーランスについて触れていらっしゃいましたけれども、契約が多様化すれば働き方が多様化する、私は、今後フリーランスというものは非常に増大していくのではないかというふうに考えております。
 その意味で、フリーランスとの取引が下請関係法令の適用を受けるのか、また労働法令の適用が受けるのかという法令の適用関係について、これは昨年来、これは内閣官房を中心に中小企業庁、また公正取引委員会、厚生労働省、連名で三月に、フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン、これを策定いただいたところであります。これは、その環境整備のための第一歩として評価をしているところでございます。
 この対象は下請振興法の取扱いだということでありますが、今後、発注事業者とフリーランスとの取引におけるトラブルを迅速に対応できるように、独禁法や、また下請代金法に基づく執行体制も強化充実をしていく必要があると考えます。これについては、中小企業庁と公取、それぞれの対応方針を伺いたいと思います。まず、中小企業庁の御対応からお願いいたします。

政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 今御指摘ございましたフリーランスガイドラインでございますけれども、多様なことがいろいろ書いてあるわけでございますけれども、御指摘の下請代金法の関係では、発注書面の不交付あるいは報酬の支払遅延といった問題行為が明らかにされたところでございます。これによって、どのような行為が下請代金法違反になるかという認識がフリーランスあるいは発注者双方に広く共有されて、取引の適正化に向けた取組が進みやすくなるというふうに考えておりまして、まずは、このガイドラインの周知にしっかり努めてまいりたいと思います。
 それから、このガイドラインの一元的な相談窓口として、フリーランス・トラブル一一〇番を厚生労働省、公正取引委員会、中小企業庁において設置したところでございます。その結果、今後顕在してくる問題行為に対しましては、中小企業庁においては、下請代金法違反のおそれのある事案については立入検査を行いまして、違反が認められる場合には改善指導や公正取引委員会に対する措置請求を行うなど、公正取引委員会とも連携して下請代金法の執行に取り組んでまいりたいと思っております。
 また、下請代金法の執行体制の更なる強化についてでございますけれども、今後の違反の発生状況などを踏まえて、関係各方面の御理解も得ながら、必要な人員及び体制の確保、充実に努めてまいりたいと考えております。

政府参考人(田辺治君) お答えいたします。
 公正取引委員会におきましては、所管する独占禁止法や下請法に関する事業者からの相談、それから違反行為に係る情報提供に対しまして、こうした相談や情報提供を受け付ける窓口を公正取引委員会の本局、地方事務所等に設置して対応しているところでございます。
 フリーランスの方からの独占禁止法や下請法に関する相談、これにつきましては丁寧に対応したいと考えております。また、公正取引委員会に寄せられた違反行為に係る情報等に基づきまして、フリーランスと取引する事業者の行為が下請代金の減額など独占禁止法や下請法に違反すると認められる場合には、法律に基づきまして厳正に対処してまいりたいと考えております。
 さらに、フリーランス等取引におけるこれらの問題に迅速に対応できるように、独占禁止法及び下請法の執行に関わる職員につきまして、引き続き関係方面の御理解を得ながら、必要な人員、体制の確保、充実に努めてまいりたいというふうに考えております。

