農林水産委員会は閉会中も審査

12月11日、臨時国会は閉会しましたが、農林水産委員会は閉会中も審査しています。
竹内真二議員と共に出席し、畜産・酪農分野を中心に吉川農林水産大臣に質問しました。
TPPや日欧EPAの発効が迫る中、畜産・酪農への支援策について質問。
更に岐阜県で4例目が見つかった豚コレラへの政府の対応について、愛知県、三重県など隣県を含め国として広域的な対応を求めました。

 

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議事録

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、畜産物の価格安定等に関する件ということで、畜産という点では若干広く質問をさせていただきたいと思います。
 まず、藤木先生からも触れていただきましたけれども、岐阜県で発生しております豚コレラについて最初にお伺いをいたしたいと思います。
 私も、十一月二十七日の本委員会でも質問させていただきました。その後、さらに、十二月五日に、岐阜県内で三例目の豚コレラの発生が、県の防疫の中核施設である畜産研究所で発生をいたしました。早速当日、吉川大臣御対応いただきまして、農水省の豚コレラ防疫対策本部を開催いただき、極めて重要で影響が大きいという御認識をお示しいただいて、早急な対応を御指示いただいたというふうに承知をしております。また、昨日十二月十日には、岐阜県関市で四例目の発生が確認されたとのことでございます。野生イノシシも、十二月八日時点で既に七十頭の感染イノシシが発見されていると伺っております。
 イノシシはちょうど繁殖期を迎えておりまして、一日に、イノシシに県境はございませんので、県を越えて十数キロも移動するということでありまして、極めて危険な状況にあると考えます。こうなりますと、終息どころか、その感染力は想定以上に強力でますます拡大を続けてしまっていくのではないかと、そうしたおそれもございます。
 現在の状況は、ちょっとこれは数字は分かりませんけれども、何十頭、場合によっては百頭という単位で感染イノシシがそれこそふんをまき散らして野山を駆け巡るような、そんな状態であるかと思います。イノシシの防御策だけではなくて、ネズミなどの小動物、また鳥、ハエなどの昆虫、こうしたもので菌が運ばれてくるということも想定されます。こうした点でどのような対策を講じておられるのか、お伺いしたいと思います。
 さらに、イノシシの感染調査も範囲を広げて行っていただく必要があろうかと思います。発生があってから範囲を広げるのではなく、初めから広範囲で調査をいただくべきと考えます。隣県の、岐阜県のみならず、愛知県、また三重県、こうした隣接県においても、各県にお任せをするのではなく、財政支援を含めて国として対応することが必要だというふうに考えますけれども、農水省としてのお考えをお聞かせください。

政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。
 豚コレラウイルスの侵入防止のためには、各農場で飼養衛生管理基準を遵守するということが大変重要だと考えております。
 この基準には、野生動物による病原体の侵入を防止するため、給餌設備、飼料の保管場所にネズミですとか野鳥などの野生動物の排せつ物などが混入しないようにすることや、死亡した家畜が野生動物に荒らされないように保管することなどが規定をされているところでございます。
 岐阜県では、これらの基準が遵守されるよう、農場を訪れて飼養衛生管理基準に基づく改善措置を行うとともに、野生動物の侵入防止を強化するために、養豚農場では電気柵やワイヤーメッシュの設置が行われているというところでございます。
 もう一つ、浸潤調査に関してのお尋ねがございました。
 野生イノシシにおける豚コレラの浸潤状況を調査する目的での捕獲する際の衛生資材費や消毒薬につきましては、家畜伝染病予防法に基づく家畜伝染病予防費負担金により措置が可能と考えております。また、調査への直接的な支援ではございませんが、農作物被害防止の観点から、鳥獣被害防止総合対策交付金によりイノシシの捕獲経費を支援することは可能であると考えています。
 今後とも、岐阜県だけではなくて、愛知県など隣接県の意見をよく伺いまして、でき得る限りの対応をしてまいりたいと考えております。

里見隆治君 今御答弁いただいたとおり、隣接県との間の協力、例えば情報共有化ですとか、この隣接県含めて広域的な対応ということでは国も責任が十分あろうかと思います。財政的な支援を含めて発生地並みの支援体制を組んで、県に指示や督励をするだけではなくて、国にしかできない高度な原因分析や的確な防疫指導、こうした点を是非お進めいただきたいと思います。
 今後の取組について、大臣にお伺いしたいと思います。

