農林水産委員会で農地中間管理事業法案の審議

5月16日、農林水産委員会で農地中間管理事業法案の審議。
地元の農業関係者からのご意見をもとに、農地の貸し借りに際して、農地バンクは県に一つだが、実際の事業推進に当たっては、より地域に近い取り組みに当たっている農協、農業委員会など農業関係者、支える自治体が活動しやすいような環境を整えることの重要性を訴えました。

 

農林水産委員会で農地中間管理事業法案の審議 農林水産委員会で農地中間管理事業法案の審議 農林水産委員会で農地中間管理事業法案の審議里見氏=16日 参院農水委

議事録

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 一昨日に続きまして、法案について質問をさせていただきます。
 もう既に一昨日から今日の午前中、そして徳永先生に至るまで様々論点をいただいておりますけれども、私、その中の大きな論点の一つは、繰り返しになりますけれども、人・農地プランの実質化という点だと認識しております。
 改めて、まず最初に大臣にお伺いした上で議論を深めていきたいと思いますけれども、これまで地域によっては人・農地プラン、十分な機能を果たしてこなかったという点、これはまあ反省もし、また要因分析もし、評価もし、そしてそれを踏まえて今後それをどのように改善していくのか、まず大臣の基本的な御認識をお伺いいたします。

国務大臣(吉川貴盛君) 現在、九割以上の市町村におきまして、約一万五千の人・農地プランが作成されておりますが、プランの中には農地の出し手が記載されていないものが半数を占めるなど、実質的な話合いに基づくものとは言い難いものが相当あると認識をいたしております。
 これは、プランに農地の出し手として記載されると即農業からの引退を迫られるんじゃないかと、そういうように誤解をされたことや、市町村の農業関係職員が減少をしてプランのコーディネートが十分にできていなかったこと、さらには新規就農対策などの支援措置を活用するためだけにプランを作成している実態があったこと等によるものと考えております。
 これらの問題を解消をしていくためにも、地図を活用して、地域の話合いにおいて農業者が地域の現況等を関係者で共有をして議論することを優先をし、農地の出し手の記載までは義務化はしないということであります。話合いのコーディネーターとして農業委員会を位置付けまして、市町村の人手不足を補うなどの改善を行うこととしております。機構の協力金を地域タイプ中心にするなど、支援措置と人・農地プランとの関連を強化するなどの見直しを行うことといたしております。

里見隆治君 ありがとうございます。その上で、農水省の各局長等にお伺いしたいと思います。
 これもこれまで繰り返し述べられてきた点ですけれども、農地の集積を推進していく上で地域の合意形成が不可欠でございます。その意味で、人・農地プランの実質化が今回の見直しのポイントでございます。地域にあって市町村、農業委員会、JA、また機構等の関係者が参加して徹底的に議論をすることが必要です。
 たまたま、これは農業の話ではないんですけれども、昨日、元慶応大学塾長の清家篤先生のお話を伺いまして、この議論の仕方、何か違う考えを持った人が話合いをするときにどういう議論をするべきかと、そんなお話の中で、ああ、これはなるほどなと思いましたのが、ルールを話し合うとなかなか考え方の違いがかえって争点になって話がまとまらないと。しかしながら、お互いに少しずつゴールといいますか、まさに今の地図というのもそれに相当するかと思いますけれども、ゴールのイメージを擦り寄せていくと、そして、同じイメージ、ゴールをつくっていくという作業の中で、なかなか隔たりのある考え方の人が歩み寄っていけるのではないかと。なるほどというふうに思ったわけですけれども、まさに、様々な立場の方がこうやって議論して、そして地図を基に将来像を描いていくと、そういった作業、これもそれに当たるものだと思います。
 そうした中で、これは単に地域の皆さんにお任せをするだけではなくて、公的なセクターがどの程度関与していけるのか、またリードしていけるのか、余り無理やりな、強制的な介入という形ではなく、合意形成をどうやって促していけるのか、そこをどのように行政側、また機構の方で準備できていけるのかということが大事だと思います。単に参加者が集まって議論するだけではないと。その環境を整えていく、そして論点や方向性を整理して、合意形成に至らせるようなリーダーシップを発揮させていく。
 そのために、まずその単位単位の市町、特に小さな町役場等、これで非常にそういったことを手当てできるような十分な人材が整備されているのかということは、これは心配の声が上がっております。これは一昨日の秋田県農業公社の佐藤参考人もおっしゃっていました。これはもう皆様、それぞれ地域でもお話伺っているところだと思いますけれども、市町村にあっても、特に広域合併していない町村を中心に、やはりマンパワーの不足から職員が一人何役もこなしている状況にある、今後この円滑化事業を単独で活発に推進していくにはやはり現実的には無理があるということだということを陳述されておりました。
 こうした、現場でまだまだ体制に不安があると。そうした中で、農水省として、こうした環境整備、また体制づくり、どのようにお取り組みいただけるか、お伺いいたします。

