財政金融委員会で国際観光旅客税法案の審議

4月5日、財政金融委員会で国際観光旅客税法案の審議に際し、財務省・観光庁・外務省に質問しました。
来年1月から出国時に1人当たり千円を納税いただくことをお願いする法案です。
皆様から頂く大事な財源を地方の観光振興などに効果的に使えるよう、政府に、その使い道について質しました! 

 

財政金融委員会で国際観光旅客税法案の審議 財政金融委員会で国際観光旅客税法案の審議 財政金融委員会で国際観光旅客税法案の審議財政金融委員会で国際観光旅客税法案の審議

議事録

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 国際観光旅客税法案についての質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 本法案については、観光先進立国の実現に向けた観光基盤の拡充強化という観点で大変重要な法案であると考えます。この税法については、公明党内また与党税調としても精力的に議論してまいりましたので、総論としてこれを是非積極的に進めるべきという立場で質問させていただきます。
 ただし、新たな税を国民の皆様そして海外からお見えの皆様にお願いをするという意味では、丁寧に、そしてその理解を求め、審議も必要であろうかと思います。そこで、私からは、今後、国際観光旅客税を導入するに際して配慮が必要だと考えられる点につきまして、順次確認をさせていただきたいと思います。
 まず、この名称、国際観光旅客税という名称についてでございます。
 名は体を表すと申しますが、この名称、海外の皆様にも、また日本人にとっても、いずれの納税者にとっても内容を分かりやすく表す必要があろうかと思います。この税は、観光というふうにその名称に含まれておりますけれども、何もその納税をされる方は、観光だけではなく、留学、ビジネス、文化交流等、その理由にかかわらず出国時に一律課税ということでございますので、観光ということを余りに押し出しますと狭い概念として受け止められかねないと考えます。そういう意味では、単純に出国税という名前でもかえって分かりやすく、よかったのではないかと。
 まず、この国際観光旅客税というその名称の背景、理由について、財務省にお伺いをいたします。

政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 税の名称、これは基本的に課税の対象とするのが基本でございます。本税につきましては、課税の対象であります納税義務者が主として国際観光旅客、これは八割を超えるのが国際観光旅客でございますので、国際観光旅客税としたところでございます。
 出国税でもよかったのではないかという御指摘でございますけれども、この税の検討経緯を踏まえますと、基本的な考え方としては、出国だけではなくて出入国の円滑化といった観光施策からの受益を考慮し、出入国という行為に着目して負担をお願いするものであること、また、所得税におきまして、国外転出をする場合の譲渡所得課税の特例という制度を平成二十七年度改正において設けておりますけれども、このとき税務の専門家の間では通称出国税と呼ばれることもあり、紛らわしさを避ける必要があったこと、こうしたことを勘案いたしまして国際観光旅客税という名称にしたところでございます。

里見隆治君 特に日本国内での理解を進めることも重要ですし、また海外の皆様には、特にこの名称で勘違いをされては困ると。特にこの観光という名称が表に出ると誤解を生じるのではないかというのは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、これ、例えば英語表記あるいは中国語表記でどのようになるのか。ちょっとその言語だけだと分かりませんので、日本語での直訳を含めて御説明いただければと思います。

政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 国際観光旅客税の表記、訳語でございますけれども、訳語については決まっているわけではございませんけれども、委員の問題意識、観光ということ、観光旅客という点に関して、例えば英語につきましては、観光旅客、ツーリストというふうに表記をすることが考えられます。あと、中国語は、観光旅客というまさにその文字を中国語の字体に置き換えて表記をするということが考えられると思います。
 今回、国際観光旅客税という名称にした理由は先ほど御答弁したとおりでございますけれども、外国人の旅客に誤解を与えることがないように、今後、国土交通省、税関、国税庁といった関係機関ともよく連携をいたしまして、訳語や本税の解説について工夫をしてまいりたいと考えております。

里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 その上で、これはもちろん名称の話だけでなく、実質的に日本人にも、また外国の皆さんにもそれぞれの立場立場で納得、理解が得られるような使い道、また説明というものが必要だと思います。この点、観光庁、いかがでしょうか。

