参議院内閣委員会においてIR法案の質問

本日(12月12日)、参議院内閣委員会においてIR法案(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案)について、有識者の皆様にお越し頂き、質問をいたしました。
明日は法案の提出者の自民、維新の衆議院議員と、政府に対して質問いたします。
観光、地域経済の振興のための施策推進は必要ですが、カジノについては、依存症対策の必要性や治安の問題が指摘されており、きちんと丁寧に検討しなければなりません。
充実した議論をして参ります!

 

観光、地域経済の振興のための施策推進は必要ですが、カジノについては、依存症対策の必要性や治安の問題が指摘されており、きちんと丁寧に検討しなければなりません参議院内閣委員会においてIR法案(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案)について、有識者の皆様にお越し頂き、質問をいたしました。

議事録

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 本日は、この分野に御専門の参考人の先生方から貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございます。
 今回の議題、議案となっておりますこの法案につきましては、その基本理念にございます地域の創意工夫及び民間の活力を生かした国際競争力の高い魅力ある滞在観光を実現するという点において、我が国の観光立国を目指す上で大変重要なものであるというふうに考えておりますけれども、一方で、この法律案の特定複合観光施設に含まれるカジノ施設については、刑法百八十五条が賭博を厳格に禁止しているということから慎重な検討が必要という双方の観点がございます。本日は、両方の面から参考人の先生方に御質問を順次してまいりたいと考えております。
 まず、美原参考人にお伺いをいたします。
 美原参考人の冒頭の御説明では、カジノ法案というのはカジノのみならずカジノを含む統合型リゾートとして見るべきであると、さらに、その統合型リゾートが存在するその地域経済への貢献、これは、例えば財・サービスの調達とか消費とか、あるいは税収、また観光振興、地域振興と、そういった地域経済への波及効果というものも視野に入れて論じるべきであるという御意見をいただきました。
 一方で、ほかの参考人の皆様からお伺いしたところでは、実はこの経済効果というのは、なかなかこの統合型リゾートの中に閉じ込められてしまうような効果も他国において見られるということもお話として出ておりました。そうした中で、例えばコンプによって、域内での割引あるいは優待制度で域内だけでそれが消費されてしまうのではないかと。そうしたことであると、これは非常に難しい。
 そうした点で、この点についてそういった一方での御意見がある中でなおこの経済的な効果が地域的にも及ぶんだと、そういった観点での御意見を再度お伺いしたいと思います。

参考人(美原融君) 御質問ありがとうございます。
 この施設はカジノだけではございません。IR施設、例えばコンベンション施設とか会議施設に万単位のお客が来ることを考えてください。この人たちが毎日カジノへ行くとは私到底思えません。私、行きません。まあコンベンションへ行ってもコンベンションに出ないかもしれません。観光に行きますね。あるいは家族のためのお土産を買わなきゃいけないとか、結構義務があるものでございます。
 いわゆるコンベンショニストとか、様々な組織的に集客を誘引する仕組みというものは、交流とにぎわいによって消費のシナジーを生み出すということでもございます。その中のうち一部はカジノに行くかもしれませんと、こういうことではないかと思いますし、地域経済が疲弊するといっても、本当のお客さんは、例えばそこから外に出て、様々な日本にある観光資源とか食事とか楽しむのではないでしょうか。
 例えば、考えてみてください。東京とか大阪にこういった施設が来ても、その施設に三日間いて、そこで飯を食って、そこにずっといる人なんて考えられませんですよ。当然外に出て、お金を使い、観光をして楽しい食事をする、逆に地域経済は豊かになる。そういうスピルオーバー効果というものがこういう施設には存在するはずであって、カジノだけに目を止めることは必ずしも正しい見解ではないんではないか、こういうふうに思います。

里見隆治君 今のお話は、IR、この統合型リゾートの中でのお話が主だったと思いますけれども、もう一点の論点でございます地域経済への波及という点についてももう一つ詳しくお伺いをしたいと思います。