政府参考人(大澤誠君) 先ほど大臣からも御答弁いただきましたとおり、今回、人・農地プランがなかなか実質化しない原因の一つに市町村のマンパワー不足がございます。今回、ほかのJA、農業委員会などと一体となった、あるいは土地改良区の体制整備をいたしますけれども、やはりその中でも市町村に対する支援というのも大事だというふうに考えてございます。
 そこで、今回の見直しでは、人・農地プランづくりの支援策というのは拡充をしております。市町村に対しましては、農業者の年齢とか後継者の確保をそもそも把握するためのアンケート、あるいはそれを地図に落とす作業、これについての経費を助成することとしておりますけれども、その際には、単に市町村の職員が働くだけではなくて、アルバイトを雇う費用、こういうものも見ることにいたしております。
 それから、まず、コーディネート役がそもそも合併等で少なくなっているというような場合には、例えば普及指導員のOBなどをコーディネーターとして派遣するというような仕組みを、これは既に整備しておりました農業経営相談所の事業を活用いたしまして、そういうふうな市町村に人材派遣を行うと、こういう事業も用意しておりますので、こういうものを使いながら推進してまいりたいというふうに考えてございます。

里見隆治君 地域や農地の状況をよく知る農業委員、また農地利用最適化推進委員の役割、これは、これもずっと議論されているところでございます。私ども、委員会として視察をした足利市の小曽根町、ここでもやはり積極的に活動いただいている農業委員、また農業利用最適化推進委員の皆様の積極的な活動があったということは、我々共有し、拝見をしてきたところでございます。こうした中で、これらの委員の皆さんが積極的に活動できるように、国も財政的に是非支援を更に進めていただきたいと思います。
 そうした中で、これ、ちょっとお聞きしたところでは、農業委員会の活動に対する報酬の中で、成果に応じた上乗せ措置の農地利用最適化交付金、この交付に必要な条例、これ条例ですから国が何か押し付けるわけにはいきませんけれども、実は農業委員会の三割についてまだ整備をされていないというふうに聞いております。これ、もし条例を整備されていれば、上乗せ措置が発生するということで、これはやるということを決めればうまくインセンティブになっていくと思うんですけれども、まだ三割が整備されていないと。
 この点は、この条例整備を促していくような環境整備、押し付けではないけれども、こうしたことを促していくということは農水省としてもお取り組みいただくべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(大澤誠君) 御指摘のとおり、農地利用最適化交付金の活用には、前提として、市町村が報酬条例を変えていただきまして、成果払い的なものをこの農業委員会に支払えるようにしていただく必要がございます。
 ここにつきましては、平成二十九年一月時点では、まだ全体の五%、八十九委員会しか整備されていなかったわけでございまして、我々は危機感を持ちまして、当時の副大臣であります礒崎副大臣の御指示、リーダーシップの下に、総務省と連携しまして市町村への働きかけを強化してきたところでございます。総務省と連携した条例のひな形の通知の発出、あるいは未整備地域の働きかけ等を行いまして、その結果、その八十九委員会から整備済みの委員会は、先生の御指摘より少し残念ながら低いんですが、本年三月末時点で約六割、整備見込みまで含めますと七割ということで、三割はまだその見込みもないという、そういう状況でございます。
 今回の農業委員会の交付金につきましても、人・農地プランにおける活動を考慮した形で交付する仕組みに変えたところでございますので、それを周知しながら、今までのこの働きかけを更に強化して、整備済みの市町村を増やしていきたいというふうに考えてございます。