政府参考人(水嶋智君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、今回の国際観光旅客税は、外国人及び日本人双方から徴収することを想定しておりますので、外国人、日本人双方にとって納得が得られる使途に充てていくことが必要であるというふうに考えておるところでございます。
 その使途につきましては、昨年十二月の観光立国推進閣僚会議決定におきまして、受益と負担の関係から負担者の納得が得られることなどを基本とすることとされておるところでございますけれども、具体的には、この閣僚会議決定におきまして、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備を始めとする三つの分野に充当するというふうにされておるところでございまして、例えば、空港、港湾の出入国環境の円滑化、利便性向上に係る施策などにつきましては、外国人、日本人の双方にとってメリットがあるというふうに考えておるところでございます。
 こうした考え方に基づきまして、平成三十年度予算における総額六十億円の歳入につきましては、最新技術を活用した顔認証ゲートでございますとか税関検査場の電子化ゲートの整備などといったCIQ体制の整備などの施策に充てるということになっておるところでございます。平成三十一年度以降の税収を充当する具体の施策、事業につきましても、先ほど申し上げましたような基本的な考え方を十分に踏まえまして、御負担をいただく外国人、日本人双方の御理解が得られるよう、民間有識者の方々の御意見もいただきながら中身をしっかりと精査してまいりたいと考えておるところでございます。

里見隆治君 ありがとうございます。
 この使途についてはまたこの後で御質問しますけれども、その前に、歳入見込み、平年度ベースで四百三十億円という御答弁、先ほどございました。法律を拝見しますと、収入見込額に相当する金額を国際観光振興施策に必要な経費に充てると、収支、バランスを取ってということだと思います。収入見込額ありきだとは思うんですけれども、これは予算編成過程においては、逆に、必要な経費、あれも使いたい、これも使いたいとなったときに、その支出の方に合わせて収入見込額を見積もってしまうのではないかと。財政を規律していくという立場からすると、そうした懸念も生じてしまうわけでございます。
 そこで確認をさせていただきたいと思いますけれども、観光施策を、充当するための予算を増やすために歳出額ありきで税収見込額を計上するようなことはあってはならないと考えますけれども、財務省はいかがお考えでしょうか。

政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 各年度の予算における国際観光旅客税の見積りに当たりましては、直近の出国者の動向ですとか課税実績、今後の出国者数の見込み等を勘案して当該年度の国際観光旅客等の出国回数を見積もって、それに税額千円を機械的に乗じることにより算出するということになります。
 国際観光旅客税の見積りの基となります国際観光旅客等の出国回数、これを恣意的に大きく見込むということはなかなか難しい、できませんので、御指摘のような、予算を増やすために歳出額ありきで税収の見積りを行うというようなことにはならないと考えております。

里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 それでは次に、使途について何点か確認をしたいと思います。
 まず、一つ目の論点として、この使途に当たって、国家公務員の人件費に充てられるのかという点でございます。
 近年の海外との交流人口の増加に伴って、いわゆるCIQ、本委員会でも話題になりました税関、またそのほか入管、検疫について職員の数が業務量、行政需要の増加になかなか追い付いていないという現状、これは私どもも共有をしているところだと思います。そうした中では、何とか財源を見付けて職員の増員に対応できないかという期待もございます。ただ一方で、本財源についてはこれまでの既存予算の代替には使わないという考えも伺っているところでございます。
 こうした中で、先月、三月の衆議院の財務金融委員会での本法案についての審議で、税関職員等国家公務員への人件費の充当ができるかという質問に対して、うえの財務副大臣が「一概に排除されているということではございません。」という御答弁をされたと伺っております。
 そうしますと、これちょっと充当できるともできないとも取れるわけでございますが、この使途に際して国家公務員の人件費に充てられるのかどうか、この点について御答弁をいただきたいと思います。

副大臣(木原稔君) 平成三十年度の予算においては現場職員の人件費には充当していないところではありますけれども、現場職員の人件費につきましては、その業務が受益と負担の関係に照らして国際観光旅客税の使途とすることが適当であるかどうかということを確認する必要がありまして、うえの副大臣の答弁にもあったように、一概に排除されるものではないというふうに答弁をさせていただいたところであります。
 しかしながら、平成三十一年度以降の税収を充当する具体の施策、事業につきましては、基本方針に基づきまして、受益と負担の関係や先進性、費用対効果等の観点からこれから検討してまいりたいと思っております。