参考人(美原融君) この仕組みは手挙げ方式という形で、地方公共団体があるべきIRの姿を国に申請して指定を受けて、その地方公共団体が民間事業者の投資を募る、こういう仕組みでございます。
 この過程で地方公共団体は何を考えるべきでしょうか。地域のためにこの施設がどうあるべきなのか、本当に地域の振興効果があるのか、地域内の雇用はどうあるべきなのか、あるいは地域の財・サービスをどのように消費してくれるのか、交付金の在り方、入場料金の在り方は地方にあってどうあるべきなのか、それを地域社会で考えて、事業者と交渉しながらその誘致条件というものを定めていくことになると思います。全くのゼロではない、いわゆるいかに地域の経済効果をもたらすのか、そういう仕組みがこの法案には将来的には内在されているのではないかと思います。
 もちろん、詳細な手続等々は、今後皆様の御審議を待って、実施法の中で取り決めることになるのではないかというふうに考えています。

里見隆治君 今おっしゃったような経済効果といいますのは、先ほども皆様方の御意見をお伺いしておりますと、ターゲットが、日本人の比率が相当程度、依存症等の配慮で低く見るのか、あるいはある程度の規制をもって日本人もまあまあ、ある程度の割合まで認めるのかということによっても大きく違うと思いますし、また外国人を、いずれにしても国際観光立国ということで進めるといっても、富裕層が少なくなって、ある程度中間層をターゲットにするべきではないかという、そういったお話もある中で、日本人もある程度制限する、あるいは富裕層も少なくなってくるとなると、相当経済的にどうなんだろうかというような御意見も出てきていたように思いますけれども、その点いかがでございましょうか。

参考人(美原融君) カジノ単体に限っての御質問と、こういうふうにお受けいたしました。
 確かに、中国の富裕層は、習近平政権の腐敗汚職撲滅作戦によりまして海外に出にくくなっていることは間違いございません。その消費が少なくなってくるのも事実です。ですけれども、確かにマカオは中国人富裕層をベースにしてあれほどまで発展してきたわけですが、現実には、富裕層はいなくなっても一般顧客がどんどん増えて、その収入でもって採算をはじいている、こういう状況ではないかと思います。
 日本はどうあるべきなのか、こういう御質問でございました。恐らく、日本ではどういう戦略を取るかというのは、当然、将来設置されるカジノ事業者のマーケティング戦略とか、あるいは御指摘の国の詳細な制度の在り方、規制の在り方によっても大きな影響を受けるのではないかと、こういうふうに思います。
 ですけれども、一般論、あくまでも一般論としてでございますが、私的に考えますのは、やはり我が国においてできるカジノ場、もちろんIRというのは別にしてですよ、カジノ場というものはやはり一つの交流の場でもございますし、一定程度、相当の日本人のお客が占めることが想定されると思います。ただし、それに加えて相当数の外国人も存在し得るのではないかと、こういうふうに考えております。どのぐらいの比率なのかと、こういうふうに御質問が来るかも分かりませんですが、過半は日本人ですけれども、相当数の外国人も想定できるのではないかと、こういうふうに思います。
 ターゲットとしては、恐らく、中国人のVIPではありません。広くアジア、中国も含めたプレミアマスと呼ばれる、通常の顧客よりは若干、ゲーミングプロペンシティーと言っていますが、可処分所得のうちゲーム消費支出に一定程度割き得る消費者層というものがアジア全域に増えていることは間違いございませんので、こういう健全な、安全かつ健全、優良な顧客層をターゲットに日本は狙うべきだと思います。それがビジネスマンであり、あるいは様々なアジアの中間富裕層ではないかと、こういうふうに思います。

里見隆治君 どうもありがとうございます。
 いずれにしましても、この影響がまずプラス面において、カジノかあるいはIR内か、そして地域か日本国全体にとってなのかというその点については、これは確かにマクロでは見にくいと思いますので、先ほどもお話が出たように、地域ごとに自治体が実際にこの申請をしてくるということであれば、この自治体ごとにしっかりとシミュレーションをしていくということが非常に重要だというふうに考えます。
 その上で、これはもちろんなかなか経済性だけで物事を判断するわけにはいかない。様々な倫理性あるいは犯罪等ということも、これはなかなか数字にはならないわけですけれども、先ほど美原参考人からお話のあった否定的要素の認識、これに関連して、先ほどの御説明では、なかなかこうした否定的要因というのを定量化はしづらいというお話がございました。
 しかし一方で、その後の他の参考人の皆様から、確かに一定の条件を置いた上でということではあろうかと思いますけれども、こうした否定的要因についてもある程度指数化をして、そしてメリット、デメリットを判断をしていくという、こういった努力、こういった試みというものはやはり今後自治体で、これはこの法案が前提となりますけれども、自治体で具体的にこうした検討をしていくという際には、プラスの効果あるいはマイナスの効果、両面をある程度数値的にも捉えていくという必要がございます。
 そういった意味で、先ほど定量化は難しいというコメントをいただいておりますけれども、それについてしっかりと定量化に向けた動きを持っていくべきだというふうに私自身は考えておりますけれども、その点いかがお考えでございましょうか。

