参議院国際経済・外交に関する調査会で質疑

参議院国際経済・外交に関する調査会で質疑

参議院国際経済・外交に関する調査会で質疑に立ちました。

テーマ
・海を通じた体験学習についての効果、価値について
・海洋業界の人材教育・働き方改革について

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 茅根先生、また逸見先生、今日は貴重な御講演をいただきまして、ありがとうございました。
 私、党の中で離島対策本部というのがありまして、各島の首長さん、また、活動されている方と懇談をさせていただく機会がございます。
 先日、広島県の大崎上島の町長さんからお話を伺いましたところ、瀬戸内ですのでそんなに遠くない海ということで、内地というか、本土の皆さんと交流をして、いい教育機会としてこの海の環境を利用した教育交流というのを行っているという話を伺いました。場所によっては、何というんでしょう、新たな海の学校といいますか、島留学というような形で、教育の場としてもその環境が非常に役立っているということであります。
 その上で、まず茅根先生にお伺いをしたいと思いますけれども、こうした体験型の学習、そして海を体感していくという中で、ちょっとこう、何というんですかね、座学の単なる学習だけではなくて、若干期間を設けて、単に修学旅行とかそういう観光的なものではなくて、こういう体験的なものとして海というものが非常に活用できるんじゃないかという意味、先ほどの先生のお話からもそうした御示唆いただいたというふうに受け止めております。
 そうした中で、先生の様々な御経験の中で、地方でのこうした教育交流の取組がその地方でもその地域の活性化に役立っていると、また、子供たちにも海への関心を高めているという、非常に相互の効果というものをもたらしているというような具体例がありましたら幾つか御紹介をいただいて、そうした効果、価値についてお話をいただければと思います。よろしくお願いします。

参考人(茅根創君) ありがとうございます。
 まさに、沖縄で、沖縄本島とそれから離島の間で交流をやっております。これは、通常の民泊でなくて、実際に二、三泊なんですけれども、事前にかなりお互いのことを勉強し合った上で本島の子供を離島に送る。
 沖縄ですので島じゃないかと思うんですけれども、那覇の子供たちはもう東京と同じ、ゲームばっかりやって、そういう子供が離島に行って、数名しかいないような学校で民泊をする。それによって、非常に那覇の、本島の子供たちも大きく考え方が変わっていく。さらに、離島の子供たちも、その那覇の子供たちが来ることによって、離島のいろんな文化や美しい自然を紹介することによって大きな自信が付くというようなことを聞いています。是非、それ聞いて、本土と沖縄の離島の間でそういった交流をしたいなと思っています。
 実際、修学旅行でも離島に民泊したりするんですけれども、非常にお仕着せになってしまっていて、美ら海水族館を見て、ひめゆりを見て、最後に一泊だけ民泊しておしまいというような、そういう表面上なものになっているようなので、もっと本質的に、離島で、離島経験をするような、そういうことができるような交流を海洋教育の中で是非やっていきたいと思っております。
 ありがとうございます。

里見隆治君 ありがとうございます。
 本当に、この単なる海ということではなくて、環境教育という意味でも、ちょうど先日、世界自然遺産として奄美、沖縄北部も登録をされるという動きが出てまいりました。小笠原も含めて、この海を含めた日本の世界自然遺産に登録されるようなすばらしい環境というのを、本当に子供たちの小さい世代から触れさせてあげたいなと、そのように感じております。どうもありがとうございました。
 続いて、逸見先生にお伺いをしたいと思います。
 私、先生はどちらかというと今外航海運のお話をいただきましたけれども、先般、国内海運の関係者とお話をしておりましたところ、ちょっと外航とまた内航ではやや条件は違うかもしれませんけれども、本質的なところで同じ部分があろうと思います。やはり、長時間労働であり、家から離れる、御家族から離れる期間が長いと。大変厳しい就労環境であるという中で、特に内航、あるいは漁船関係ですと非常に高齢化また後継者不足が顕著であるという中で、やはり今、そうでなくても他産業も含めて働き方改革、労働環境の改善というふうに言われる中で、まさにこの海運業界もそれを急速に進めなければ人手の確保というのがままならないのではないかという御意見いただいております。
 先生の、女性の海員への道をどう開いていくかというこの文も拝見いたしました。まさに、一般論でいっても、女性に優しい職場というのは男性にも当然優しい職場であり、人材を確保できる職場であります。そうした意味合いで、まさに先生のおっしゃった最後の、辞めずに船員として自律できる学生を一人出す方が、辞めるおそれのある者を十名採用してもらうよりもいいかもしれないというお話でしたけれども、先生の誇りからすればそういう立派な人材を送りたいということもよく理解できますけれども、なかなか今、そういう、それに足る若い方がどれだけいるのかというと、やはり社会人になってからも引き続き教育をし、また鍛えていくということも含めて社会に輩出しなければならない。そういう意味では、若干いろんな条件がまだ整っていなくても、そういった方を採用し、また働き方改革で少しずつ慣れさせていく、習得させていくと、そういう職場づくりも大事だと思います。
 そういった観点での大きな意味での働き方改革について、逸見先生の御所見を伺えればと思います。

