国会で初質問

2016.10.24 18:00(7年前) メールマガジン国会質疑 |里見りゅうじ(里見隆治)

10月20日、参議院内閣委員会で、内閣府担当大臣をはじめ9人の大臣の所信演説に対する質疑があり、私も初めて、35分間の質問に立たせていただきました。

10月20日、参議院内閣委員会で、内閣府担当大臣をはじめ9人の大臣の所信演説に対する質疑があり、私も初めて、35分間の質問に立たせていただきました。

加藤勝信「働き方改革」担当大臣に、若い世代の皆様に明るい希望を持ってもらえるよう、そして、過労死・過労社会のない、一人も置き去りにすることのない「一億総活躍社会」の実現を目指して、下請け取引との関係や業界ごとの取り組みなど、政府を挙げて各省連携しての推進を訴えました。

また、外国人材の受入れに際しては自治体の関与、日本語教育が重要だと指摘し、きちんとしたルールの中で推進すべきと主張しました。

さらに、加藤大臣は、「子ども・子育て支援」の担当でもあるため、認定こども園、今年度開始した企業主導型保育などが利用者ニーズに応じて適切に運用されるように、また、保育士の処遇改善、幼児教育の無償化など関係予算の拡充を訴えました。

一方、山本幸三「地方創生」担当大臣には、愛知県で今月始まった有料道路の運営民営化事業による地域活性化の意義と、これを契機として各分野、各地域で民間活力による経済再生をと訴えました。

これらの質問に対して、加藤大臣から、「働き方改革」について指摘された事項を政府の働き方改革実現会議で議論し、年度内に実行計画をとりまとめる、などの答弁をいただきました。

今後、現場の課題を追求しながら、「質問力」をつけて参ります!

今後、現場の課題を追求しながら、「質問力」をつけて参ります!

議事録

里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。先般の参議院選挙で愛知選挙区において初当選し、今回初めて質問に立たせていただきます。
 私は、昨年まで厚生労働省で勤務をしておりまして、これまで内閣官房あるいは内閣府において、行革事務局、あるいは地方創生推進室に当たる当時の地方活性化推進室で勤務した経験もございます。その意味で、御縁ある内閣委員会に今回所属となり、大変うれしく、また有り難く思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、地方創生、働き方改革、また子ども・子育て支援について御質問させていただきます。
 まず初めに、地方創生担当の大臣として国家戦略特区を担当されている山本幸三大臣にお伺いをいたします。
 私の地元愛知県が昨年国家戦略特区として指定を受けまして、その事業の一環として、愛知県道路公社が所有をしている知多半島道路など八路線の有料道路の運営の民営開放、すなわちコンセッション方式の制度の導入を日本で初めて行うこととなりました。
 この画期的な事業がスタートいたしました今月一日に、山本大臣には、御多忙のところ、愛知県半田市での式典にお越しをくださいました。大臣、誠にありがとうございました。私もその式典に参加をし大臣をお迎えをした一人でございますけれども、四年半前、まさに私が特区を担当したときに愛知県から非常に画期的な御提案をいただき、そしてそれがいよいよ実現の運びとなったということで感慨もひとしおでございます。
 今回の有料道路コンセッションは、まずは道路の安全性を確保した上で、効率的な道路運営を推進するとともに、パーキングエリアとされるその地域と連結させる形での観光振興など地域活性化を目指すもので、先週、私も愛知県の阿久比町に参りましたところ、地元でも今回の事業への大きな期待の声を伺ってまいりました。
 そこで、山本大臣、今回の愛知県の有料道路コンセッションについて、その意義と今回の事業に対して期待されるところをお伺いいたします。