国務大臣(吉川貴盛君) この豚コレラの発生に伴う原因分析についてでありますけれども、これ、一例目のこの発生後ですね、堆肥処理等の専門家ですとか岐阜県とも連携をして拡大疫学調査チームも発足をさせていただきました。あらゆる可能性を排除せずに、今も調査を続けているところでもございます。
 これまでも、この農研機構動物衛生研究部門におきまして行ったウイルスの遺伝子解析及び感染試験から分かった臨床所見を都道府県には周知をして指導を行ってまいりました。引き続き岐阜県とも連携をしていかなければなりませんし、昨日、岐阜県知事からも、直接私のところにお電話をいただきました。
 岐阜県としましても、今回の四例目が出たことによりまして極めて緊張感を持ってという感じでございましたし、さらに、幅広く知見を持ち合わせている方々にお集まりをいただいて岐阜県での対策会議も開いていきたいという、そういうお話も頂戴をいたしましたので、私どもも、その折には、しっかりとこちらの方からも派遣をさせていただきながら、どうすれば根絶ができるかということを、岐阜県と更に連携をしながら、徹底した指導はもちろんでありまするけれども、今申し上げましたように、連携をしながら、がっちりとこの感染拡大を防ぐために危機感を持って対応してまいりたいと存じております。
 さらに、農家への指導も徹底をしていかなければなりません。この点につきましても、岐阜県との連携は欠かせないものと思っております。

里見隆治君 ありがとうございます。
 高鳥副大臣、もう既に現地に調査、また督励にお越しをいただいておりますけれども、場合によっては農水省からしっかり出向いて現地と連携を取る、また、岐阜県とのお話はありましたけれども、今隣県も大変深刻に受け止めておりますので、そうした隣県への配慮もよろしくお願いをいたします。
 それでは、畜産経営安定関係について質問をさせていただきます。
 昨年、畜産経営安定法の改正がありまして、本年度から新たな加工原料乳生産者補助金制度がスタートをしております。これに関して、去る十二月六日に米国政府が公聴会を開催をして、関係団体からの意見を聴取したというふうに報じられております。この中で、全米生乳生産者連盟は、多くのアメリカ乳製品が日本の関税や他の貿易障壁にブロックされたままである、交渉は更なる市場開放を優先にするべきだと、そうした意見を示したということでございます。
 政府はこうした海外での動向を把握されておられるでしょうか。また、来年度から始まる米国との貿易交渉において、日米共同声明で確認された譲許の上限を踏まえ、しっかり交渉すべきと考えますけれども、この点、大臣の御決意を伺いたいと思います。

国務大臣(吉川貴盛君) 日米物品貿易協定交渉に関しまして、御指摘の生乳の生産者団体を含めて、米国の農業団体から様々な意見が出されていることにつきましては、私も承知をいたしております。
 委員御指摘のとおり、日米共同声明におきましては、農林水産品については過去の経済連携協定で約束した内容が最大限との日本側の立場が明記をされております。日米首脳間でこの点について確認したことは非常に重たいものと認識をいたしておりますので、この米国の動向につきましては引き続き注視はしてまいりまするけれども、農林水産省としては、この共同声明を踏まえ、酪農、乳製品を含めて、我が国農林水産業の再生産が将来にわたって確保されるように最大限の努力をしていく考えでございます。

里見隆治君 この日米共同声明、非常に重いものだと思います。是非この線を守っての対応をお願いいたします。
 次に、日EU・EPAについて、EUにも目を向けますと、これはもうさんざんこの委員会でもまた本会議でも議論されてまいりましたけれども、ソフト系チーズについての一括の低関税枠が設定をされ、段階的に無税になるということで合意をされております。このために、輸入チーズにより国産チーズ価格が低下をし、これで国内の酪農家や乳業メーカーが大きな影響を受けることが懸念をされており、この点るる議論があったところでございます。
 チーズについては、昨年度の補正予算で、体質強化対策として国産チーズの競争力強化対策、総額で百五十億円が講じられております。しかし同時に、酪農家の経営安定を図るためには、チーズを始めとする乳製品の再生産を確保するのに必要な加工原料乳生産者補助金単価を設定する必要があると考えます。
 加えて、酪農経営の安定の観点から、こうした補給金や集送乳調整金の単価については、生産コストやその経費のコストの変動の実態を踏まえた算定を行う必要があると考えますけれども、そうした価格設定の考え方について、農水省から御説明をお願いいたします。

政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 加工原料乳生産者補給金、また集送乳調整金の単価につきましては、まず補給金の単価につきましては、加工原料乳生産地域の再生産が可能となるように生産コストの変動や物価動向等を踏まえ、また集送乳調整金の単価につきましては、畜産経営安定法におきまして、指定事業者が集送乳に通常要する経費の額から効率的に集送乳が行われる場合の経費額を控除して得た額を基礎として、集送乳に要するコストの変動に対応できるように、直近の物価動向を踏まえ、いずれも食料・農業・農村政策審議会の意見を聞いて決定することとしてございます。本年度もこれらのルールにのっとりまして、適切な算定をしてまいりたいと存じます。