里見隆治君 まさに今、礒崎副大臣のリーダーシップという話が出ました。礒崎前副大臣は、もちろん地方行政も御存じですし、農政もやっておられたということで、これ、まさに省庁を超えて、そういう地方自治行政とそして農政、これが相隔てなく進めていくべき分野だと思いますので、そうした自治体の立場でのお取組ということも是非進めていただきたいと思います。
 これから、この人・農地プラン、また地域で話し合っていくという中で、これ地域で話し合っていくといっても、何か独善的といいますか、地域の中だけで凝り固まってはいけないと。これも多くの皆さんが御指摘いただいているところで、いかに新しい方を受け入れていけるような、そうした場を提供していけるのかと。
 そうした中で、これは農水省としてもお取り組みいただいている新規就農者に対する様々なインセンティブでございますが、その一つに青年等就農資金、これも何回か論点になっております。この償還期限を今回十二年以内から十七年以内に延長するということを法案に盛り込んでいただいております。
 これについて、私、地元で関係者にお伺いをしましたら、償還期間を十二年から十七年に延ばしても、農業者というのは一定の覚悟を決めて融資を受けるんだから、それはもう十二年だからやらない、しかし十七年だからやるというような、そんなことではないんだというお声もありました。
 これ、その方はもう意気込みを持ってやるからということだろうと思いますけれども、ただ、法案にこうやって盛り込んでいるというからには、十七年にしたという考え方があろうかと思いますので、その点、確認をしておきたいと思います。

政府参考人(大澤誠君) 今回のこの青年等就農資金の償還期限の延長につきましても、これは地域の農業者からの意見から発案したものでございまして、その延長を求める方々は、やはり十二年ですと、特に施設園芸の鉄骨ハウスとか畜産経営の畜舎などを導入する場合に、普通それらの施設については耐用年数が十七年でございますが、それよりも償還期間が短いということになると、これは全体の額を償還期間で割りますので、そうすると単年度の償還額が出ます。ですので、単価が高い施設を導入すれば毎年の償還額が多くなるということですので、資金計画を作った際にこれではなかなか難しいとして、なかなか難しかったというような方々もいらっしゃるし、無理して借りられればその経営発展に支障が出てくる場合もあると、こういうような御意見を伺ったところでございまして、そういうこともありまして、多分、使用控えといいますか、があったのではないかなと思います。融資上限は三千七百万円にしているわけですが、この資金の平均融資実績は八百万円となっておりまして、十分資金のメリットを使えていない状況にあったわけでございます。
 そういうこともありますので、償還期限の延長をすることによりまして、より単価の大きい施設の導入等に必要な融資についても、この資金の活用が促進される効果があるのではないかというふうに考えてございます。

里見隆治君 ありがとうございます。
 たまたま私がお会いした方はそういうコメントでしたけれども、今のような趣旨をしっかり現場でも御説明をいただき、また融資の相談についても丁寧に御対応いただければというふうに考えております。
 では次に、ちょっと論点を移しまして、中間管理事業の推進、これをどういうふうにこれから使ってもらうのかと、そのための推進方策についてお伺いをしたいと思います。
 まず、賃料についてでございます。
 これ、それぞれ、これは市場が決めるというよりも、市場だけではない様々な環境、また人間関係もあるかもしれません、様々な要素によって決定されていくというふうに思いますけれども、中間管理事業を推進して更に集約化を実現していくためには、この賃料決定の公平公正なルール作り、また透明化が必要だというふうに考えます。農地の出し手と受け手の間に立つ事業として取り組むべき事案ではないかと思います。
 この賃料に関しましては、実はこれも一昨日の参考人の質疑の中で、参考人の東大の大学院の安藤先生がおっしゃっていました。これはむしろ、その価格決定というよりも、一方では地代無料というようなことがあってなかなか価格設定が成立しないんじゃないかという非常に難しい問題提起でございました。
 もう皆さん御存じのとおりでございますけれども、確認をいたしますと、この地代の統一に立ちはだかる壁ということにおいて、農地の交換を行って面積集約を実現するために地域内での地代の統一が不可欠だという御指摘の上で、数千円程度の違いであれば何とか調整はできるけれども、問題は地代無料の貸し借りが増えていることだという御指摘でございます。これは農地の需給バランスを考えればやむを得ないと、言わば借り手がいないということですね。しかし、通常は低い方の地代に統一していくということだけれども、さすがに無料に統一するということはできない、こうした課題を御指摘されているわけでございます。
 こうした賃料の問題を含めて、この取引に当たってのルール作り、またその透明化について、政府の考え方を問いたいと思います。