里見隆治君 これは非常に難しい問題だと思うんですね。本音を言えば、やはりこの行政需要に対応しての増員、しっかり賄っていきたいと。しかしながら、一旦人件費に入れ込むと、これは際限なく広がっていくと。まさに、そこの観点としては受益と負担の関係性、これがしっかり説明責任ができるかという観点だと思いますので、そこは絶対駄目でもなく、一つの理屈を付けながらというふうに受け止めましたので、また今後しっかりと検討いただきたいというふうに思います。
 続きまして、次も本財源の使途についての引き続きでございますが、本国会にも提出をする方向で今政府・与党内で検討している法案にIR、特定複合観光施設区域の整備に関する法律案がございます。このIRについても、観光産業の国際競争力の強化とか地域経済の振興という観点で、その目的、完全に一致ということはございませんけれども、共通する部分が多くあろうかと思います。そうした中で、このIR法案とそれから今回の税収、その使途がどういう関係にあるのかという、その点について確認をしておきたいと思います。
 この法案による財源から、こうしたIRの民間事業者が行う事業、またそのIRの周辺インフラの整備について充てられる可能性があるのかどうか。
 通常考えるに、民間事業者が行うところに、こうした税が民の事業に入るというのは余り考えにくいですし、あるいはこのインフラ整備、道路とか港湾とかそういう純粋な公共事業ということであれば、これはまた従来型の公共事業ということで賄われると思うんですけれども、その間を結ぶ部分についてこれちょっと非常に分かりにくいなというふうに考えておりまして、その点、確認をさせていただきたいと思います。

政府参考人(水嶋智君) お答え申し上げます。
 先生の方からは、IR施設そのものに対するこの税収の充当と、あとIR施設周辺のインフラ整備、二点お尋ねがあったかというふうに承知をしている次第でございますけれども、まず、IRそのものにつきましては、これは先生も御指摘されましたが、現在、内閣官房におきまして具体的な制度の設計に関する検討を行っている段階ということでございまして、IR整備法案もまだ提出はされておらない状況ということでございます。
 そういった意味では、現にまだIRは存在をしておりませんし、IRを造るための制度もまだできていない状態でございますので、現時点では観光財源を充てるというふうなことはできないということなのかなというふうに考えておるところでございます。
 一方で、IR施設周辺のインフラ整備はどうなのかということでございますが、これ一般論でございますけれども、今回の国際観光旅客税の税収を充当する具体の施策、事業につきましては、昨年十二月の閣僚会議決定に基づいて、既存施策の単なる穴埋めをするのではなく、受益と負担の関係や先進性、費用対効果などの観点から個々の事業の中身をしっかりと精査していくということになっております。このため、公共事業関係費を含めまして、これまで一般財源で行っておりました既存事業を単に観光財源に充当する事業に振り替えていくというのは難しいのかなと考えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、平成三十一年度以降の国際観光旅客税の税収を充当する施策、事業につきましては、閣僚会議決定における基本的な考え方も十分に踏まえつつ、民間有識者の方々の御意見等も頂戴しながら、中身をしっかりと精査してまいりたいと考えておるところでございます。

里見隆治君 ありがとうございます。
 確かに今、まだ法案ができていないという段階ですから、この段階で確定的な答弁を求めるというのは難しいというのは十分承知の上ででございますけれども、IR法案については様々国民の中でもいろんな意見がある中で、慎重な審議、検討が求められておりますし、そもそもIRそのものが、その中で納付金という仕組みをつくって公益に還元していこうと、むしろ他の税収源から入れていくというよりは、むしろそこを起爆剤にして、民を、経済を活性化して、むしろ公共に納付をいただこうという仕組みだと思いますので、そこにこちらからお金を入れていくというのはどうかと、そういう問題意識でございますので、そうした点、あるいは国民の皆さんの議論を、考えをよく踏まえて御検討を進めていただければと思います。
 それから、今、既存の予算には入れないという点でこれも確認をしておきたいんですけれども、従来から観光関係予算、具体的には明日の日本を支える観光ビジョン関連施策予算、これは従来、各年度予算を編成いただいて、昨年度約七百億、今年度も三十年度で七百数十億ということで計上いただいておりますけれども、この今回の法案が成立した段階で単に財源が差し替わりましたというんじゃ、付け替わりましたというわけでは、これ意味がないと考えておりますけれども、この従来の観光関係予算とそれから本法案による財源で行う事業、その付け替えではないという点をしっかり御説明いただきたいと思いますので、確認、よろしくお願いします。

