フェアトレードの普及や障がい者に配慮した社会づくりについて質問

2017.05.11 20:37(7年前) ブログ国会質疑 |里見りゅうじ(里見隆治)

5月11日、内閣委員会で東京オリンピック・パラリンピック大会を契機とした、フェアトレードの普及や障がい者に配慮した社会づくり、障がい者による芸術・文化振興について質問。

胸に付けていたのは「beyond(ビヨンド)2020」のロゴマーク。

2020年以降を見据え、日本文化の魅力を発信するとともに、共生社会、国際化に繋がるレガシーを創出するプログラムです。
丸川大臣もその推進への思いを語り、応えてくれました!

 

内閣委員会で東京オリンピック・パラリンピック大会を契機とした、フェアトレードの普及や障がい者に配慮した社会づくり、障がい者による芸術・文化振興について質問。内閣委員会で東京オリンピック・パラリンピック大会を契機とした、フェアトレードの普及や障がい者に配慮した社会づくり、障がい者による芸術・文化振興について質問。胸に付けていたのは「beyond(ビヨンド)2020」のロゴマーク

議事録

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。本日は質問の機会をいただきましてありがとうございます。
 三年後の二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、スポーツのみならず、社会、文化、芸術面で様々なムーブメントを起こそうという機運が盛り上がっております。本日は、御担当の丸川大臣を始め、政府に対してその取組についてお伺いをしたいと思います。
 その前に、冒頭、この論点に入る前に、丸川大臣に確認をさせていただきたい点がございます。それは、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの大会の費用負担についてでございます。
 東京都以外の会場での大会経費負担の在り方が決着していなかったところ、今後いよいよ大会会場の施設整備などを始めるという段階に入っておりまして、一昨日、安倍総理が、関係県の知事から早期解決への協力の要請を受けて、丸川大臣に対して東京都の案を待つことなく直ちに調整するようにとの指示をされたと承知をしております。
 この件は、東京都や大会組織委員会に主体的に取り組んでいただくにしても、オールジャパンで盛り上げていく上で政府の役割は大変重要であり、費用負担の調整に関しても丸川大臣のリーダーシップに期待するところが大きいと考えております。今後どのようなスタンス、お考えで調整に当たられるお考えか、大臣のお考えを伺います。

国務大臣(丸川珠代君) 東京都以外の競技を行う自治体の皆様とは、これまでも私ども国はその自治体の皆様側の立場に立って都とそれから組織委員会との調整に当たってきたわけでございますが、総理の御指示を受けまして直ちに調整を行いました。
 今後、仮設の部分だけではなくて、それ以外にもまだ決めなければいけないことたくさんございますので、全体の費用負担について早期の成案を得られるように引き続き努力をしてまいりたいと存じます。

里見隆治君 ありがとうございます。
 今時点でこの調整結果がどうということはないかと思いますけれども、是非とも日本全体で盛り上げていく、国と東京都、また大会組織委員会、そして関係の県、皆さんが納得のいく調整をいただくよう、リーダーシップの発揮をお願いいたします。
 それでは、私の元々の関心事項の方に入ってまいりたいと思います。
 今週末の日曜日、五月十四日は母の日でございます。皆様、お母様への感謝をどのように表されますでしょうか。
 実は先週、母の日を前に、私の地元名古屋市におきまして、愛知県立愛知商業高校のユネスコクラブの活動で母の日に贈るミニブーケ作りのイベントがありまして、私も参加してまいりました。使っているバラはアフリカ、ケニアから輸入したもので、大変大きく色鮮やかで、これを適正価格で輸入したものでございます。いわゆるフェアトレードによるものでございまして、最も身近なお母さんに感謝をしながら、遠く地球の裏側のケニアの人々の雇用、所得、教育に貢献しているというすばらしい企画であるというふうに感じました。
 翻って、今回の東京オリンピック・パラリンピックを契機として社会全般における消費、生産パターンの変革というレガシーをいかに残すか、政府あるいは大会組織委員会においても御議論をいただいていると承知をしております。
 具体的には、本年三月に大会組織委員会において持続可能性に配慮した調達コードとして取りまとめられておりまして、その点、その意義、また政府として大会組織委員会をどのように後押しをされていくお考えか。その取組の中で、二〇二〇年を契機として、今申し上げましたようなフェアトレードに関する取組を企業活動、自治体、地域、市民活動などのレベルで更に広げていくべきというふうに考えますが、丸川大臣の御所見をお伺いいたします。