参考人(美原融君) 一つのお考えであると思います。
 定性評価、定量評価を否定するものではございませんですが、否定的な側面になる場合、例えば現在のいわゆる依存症患者の実数、内容、在り方、先ほど委員の先生方がおっしゃいましたけれども、それすら分からない状態で架空条件に仮想条件を付けても余り意味がなくなってしまう。
 そういった意味においては、地道に今の実態を正確に把握した上でそういう定量的な試みをするというのは私は結構な考え方だと思いますが、果たしてできるかどうかは別、あるいは合理的か否かは別の問題となると思います。ただし、先生のおっしゃっているように、努力をすべきだというのは私も賛成でございます。

里見隆治君 どうもありがとうございます。
 是非とも有識者の先生方には、これが実際に動いた場合という前提ですけれども、そうした手法を是非とも、皆さんが議論するに足るだけの手法というものを是非御提起いただいて、是非、感情的な議論にならないように、非常に冷静な議論に結び付くような、そうした手法を御提供いただけるように私もお願いしますし、私どもも実際議論をしていかなければならないというふうに考えております。
 それでは次に、渡邉参考人にお伺いをしたいと思います。
 渡邉参考人からは、資料の九ページで、IR推進法案が民設民営のカジノを目指す理由という点で御説明を頂戴いたしました。その中には、公的主体が運営者となることは適切でないと考えられるということでございました。
 一方で、これは以前、渡邉参考人も多少お触れになったことあったように承知しておりますけれども、これまでの競走事業、公営賭博に関しては、こうしたものは公営でやってきたという歴史的な経緯の中で、この公営賭博との整合性を維持するためには施行権を公にしておくべきではないかと、そして、公営カジノとしても、現に公営賭博で行われているように、開発、運営については民間委託することは可能である、またカジノ施設以外の施設については完全民営化することが可能であるといった考え方もあろうかと思いますけれども、この官民の関わり方についてもう一度整理をしてお伺いしたいと思います。

参考人(渡邉雅之君) 公設民営型という形、これも一つの考え方ではあると思いますけれども、これを公設民営の形にすると、比較的違法性阻却というのは確かにしやすいのは事実です。
 ただ、今回、国会の審議、要は委員会の審議の中で明らかになったこととしまして、この八つの要素、目的の公益性から始まって副次的弊害の防止までの観点、特に目的の公益性の中で、これまで、収益使途の公益性を含むという表現が、これ限定的に解されているんじゃないかという、そういう誤解があったわけですが、今回の国会審議の中で、収益の使途の公益性は、これは一例であるということが明らかになった。それから、運営主体の性格についても、官又はこれに準ずる団体であるということは、これは一例であるということが明らかになったということが法務省の答弁の中で明らかになりました。
 そういった中で、私、今回の審議を踏まえて八つの要件をやはり慎重に検討した結果、確かに、この公営競技について、どうしてこれまで違法性阻却されてきたかということがこちらの十三ページ、十四ページの図の方に出ておりますけれども、やはりこの運営主体の性格、公設、公が、要は地方公共団体なりJRAのような公的な存在であること、それから収益の使途の方が公的な目的であることということにかなり依存しているところがあったのではないかというふうに考えております。
 それに対して、今回の民設民営のカジノにつきましては、カジノ管理委員会が厳格な管理監督をしていくこと。それから、先ほども私お話ししましたけれども、ギャンブル依存症対策を始めとするカジノの負の影響につきましては、これまで全く、まあ言い方は悪いかもしれませんけれども、公営ギャンブル、それから宝くじにつきましては、三億円当たるとかこの売場で当たりましたとか、そういったことで、かなり射幸心をあおるような広告などがなされていて、ほとんど広告規制などがなされていないと。そういったところを比較考量して総合考量するということが考えられるというふうに法務省の担当者の方、それから政府参考人の方もおっしゃっている中では、そこを総合考量すると、この民設民営というこのIR推進法案の目指すもの、こちらの方を実現することは十分可能ではないかと現時点では私は考えている次第でございます。

