国際経済・外交に関する調査会で質問

4月11日、国際経済・外交に関する調査会で質問。
東南アジアに対して大国インドがどのような位置付けになるか、TPP11が動き出した後のこれまでの2国間協定の取り扱いなどについて、学者など専門家の先生方に伺いました。

 

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議事録

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 本日は、三人の参考人の先生方、ありがとうございます。
 私は、まず、国際関係の話題に入る前に、一番最後に増山先生が御指摘をされていたイタリアの憲法改正の経緯について。
 これ、私自身も、その捉え方としては、何かその施策メニューそのものの判定ではなくて、政権そのものに対する賛成反対がそのまま投票結果に出てしまったという、そういう反省があったというような受け止めをしておりますけれども、これを、日本も全く同じ環境でということではないので、そのままうのみにはできないでしょうけれども、この日本に与える示唆といいますか、これについてどう学んでいくべきかという点についてもう少し詳しく教えていただければと思います。

参考人(増山幹高君) ありがとうございます。
 イタリアの憲法改革の経過ですけれども、既に皆様は御存じだと思いますが、レンツィ政権というものが、上院、それまでイタリアが完全な二院制と言われるような典型の国として、それが政治的な膠着状態の元凶とみなされるに至って、そこで、それを打開するために上院改革というのを起草しまして、先ほど触れましたように、権限を大幅に削減する、議員数を大幅に削減し、議員も直接選挙ではなくて地方自治体からの間接選挙にするというような形に大きく変えるものでありました。
 そのこと自体が上院で支持されたこと自体に私は驚いたんですが、今御質問いただきましたように、国民投票の方では、むしろ制度改革の中身というよりは、そこにレンツィ首相の戦略的なミスもあったと思いますが、御自身の政権の命運をその投票に懸けるといったことになってしまいまして、それはその劣勢を盛り返すための戦略だったのかもしれませんが、結果的にはうまくいきませんでした。
 そこでの劣勢に至った経過というのが、先ほどちょっと触れました五つ星運動というような欧米各地で台頭してきたある種のアンチエスタブリッシュメント、アンチ既成政党というような大きな流れでして、そこの背景には、さらにヨーロッパにおける移民問題ですとか、それに対する排外主義だとか、保守化、ナショナリズム、右傾化といったものの流れと軌を一にして、政権批判というところにだけ執着してしまって国民投票では合意を得ることにできなかったということでございます。
 そこで、私が先ほど触れましたのは、私の友人の議論でいきますと、そういったポピュリスティックな大衆扇動的な状況において、憲法改革というような本当に冷静に議論しなければいけない問題を国民投票にかけてもうまくいくわけはないだろうと。ですから、そこに至るまでに必要な、コンスティテューショナルペダゴギーと彼が言う、まあ私は憲法の市民教育と訳しておりますけれども、そういった土壌を培っていくことが重要であろうし、日本で憲法改革の議論をする際には、特に参議院の位置付けというものを議論して、そこでどういった、参議院としての政権選択を目指す政治に向かうのか、あるいはより個々の議員や政党の活動を重視する政治体制を目指すのかという議論があって、その上で憲法の制度ですとか政治体制の議論をしていくべきなんだろうというのが私の理解です。
 以上です。

里見隆治君 ありがとうございました。
 次に、石戸参考人にお伺いをいたします。
 石戸参考人から二国間FTAについて、その功罪をお話しいただきました。プラスの面、それから複数あることについてその貿易ルールが錯綜しかけているという限界について。
 私自身も過去にフィリピン、インドネシア、ベトナム等のEPAに関わったことがありますけれども、どうも二国間でやりますと、何かお互いのいいものと悪いものを交換し合ってとんとんにして、何とか交換しましょうと。そうすると、工業分野、農業分野あるいは人の移動でどうしても貸し借りができて、まあ何とか帳尻合わせはするけれども、各分野でそれなりのギャップが生じるという、そういった不満が出てきてしまうのかなと。そこへいくと、やはり今回のTPP11のように地域内でのルール作りをしていくというのは、より高次元の、そういう国際経済活動をしていくという意味ではより高次元のものになるのかなと。
 それぞれメリット、デメリットありますけれども、そういう中で、より経済が広域化していく中で今後二国間FTAがどのようになっていくのか。これは消えていくのか、あるいは違う形で残っていくのか、その辺の見通しについてお伺いできればと思います。

参考人(石戸光君) 御質問ありがとうございます。
 やはり当面は二国間FTAといったものがもちろん存続して、その中でFTAの関税が低いというメリットが享受されていくのかと思いますけれども、やはり長期的にはTPP11といったものが、ひいてはTPP12になりますか、あるいはそれがFTAAP、アジア太平洋全域をカバーする、そういった面の方向になってまいりますと、それではどこにその個別の付加価値があるのかと。
 例えば、原産地規則ということでも累積制度といいますものが、御存じのとおり、面のFTAですと地域的な原産ということが認められてまいりますので、そこに二国間ならではの更に深掘りのメリットといった、そんな競争的な効果がありましたら二国間でもメリットはございますでしょうけれども、そういったことでもない限りは、やはり将来的には面的なFTAといったものに収れんしていくのではないかなというふうに拝察しております。

里見隆治君 最後に、大庭参考人に教えていただきたいと思います。
 最後の方ではしょられていた点で私が聞きたかったのがインドの存在ですね。先ほども若干触れられましたけれども、やはり今後、人口の面では中国を抜いていくと見込まれる大国インドとどのようにその位置付けを持っていくか。ASEANも相当いろいろとお考えだろうと思います。そういう中で、私ども日本としては安倍総理が自由で開かれたインド太平洋戦略というものも掲げているという中で、このインドの存在をASEANはどう見ているか、またどう取り組んでいくか、それに当たって日本はどうそれに関与していくべきか。その辺りを、まとめて済みません、短時間で教えていただければと思います。

参考人(大庭三枝君) ありがとうございます。
 インドに関しては、ASEANからの見方としては、明らかに中国の影響力を相対化する存在としてインドの重視ということは行って、今そういう見方をしていると思います。そういう意味では、インドを入れて協力をするということにはそれなりの合理性があるのですが、一方、やっぱりインドというのは非常に地域大国でプライドも高く、それぞれ独自の世界観を持っておりますので、簡単に日本のパートナーになれるような国ではないというふうに私は思っています。
 それはASEAN諸国も同様なんですが、それでも、先ほどおっしゃられたような人口の拡大、それから経済発展、政治的な潜在性という観点からもインドは無視できない存在になって、ASEANは明らかに重視の方向ですが、インドとの付き合いにくさというのは十分に分かった上でのことであろうと思いますし、日本もその辺りは、今インドとの連携を非常に深めていますけれども、日本の思いどおりの動きをするというふうに思わずに、その辺りはある程度さめた目で、しかしながら協力を様々な形で、安全保障面においても経済面においても進めていくのがよろしいかというふうに考えています。インドは大変な国だと思っております。

里見隆治君 ありがとうございました。以上で終わります。