国務大臣(丸川珠代君) 大変重要な御指摘をいただいたと受け止めております。
 組織委員会が本年三月に策定をしました持続可能性に配慮した調達コード、これは、地球温暖化などへの、環境問題への対応、また人権、労働問題の防止、そして公正な事業慣行の推進等の観点を考慮に入れた調達を実現するための基準や運用方法等を定めております。
 この調達コードの意義については、組織委員会がSDGsを始めとした国際的な動きも踏まえた持続可能性に配慮した調達を行うことを通じて、大会の運営主体としての社会的責任を果たすとともに、広く社会に持続可能性を重視する姿勢が定着するように働きかけていくことを示したことにあるというふうに認識をしております。ですので、国としてもこのような組織委員会の方針に協力を行っておりまして、一例としては、今年四月に組織委員会が調達を行う事業者の皆さん向けに調達コードの説明会を開催をされましたが、その場の設定を国がやらせていただきました。
 このフェアトレードについては、調達コードの中でも、調達物品等の製造、流通等における環境面、人権面、また労働面の配慮事項が規定をされておりまして、考え方としては盛り込まれていると思っておりますけれども、真にSDGsに対する理解、またフェアトレードに対する理解をより組織委員会においても深めていただくと同時に、私どももしっかりとそうしたものが社会全体に広がっていくような後押しを更に行ってまいりたいと思います。

里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 この持続可能性に配慮した調達コードにおきましては、農産物の調達基準について、障害者が主体的に携わって生産された農産物を調達することが推奨される事例として提示をされております。また、政府で本年二月に丸川大臣の下で決定をされたユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画においては、「障害のある人にとっての職域や収入拡大を図る」、途中省略をいたしますけれども、「農福連携を推進する等、障害のある人等が地域の担い手として活躍する取組を推進する。」とございます。
 そこで、丸川大臣にお伺いをいたします。障害者の活躍の場を広げるとの観点で、ユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画の基本的な考え方についてお伺いをいたします。その際に、障害者の就労機会の拡大という点においては、今例示をいたしました農業だけである必要はなく、あらゆる産業、業種で御活躍いただくべきと考えますが、いかがでございましょうか。

国務大臣(丸川珠代君) ユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画では、障害のある人もない人も、支え手側、受け手側に分かれることなく共に支え合い、多様な個人の能力が発揮されている活力ある共生社会の実現を目指しております。
 一九六四年の東京大会を振り返りますと、実はパラリンピックという名称が初めて使われた大会でございました。車椅子使用以外の障害のある選手が初めて参加をするなど、我が国の障害のある人々の社会活動の参画を促す大きな契機となりました。ですので、二〇二〇年の東京大会というのは、それから長い時を経て、今度は成熟社会日本の姿を世界に示す大切な契機であると同時に、私たちの社会が真に共生社会として成熟していく重要なきっかけでもあるという認識でございます。
 議員御指摘のとおり、農業分野での就労というのは活躍の場の一例でございまして、行動計画においては、障害のある人が活躍しやすい企業などを増やす取組として、職場定着の支援あるいは柔軟な働き方の工夫などの措置を講じる中小企業等の事業主への支援を進めていくこととしております。
 共生社会を実現する上で、障害者差別解消法の趣旨を踏まえて障害者の雇用を促進することは重要であると考えております。二〇二〇年に向けてオリパラ担当大臣としても協力をしてまいりたいと存じます。

里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 関連しまして、厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
 平成二十五年度から、障害者の就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律によりまして、国、独立行政法人、地方公共団体には障害者の就労施設等からの物品等の調達の努力義務が課せられております。この法律によりまして障害者就労施設等からの調達実績がどの程度伸びておりますでしょうか。
 事前に伺ったところ、二十五年度から二十六年度にかけての増加幅に比べると、二十六年度から二十七年度にかけての増加幅が鈍化しているようでございます。その背景をどのように分析されているか、併せてお願いいたします。