国務大臣(山本幸三君) 御指摘の有料道路コンセッションは、まさに特区の制度を利用いたしまして、長年にわたり公共が行ってきました有料道路の運営を料金徴収権も含めて民間に開放するものでございます。
 今回の愛知県における事業は我が国初の画期的な取組でありまして、大村知事始め関係者の皆様のこれまでの御努力に深い敬意と感謝を申し上げる次第であります。私も先般半田市で行われました式典に参加させていただき、喜びを分かち合ったところでございます。
 政府として、国家戦略特区による岩盤規制の改革は最重要課題の一つでありますし、中でも民間事業者による新たな市場を切り開く各種インフラのコンセッションは重点分野の一つであります。愛知県における本事業が、後に続く様々なインフラコンセッションにとって良き先例となり、愛知方式として日本全国に広がり、あるいは世界に広がり、地方創生と岩盤規制改革につながることを期待しているわけであります。
 民間の知恵と工夫を活用していただいて、是非大きな成果を上げていただきたいと願っているところでございます。

里見隆治君 私もこの事業、しっかりと支援、応援をしてまいりたいと思いますので、大臣、引き続き御指導よろしくお願いいたします。
 本年六月に閣議決定されました日本再興戦略二〇一六には、国家戦略特区について、公共施設等運営権の活用等によるインバウンドの推進を重点として取り組むべき分野として例示をされております。今後、空港、水道、下水道、また、文教施設、公営住宅など、ほかの分野への展開について、事業の効率的、効果的な運営、民間活力の活用による経済再生に関して武村大臣政務官にお伺いをしたいと思います。

大臣政務官(武村展英君) 委員御指摘のコンセッション事業でございますが、公共施設などの運営を幅広く民間に委ねる方式でございます。料金の設定や徴収、新技術の採用につきまして民間の経営裁量を大幅に認めることが可能となり、その積極的な活用が重要であると考えます。
 このため、本年五月に決定をいたしましたPPP/PFI推進アクションプランにおきまして、空港、水道、下水道、道路に加えまして、新たに文教施設、それから公営住宅も重点分野に追加するなど、取組を強化したところでございます。
 内閣府といたしましては、今後とも関係省庁と連携をしながら、コンセッション事業の積極的な活用を推進してまいる所存でございます。

里見隆治君 是非ともよろしくお願いいたします。
 山本大臣と武村政務官には御退席をいただいて結構でございます。ありがとうございました。

委員長(難波奨二君) 山本大臣と武村政務官、御退席いただいて結構でございます。

里見隆治君 続きまして、日本が少子高齢化という課題に挑むに当たって、安倍内閣の最重要課題と位置付けられる一億総活躍社会の実現のための最大の鍵となります働き方改革について、御担当の加藤大臣にお伺いをいたします。
 本年上半期、私も関わりましたけれども、公明党青年局として行ってまいりました政策アンケート調査で、全国で一千万人を超える若い皆様からのお声を頂戴してまいりました。その中の多くが、最低賃金の引上げなど非正規労働者の待遇改善、同一労働同一賃金の実現、また、月曜日午前中半休を取るなど休み方の多様化、子育てと仕事の両立といった働き方に関する事柄でございました。こうした若い世代の皆様に明るい将来を、展望を持ってもらうという観点から、加藤大臣の働き方改革に向けた決意、またお考えをお伺いしたいと思います。

国務大臣(加藤勝信君) 里見委員におかれては、厚生労働省、特に労働省に入られたということでございまして、これまでのそうした経験に基づいてまたいろいろと御指摘をいただければというふうに思います。
 今、私どもの一億総活躍プラン、そしてまた、働き方改革でありますけれども、申し上げるまでもなく、我が国の経済成長の隘路、その根本には少子高齢化という構造的な問題がある、そしてこの問題に真正面から立ち向かうためには、まずは誰もがその能力を十分に発揮できる一億総活躍社会をつくっていかなければならない、そして、その最大の鍵が働き方改革であり、また、その働き方改革の目的は働く方により良い将来の展望を持っていただくということにあるというふうに思っております。
 今、若い皆さんのアンケート調査の中にもございましたけれども、例えば、同一労働同一賃金につきましても、正規と非正規の労働者の格差を埋めて、そのことが多様な働き方の選択肢を処遇の差を気にすることなく選べる、こういう社会を実現をし、若い皆さんが将来に明るい希望を持てるようにしていく、また、そのことが中間層の厚みを増していく、そういう社会につながっていくと思いますし、また、長時間労働の慣行等にも、しっかりと努めていきたい、今いろいろ御指摘あったことにつきましても、総理自らが議長となり、これまでよりレベルを上げて、労使トップ、有識者に集まっていただく働き方改革実現会議において、そうしたことを項目として、働く人の立場、視点に立って議論を進めていきたい、こういうふうに思っておりますし、年度内を目途に働き方改革実行計画を取りまとめていく。そして、取りまとめて終わりではなくて、それから先が大事でありまして、可能なものからスピード感を持って実行に移していきたいと、こう思っています。