里見隆治君 この畜産、酪農経営の安定経営を支援するという点で、地域ごとの課題にも配慮する必要があると考えます。
 酪農の場合、なかなか話題にしにくいんですけれども、ともすると北海道と都府県酪農みたいな構図になりがちで、特に本委員会、北海道の先生方多くいらっしゃるのでなかなか話題にしにくいわけですけれども、これ、公平にそれぞれの地域においてのコストがしっかりとのめるような、そうした補助、助成というものを農水省もしっかり設計をいただく必要があろうかと思います。
 私の地元の愛知県の農業経営者とお話をさせていただきましたところ、この都府県酪農については、その生産コストについて、これはほかの地域とももちろん共通するわけですけれども、初妊牛の価格の上昇が影響しているとか、あるいは、そもそも消費地に近い地域ほど、地代また飼料コスト、またさらに、特にこの数年は人件費の上昇、そもそも人が雇えないと。そうしたところから、生産コストが増加をして乳用牛の更新停滞というようなこともあって、都府県酪農の経営に大変な悪影響が及んでいるという点を心配しておられました。
 こうした背景を踏まえて、都府県酪農の生産基盤強化、この点どのように図っていかれるお考えか、大臣にお伺いしたいと思います。

国務大臣(吉川貴盛君) 都府県酪農につきましては、我が国の生乳生産の約半分を占めておりまして、消費者に新鮮な飲用乳を提供する役割を有していることから、またその生産基盤の強化は重要な私も課題であると存じております。一方、都府県酪農におきましては、北海道に比べて土地の制約が大きいこと等から、育成牛を飼養するための粗飼料の確保ですとか規模拡大が大変難しいという課題がございます。
 このために、初妊牛を安定的に確保できますように、例えば性判別精液の利用の推進ですとか、さらには育成牛の地域内の流通ですとか、広域預託への支援ですとか、さらに哺育・育成センター等を利用した作業の外部化への支援等の施策を講じてまいりました。これに加えまして、省力化機器の導入による労働時間の削減ですとか、そしてまた離農農場の貸付けによる新規就農者の負担軽減等の施策も総合的に実施をしてまいりました。都府県酪農の生産基盤強化を、このような形で更に図ってまいりたいと存じております。
 かつては、北海道と都府県で南北戦争などという言葉もございましたけれども、今はもうそういった言葉もなく、北海道は加工原料乳、そして都府県は今は、先ほど申し上げましたように、飲用乳が大半であるということで、極めてそういった意味ではそれぞれの役割を果たしていただいておりますので、それぞれの生産がより向上するために私たちはこの努力をしていかなければならないと思っております。

里見隆治君 北海道御出身の大臣から大変力強いエールをいただいて、心強く思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 もう時間もなくなりましたので、最後もう一問、肉用子牛の生産者補給金制度について、もう一問だけ質問させていただきたいと思います。
 政府の総合的なTPP等関連政策大綱において、TPP又は日EU・EPAの発効に合わせて保証基準価格を現在の経営の実情に即したものに見直すというふうに大綱で示されております。肉用牛の繁殖経営は規模拡大が徐々に進みつつありますけれども、平成三十年で一戸当たり約十五頭でございまして、肥育経営と比べて小規模農家が大変多い状況にございます。また、生産コストは飼養規模によって大きな格差がございます。
 こうした中で、この政策大綱にございました実情に即したものに見直すというその見直しを具体的にどう進めていただけるのか。特に、小規模農家が多い繁殖経営の生産基盤弱体化を防ぐために、こうした小規模農家にも十分な支援を行う必要があると考えますけれども、農水省の今後の対応方針についてお伺いをいたします。

政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 今、肉用子牛の生産者補給金制度でございますが、総合的なTPP等関連政策大綱に基づきまして、TPP11協定の本年十二月三十日の発効に合わせまして、その保証基準価格を現在の経営の実情に即したものに見直すこととなります。
 このため、農林水産省内に肉用子牛の生産、流通の専門家で構成される検討会を設置いたしまして議論を重ねた結果、十一月の二十日に、保証基準価格の算定に当たりましては、現行の輸入自由化前七年間の農家販売価格に代えて過去七年間の生産費を基礎とする、小規模な肉用子牛経営の実態を踏まえつつ、酪肉近で示されている近代化を促進する方向に沿ったものとすることが適当である等の取りまとめが行われまして、この旨、十二月の三日に食料・農業・農村政策審議会畜産部会にも報告したところでございます。
 今後、同審議会の意見を踏まえまして、子牛の再生産を確保する観点から新たな保証基準価格等を適切に決定してまいりたいと存じます。

里見隆治君 どうぞよろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。