政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員からお尋ねございました障害者就労施設等からの調達実績額でございますけれども、国、独法、自治体合わせてでございますが、平成二十五年度は百二十三億円、二十六年度は百五十一億円、二十七年度は百五十七億円でございまして、委員御指摘のとおり、調達実績額の増加幅は鈍化傾向にございます。
 その背景といたしましてということでございますけれども、国等におきましてはこの障害者就労施設等からの物品等の調達の推進を図るための調達方針を作成する義務というものが課されておりますけれども、特に、二十七年度時点で全体の調達実績額の七割以上を市町村が占めておりますけれども、その市町村の調達方針の策定率というのが平成二十五年度で五八%、二十六年度で八三%、二十七年度で八九%ということになっておりまして、二十五年度から二十六年度に調達方針を立てて積極的に取り組む市町村は大幅に増えた一方で、二十六年度から二十七年度にかけては微増であったということなども増加幅が鈍化した主な要因ではないかということで考えております。

里見隆治君 それに関連いたしまして、この法律の附則の検討規定がございまして、三年以内の検討が盛り込まれております。その期限は昨年三月末だったというふうに承知をしております。この検討結果を踏まえて更に実績を伸ばすということも本来あったのではないかというふうに思っております。その検討結果及び対応状況がいかがかという点、お伺いしたいと思います。

政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員の方から御指摘ございましたとおり、同法の附則に検討規定が二つございまして、検討規定の第一項には、障害者就労施設等の物品等の質の確保に関する技術的支援や、購入者等に対する情報の提供の体制の在り方について検討するということ等を規定されております。
 厚生労働省といたしましてはこれへの対応としまして、予算事業といたしまして、平成二十七年度から、事業所が提供します物品等の質の確保の支援をするために、専門家の派遣等によります技術指導によります品質向上支援等を実施するということとともに、平成二十八年度からは、企業や自治体等に対しまして、障害者就労施設等が提供する物品等の情報提供体制を確立するための支援というものを予算事業で行っておるところでございます。
 一方で、検討規定の第二項の方では、公契約の落札者を決定するに当たりまして法定雇用率を満たしていること、あるいは相当程度の物品等を調達していることなどを総合的に評価する方針を導入することについての検討ということが規定されてございますが、この点につきましては私どもも関係省庁との間でも検討を行ったところでございますが、法定雇用率以上の障害者を雇用することは法律上の義務でもあること、それから障害者就労施設等からの相当程度の調達を行っていることが、それ自体がより優れた成果物を出せることを必ずしも保証しないのではないかといったような議論にもなりまして、今、公契約の調達に当たってその点を考慮して評価することということについては慎重な対応が必要ではないかということで考えておるところでございます。
 ただ、いずれにしましても、厚生労働省といたしましても、各省庁に対しまして、四月七日に開催されました次官連絡会議におきまして、引き続き障害者優先調達推進法に基づく調達に努めていただくように依頼いたしました。また、自治体に対しましても、二十八年の九月からは、先ほど申し上げました調達方針の未策定の自治体名を厚労省のホームページでの公表を行ったり、あるいは担当課長等都道府県の課長を集めた会議で調達方針の早期策定案の全庁的な取組の依頼ということを行っているところでございまして、私どもとしましても、引き続き、調達の増加ということが促進されるようにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

里見隆治君 ありがとうございます。
 検討事項は二点あって、一点目は具体的に予算措置もして対応いただいて実績の増につなげていただいていると。二点目の施設等から相当程度の物品を調達していることを総合的に評価する方式の導入という点については、まだきちんとした具体的な結果には至っていないということでございました。
 関係省庁との調整の中で、今おっしゃったような理由というのは、これはもう法律を規定したときから分かっている理由でして、それでもなお法律を規定したということですから、やはりこの法律の趣旨にのっとった形で、これを真摯に受け止めて積極的に前向きな検討をいただくべきだというふうに考えます。
 今、もうオリンピック、二〇二〇年を契機に、民間にも広くこうした動きをというふうに官が呼びかけている中で、国、独法あるいは地方公共団体がそういった非常に固い取組ということでは範を垂れることはできないと考えております。この点、今後しっかりと検討いただきたいということを改めてお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(坂口卓君) 今の点につきましては、今日の議員の御指摘も踏まえまして、関係省庁とも連絡しながら、改めてどのような対応ができるか、しっかり検討してまいりたいと考えます。