里見隆治君 ありがとうございます。
 今大臣より御答弁のありました働き方改革実現会議、ここで年度内に具体的な実行計画をお取りまとめいただけるということで、私ども公明党としましても既に働き方改革実現推進本部を設置しておりまして、本内閣委員会の西田実仁議員あるいは私もこの本部に入りまして精力的に議論を進めておりまして、党としても具体的に政府に御提言をしてまいりたいと思っております。
 今後、議論を進めていくに際して、この働き方改革実現に向けてベースとなりますニッポン一億総活躍プラン、こちらを拝見しますと、国民の関心の高い長時間労働の是正につきましては、労働の質を高めることにより、多様なライフスタイルを可能にし、ひいては労働生産性の向上につながるとございます。確かにそのような前向きな意義は当然ございますけれども、長時間労働というときにまず私の念頭に浮かぶのは、長時間労働や過重な負担による過労死、また過労自殺、これをいかになくしていくか、そのことにあろうかと思います。
 一昨年、新たに過労死等防止対策推進法が施行され、国の責任も明記をされました。しかし、その後も過労死、自殺はやむことなく、先週末もその疑いで東京労働局が立入調査をしたといった事実もございます。一人も置き去りにすることのない一億総活躍社会の実現、過労死、過労自殺のない社会の実現という観点において、是非とも大臣の御決意を伺いたいと思います。

国務大臣(加藤勝信君) 過労死に強く関連しております長時間労働、これをしっかり是正をしていくということは、この働き方改革、この我々の中心と、一つというふうに考えております。
 先ほど申し上げさせていただきましたけれども、昨日の会合において安倍総理から、長時間労働によって過酷な状況の中で自ら命を絶つという大変悲しい出来事がありました、このようなことは二度と起こしてはならないとの思いの中で、やはり働き方改革を進めていかなければならないと思っていますと、こういう強い意思の表明がありまして、私も同じ考えでこの問題にしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 働き方改革実現会議においては、時間外労働の上限規制の労働基準法の在り方を含めて、この長時間労働の是正について、働く人の立場、視点に立って議論を進めて、先ほど申し上げた年度内にその計画を取りまとめていきたいと思っています。

里見隆治君 どうぞよろしくお願いいたします。
 さらに、この労働の関係で、ニッポン一億総活躍プランにおきましては、関係省庁が連携して下請などの取引条件にも踏み込んで長時間労働を是正する仕組みを構築するとして、具体的な、IT、トラック、あるいは医療といった分野を挙げてそのお取組の計画が掲載されておりますけれども、この働き方改革実現会議では、厚労大臣あるいは国土交通大臣、経済産業大臣も構成員となっておられます。是非とも、加藤大臣のリーダーシップの下で政府を挙げて下請取引の関係や主要な業界ごとの取組など各省連携施策を積極的に進めていただきたいと思いますけれども、この点いかがでしょうか。

国務大臣(加藤勝信君) 長時間労働の背景には、短期の納期発注や急な仕様の変更などの取引関係に係るもの、また賃上げについても、元請からの単価引下げ要請など、そうした取引環境が影響しているというケースも見られているわけであります。
 今お話がありましたニッポン一億総活躍プランにおいても、長時間労働の背景に下請法や独占禁止法の違反が疑われる場合に、その取締りを通じて長時間労働を是正する仕組みを構築していく、また、IT業界、トラック業界において、発注者と荷主の協働により、急な仕様の変更、長い手待ち時間など、取引の在り方の改善と長時間労働の削減に進め、また、医療分野における勤務環境改善にも取り組むということで、各関係省庁とも連携しながら長時間労働を是正する取組をしっかりと進めていきたいというふうに思いますし、また、働き方改革実現会議の議論においても、これは各省横断的になるということでこういう形を取っているわけであります。
 総理の指示をしっかり受け止めつつ、関係大臣と緊密に連携を取りながら、しっかりと議論を進め、そして取りまとめをしていきたいと思います。