政府参考人(水嶋智君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、観光の施策につきましては、観光ビジョンの策定を受けまして観光庁におきまして各省庁の観光ビジョン関連施策を取りまとめをさせていただいておりまして、平成二十九年度当初予算ベースでは、内数と整理されているものを除きましても、その予算規模は七百億円程度というふうになっておるところでございます。
 一方、今般創設をお願いしております国際観光旅客税の平年度の税収として見込まれております四百数十億につきましては、これは、全額高次元な観光施策の実施に充てられるものというふうに考えておるところでございます。具体的な使途につきましては、昨年十二月の観光立国関係閣僚会議決定におきまして税収を充当する分野やその基本的な考え方が示されておるところでございますけれども、その閣僚会議決定におきましては、観光財源を充当する施策は、既存施策の財源の単なる穴埋めをするのではないとされておるところでございます。
 今後、訪日外国人旅行者数四千万人、六千万人を目指して、先進性や費用対効果の高い観光施策を充実させ、観光基盤を拡充強化していく必要があるということを踏まえますと、観光施策に関する財政需要というのはますます強まっていくものと考えておるところでございますけれども、財源を充てる具体的な使途につきましては、こういった基本方針を十分踏まえまして、毎年度の予算要求と編成の過程で各施策の中身を検討する中で精査されていくものというふうに考えているところでございます。

里見隆治君 そういう意味では、新しく、また今お話があったとおり、高次元あるいは先進的な事業、そういった事業を新たにつくってそれに充てていくという、そういうふうに理解をいたしました。
 先ほど御答弁いただいたように、これは特定財源ということですので負担と受益が対になっていると。しかし、その負担と受益が対になっているということは、これはしっかりと事業の費用対効果というのもそのお財布の中で測定ができる、それを何らかの形で明らかにしていくということ、これも国民の皆さんの理解を、また海外からお越しになる皆さんの理解を得るという意味でも必要だと考えます。
 これ、今年度については、事業を予算要求をされていた役所は観光庁、法務省、財務省、文化庁となっているというふうにお見受けしておりますけれども、これが何か、昔言われていたあの公共事業のように、何か一定割合を分け合うような既得権益となってはこれはいかぬというふうに思います。他省庁も含めてしっかり競争原理が働くような形で今後この財源が使われる、そうした仕組みを設けていくと、制度的にも設けていく必要があると思いますけれども、観光庁、この点、いかがでしょうか。

政府参考人(水嶋智君) お答えを申し上げます。
 国際観光旅客税を充当する施策でございますけれども、昨年十二月の観光立国推進閣僚会議決定におきましては、先進性が高く費用対効果が高い取組であることなどを基本的な考え方とする旨定められているところでございまして、今国会に提出しております国際観光振興法の改正法案においてもその旨が規定されているところでございます。
 また、この閣僚会議決定では、「無駄遣いを防止し、使途の透明性を確保する仕組みとして、行政事業レビューを最大限活用し、第三者の視点から適切なPDCAサイクルの循環を図る。」というふうに書かれておるところでございますけれども、また、先生御指摘ございました、そういった配分が固定化するんじゃないかといったような問題につきましても、税収の使途については、硬直的な予算配分とならず、毎年度洗い替えが行えるようにすべきというふうにこの閣僚会議決定でもされておるところでございます。
 平成三十一年度以降の税収を充当する毎年度の具体の施策、事業につきましては、こういった費用対効果の問題でございますとか、使途の透明性の確保に関する基本的な考え方を十分に踏まえまして、民間有識者の方々の御意見もいただきながら、また行政事業レビューによるチェックなども活用しながら、施策、事業の中身をしっかりと精査してまいりたいと考えておるところでございます。

