農林水産委員会で地理的表示保護制度の改正法案(GI法案)について質疑

11月29日、農林水産委員会で地理的表示保護制度の改正法案(GI法案)について質疑。
愛知県では、「西尾の抹茶」や「八丁味噌」が登録されています。地域活性化、中国などの模倣品の排除といったメリットがありますが、更に日欧EPAが発効されることに伴い日本と欧州相互に保護できる仕組みが整います。
また、党の雇用・労働問題対策本部では働き方改革関連法案の実施に向けた規則の審査、党税調では地方との格差是正について協議、などなど年末に向けて加速度を増しています。
夜は、全国オートバイ協同組合連合会の懇親会でご挨拶させていただきました。

 

農林水産委員会で地理的表示保護制度の改正法案(GI法案)について質疑 農林水産委員会で地理的表示保護制度の改正法案(GI法案)について質疑 農林水産委員会で地理的表示保護制度の改正法案(GI法案)について質疑全国オートバイ協同組合連合会の懇親会でご挨拶 党の雇用・労働問題対策本部

議事録

里見隆治君 おはようございます。公明党の里見隆治でございます。
 本日は、我が国に数多く存在する地域ブランドをGI保護制度で保護する意義、模倣品の排除の効果の意義についてまずお伺いをしたいと思います。
 このGI登録制度でございますが、地域で長年育まれた特別な生産方法と結び付いた高い品質、評価といった特性を有している農林水産物・食品等、その名称、品質、生産方法等とともに国に登録し、知的財産として保護する制度ということでございます。
 このメリットでございますが、例えばこれは農林水産省から報告されています報告書においても、私の地元愛知県でも二つ、八丁味噌、また西尾の抹茶などが登録されておりますけれども、この報告書で、例えば八丁味噌の名称が中国で使用されているなどといった事態が記載をされております。こうした産品が日本で販売された場合に取締りがきちんとなされているのか、こうした模倣品の排除という点が一つポイントであろうかと思います。
 また、模倣品の排除という意義のほかに、これもまた私の地元の話で恐縮ですけれども、西尾の抹茶については、GI登録のプロセスを通して抹茶を使ったイベントを開催されるなど、地域を挙げての取組にもつながっているということを伺っております。
 こうした模倣品の排除の効果、あるいは地域活性化という観点も含めまして、そもそもGI保護制度の意義について、農林水産大臣の御見解をお伺いいたします。

国務大臣(吉川貴盛君) 意義についてでありますけれども、もう既に里見委員から今御質問の中で御指摘をいただいたとおりであろうかと存じます。
 我が国には、特別の生産方法ですとか気候、風土、土壌などの生産地の特性によりまして、本当に高い品質と評価を獲得するに至った商品が多く存在をいたします。今委員からもお話がございましたように、こういった産品をGIとして登録をすることによりまして、その価値を公的に保護するものであります。このGIの登録により、GI産品の名称と同一又は類似の名称の使用が規制されるために、御指摘のありましたように、模倣品が排除をされるということにもなります。さらには、取引の拡大ですとか担い手の上昇ですとか価格の上昇といった効果も期待できるのではないかと、こう思っております。
 今回の法改正によりまして、GIの保護が一層強化されますとともに、日EU・EPAによるEUにおいての日本の四十八のGI産品の名称が保護されることとなるために、EUにおいても模倣品が排除が進むことが期待をされているのではないかと、こう思っております。

里見隆治君 ありがとうございます。
 今の改正の点についてはまた後ほどその意義についてお伺いしたいと思いますけれども、まず現状において、先ほど触れました八丁味噌についてなんですが、実はこのGI登録について、愛知県組合からの申請により昨年十二月に登録が行われる一方で、片や岡崎市の八丁組合が不服申立ての審査請求を提出しているというふうに伺っております。
 この八丁味噌の登録の経緯について、事実関係を御説明いただけますでしょうか。

政府参考人(新井ゆたか君) 八丁味噌の登録の経緯について御質問がございました。
 八丁味噌につきましては、平成二十七年六月に愛知県岡崎市の二社を中心といたします八丁組合と愛知県下のみそメーカー等を構成員とする県組合から申請がございまして、八丁組合が申請を取り下げたことから、最終的には平成二十九年の十二月に県組合の申請が登録されたところでございます。
 その後、平成三十年三月には八丁組合から不服審査請求がなされておりまして、現在、行政不服審査法の規定に従い手続を行っているところでございます。

里見隆治君 これは現在審査請求中ということでありますから、農水省も審査請求の一方の当事者ということで、現時点でなかなか全体に対してという動きが取りづらいというのは現時点においては理解しますけれども、是非、これは所管の省庁、また所管の大臣として、関係者の合意形成が進むよう今後も御努力をいただくべき事項であるというふうに考えております。
 この点、大変重要なことでございますので、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