里見隆治君 是非ともよろしくお願いいたします。
 こうした今論点となりました下請など取引条件につきましては、民間企業の取組を促すのみならず、足下の中央、地方の行政機関の発注についても配慮が必要と考えます。行政機関が民間企業に業務委託を行っている場合に、例えば年度途中、ちょうど今月一日は最低賃金の改定が実施された時期にも重なりますけれども、こうした時期にあって、ぎりぎりの契約額で契約をしていた業務委託先における最低賃金の履行確保に支障が生じるといった話を現場で伺っております。
 こうしたことを踏まえますと、下請との取引という点では、民間企業のみならず、政府自ら、中央、地方の行政機関の業務の発注方法、契約方法などの見直しにつきましても是非御検討いただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

国務大臣(加藤勝信君) 働き方改革を推進する視点という観点から立っても、国、地方において発注する、その発注に当たっては、働き方、その発注先の働き方に配慮した契約を推進するということは大変重要だというふうに思います。
 官公需法に基づく基本方針、これは中小企業庁から出されているものでありますけれども、仕様や納入条件を明確に定めること、納期の設定で配慮すること、中小企業が受注しやすい環境づくりに努めることなどが言われているところでございます。また、総合評価落札方式等による国の調達において、契約内容に応じてワーク・ライフ・バランスの取組状況を加点項目に設定するという、ある意味では女性活躍を推進するという視点からの公共調達面での対応も今年度から開始をしているところでございます。
 こうしたことについても、地方公共団体の調達においてもこうした国における取組に準じた対応を是非図っていただけるようしっかりと働きかけをしていくことによって、国、地方を通じて働き方に配慮した調達というものを推進をしていきたいと思います。

里見隆治君 是非こうした点にも御配慮をいただきながら、働き方改革の実現のため御尽力をいただきますようお願いいたします。
 次に、外国人材の受入れについて引き続き加藤大臣にお伺いをいたします。
 外国人材の受入れについては、ニッポン一億総活躍プランには触れておられませんでしたけれども、先般の第一回働き方改革実現会議において、総理から取り上げるテーマとして挙げられたというふうに伺っております。
 外国人材といいましてもいろいろなスキームがございます。私の地元愛知県は日本有数の外国人が多く住む地域でございますが、私自身、日系ブラジル人の方、あるいは製造業、農業に従事される技能実習生、またフィリピン、インドネシアなどから来られているEPAによる看護・介護人材など、多くの外国人、愛知県にお見えでいらっしゃいまして、御本人あるいは関係者と懇談をする機会も持っております。
 加藤大臣は、内閣府にあっては日系定住外国人施策の推進の御担当であらっしゃるとも承知しておりますけれども、私、日系人といって思い出しますのは、今から八年前、リーマン・ショックの影響で大量の方が離職を余儀なくされ、そして再就職を諦めて日本を後にして帰国をされた方、あるいは日本で残って再就職を目指すも、何年も滞在期間があったにもかかわらず日本語がまだまだ不十分で、日本語の研修を受けるところから始めざるを得ない方、そういった事情があり、私も当時担当として愛知県の豊田市や安城市など西三河地方を訪れて、実務面での対策を推進させていただきました。
 一九九〇年代から、人手不足という時代背景もあって日系人の受入れに門戸が開かれ、自治体、企業に歓迎をされて入国されたはずの外国人とその御家族が、二十年経過してそのような不幸な状況を迎えられたという経験を忘れてはならないと思います。かといって、私は、受入れに消極的である必要はなく、しっかりとしたルール作りの中で外国人材の受入れを検討していくというのが私の考えでございます。
 例えば、受け入れる地域の自治体の責任を明確化していく。この点は、従来の構造改革特区において、技能実習生の受入れに際してその人数枠を拡大するという特例がございますが、その際、受入れ自治体がその関係の実施団体、実習機関を定期的に訪問するといった一定の責任を負わせるという形でも例がございます。また、現在、衆議院で継続審議中の外国人技能実習生に関する法律案においても、技能実習生が受け入れる地域において、関係行政機関から成る地域協議会において、この協議会に自治体が関与するという仕組みがあるということもお考えだというふうに伺っております。
 また、これとは別の論点で、受け入れる外国人の日本語能力についても、日本で日本人と一緒に生活、就労していくにはそれぞれの分野に応じて一定以上の能力が必要だと考えます。今後、政府が進めようとしている介護人材の受入れについても、まさに介護が対人業務であると、コミュニケーション手段としての日本語が大変重要だということからしますと、日本語の要件など質の担保が必須と考えます。
 こうした外国人材の受入れについて、自治体、受入れ企業の関与の在り方、あるいは日本語能力の在り方などを含めて、その進め方について、加藤大臣のお考えをお聞かせください。