里見隆治君 これまで、国としてどう使っていくかという点、確認をさせていただきましたけれども、我が国の観光また地域振興という観点から申し上げますと、これは地方自治体との関係、先ほど東北のお話もいただきました、昨日、本会議でも同僚の宮崎議員からも東北の観光振興にというお話もさせていただきました。そういう意味では、この地方への配慮という観点、大変重要だと思います。
 私も、これまでの検討経緯を拝見しておりまして、昨年の十一月、次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会の中間取りまとめで、これは知事会を代表して石井富山県知事から、今後国税によって観光財源が確保される場合には、その税収の一定割合を地方譲与税として地方に配分すること等により地方自治体における観光に係る財源の確保についても幅広く検討するよう要望が寄せられたといった経緯が示されておりました。
 これ、地方譲与税というのには限らないと思いますけれども、この財源を使って地方が、国から与えていくということではなくて、地方も主体的に観光に取り組んでもらう、そうしたインセンティブを与えていけるような、そうした仕組みづくりが大事かと思いますけれども、観光庁、この点いかがでしょうか。

政府参考人(水嶋智君) お答え申し上げます。
 まず、一般論といたしまして、観光政策と地方についてどう考えるかということでございますけれども、観光は我が国の地方創生の柱であると私ども考えておるところでございまして、明日の日本を支える観光ビジョンにおきましても、観光先進国への三つの視点の一つとして、観光資源の魅力を極め、地方創生の礎にしていくということが明記をされておるところでございます。
 現在、観光ビジョンに盛り込まれました施策を各省庁あるいは関係者の方々、地域の方々が一丸となって取り組んできていただいているということであろうかと思いますけれども、その結果、現在、地方部における外国人延べ宿泊者数が順調に伸びておるという結果も見られておるところでございまして、例えば、昨年、三大都市圏以外の地方部における外国人延べ宿泊者数は三千百八十八万人泊ということで、対前年比一五・八%伸びておるということでございまして、これは、三大都市圏が対前年比で一〇・二%増というのに比べますと、より地方部に外国のお客様が泊まっていただけるようになっているということで、着実に地方への誘客が進んでいるのではないかなというふうに考えておるところでございます。
 この地方部における外国人延べ宿泊者数を増やしていくといったことなどでございますとか、こういったことにつきましては、先生御指摘のように、地方におきましていろんな創意工夫をしていただいて、それを私ども観光庁も支援をしていくといった取組が必要になってくるのかなと思っておるところでございますけれども、そういった意味でこの税収について考えてまいりますと、この税収につきましては、私どもの国際観光振興法の改正法案におきましても三つの分野に充当する旨が規定されておるわけでございますけれども、そのうちの一つの分野といたしまして、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験、滞在の満足度向上にも充てていくということが明記をされておるということでございます。
 また、この法案におきましては、日本人を含めた負担者の納得感が得られることでございますとか、地方創生を始めとする我が国が直面する重要な政策課題に合致した使い方をしていくということも、この法案においても踏まえられておるということでございます。
 現にこの三十年度の予算におきましても、例えば観光庁では、地方公共団体の皆様が取り組む外国人観光案内所においてICTなどを活用した多言語対応、そういったものを支援するといったメニューも含まれておりまして、地方の創意工夫をこの税収を活用して応援したいといった予算内容になっているということかと思っておるところでございます。
 三十一年度以降の税収を充当する具体の施策、事業につきましては、先ほど来申し上げておりますような基本的な考え方を十分に踏まえまして、民間有識者の方々の御意見も頂戴しながら、地域の実情に応じた形となるよう、中身をしっかりと精査してまいりたいと考えておるところでございます。

里見隆治君 ありがとうございます。
 観光庁もまだ発足して何年かで、まだ数百人というレベルですかね。なかなか定員事情からそんなに大きな組織にならない以上は、地方自治体あるいは関係省庁との連携をどういうふうに組んでいくかと、そういう意味では非常に地方というのは重要なファクターだと思います。どうか連携の上、このお金が地方自治体の主体性を引き出して更に効果を増幅させていくと、そうした狙いの中でこの事業を進めていただければと思います。
 次に、今地方ということを申し上げましたけれども、国際交流という観点で、少し目を国際方面にも向けてみたいと思うんですけれども、この国際観光旅客税を納税するのは短期の観光客とは限らないと。留学生、ビジネス、学術等で往来をする外国人を含めて幅広く交流を進めていくべきだというふうに考えます。そうした観光のみならず様々な次元での交流を伸ばす中で、この税収も伸び、また観光等交流促進のための事業も拡大をしていくものと考えます。
 こうした観点から、交流人口の増加、それから日本文化の理解促進という観点でいいますと、海外における、これまでも事業、継続いただいておりましたけれども、国際交流基金の活動、これは非常に重要であり、今後ますますその意義も増してくるものであると考えます。
 今後、交流の裾野を広げるという意味で、さらに外国人と日本人との交流を拡大していくという意味で日本文化の理解を広めていく、その意味で、国際交流基金が海外で行っている日本語教育といった日本文化あるいは日本の理解を求めていくという事業、これを更に拡充して海外から日本への送り出しを後押しをしていくと、こうした事業も非常に重要となってくるかと思いますけれども、この点、外務省いかがでしょうか。