政府参考人(大澤誠君) 農地バンクの担い手にとってのメリットの一つに、多数の所有者の方々とそれぞれ条件を交渉しなくてもいいというのがあると思いますので、我々は、先ほども答弁させていただきましたけれども、このルール作り、賃料も含めた公正公平なルール作りとその透明化、これは非常に大事なことだと思っております。
 使用貸借、賃料を取らない使用貸借の場合も実態として出てきておりますけれども、これは私どもの理解では、それこそ山に近い地域等々でなかなか借り手がいないときに、もう自分たちではできなくなったので、もうともかく、ただでもいいから借りてくれというような状況の場合ということで聞いておりますので、ただに統一するということになかなかいかないかもしれませんけれども、それはそれなりに必要性があっての状況なのではないかなと思っておりまして、参考人質疑の中でも議論があったということですので、我々も更に研究を進めたいと思っております。
 現状の賃料水準につきましては、これは事業規程のモデルの中で、当該地域の同程度の農用地等の賃料水準を基本として、農地バンクが相手と協議して決定しろと、農地バンクが協議をするということが明記されておりまして、そういうルールに従ってやっております。
 それで、この農地の賃料についても、契約、この配分計画等々の公告の際に賃料についても記載するということにしておりまして、賃料決定の透明化も努めているところでございます。

里見隆治君 もう一つ、この中間管理事業を推進していく方策の一つとして、これも何人かの先生から既に出ている論点ですが、中間管理事業とそれから基盤整備、土地改良、これを一体的に推進していくと、これは大変重要な視点だと思います。
 これも、徳永先生も先ほど御指摘されていましたけれども、例えばこれ、農地中間管理機構の関連農地整備事業とかあるいは農地耕作条件改善事業、こういったものをなかなか難しい地域ほど要件を緩和するとか柔軟な活用を促していくと、そうした工夫によって更にこの一体的な推進、これを進めていくべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(室本隆司君) 委員がおっしゃるとおり、基盤整備と農地バンク事業、これは連携を強めていくということは非常に重要なところだと思っております。私どもも、この集積、集約を基盤整備において一層推進するために、様々な要件緩和をこれまで行ってきております。
 ちょっと二つぐらい事例を紹介しますと、一つは、平成三十年度に、元々、平場で二十ヘクタール、中山間で十ヘクタールというふうな要件を、これを半分にして、さらに農業者の負担がない農地中間管理機構関連農地整備事業というのをつくりまして、平成三十年度に三十五地区、令和元年度、本年度ですが、四十六地区の合計八十一地区で既に事業に着手しております。
 それから、圃場整備よりももう少し小規模な、畦畔を撤去したり、先ほど除れきという話がありましたが、そういうものを単品単品でもできるような事業として農地耕作条件改善事業というのがございますが、これについても、農地整備・集約協力金、これと連携することで最大で農家負担をゼロにできるというふうな制度を本年度からスタートさせておりまして、御意見にあるとおり、できるだけ、特に中山間については可能な限り要件緩和を今後とも図っていきたいと考えてございます。