国務大臣(吉川貴盛君) 委員もう既に経緯、経過というのは御存じであろうかと思いますので私の方から詳しくは申し上げませんけれども、農林水産省といたしましては、従前より、八丁組合についても追加登録をしていただきたいという考えを持ちまして、呼びかけを行ってきているところでもございます。
 今後ともそういった努力はしてまいりたいと思いますし、また、愛知県庁からも八丁組合に対しまして事態の打開に向けた働きかけを行っていただいているということも聞いておりますので、県庁とも協力をしながら働きかけを更にしていきたいと、こう思っております。

里見隆治君 是非、この合意形成、また、それぞれの当事者が気持ちよくそれぞれの産品が扱えるよう、また強い農業として日本でも海外に立ち向かっていけるような、そういった環境整備をお願いしたいと思います。
 これは個別の論点というわけではありませんが、こうしたGI登録に当たっては、それぞれの地域でそれぞれの主体がより情報をしっかりと提供を受け、また相談、そして場合によっては、当事者間でという事案の処理が難しければ、第三者あるいは専門的な立場でアドバイスをいただけるような、そうした窓口も必要であるというふうに考えますけれども、こうした行政体制についてはきちんと整備をされているのか、その点をお伺いしたいと思います。

政府参考人(新井ゆたか君) 委員御指摘のとおり、GI制度の申請に当たりましては、地域の生産者が、GIは地域の共通財産であるという認識に立ちまして合意形成をしていただく必要があるというふうに考えております。
 当省といたしましても、全国に設置をしておりますGIサポートデスクを通じまして、申請を考えている団体に対する助言や相談の受付などを行っております。また、第三者機関の仲裁という意味では、日弁連と日本弁理士会が共同で運営をしております日本知的財産仲裁センターというのが存在をしておりまして、このような機関を活用することも可能というふうに考えております。

里見隆治君 本当にこれは、私、地元でもありまして、八丁味噌の問題は非常に悩ましいなというふうに思っております。
 GIというのは、そもそも地域が共有する知的財産として国が保護する制度であります。この考え方の下で、現行法では、一つのGIについて、複数の生産者団体が共同して、あるいは追加して登録ができるという仕組みになっていると理解をしております。地域の共有財産という趣旨からは、統一基準は幅広い生産者、加工業者が利用できるのが望まれるという一方で、伝統のこだわりの生産方法、より厳しい品質基準を守っていきたいという考え方も双方理解できるところでございます。
 まさに、この八丁味噌というGIをめぐってこのような考え方の相違が顕在化しているわけでありますが、いずれにしても、地域が世界に誇る産品を守り育てていきたいという根っこの思いは同じではないかと思います。皆が納得いくような落ち着きどころ、これをしっかり私も求めていきますし、また農林水産省の御努力もお願いをしたいというふうに思います。
 では、そうした現状の様々な課題も踏まえつつ、今回の改正点について確認をしておきたいと思います。
 まず、今般のGI法の改正で、これまで期限の定めなく認められてきた先使用について、原則七年とされております。お伺いしているところでは、EUでは原則五年とされていることでありまして、その違いも含めて、その理由についてお伺いをしたいと思います。

政府参考人(新井ゆたか君) 今般のGI法改正法案におきましては、先使用権の期限を原則としてGI産品の登録後七年間使用する場合に制限するということにしております。この期間につきましては、EUにおいては原則五年ということでございますが、我が国におきましては従来先使用権を無期限で認めていたということに鑑みまして、交渉の結果、EUよりも長期間の七年間というふうにしたところでございます。

里見隆治君 そうしますと、EUでは原則五年が上限、そして日本では今回七年という原則をはめるということでございます。
 その場合に、これは国内でだということであると思いますけど、GI産品ではないという表示があればこれが適法になるのかならないのか、これが日本国内ではどうなのか、EU域内ではどうなのか、その点を確認させていただきたいのと、また、ちょっとEUと日本国内での、あるいはこの五年、七年、非常に複雑な部分があろうかと思いますので、こうした点を確認するとともに、しっかりこうした点を分かりやすく丁寧に説明いただきたいと、そのことも併せて要望しておきたいと思います。

政府参考人(新井ゆたか君) GI産品でない旨の表示をすれば先使用期間の制限の例外が認められるのは日本国内のみでございまして、EU域内では取締りの対象となります。
 今回の改正内容につきましては、委員御指摘のように、従来も説明会を開催するなど生産者や製造、販売に関わる関係団体に広く周知をしておりますけれども、今後も引き続き、事業者の方に混乱を招かないように、個別の相談に乗ることも含め、丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。

里見隆治君 まだGI保護制度、始まって三年余りでございます。GI登録を推進、活用していくために、産地の声を丁寧に聞いていただきながら制度や運用の改善を図っていくことは大変重要だと考えます。
 世界に誇る我が国の良質な産品を守り育て、地域活性化や攻めの農林水産業を実現するためにも、政府には更なる努力をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。