政府参考人(宮川学君) 諸外国との幅広い交流、特に海外における日本語の普及、それを通じた海外からの日本への外国人の送り出し、我が国に対する理解それから我が国と諸外国との友好関係を深める上で極めて重要であると考えております。
 外務省といたしましては、文化外交を推進していく中で、諸外国における日本そして日本語への関心が今高まっていることを踏まえまして、国際交流基金と連携いたしまして、海外における自立的な日本語の教育体制が確保されるように、専門家の派遣であるとか、現地教師等への研修、そして教育機関に対する支援、日本語能力の試験の実施など、様々な事業を組み合わせまして一層積極的に実施することが喫緊の課題であると認識しております。
 その関連で、日本語教育推進議員連盟におかれまして、国内外の日本語教育が直面する課題に対処するため、基本法の制定を検討していただいていると伺っております。
 海外における日本語の普及拡充に向けて、一層積極的、真剣に取り組んでまいりたいと存じます。

里見隆治君 今回の事業で、例えば空港、観光拠点での多言語対応の推進ということも盛り込まれておりました。
 ただ、やはり日本人と外国人の方との心と心を通じ合わせるようなコミュニケーションの促進というのは、ちょっとした簡単な挨拶言葉、ありがとうとか、こんにちはとか、そういうことをちょっと語られるだけでもまた日本への理解がぐっと深まっていくんじゃないかなと。
 先ほど、麻生大臣が、様々な海外の方が日本にお越しになる際の一つのハードルとして言葉ということをおっしゃっていましたけれども、確かに、これも先ほどお話があったとおり、様々な翻訳機器の発展という技術の発展ということもございますけれども、やはりコミュニケーションというのは基本は言葉と言葉、人対人ということからしますと、多少の日本語のコミュニケーションが外国の方にも使っていただけるようなそうした工夫を、この日本語に関する情報提供ということも今後の事業の中でやっていただきたいというふうに考えておりますけれども、この点、観光庁いかがでしょうか。

政府参考人(水嶋智君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、一般に、日本を訪れてくださる外国人の方と日本人とのコミュニケーションをより図りやすくしていくということは、訪日外国人の方の満足度の向上でございますとか、あるいは相互理解を深めていくといった観点から大変重要であるというふうに認識をしているところでございます。
 平成二十九年度に観光庁が行いました調査によりますと、訪日外国人旅行者の訪日中の不満の理由の第一位が、施設などでのスタッフとのコミュニケーションが取れないことという結果が出ておるところでございまして、今後、個人旅行化が一層進むということを考慮いたしますと、より複雑なコミュニケーションも必要となってくる場合も増えるのかなというふうに考えられるところでございます。
 このため、観光庁といたしましても、先ほど来御議論に出ておりますけれども、総務省の方が開発していらっしゃいますVoiceTraという新しい技術ございますが、こういったVoiceTraでございますとか、あるいはそのVoiceTraの技術を活用した多言語音声翻訳システムでございますとか、ICTを活用した先進的なコミュニケーション強化の取組を関係機関と連携して進めてきたところでございます。
 今回の税収との関係につきましても、昨年十二月の閣僚会議決定におきましては、この税収をストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備に充当するというふうにされておるところでございますけれども、いずれにいたしましても、具体的な施策として何を実行していくかということにつきましては、平成三十年度以降の税収の使い道ということで、民間有識者の方々の御意見も伺いながら、受益と負担の関係でございますとか、あるいは先進性、あるいは費用対効果と、そういった観点を十分に吟味した上で個々の中身を精査してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

委員長(長谷川岳君) 終わってください。

里見隆治君 はい。
 以上で終わります。ありがとうございました。