里見隆治君 今の論点は非常に大事な点だと思います。
 先ほど他の参考人からあった運営主体等の性格については、法務省見解で官又はそれに準ずる団体に限るなど。などとある、そこをどう読むかという、そこ非常に難しい点で、これは、本当に引き続き私どもの間でも議論をしていく必要があろうかと思います。
 そしてもう一点、渡邉参考人にお伺いをいたします。
 先ほどの御説明で、若干後ろの方時間切れでございまして、後の質問で若干補足はされておりましたけれども、御提示いただいております資料でいいますと、三十三ページでいただいております依存症対策委員会の設置、これは非常に重要な対策でありますし、先ほど渡邉参考人からはカジノファーストというようなお言葉も出ておりましたけれども、私はむしろ、これはカジノがあってその上で依存症対策というよりも、これは、このカジノがどうなろうが、もう何百万と言われている依存症関係がいらっしゃる中で、もう即刻手を打つべきであるというふうに考えております。
 その上で、いずれにしても、この順番は別にして、渡邉参考人からもこの依存症対策委員会についての意義ということは先ほども触れておられますけれども、先ほどちょっと時間がなくて余りおっしゃっていただけていないと思いますので、その意義について補足をいただければと思います。

参考人(渡邉雅之君) ありがとうございます。
 三十三ページには、確かに、依存症対策委員会ということで、シンガポールにはいわゆるカジノを管理する規制当局と依存症対策の当局であるNCPGが分かれているという御紹介をしておりますけれども、ここは、基本的には立法府の方で今後議論をしていくところではないかと思います。
 今回、附帯決議の中では、ギャンブル等の依存症に関する教育上の取組を整備するという中で、また、カジノにとどまらず、他のギャンブル等に起因する依存症を含めて、関係省庁が十分連携して包括的な取組を構築し、強化することとあって、ここについては、どういう形になるかは今後政府において国民的な議論も踏まえた上で検討していくべきではないかと。
 そういった中で、先ほど、カジノファーストというか、私、IRファーストというふうに申し上げたんですが、そのやはりIRファーストという、要は、やはりカジノを含む統合型リゾートということにこの法律には意義がありますので、そこのエンジンで得た収益を生かさないとやはり難しいんじゃないかと。
 十二月八日に山本太郎議員の方が、いろいろお調べになった中で、現在その依存症対策の予算措置というのが非常に低いと。要は、地域整備振興事業予算が一千百万円、そして研修制度予算が一千三百万円、非常に低過ぎる、その対策もつい最近始まったばかりだということをお話しになったかと思います。
 やはり、この中で幾ら今後まずこういう依存症だけの対策をしていこうとしても、なかなかその予算措置というのは、決められた予算の中でこの割当てというのが幾らできるのかと。それを考えると、やはり今回の附帯決議にも入っておりますが、納付金の使途をギャンブル依存症対策に充てるというところから始めていくのがやはり一番現実的な考え方なのではないかというふうに私自身は、これは私の考えでございますが、思う次第でございます。

里見隆治君 確かに、そういった財源論ということも一方で、国会ですから考えなければなりませんけれども、これは本当に一刻も早く手を打つべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。
 それから次に、新里参考人にお伺いをしたいと思います。
 違法性の阻却という、今回の法案の中で一番の核心の部分でございますが、先ほど新里参考人の御説明ではやや柔らかくおっしゃっていたのかなというふうに捉えておりましたけれども、新里参考人の他の文献拝見をしておりますと、プログラム法としてカジノ解禁だけを一たび決めてしまえば実効的な規制は実現しない可能性が高いというようなことをおっしゃっていた文献を拝読しております。これは非常に、この国会の議決、あるいは法律の制定という国会の権能と、そして行政、政府との関わりを考える上で非常に重要な御発言だというふうに考えております。
 もう何度か御発言もいただき、また質問に対する答弁もいただいておりますけれども、この今私が引用した点について再度御発言をいただければと思います。