国務大臣(加藤勝信君) 外国人の受入れに関しましては、これまでも専門的な技術等を持った外国人の受入れ促進を図ってきたところでありますし、また技能実習制度等もあります。そしてまた、委員も御指摘がありました、この国会には外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案などを提出しているところでございまして、まずは、政府としてはそうした法案の成立の全力を取り組んでいきたいと思っております。
 また、将来的な意味での外国人材の受入れの在り方については、先般の経済財政運営と、運営の基本方針二〇一六にも書かせていただいておりますけれども、真に必要な分野に着目しつつ、総合的かつ具体的な検討を進めていくということでございまして、こうした流れも踏まえて、今回も働き方改革実現会議の一つのテーマとして外国人材のことを取り上げているところでございます。
 その上で、日本語の話がございました。日本語、特に海外から来られた方については、日本語能力を身に付けていただくということは、日本で生活をしていただく上でも大変重要な課題であります。外国人に対する日本語教育については文部科学省を中心に取り組まれているところでございますけれども、先ほど御指摘がありました日系定住外国人施策の推進という観点から、一昨年、平成二十六年三月に、「日系定住外国人施策の推進について」というのを作成をさせていただき、この中では、日本語能力が不十分である者が多い日系定住外国人を日本社会の一員としてしっかりと受け入れ、社会から排除されることがないようにするということとして、その基本的な考え方の一つにおいて、日本語で生活できるために必要な施策等を掲げて、それにのっとって、今文科省がるる政策を推進をし、また本年五月にもその実施状況をチェックをさせていただきまして、文科省においては、日本語教育推進会議の開催、あるいは、生活者としての外国人のための日本語教育事業の実施等の報告も受けているところでございます。
 内閣府としては、引き続き関係省庁、また今お話がありました地方公共団体とも連携しながら、日系定住外国人に係る日本語教育が的確に進んでいけるようにフォローアップに努めていきたいと考えております。

里見隆治君 今大臣から御答弁をいただきました外国人を対象とする日本語教育、これは今大臣からもお話がありましたように、文部科学省、法務省、外務省、厚生労働省、経済産業省、また内閣府と、それぞれが担当している状況で、統一的な方針の下に実施しているとは考えられない状況でございます。是非とも、これから、せっかく総理からもこうした外国人材の受入れという点で論点をいただきましたので、内閣府のリーダーシップの下、政府を挙げて、どういった統一的な方針を持ち、どのようにばらばらではない統一的な日本語教育を実施していくか、是非とも検討を深めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 また、次に、今後、高度外国人材をしっかり受け入れていく、これがまさに日本の経済再生にもつながっていくわけでございますけれども、そのためには日本に来てもらうメリットを大きくし、また逆に、その来ていただくための障壁を小さくしていくということが重要でございます。例えば、実際に高度外国人材を転勤等で受け入れている企業からは、万一その外国人の方が日本に住所を持ったまま不幸にして国内でお亡くなりになった場合には、相続税が日本国内のみならず国外の財産共に課税されてしまうために来日をちゅうちょされることがあるとして、障壁の具体例として挙げられております。
 こうした受入れの障壁を少しでも減らしていくということが、今後、日本経済を再生していく上で重要であると考えます。こうした税制上の障壁を減らしていく、取り払っていくという観点について、経産省中川政務官にお伺いしたいと思います。