里見隆治君 よろしくお願いします。
 さて、二〇二〇年はオリンピック・パラリンピック、こうした持続可能性に配慮した経済活動のみならず、文化プログラムを通じて日本の魅力を発信する絶好の機会でございます。
 この観点から既に、今年に入って、丸川大臣の下でビヨンド二〇二〇プログラムの認証が進められていると承知をしております。大臣には、このビヨンド二〇二〇プログラムの意義についてどのようにお考えか、また、今後、民間にも、首都圏のみならず地方にも広く巻き込んでいく必要があると考えておりますが、今後どのように取り組んでいかれるか、お考えをお聞かせください。

国務大臣(丸川珠代君) 御指摘のとおり、二〇二〇年の東京大会というのは、スポーツの祭典であると同時に文化の祭典という側面もございます。この機会を通じて日本の魅力を発信するとともに、障害の有無にかかわらず誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会を実現することも重要でございます。
 ビヨンド二〇二〇プログラム、今御紹介をいただきましたけれども、これは、御指摘のとおり、二〇二〇年以降を見据えて、まず地域の広がり、つまり主催都市東京だけではなくて、地域性豊かで多様性に富んだ日本文化の魅力を全国津々浦々から発信をしていただくということとともに、障害者にとってのバリアを取り除く取組を含んでいるなどのレガシーを創出する文化プログラムを認証する仕組みでございまして、ロゴマークを付与することでオールジャパンで統一感を持って日本全国へ展開することとしております。
 今後は、盛り上げの観点から、さらに民間事業者の皆様、それから開催都市、開催地域以外の地方への展開が非常に重要であるという認識をしておりまして、今後はそのビヨンド二〇二〇プログラムの認証を行う組織を関係の府省庁や都道府県、また政令指定都市にまで広げることで多様な組織や地域からの申請を促してまいりたいと考えております。

里見隆治君 是非とも積極的なお取組をお願いいたします。
 今言及されました特に障害者、その文化芸術活動、これは私の地元愛知県蒲郡市で楽笑というNPO法人が、障害者を、支えられる存在というだけではなくて、創作活動を通じて地域の住民と交流を深めるという考えで創作の展示活動などをする会場を拝見してまいりました。非常に独創的な作品が多く、感銘をいたしました。
 この点、更に日本全国、二〇二〇年を契機に更に発展、広めていくべきと考えますけれども、文化庁としてこの点どういうふうにお取り組みになるか、最後にお聞かせください。

政府参考人(永山裕二君) 委員御指摘のとおり、障害の有無にかかわらず全ての人が文化芸術に親しみ、優れた才能を生かして活躍することのできる社会を築いていくことが重要だと考えております。障害者が様々な地域で文化芸術を通して活動できる、そういう環境を整えていくことが重要と考えております。
 これまでも文化庁といたしましては、障害者の優れた文化芸術活動の国内外での公演、展示の実施、また助成採択されました映画作品のバリアフリー字幕、また音声ガイド制作への支援、また特別支援学校の子供たちに対する文化芸術の鑑賞、体験機会の提供など、障害者の文化芸術活動の充実に向けた支援に取り組んできたところでございます。
 また、一昨年の六月からは厚生労働省と共同の懇談会というのを開催しております。正式名称ちょっと長いんですが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた障害者の芸術文化振興に関する懇談会というものを開催いたしまして、その場で関係機関との情報共有、また意見交換などを行ってきたところです。
 文化庁といたしましても、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機といたしまして、心豊かな生活の実現につながる文化プログラムにおきまして、こうした取組を一層充実させて、障害の有無にかかわらずあらゆる人々が文化芸術を鑑賞し、これに参加し、これを創造することができるよう、障害者による文化芸術活動を促進してまいりたいというふうに考えております。

里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。

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