参考人(新里宏二君) じゃ、お答えいたします。
 まず一つは、やっぱり違法性阻却のところをどう考えるのかという意味では、例えば民営賭博についてどう考えるのかというのが一番大きなところだと思います。それからもう一つは、依存症対策をどうするのかというのは、いわゆる解禁を先に決めてしまえば、なかなか厳しい規制というのは掛けられない。
 実は、僕、韓国の調査に行った際に相談窓口、ソウルの相談窓口のところに行ったんですけれども、例えば江原ランドの場合は、地域住民以外は月十五回まで入ることができるんですね。それって全く機能しないんじゃないですか、もう少し制限すべきじゃないですかという話をしたんです。特に、あれは公的なお金が入っているんでしょうと。いわゆる半官半民の仕組みなんですね、あの江原ランドというのは。だったら、公的な圧力で例えば回数制限をきちっとやることできるんじゃないですかと言われたときに、一旦解禁してつくってしまうと、営業の自由とかあって、なかなかそういう規制って掛けられないんですよと言うんです。
 ですから、まさしく先にどういう骨組みをつくるかということをしない限りは、後で困ったからって、直しましょうかといったときに、いや、それって私たちの営業の自由奪うでしょうという話になりかねない。ですから、まさしく一番先のところに基本構想というのが大事。そこがないと、だんだん開発する側に押されてしまって、規制がどんどんどんどん後退してしまうのではないかということを先ほどそのような形で、私の発言をそのように言っていただいたのかなというふうに思います。

里見隆治君 どうもありがとうございます。
 また、今日、新里参考人の肩書をもう一度拝見しますと、多重債務問題検討ワーキンググループ座長と、日弁連でそういったお立場で御活動されているということですけれども、この多重債務問題、これはもう必ずしもギャンブル依存症だけには限らない、もっと広い話であろうかと思いますけれども、おおよそこの多重債務問題の中でどれぐらいギャンブル依存症の占める割合が、位置付けがあるのかという点と、それから、多重債務問題との関わりの中でギャンブル依存症についてどのように対応していくべきとお考えなのか、もう一度お伺いをしたいと思います。

参考人(新里宏二君) じゃ、お答えいたします。
 日弁連では破産の調査をしたりしております。そうすると、ギャンブル依存が疑われるケースは五%程度だと出ているんですけれども、どうも必ずしも、それは暗数であって、なかなか正確な数字ではないのではないかとも言われておって、二割を超えるのではないかというふうな調査結果もございます。そういう意味では、相当数の多重債務の原因になり得るということが依存症の問題ではないかなというふうに思っています。
 じゃ、どういう対策をするのかということからすると、今は依存症の方、僕らがあるとすると、例えば精神科のところにつないで、そこに、自助グループがあるところにつないで、きちっと不断に仲間同士でカウンセリング、いわゆる話合いをしながら、そこに通っているうちは依存症に、ギャンブルに進まなくて済むと。そこを離れてしまうと、何年たっても、ぽっと離れてしまって、そして少しやってしまうとまた戻ってしまうというところがあるので、そういう相談窓口だけじゃなくて自助グループのところをどう国が支援をしていくかというところが大きな課題になってきて、これが非常に大変な作業、それをやっていかなきゃならないところじゃないかなというふうに思います。
 それからもう一点だけ。
 やはり正規の借入れだけではなくて、韓国でサチェという、日本では闇金でございます。それから、シンガポールではローンシャークという、これも闇金でございます。それがどうも非常に暗躍をしていて、それが人の命に関わる。いわゆる取立てが非常に厳しいものですから、追われてしまって自殺をしてしまう。
 実は、シンガポールの牧師さんのグループが自助グループ、相談窓口をつくっていったんですけれども、その原因は何かというと、ギャンブルで借金をして、一回はみんなが、牧師さんたちが助けたそうです。ところが、もう一回同じように借りてしまって、やっぱりギャンブルで、それで、もう駄目だよと言ったところで自殺をされたという苦い経験の下に、じゃ、自分たちでやっぱり相談窓口をつくっていこうよということになったと。
 すごくギャンブル依存のところとローンシャーク、闇金のところが非常に密接につながっていて、もし日本でも、今闇金もいて、抑え付けることはできているわけですけど、その問題というのは非常に重要な観点ではないかなというふうに思います。