大臣政務官(中川俊直君) 里見委員におかれましては、非常に見識のある御指摘を賜りまして、経済産業省としても思いを共にしているということで、心からこうした質問に感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 現行の日本の相続制度、税制では、たとえその被相続人又は相続人が外国人であっても、日本国内に住所がある場合、こうした場合につきましては被相続人の国外の財産であっても委員御指摘のとおり日本の相続税の課税対象となっております。これにより、例えば企業内転勤などによって日本国内に在留している外国人が死亡した場合、日本の国内財産のみならず海外の、国外の財産までも日本の相続税の課税対象となっております。
 このため、私も直接アメリカの在日商工会議所等々からも要望をいただきながらも、多くのところから要望があるんですけれども、日本で働く高度外国人材や来日を検討している高度外国人材から懸念の声が上がっているというのは、実際問題、本当に事実でもあります。
 こうした中で、実は、安倍総理を先頭に今政府の方も、世界で最もビジネスをしやすい国に日本をしていくんだという不退転の決意の下で、経済産業省なども、例えばジェトロと連携をしながら、一年間で国外も含めておよそ今年だけでも百十六件、ジェトロ主催の対日投資セミナーというのを開催をしております。総理自らも海外に渡ってそこに直接六回も出て訴えているといった現状でもある中で、投資環境の一層の向上に向けて様々な取組を進めていくということが大事だろうというふうに考えております。
 当然のごとく、相続税についても、このような懸念を踏まえまして、高度外国人材が日本で安心して働いていくことができる環境を整備をして、そのような人材の一層の呼び込みを図るために、いよいよ税制改正大綱等々も、要望というのも本格化してまいりますけれども、経産省といたしましても日本で働く高度外国人材などに関する相続税などの課税範囲の見直しの要望を行っているところでもあります。引き続き財務省とも協議をしてまいりたいというふうにも思っておりますけれども、非常に大切な視点でもあるというふうに存じておりますので、委員におかれましても引き続き応援を賜りますようによろしくお願いを申し上げたいと存じます。

里見隆治君 中川政務官、大変力強い御答弁ありがとうございます。是非とも税制改正要望、これが実現しますよう、私も御支援をし、また共に実現へ向けて頑張っていきたいと思います。そして、日本の経済の再生につなげてまいりたいと思います。
 中川政務官におかれては御退席をいただいて結構でございます。

委員長(難波奨二君) 中川政務官、御退席いただいて結構でございます。

里見隆治君 続きまして、子ども・子育て支援対策につきまして加藤大臣にお伺いをいたします。
 一億総活躍社会の実現のために、現役世代の働き方改革とともに、少子化対策、子ども・子育て支援をより一層推し進めていく必要がございます。子ども・子育て支援については、昨年度より、幼保連携型認定こども園や地域型保育給付、地域子ども・子育て支援事業が新たに法律的に位置付けられ、新制度としてスタートをいたしました。さらに、今年度から企業主導型保育事業がスタートし、先ほど岡田議員も御質問をいただいておりましたけれども、今後その活用により特に都市部での待機児童の解消が大いに期待をされるところでございます。こうした制度を今後、より効果的に運用していくために、適時適切に制度の運用状況を確認し、また課題が生じている場合にはその解消を図りながら進めていくことが重要だと考えます。
 私も、現場の施設の方に、また保護者の皆さんにその実態についてお伺いをしてまいりました。そのお声を多少御紹介をしますと、国が様々な子供の支援施策を打ち出しているということは大変喜ばしいと、その一方で、その運用についてはもう少しきめ細かく対応してほしいといった御要望も承っております。例えば、この四月から制度が導入されております企業主導型保育事業は、国が主体となって行う事業で、国と事業者が直接やり取りをするために、その利用者数が事前に市町村として把握しにくく、企業主導型保育事業がスタートした後に、その周辺の保育所、また幼稚園などで、あるいはこども園などでかえって欠員を招いてしまうのではないかといった心配の声もいただいております。
 また、認定こども園を利用するに当たって、いわゆる二、三号認定の子供に関しては、利用者である保護者が居住する市町村に認定申請を行うことになりますが、例えば居住地と勤務地が市町村をまたいでいる場合や、あるいはまた、どうしても隣の市町村の認定こども園に行かせたいといった場合に、隣接する他の市町村への広域入園について市町村の役場で、はなから認められないと門前払いされてしまうといった事態もあるようでございます。
 政府としては、せっかく様々なメニューをきめ細かく用意をして多様なニーズに対応していこうということでございますので、今申し上げたような、例えばですけれども、複数の市町村をまたぐ場合でも、こうした事態を回避して利用者と施設の調整がうまく図られるように、まずは事業の実施主体である市町村が利用者目線に立って隣接する市町村との連絡調整をきめ細かに行えるように、また、市町村の境界を越えて広域の調整を担うべき都道府県がしっかりとその責任を果たしていく必要があると考えます。さらに、こうした市町村、都道府県を内閣府としてもしっかり御指導いただきたいと考えますけれども、加藤大臣の御所見を伺いたいと思います。