里見隆治君 ありがとうございます。
 まさに一番難しい地域、中山間地域の対策ということを論ぜざるを得ないわけですけれども、これも何回か出てきたとおり、中山間地、農地の出し手ばかりが多く、受け手が少ないと、こういった地域で機構は行き先のない農地の受皿としての役割の発揮を期待されていると思いますけれども、なかなかうまくいかないと。そういう中での工夫、またインセンティブ、これを行政としてもつくらなければ進まない、そうした領域だと思います。
 これは、予算措置も含めて政府としてしっかり取り組んでいただくべきだと考えますけれども、副大臣、この点についていかがでしょうか。

副大臣(高鳥修一君) 里見委員にお答えをいたします。
 中山間地域につきましては、平場の土地利用型農業の地域に比べ、担い手への農地集積が遅れている状況であるため、委員御指摘のとおり、中山間地域の対応を強化する必要があると認識をいたしております。
 このため、今般の見直しでは、人・農地プラン策定に向けた地域の徹底した話合いによって、地域主導で将来の農地利用の在り方とその担い手を生み出していくということにいたしました。
 さらに、予算面では、地域集積協力金を中山間地域、中山間地農業ルネッサンス事業に新たに位置付けをしまして、六割を中山間地域の優先枠として設けたところでございます。さらに、中山間地域における農地の最低集積要件を平場に比べて五分の一に緩和をしたところでございます。これは、地域集積協力金を利用しやすくしたということでございます。
 これらの措置を組み合わせることで、中山間地域における農地集積、集約化の取組を重点的に推進してまいりたいと考えております。

里見隆治君 地元で新規参入者が期待できない条件不利地域において、農地を守り、農業を持続する者に対する支援を求める声をいただいております。
 これは、例えば、一つの声を御紹介しますと、中山間地域の最大のネックは、これも対策でお話しいただいておりますけれども、畦畔の除草作業の手間、費用、そして鳥獣対策、この二点を挙げておられました。そして、その方いわく、このために大手の担い手は全く入ってこない、そのためには条件不利地農家への手当てを充実して地元の近隣から担い手を得るしかないと、そうした声が上がってきております。これはもう本法案だけでの対応とは限らず、様々な政策を駆使して御対応いただく必要があると思います。
 これは大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、本来的な中山間地域への対策、これを強力に進めるべきと考えますけれども、大臣のお考えをお伺いいたします。

国務大臣(吉川貴盛君) 中山間地域に対する対策でありますけれども、この中山間地域につきましては、平地に比べて人口減少ですとか高齢化が進行するなど厳しい状況にありまして、農地バンク事業の活用に加えて、農業生産活動そのものをしっかりと下支えすることが最も重要であると認識をいたしているところでございます。
 このため、中山間地域等直接支払交付金による農業の生産条件が不利な地域における農業生産活動を継続するための支援ですとか、多面的機能支払交付金による地域の共同活動として行う農地周りの草刈り等に対する支援に加えまして、深刻な鳥獣被害に対応するため、侵入防止柵の設置やICTを活用した効率的な捕獲わなの導入など、地域ぐるみで行う総合的な取組に対する支援を実施しているところでもございます。
 引き続き、これらの施策を通じまして、中山間地域の農業振興に向けた取組をしっかりと支援をしてまいりたいと存じます。