里見隆治君 先ほど御答弁で御説明がありました、このガイドラインを具体的に執行していくその相談窓口、フリーランス・トラブル一一〇番と伺いましたけれども、私は大変いい取組だと思います。
 なぜいいかというと、先ほどの御質疑でもあったんですが、結局、フリーランスというのは、事業者性、労働者性、非常に曖昧、グレーな部分が多いという中で、これは中小企業庁、公正取引委員会、厚生労働省が共同してこの相談窓口を運営されているということでありまして、そういった意味ではたらい回しはないわけであります。しっかりとここに一元的に取り扱っていただいて、ここに相談をすればどちらで御対応いただけるか、そこを明確にしていただき、どの法令を適用して対処できるのか、そこが窓口が一つになったというのは非常に大きな意味があるというふうに思います。
 ただ、今回のガイドラインというのは、結局、何か制度的に見直しをしたということではなくて、これは一つの整理をしましたと、分かりやすくしましたということでありまして、今後この相談窓口で様々な事例が更に蓄積をされていくと思います。こうした中で、その事例を踏まえて、それは押し付け合うことなく、この三省庁、委員会がしっかりと情報共有をして、制度的な対応ということも今後していただかなければならないと思います。
 その意味で、今後、下請代金法に関しても、対象となる発注企業の資本金要件、また取引類型の範囲を見直すなどといった下請代金法の改正に向けた具体的な検討ということもしていくべきだと考えます。
 この点、実は昨年七月に閣議決定をされました成長戦略実行計画でもこのようにうたわれております。資本金一千万以下の企業からの発注などフリーランスの保護を図る上で必要な課題について、中略いたしますけれども、立法対応の検討というふうにも掲げられております。
 公正取引委員会としてこの立法対応の検討、現在の検討状況についてお伺いしたいと思います。

政府参考人(田辺治君) お答えいたします。
 委員御指摘の昨年の成長戦略実行計画におきまして、フリーランスの環境整備として、実効性のあるガイドラインの策定とともに立法的対応の検討を行うということとされておりましたため、まずはガイドラインの策定に注力し、立法的対応についてはガイドラインの内容との整合性にも留意しつつ検討を進めてきたところでございます。
 本年三月に公表されたガイドラインの成案の内容も踏まえまして、立法的対応につきましては、今後、内閣官房等関係省庁と連携をいたしまして、フリーランスの保護のための立法的対応における必要な課題を把握するための実態調査を速やかに行うこととしておりまして、その結果も踏まえて更に検討を進めてまいりたいと考えております。

里見隆治君 私、もちろんガイドラインの策定で大変だったとは思いますけれども、実態調査ということであれば、これ、昨年七月の閣議決定を受けて実際はできたのではないかと思っておりますし、昨年のこのコロナの感染症発生以来、まさになかなか手が打てなかった分野、これは、中小企業ルートでもなく、また個別の事業者対策でもなく、まさにフリーランスの皆さんだった、まさにその一番弱い部分がこのコロナ禍で出たのではないかと思います。
 そうした意味では、本来課題とされていた、課題として分かっていたことでありますから、今から言っても遅いわけですけれども、しっかりまず実態を把握していただいて、しかも、このコロナ禍でのこの一年余りの中で、もう既に課題は見えてきているはずであります。臨時的に対処した支援、また指導等、これをいかに恒久化していくかと、そうしたことも今後の課題になっていると思います。
 実態調査をしていただけるということですから、それはそれでしっかり進めていただくとともに、もうこのコロナ禍でも見えてきた課題、これらを制度的にどう対処するのか。先ほど、御答弁では内閣官房を中心にとおっしゃっていましたけれども、これ、実行段階になれば、いつまでたっても内閣官房中心にとは言っていられないわけでありまして、これから各省庁、公正取引委員会、中企庁、そして厚生労働省、それぞれが責任を持って、何が自分たちでできるのかと、何といいましょうか、ポテンヒットというか、隙間が生じる場合はしっかり内閣官房が政府を挙げて取り組んでいただくと、そういうことが必要だと思います。
 先ほど、高橋委員のお話からフリーランスの振興策というお話がありましたが、私は、振興策とともにこのフリーランスの働き方の環境整備、そしてセーフティーネットの整備ということも重要だと思っております。四月の経済財政諮問会議ではそうした点も民間議員から御提案がありまして、実は先週、公明党としても、骨太の方針の策定に当たって提言をさせていただく中で、このフリーランスの働き方の環境整備、そしてセーフティーネットの構築ということも提言をさせていただきました。
 コロナを踏まえて、もちろん、デジタル化、グリーン化、こうしたことも大局的に重要でありますけれども、こうした経済を下支えしていく中小企業の皆さん、小規模事業者、そしてフリーランスも視野に入れてしっかりと下支えすべきと、そのことを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。