参考人(逸見真君) 御質問ありがとうございます。
 今先生おっしゃったこと、まさに本当にこのとおりでして、少子化で採用のソースがどんどん縮んでいっているというのが、これからも縮んでいくんですけれども、そうすると、昔に比べると、マスの数が減ってその中から選ばなくちゃいけないというジレンマに陥ってしまいますし、それから、成熟した社会ですから、なかなか根性ある人間がという話もあるのかもしれません。
 ただ、先生おっしゃいましたように、例えば高等商船にしても大学にしても、そこで完璧に仕上げて社会に送り出すということは実際は難しいんですね。そうすると、企業に就職して、そこで頑張って成長してもらうということはやっぱり大前提かと思います。特に船員のようなもう現場でやっぱり仕事を身に付ける職業では、それは間違いないんですね。
 そうすると、じゃ、労働がきつい、で、働き方改革というお話になりますけれども、単純にお話しして、内航と外航を比べますと、内航の方が厳しいです。これは間違いないですね。一番厳しいのは荷役をしているとき、要するに港内で仕事をしているときですね。これがやっぱり船員が一番忙しいときと言っていいのかもしれません。航海中は、当直で、交代交代で当直できますから、当直を外れているときは休むことができるんですね。しかも、外航の場合には、航海時間が長いですので、逆に言うと休める時間がある。だけど、内航の場合には、要するに短い距離の間で走らなくちゃいけないので、極端な話、午前中入港、出港、午後入港、出港ということがあるのかもしれません。今の船はもう最低限の人数で走っていますから、余裕は全くありません。入出港のときには全員スタンバイになります。これが続きますと、このいわゆる労働時間はどんどん積算されていってしまうという現実があるんですね。船の運航上やむを得ないといえばやむを得ないということになります。
 ただ、やはり休暇の問題とか、少しでも人数を増やすとか、あと荷役の効率を上げる、自動化を上げる、いろんな、短期間にはできないでしょうけれども、時間を掛けて、要するに、時間を節約する、節減する、働き方改革が実現できる環境に直していくということは、私は非常に必要かと思います。先生おっしゃいましたように、女性に優しい業界は男性にも優しい、まさにそのとおりでして、ここのところは、男性、女性は全く差別なくこういうふうなところを推進していかなければいけないということは、私自身考えております。
 それから、女性につきましては、もっと少ない人数でもっと小さい船でということで、より環境は厳しいと思います。こういうところも含めまして、要するに、外航だから、内航だから、漁船だからという区別はしないで、船員という一くくりで全体を満たすと、そういうふうな考え方、やり方が必要ではないかと思っております。
 以上です。

里見隆治君 ありがとうございます。
 その船員の方からお話があったのが、やはり我々、なかなか身近には感じないけれども、海がすぐ近くにあるわけではないのですぐには気付かないけれども、我々の周りのガス、電気、そして食べ物の多くが海外から来ている、それは船で運ばれているんだと。我々は、教育ということも含めてですけれども、そうしたことをよく感じながら生活する、その中で、海員の皆様への感謝、またその産業への敬意というものも払われ、我が国社会としてそれを支えることにつながるんじゃないかと、我々もしっかりお支えをしていきたいと、そのように考えました。
 また、今日は貴重な機会をいただきまして、本当にありがとうございました。以上で終わります。