里見隆治君 この中山間地域の対策について、ちょっと別の角度から指摘をし、最後、質問として終わりたいと思うんですけれども、この中山間地域の担い手確保のために、また農山村地域の振興という観点から、棚田地域の振興というのは非常に重要だと思います。
 実は昨日も進藤金日子先生から御説明をいただいたんですけれども、今、有志の議員の皆様で棚田地域の振興について議員立法で法案を、これは各党様々な御意見を、これが集約でき、是非立法化をして振興につなげていけばと、私もそれに賛同する一人でございます。
 この中山間地域の担い手確保と、これはもう確保だけではなくて、まさに農村を守っていく、地域を守り、そして振興していくというもっと大きな広い観点から重要な政策だと考えます。
 棚田そのものの意義、これまた大臣にもお伺いをし、御答弁いただきたいと思いますけれども、棚田の趣旨としては、農業生産活動だけではなくて、美しい景観や国土保全などの多面的機能、またこれだけではなく、棚田を保全しようとする活動それ自体が、地域のコミュニティーづくり、またその地域だけではなく、都市農村交流、また定住する方だけではなくて移住、また交流人口を増やしていくと、そうした取組の核となっていく非常に重要な要素であるというふうに認識をしております。非常に地域振興に果たす役割も大きいものと考えます。
 これ、一つ具体的な例を申し上げますと、高鳥副大臣のお地元近くだと思いますけれども、新潟県の十日町に池谷・入山という棚田で非常に重要な有名な地域ございます。ここの取組をお伺いをしますと、これは非常に交流にも、また地域振興にも役立っている一つの例でございますけれども、都市住民ボランティアとの協力や協働によりスタートをした、これは震災復興が一つの契機となっているということですけれども、この震災復興と集落の存続を目指した活動が、まずは地域おこし協力隊の活動を通じて自発的な地域づくり団体へと発展したと。非常にいい好事例であります。このNPO法人では、若者を雇用して、また米の直販、また移住、定住に向けた支援への取組と、非常に地域振興、農業振興にもなっているし、またかつ地域の後継者づくりにもなっているという大変いい事例でございます。こうした取組を全国に広げていければと、そんな思いでございます。
 こうした棚田の重要性、これをいま一度認識するべきと考えておりますけれども、大臣に御所見を伺いたいと思います。あわせて、この御認識とともに、せっかくの意義のある棚田でありますので、今現在、そしてこれから、農林水産省また大臣としてこの中山間地域における棚田という観点も含めてどのような御支援をいただけるのか、これも併せてお伺いしたいと思います。

国務大臣(吉川貴盛君) ちょうど先月でありましたけれども、農林水産省の消費者の部屋というのが毎週テーマを変えてやっておりますが、その中で、全国の土地改良の優良事例を御紹介をさせていただきました。その折に、全国でも有数なこの棚田に対しての展示もございまして、大変美しい姿を描いた絵といいましょうか写真集もございましたので、私もそれを拝見をさせていただきました。
 棚田は、美しい景観、伝統文化、教育、国土保全という多面的な機能を有しておると存じております。農業生産活動を主体としつつ、地域住民等の共同活動によって守られている国民共通の財産でもあると認識をいたしております。
 このような棚田でしっかりと農業が営まれますとともに、棚田の持つ多面的な機能を生かした地域振興の取組が推進されますように、私どもといたしまして、農林水産省といたしましては、日本型直接支払により草刈りや水路管理等の共同活動も支援をいたしております。平成二十七年度からは、棚田など傾斜度が大きい田畑、田や畑を対象とした追加支援も講じております。農山漁村振興交付金によりまして、地域資源を活用した交流拠点整備や農泊のためのコンテンツの開発等の取組に対する支援も行っております。さらに、平成二十九年度には中山間地農業ルネッサンス事業も創設をいたしまして、棚田を含むこの中山間地域において地域の特色を生かした多様な取組を総合的、優先的に支援も行っているところでございます。
 今申し上げましたこうした様々な施策を活用いたしまして、棚田の保全を通じた地域振興に向けた取組も強力に支援をしてまいりたいと存じます。

里見隆治君 ありがとうございます。
 これ、棚田という、単なる地域が、その地域を、また六次産業化等を含めて経済をも、また農村そのものも動かしていくという、非常に好事例だと思います。私の地元愛知県では新城市というところに四谷千枚田という一つの名所がございますけれども、是非こうした好事例を横展開して、逆に中山間地から新しいモデルの農村の発展形態というものを発信していくと、それぐらいの意気込みでお取組をいただければと思います。
 これは一つの例でございますけれども、私どもが論じているのは単なる、単なるというと申し訳ありませんけれども、農地だけではなくて農村地域、それをしっかりと振興していくということだと思います。今回の法改正を通じて、私も地元で、また全国でしっかり取組を進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 以上で質問を終わります。