里見隆治君 ありがとうございます。
 もう少し聞きたい点があるんですけれども、もう時間ございませんので、次に鳥畑参考人にお伺いをしたいと思います。
 鳥畑参考人、地域という観点で御説明をいただきまして、非常に参考にさせていただきました。本法案においては、一つの申請主義、地方公共団体の申請に基づき、国の認定を受ければ特定複合観光施設区域となるとされているわけですけれども、そうした意味で、この法案を前提とすれば、まさに地方における申請前の十分なコンセンサス形成をどのようにしていくべきかと、これは、この法案が前提ですけれども、非常に重要なテーマになろうかと思います。
 そうした意味で、衆議院の内閣委員会での附帯決議では、公営競技の法制に倣い、地方議会の同意を要件とすることといった点、決議されておりますし、あるいは先ほどの鳥畑参考人の御説明の中では住民投票といったお話もございました。
 仮にこの法案が地方で動くということを前提とした場合に、こうした地方でのコンセンサス形成の在り方について、住民投票あるいは地方議会の同意といった様々な選択肢がある中でどれを選ぶか、あるいはどのようなプロセスを経るべきかという点について、もう少し詳しく教えていただければと思います。

参考人(鳥畑与一君) これまでの議論の中で、経済的効果をまず強調するわけですね、経済的効果がなければ違法性を阻却できないということで。そうすると、それなりの規模がないと駄目だという議論になっているわけですね。
 そうしますと、今、例えば横浜でありますとか大阪でありますとか見ると、非常に根拠が曖昧なままに経済的規模が誇張されているんじゃないかと。横浜の場合は、オーストラリアのメルボルンのカジノが年間これぐらい来ているからこっちもこれぐらい来るというのを前提にして、シンガポールでは建設費が二千五百億円ぐらいで済んだからこっちも二千五百億円でやるというような、かなり雑な構想になっていると思うんですよ。ともかくもうそこで経済的効果をちょっとかさ上げをして申請をしてということなんですね。
 私が言いたいのは、そういう形で経済的効果を強調します、統合型リゾートですよと。確かに、カジノ以外のお客さんが来て、それ以外の方は地域でお金使ってくれること、それはあると思います。でも、その収益エンジンとしてのカジノ、ここでは例えば数千億円、例えば六千億円としますと、ラスベガスで平均の消費額、ギャンブル投資額が五百七十ドルぐらいなんですね、三泊四日で。じゃ、六万円としますと、六千億円、一千万人の人が来て、要するに負けて帰ってくれなければ成り立たないということになるわけですね。だから、そういった意味で、それだけの地域からお金を吸い上げるということが果たして地域振興になるのかということが一点です。
 それから、審議の中で、確かに附帯決議で議会の合意というのが入りました。それから、やり取りの中で住民の合意という言葉も出てきました。ただ、そこのところが非常に不透明でして、要するに、議会といった場合に、県レベル、府レベルの合意と、やはり実際にカジノが建設される受入れ地域、そこのコミュニティーの意思をどう問うのかと。
 例えば、直近、アメリカ・ニュージャージー州でアトランティックシティーが駄目になりました。そうすると、ニュージャージー州が何しようとしたかというと、ニューヨーク州に近いところにカジノを造ろうとしたんです。じゃ、住民投票をかけると、もう圧倒的に否決されちゃったわけです。
 だから、最終的にそういう本当に影響を受ける地域の意思をどう尊重するのかということがやっぱりプログラム法で明確にしないとまずいんじゃないかなというふうに思っております。

里見隆治君 ありがとうございます。
 時間になりましたので以上で終わりますけれども、最後、一点、鳥畑参考人からいただいた資料の表の十二でオンラインというギャンブルの類型があって、これはまた別な意味で、このカジノの今回の法案とは別な意味で、非常にアクセスがともするとしやすいという意味で別な課題としてあろうかなと思いますので、これはまた別な場で議論していきたいと思います。
 どうもありがとうございました。