国務大臣(加藤勝信君) 昨年四月からスタートいたしました子ども・子育て支援新制度においては、市町村を実施主体としつつ、今御指摘がありました広域的な観点を都道府県が支えると、こういう仕組みになっております。
 このため、子ども・子育て支援法及び内閣総理大臣が策定する基本指針において、都道府県は、子ども・子育て支援のうち、幼稚園教諭及び保育士等の人材の確保及び資質の向上等を行うとともに、地域において適切に子ども・子育て支援が提供されるよう、各市町村の区域を越えた広域的な調整などを行うこととされているところであります。
 この子ども・子育て支援新制度が円滑に実施していくためには、今申し上げた広域調整役としての都道府県の役割は大変重要と考えておりまして、市町村が子ども・子育て支援の実施主体としての責任をまずは果たしていただくわけでありますけれども、都道府県においても広域的な観点からの支援が行われ、一番大事なことは、そこに住み、子育てをしながら働かれる方々が安心してそうした対応ができる、そういう環境ができるようにしっかりと取り組ませていただきたいと思います。

里見隆治君 大臣、是非とも御指導よろしくお願いいたします。
 次に、子ども・子育ての裏付けとなる予算の確保についてお伺いをいたします。
 加藤大臣は、所信で、保育士等の処遇改善や残された〇・三兆円超の財源確保を含め幼児期の教育、保育、子育ての支援の充実に全力を尽くすとのお考えを述べられておりました。
 しかし、二十九年度概算要求では事項要求のみで、具体的な金額は今後の予算編成過程に委ねられております。是非とも、必要な額をしっかりと確保いただくべく、大臣に御尽力をいただきたいと思います。特に、技能や経験が豊富な保育士に関する四万円程度の追加的な処遇改善、あるいはこれまで段階的に進められてきた幼児教育の無償化、こうした点について、その予算獲得に向けての大臣の御決意をお聞かせください。

国務大臣(加藤勝信君) 子ども・子育て支援新制度においては、量的拡充と質の向上を実現するため一兆円超の財源が必要とされている中で、消費税率が据え置かれている中にもあって、平成二十八年度当初予算においては、保育所等の受皿拡大に対応した〇・七兆円ベースの必要額をまずしっかりと確保させていただいているところであります。
 その上で、保育士の処遇改善については、来年度、更なる質の向上のメニューとして二%相当の処遇改善を行うとともに、今御指摘の保育士としての技能、経験を積んだ職員について四万円程度の追加的な処遇改善をこれは実施をするというふうに考えておりまして、そして大事なことは、一回限りでは駄目でありますから、継続して続けていかなければなりません。そういったことができるよう、予算編成過程でしっかりと検討させていただきたいと思います。
 また、幼児教育については、段階的無償化に向けて、家庭の経済状況にかかわらず希望どおりの人数の出産、子育て等の実現を図るとともに、全ての子供に質の高い幼児教育を保障するため、環境整備と財源確保を図りつつ進めてきているところであります。その対象範囲や内容等については、これは今申し上げた財源等のこともございますが、予算編成過程においてしっかり検討していきたいと思っております。

里見隆治君 大臣、是非とも必要な額の確保をよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。

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